2004年9月議会 個人質問(9月24日)

日本共産党伊丹市議会議員 上原ひでき

質問項目

1、JR伊丹駅東地区超大型店の影響と住みよいまちづくりの課題

2、牛肉偽装事件に関する農林水産省「末端業者リスト」における市内業者について

3、視力障害者へのガイドヘルパー派遣について

1、JR伊丹駅東地区超大型店の影響と住みよいまちづくりの課題

 @ 大型店出店による中心市街地並びに周辺商店への影響は住みよいまちづくりに逆行するものとなっていないか。

     ダイヤモンドシティテラスは、来客数も売上も当初の予想を大きく上回り、大変な賑わい。

     わたしは2001年9月議会で、「大型店の出店は身近な商店に大きな影響を及ぼし、中心市街地を空洞化させるとともに、地域の環境悪化や地域経済への悪影響などから、将来のまちづくりにとってマイナスとなる」と指摘して、「関西最大規模のこの大型店の出店は、必ず将来に禍根を残すことになる」と討論で述べた。

     この考え方に対して市長は、「(大型店という、)むしろ新しい資源を受け入れて、その資源を都市の活力に転化させ、現にある地域資源の調和を図った上で活用することにより、最大の効果を発揮し、より一層の都市の発展と真の市民福祉の増進が図れるものと考えております。」「中心市街地の方には地ビール、レストランの長寿蔵とか、美術館、工芸センター、柿衞文庫を含めた文化ゾーンが形成している。そこでの事業展開、宮ノ前地区の市街地再開発事業の完成によりまして、新たな民間開発の誘導等による中心市街地の魅力度を向上させることにより、JR駅東のショッピングセンターに来られた約年間800万人の方々の回遊率を高めるということは可能であると思っております。」

     当時の部長は、「伊丹市の状況を見ますと、買い回り品の市外流出が大きいという結果はございますし、加えてこのダイヤモンドシティーの出店計画がありますれば、購買流入が逆に見込めるのではないかと考えておりますし、さらには雇用創出で、ダイヤモンドの説明に寄りますと3000人くらいの雇用が出現できるということでございます。これが3000人の人件費を試算いたしてみますと、年一人150万の給与を支給されるとしますと、年間45億円程度になります。これらも地域に貢献してくると考えております」などと答弁をされていた。

     2年間経って、当時答弁されていたことがどんな結果になったのか。正しかったのか、ちょっとした見込み違いだったのか。大型店による影響に関して、大西議員の質問に対する答弁では大変大雑把なもので、中心市街地や周辺の商店に具体的にどんな影響が出ているのかわからない。しかも商店街が行った調査への見解に対する答弁もなし。あらためて当時の自らの答弁を振り返り、住みよいまちづくりに関して調査結果から実証的な答弁をお願いしたい。

(答弁趣旨)○大型店出展によるメリットを高めデメリットを限りなく低くする施策が、まちづくりにとって不可欠。今まで、ダイヤモンドシティのインフォメーションへの「伊丹のPRコーナー」の設置や観光物産協会の「展示販売コーナー」、案内板の設置、市道中央伊丹線沿道に「商業振興特定誘致地区補助制度」を適用などによって、中心市街地への交流人口を増やしたい。この施設が市外からの来客者増を図る拠点施設であり、中心市街地への回遊を図る。

 ○次のような変化があった。

  市民の市内購買(買回り品) 市民の市内購買(最寄品) 市内商業施設の販売額を市内購買額で割った率(買回り品) 市内商業施設の販売額を市内購買額で割った率(最寄品)
平成6年 49% 85% 70% 106%
平成15年 63% 90% 91% 113%

(再質問)    当時の答弁に市長・行政責任を持つことを質すために質問をした。これに対する実証的答弁は、市民が伊丹市内で購買する割合と伊丹の商業力、すなわち市内商業施設の販売額を市民の購買額で割った率を9年前の平成6年と昨年を比較してのべられた。しかしこの数字は、市外購買流出の改善というけれど、いままで市民が市外で購買していた特に買回り品が市内大型店に移っただけ。市外からの購買流入の大幅増も、大型店だけの繁栄に過ぎない。回遊性の実証にはまったく関係ない。    大型店開店から2年間のことだが、自らの当初計画・思惑、施策に対してどうなっているのかという検証が必要。それがなければ、無責任な答弁を言いたい放題で終わる。様々な方法で検証する意思があるのかどうか。

 (答弁)「時期」・「手法」を考えて対応していく。

A  中心市街地の考え方について

     中心市街地とは、いうまでもなく、単なる商業空間ではなく、住民の生活や交流のためのまちの中心軸である。したがって様々な生活機能が集積した複合的な空間、コミュニティとして整備されていくことが必要。

     いま、伊丹市の中心市街地整備に対する考え方の中心は、いかにダイヤモンドシティから人を呼ぶかである。もちろん市外から人が集まるまちにはそれなりの魅力が必要なことはいうまでもないことだし、現に存在する地域資源を生かし内外にアピールすることはいいことだと思うが。

     「伊丹市中心市街地活性化基本計画」策定時に市民からアンケートを取られている。中心市街地の理想像は、すみやすく買い物しやすいまちがトップで、だれもが気軽に出かけられる人にやさしいまち、歩いて楽しいまち、にぎわいと活気のあるまちと続いている。また、今後加えていくべき施設は、トップが町並みをきれいにしてほしい、次が商業施設周辺に緑や水辺がほしいとなっている。

     中心市街地の整備は、いうまでもなく市民を中心に、生活と交流の拠点として考えるべきであると思うが、見解を伺いたい。

 (答弁趣旨)ダイヤモンドシティとの共存共栄、「TMOの活動」「行政」の連携を強めながらまちづくりを進める。

B       今後の問題

     今後予定されている大型店として、伊丹市に近い宝塚市と、JR尼崎駅東側のキリンビール跡地にそれぞれ計画があると聞いている。大型店同士の潰し合いの狭間で、またゾロ身近な商店・商店街が消えていくことになる。

     地域社会に根付いている中小商店・商店街は、住民が歩いて買い物ができる身近な存在として、住民の生活に必要な利便を提供するとともに、地域コミュニティの核として地域社会を支えている。また経済的にも、地域商店の収益はその地域内の産業と雇用に還元され、循環して地域社会を潤している。いわば地域社会になくてはならない「地域共有の財産」といえる。このまちづくりの中心的担い手である商店・商店街の値打ちを見直し、発揮するようにすることは、まちづくりを考える上で不可欠である。

     これら地域の商店も、大型店の出店には歯が立たない。大店立地法では「需要と供給の関係を考慮」して施策することを禁止していることから、中小小売店や住民の立場から大型店を規制できなくなっている。しかし、「小売商業調整特別措置法」では自治体(都道府県知事)が関与して大型店との話し合い、調整が可能である。

     法14条では、中小小売商の経営の安定に悪影響を及ぼす恐れのある大型店の出店に対し、計画の内容を調査し、その結果を当該団体に通知すること、15条では紛争の当事者からの申請について、斡旋または調停を行うとなっている。商業機会を調整するとして作られたこの法律の活用は、大規模小売店舗の進出に対して有効な対抗策を講じることを可能にする。地域商業者はもとより、関係各団体にこの法の趣旨の周知徹底をはかり、今後この法律を活用して、大型店の一方的な進出を規制して中小企業、地域商業を守るべきであると思うが、見解を伺う。

(答弁趣旨)基本的な考え方としてすでにオーバーストアーのラインに近づいている。「小売商業調整特別措置法」は、大型店の出店を広くい規制するものではない。この法律での「特定の物品」とは市域全体またはそれ以上の区域にある中小小売業者団体が対象で、伊丹市に当てはめると「書籍」「酒」「家電製品」の商品が考えられる。

 

2、牛肉偽装事件に関する農林水産省「末端業者リスト」における市内業者について

 国のBSE対策事業を悪用した牛肉偽装事件で、詐欺や補助金適正化法違反などの罪に問われたハンナン元会長・浅田満被告ら12人の初公判が8月20日、大阪地裁で開かれ、浅田被告は起訴事実を認めた。起訴状などによると、浅田被告は、2001年から2002年にかけ、全国同和食肉事業協同組合連合会、大阪府食肉事業協同組合連合会など、同被告が幹部を務める組織を通じ、輸入肉など事業対象外の牛肉434トンを含む牛肉の買い上げや処分費用などを申請。助成金約50億4000万円を不正に受け取ったもの。さらに検察庁は、同被告がBSE対策が本格化した2001年10月上旬から繰り返し上京して農水省関係者に面会し、全同食が業務委託の形で事業に加わることを実現させている。このことは、わが党の小林参議院議員が国会で追求し確認されているが、浅田被告と全同食、全肉連の幹部が当時の畜産部長を高級焼肉料理店で接待していたという事実。しかもこの宴席で全同食に加盟する大阪、愛知、兵庫の三団体で1000トンづつ合計3000トンの買取申請をするという枠組みを決め、畜産部長の了解を得たという疑惑も報道されている。そして実際、全同食の肉の買取申請は、大阪府同和食肉事業協同組合が1145トン、愛知県同和食肉事業協同組合が1246トン、兵庫県同和食肉事業協同組合が897トンとなっている。

 全箱検査でもハンナングループ関連牛肉の不正はなぜ発見できなかったのか。全箱検査が開始されたのは、2002年4月25日。ところが疑惑の牛肉は1月11日から4月1日までにすべて焼却されていた。兵庫県同和食肉事業協同組合の897トンも、3月14日から4月1日までに大阪府内の4つのクリーンセンターで焼却されていたことが確認されている。

 問題は、農林水産省「末端業者リスト」に、疑惑の舞台である全同食の兵庫県同和食肉事業協同組合897トンの中に、伊丹市内の業者が含まれていること。この兵庫同食の補助金は17億2000万円。そのうちこの業者は、56.8トン、最終的に支払い証明書で確認されたのは他の業者も含めた220.6トンで、個人名で申請して補助金が支払われている。しかもこの業者は愛知県同和食肉事業協同組合のリストにも名前があり、164.2トンの申請で補助金が支払われている。

 この業者は食肉を学校給食納入している学校給食用物資納入業者で、一昨年までは単独契約だった業者。わたしたちはこの問題では、単独契約をやめて複数業者による公正な入札によって納入業者を決めるべきであると質してきた。現在は複数の業者になっている。この業者が偽装牛肉事件にかかわっていたのかどうかは明らかではないが、様々な疑惑を持たざるを得ない。

@     国の国産牛肉買取事業で、この業者が兵庫県で56.8トン、愛知県で164.2トンの牛肉を申請しているが、いったいどこに保管していた牛肉なのかということ。いままで学校給食の問題で質したとき、この業者の営業所は伊丹市立卸売市場にあることが答弁で明らかになっている。営業所の実体がないことに対して、ペーパー商法ではないのかとも質してきた。改めて答弁していただきたい。この業者の事業所の住所、保健所の許可証の住所、すなわち肉の保管場所。その場所で50トンも60トンも保管していた事実があったのかどうか。また契約書の写しを資料提供していただきたい。

(答弁趣旨)営業所所在地は本市卸売市場。本市場で事務所や店舗の使用を許可している業者ではなく、市が貸付「卸売市場協同組合」が管理運営している「大型冷凍冷蔵庫」の利用業者として「営業施設」すなわち使用する冷蔵庫を本市場とすることとして、昭和35年ごろから現在も継続している。食肉取扱量は納入先が市外にも存在し、他の保管施設をも使用していることから取扱量を把握することは不可能。契約書は交わしていない。

A     2001年〜2002年当時の学校給食での牛肉の納入実績、現時点でのこの業者に対する考え方について伺いたい。

(答弁趣旨)1年間で約7トンの牛肉を購入している。

B     新聞報道によると、警察は、「愛知、兵庫両県同食からの買上げ肉も含めた処分費の不正受給について、立件できないか検討している」といわれている。検察等の手が入り、浅田被告と同様の容疑ありとされた場合、どのような対応をされるの伺いたい。

(答弁趣旨)取引業者に違法行為等があった場合には、学校給食界とも協議し、市の指名停止基準を参考に厳正に対応していく。

 

3、視力障害者へのガイドヘルパー派遣について

 昨年4月にスタートした支援費制度は、予算不足が深刻な問題となっている。今年度の在宅サービスに対する国庫補助金の不足額が、200億から250億円に及ぶことが厚生労働省の推計で明らかになった。

 支援費制度は、民間の事業者などと障害者との契約に基づいてサービスを提供する制度で、政府は「自分でサービスが選べる」「21世紀にふさわしい福祉サービス制度」などと意義付けていた。しかし発足直後からホームヘルプサービスの利用予測を過小に見込んだため予算不足が深刻になり、今年度はサービス単価の切り下げや利用抑制策を実施して事態を切り抜けようとしたが、これが完全に破綻し、補正予算を検討せざるを得なくなった。当初から予算不足が指摘されていたにもかかわらず、欠陥予算を押し通した厚生労働省の責任が厳しく問われている。いま介護保険の見直しにあたって、支援費制度との統合が議論されているが、この議論はサービスの利用をどう抑えて給付費を減らすのか、国民の負担をどう増やすのかが焦点となっており、国民・利用者の立場からではない。国は大幅に障害者のための予算を増やし、障害者が自立して生活できる「支援費制度」にすること、このことを最重点にしなければならない。

 そこで視力障害者へのガイドヘルパー派遣に関して、当初自らが申請していた時間数を、必要に応じて増やしてもらえないとの声を聞いている。当局は昨年度の福祉対策審議会の答申によって、明確な支給決定体制をつくるとされたが、利用抑制になっているのではないかと危惧するものであるが、見解をうかがいたい。

(答弁趣旨)「伊丹市支援費制度調整委員会」での意見を受け「支援費標準支給モデル」を策定し、今年7月から運用している。サービスの必要性、利用目的の妥当性、介護者の有無などについて標準支給モデルを踏まえながら審査している。審査した結果利用希望に添えない場合もある。

(要望)「サービス利用要件に一定の基準を設けて査定せざるを得ない」とのことだが、障害者の尊厳が守られ、真に自立していく上で必要なサービスは提供できるのかどうか、答弁で「利用希望に沿えない場合も」あるとのことだが、そんなことなどなくすことを求めたい。