2004年9月議会 平成15年度伊丹市一般会計歳入歳出決算討論

              日本共産党伊丹市議会議員   中村 孝之

 

 ただ今、議長より発言の許可をいただきましたので、私は、日本共産党議員団を代表して、報告第6号「平成15年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」に対して、認定に同意できない立場から意見を述べます。

 本決算は、歳入総額で対前年度比0.3%増の608億1370万3854円とし、歳出総額で対前年度比0.1%減の601億7556万823円とするもので、この結果、歳入歳出差し引き額、6億3814万3031円、実質収支額5億4163万1031円とそれぞれ黒字となっています。

 2003年度における市民を取り巻く情勢は、小泉内閣による大企業のリストラ支援等よる雇用環境の益々の悪化、中小企業の倒産件数の増大に加え、社会保障の負担増で2兆7400億円、庶民増税で1兆5700億円の合計4兆円を超える国民の負担を増やしました。

審議の中でも、企業の雇用形態が正社員を減らし、パートなどの雇用を増やすなどのリストラにより、納税者数が昨年に比べて1271名の減少、また市民一人あたりの年間平均所得が、昨年の357万7千円から345万5千円に、12万2千円も減少したことが明らかになりました。6年前と比べれば、年間平均一人あたりの所得が28万円も減り、約1か月分の所得が消えたことになります。

 このような中で2003年度の本市に求められたのは、小泉内閣による国民生活破壊の政治から、市民の暮らしを守り応援する施策でありました。以下順次意見を述べます。

 

 まず歳入についてであります。

市税に関しては、法人市民税で前年度対比23.9%の増となったものの、個人市民税の対前年度比7.6%減をはじめ固定資産・都市計画税の減少により、対前年度比、7億5536万円、2.6%のマイナスとなりました。答弁の中でも今後増となる要素はないと述べられ、自治体の財政保障は今後の三位一体の改革の動向によるとされています。

しかし小泉内閣の方針は、国庫補助負担金の廃止・縮減と税源移譲をセットにして、補助負担金の縮減額の8割を税源移譲する、地方交付税の見直し・縮小はそれとは別個にすすめるとしている通り、三位一体改革の方針そのものが、国から地方への財政支出の削減をすすめるものとなっています。

小泉内閣の「骨太の方針・第4弾」を受けて、地方6団体がまとめた「改革案」は、この中に義務教育費国庫負担金や私立保育園国庫負担金などの義務的負担金の廃止を盛り込んでいることは是認できませんが、確実な財源保障を求める前提条件は当然の要求であり、この立場から政府に強く求めることを要望しておきます。

また公立保育所運営費をはじめとした超過負担の解消、航空機燃料譲与税算定における外国人世帯の算入等による増額、国有提供施設等所在市町村助成金の増額を国に求めることを要望するものです。

 

次に歳出についてであります。

その問題点の第1は、同和行政・同和教育です。

国による特別対策は2002年3月に終了していますが、伊丹市では2003年度も相変わらず様々な同和行政を続けました。

その問題の一つは同和事業促進協議会に対する補助金です。同和事業促進協議会は主に個人的給付に関する事業を行ってきましたが、今やその仕事はほとんどありません。にもかかわらず依然としてこれまでとほぼ同額の補助金を支出しています。2004年度で個人給付事業も終了することから、直ちに廃止することを求めるものです。

二つには共同会館事業についてです。質疑の中で、職員の勤務状況において、超過勤務時間が一人月平均70時間という異常な事態が明らかになりました。このこと自体が同和行政の異常性を反映したものです。職員の健康管理の上からも、超過勤務の大幅な縮減を求めるとともに、共同会館事業そのものも同和行政終了で一般対策に移行し、地域の障害者や高齢者が安心して暮せるまちづくりの拠点として、大幅に事業を改善されるよう求めるものです。

三つには同和保育事業です。伊丹市は同和保育を行う認識として、いまだに「生まれると同時に経済的、社会的、文化的に劣悪な環境におかれ」ているとし、同和保育の目標を「部落の完全解放に立ちがる資質を乳幼児期から身に付けた、解放のにないてを育成する」としています。時代錯誤もはなはだしい「同和保育基本方針」であり、このことがひかり保育所では、一般募集しながらも定員にも満たない充足率となっているとともに、部落差別をなくすことに逆行するものとなっています。直ちに廃止することを求めます。

四つには部落解放労働事業団に対する委託料ですが、当局は事業団のあり方について協議中とされていますが、自立の面からも、税金の使い方の面からも直ちに一般対策に移行することを求めます。

また教育委員会に対しては、昭和47年、即ち32年前に策定した同和教育基本方針を基にした同和教育の終結と解放児童館事業を廃止し、本来の児童館としての役割りを強く求めるものです。

第2には財政健全化計画に基づき、保育所保育料の連続値上げ、寝たきり高齢者への家庭慰問品の廃止、定時制高校授業料の有料化など、長引く不況の中で市民所得が大幅に減少しているもとで、市民負担を増やしたことです。いま必要なのは、不況で苦しむ市民の生活を応援する施策であります。

第3には教育における日の丸・君が代の問題です。この法制化にあたっての政府の見解でも、国民に日の丸の掲揚、君が代の斉唱を押し付けるものではないとされています。しかし教育委員会は、国民に強制できないものを学習指導要領に基づき、入学式・卒業式で教師や児童・生徒に押し付けています。学校教育に混乱を持ち込み、憲法第19条に規定する思想及び良心の自由を踏みにじるものであり、やめるべきであります。

以上3点にわたって問題点を指摘しましたが、2003年度事業の中でも評価すべき点もあり、今後の施策の中で実現を求めることも含めて指摘します。

第1は、「まちづくり基本条例」を制定され、市民の参画と協働のまちづくりに向けた体制整備に努められ、審議会への市民公募枠の設置、市民会議等対話の場の設置、パブリックコメント制度の実施、まちづくり出前講座など具体的な施策展開が始まったことは評価すべき点です。今後、住民自治の充実に向けた更なる施策展開を求めるものです。

第2は、不登校の現状は、全国的には減少していますが、伊丹市では平成15年度、増加をしています。これまで様々な施策を展開され、今年度については不登校対策推進委員会の設置、「第2やまびこ館」の設置など評価するものでありますが、さらにスクールカウンセラーの充実などを求めるものであります。

第3は、教育委員会は知的障害者の就労の場となっています三田市民健康村の養鶏場の廃止を考えられていますが、廃止する理由には妥当性を欠くものであり、再検討を強く求めるものであります。

第4は、公立幼稚園の4歳児について希望者全員が入園できるような受け入れ人数枠の拡大と幼稚園の増築などを求めるものであります。

第5は、環境基本計画を策定されるとともに、ごみ減量化、リサイクルの推進が一定前進したことであります。今後は一般廃棄物処理基本計画に基づき、事業系ごみの減量化、リサイクルの推進に努められることを求めるものです。

第6は、雇用対策において、国の緊急雇用創出事業によって9事業で延べ4564人の雇用を創出したことは、不安定な雇用状況の中で一定の効果を発揮しました。国は今年度での打ち切りを打ち出していますが、来年度以降の継続を国に求めるとともに、障害者雇用では、一般就労・福祉就労での更なる努力を求めます。

第7は、次世代育成支援行動計画(案)を策定され、今年度にはタウンミーティングの実施等を経て計画を策定されます。策定にあたっては、子どもの権利条約を基本理念に据えた事業の見直しと新たな事業を盛り込むとともに、ニーズ調査に基づく学童保育、保育所、児童館などの目標設定と、それに見合う財政的な保障を国に求めるよう要望します。

以上主な点について述べましたが、その他委員会で要望しました点は、ぜひ来年度の予算に反映していただくことを求めるものであります。議員各位のご賛同をお願いいたしまして、討論といたします。