04年9月議会最終本会議  意見書案討論(最終) 

 加柴 優美

 

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して意見書案第11、12、13、14号に賛成、第10号に反対の立場で討論を行います。

 初めに、私たち日本共産党議員団が、意見書案第10号「地方分権推進のための『国庫補助負担金改革案』の実現を求める意見書」に賛同せず、第11号「地方分権推進のための地方財源の確保に関する意見書」を提案した理由を述べます。

 もともと小泉内閣の方針というのは、国庫補助負担金の廃止・縮減と税源移譲をセットにして、補助負担金の縮減額の8割を税源移譲する、地方交付税の見直し・縮小はそれとは別個にすすめるもので、「国の予算編成は、国の財政健全化方策に特化されたもの」と意見書案文中にもふれている通り、「三位一体改革」の方針そのものが、国から地方への財政支出の削減をすすめるものとなっています。

 これに対し政府に提出した地方六団体の「国庫補助負担金等に関する改革案を提示するにあたっての前提条件」、すなわち意見書案に示されている以下の前提条件は、税源移譲との一体的実施や地方交付税による確実な財政措置など、財源確保の当然の要求が並べられており、私たちも賛成するものです。

 しかし一方で同「改革案」には、義務教育費国庫負担金(うち今回は中学校教職員給与費相当分)や私立保育園の国庫負担金など義務的負担金の廃止が盛り込まれており、とうてい是認できるものではないということです。

 全国知事会でのとりまとめ経過を見ても、焦点の義務教育費国庫負担金をめぐり賛否両論が飛び交い、難航し、のべ3日間の大論議の結果、知事会でははじめてとなる採決をおこなって、補助負担金の削減案を決定したことはご承知の通りです。13知事が削減案に異論をとなえ、「本来、義務教育の水準の確保は国の責任で行われるべきであり、これを実質的に担保しているのは、義務教育費国庫負担金制度である。」「人材こそが唯一無二の資源である日本において、基礎的な学力をすべての子どもに授ける義務教育は、その実施主体を問わず、国家が責任をもって財源保障すべきものである。」

等の意見が地方六団体の「改革案」に付記されています。

 日本共産党議員団が意見書案第10号の「よって・・」以下の三行を訂正し、11号として提案したのは以上の理由によるものです。

 なおつけ加えるならば、伊丹市議会は今年の6月議会で「義務教育費国庫負担金制度の堅持に関する意見書」を圧倒的多数で可決しています。この意見書では「義務教育は、国民として必要な基本的資質を培うものであり、憲法の要請として、教育の機会均等と全国的な義務教育水準の維持向上をはかることは、国の責務である。」と述べています。「義務教育費国庫負担金制度の堅持」の立場は伊丹市議会の確固たる意思であり、地方六団体が取りまとめた「国庫負担金廃止」との内容にはおよそ賛同できないのではないでしょうか。

 

次に意見書案第12号「郵政事業の現行経営形態を継続することに関する意見書案」についてです。

 世論調査では九割の人が「民営化がなぜ必要なのか、小泉総理は十分な説明をしていると思わない」と答えています。便利な郵便局、とりわけ地方にはかけがえのない郵便局を存廃の危機にさらす民営化に国民多数は納得していません。

 郵政は、郵便、郵便貯金、簡易保険の三事業の一体運営で、銀行をしのぐ経営効率を実現し、政府が貯金や保険の払い戻しを保証することでコストをかけずに安心を提供することを可能にしています。これらによって郵政は、税金投入をいっさい受けずに、過疎化に見舞われている地方にも郵便局網を敷き、郵便、郵貯、簡保の全国共通サ−ビスを確保してきました。三事業の一体運営と政府保証は郵政の全国共通サ−ビスを支える経済的土台であり、これを破壊すれば全国共通サ−ビスは維持できません。

 また郵便貯金は、銀行がないがしろにしている庶民の貯蓄・決済サ−ビスを担い、くらしを支える不可欠の生活基盤です。これを民営化で壊すことは国民的損失というほかありません。

 国民の立場から郵政が国営でなければならない理由は山ほどありますが、民営化論は銀行業界などの身勝手にすぎず、道理のかけらもありません。郵政民営化を中止することこそ国民的利益です。

 

次に意見書案第13号「無認可保育所の保育料を消費税非課税扱いとすることを求める意見書案」についてです。

 無認可保育所に消費税が課税されているということに意外な気がする方も多いかと思います。これは、現在の消費税法が、医療、福祉、教育などの事業について非課税の措置をとっていることから、当然、保育所も社会福祉事業として非課税と考えるからではないでしょうか。確かに、認可保育所については非課税措置がとられているのですが、無認可保育所については、社会福祉事業に該当しないとの政府見解からこれまでも消費税が課税されてきたのです。

 この政府の見解は、恒常的な公立保育園の不足状態を補完している多くの無認可保育園の実態を無視したものでしかありません。また政府も小泉内閣が掲げる「待機児童ゼロ作戦」において、無認可保育園で保育される児童は待機児童とみなさないと定義を変更し、無認可保育園を積極的に活用する方針をとっています。このように、あまりにも身勝手な政府の見解は許されません。

 今回の改正消費税の適用によって、かなりの無認可保育園が課税の対象となりました。関係者の話によると、保育児童数が約15〜50人の規模の無認可保育園が対象になります。

 なおこの間、無認可保育所の関係者や保護者の粘り強い運動により、厚生労働省は8月31日、2005年度の予算概算要求、税制改正要望として「無認可保育所に対する消費税の非課税措置」の項目を財務省に提出しました。しかし実際に来年度予算に盛り込まれるかどうか、どの範囲まで非課税となるのかどうかはこれからの働きかけにかかっているといえます。

 

最後に意見書案第14号「宜野湾市での米軍ヘリ・CH−53Dの墜落事故に関する意見書案」についてです。

 今回沖縄国際大学構内に墜落した米軍ヘリコプタ−が飛び立った普天間基地とは、宜野湾市のど真中にある米海兵隊の飛行場で、2800メ−トルの滑走路一本を有し、市の資料によれば、ヘリ56、固定翼機15の71機が常駐しています。基地の面積は約480ヘクタ−ル(大阪国際空港の約1.5倍)。宜野湾市全体の約25%を占めます。

 さて9月12日には沖縄国際大学にて、米軍ヘリ墜落に抗議し普天間飛行場の早期返還を求める宜野湾市民大会が開催されました。宜野湾市のHPには、市民大会について「市民大会としては異例の3万人あまりの市民・県民が結集し、普天間飛行場のヘリ基地としての運用停止と早期返還などを県及び日米両政府に求める市民決議を採択した。」と紹介しています。また続いて、「今回の大会は、これまで誰もが恐れていた米軍機の民間地への墜落という大惨事が起き、はかり知れない物的・精神的被害を受けた市民を無視したヘリ飛行再開に対する怒り、そして改めて認識させられた世界一危険な普天間飛行場の即時閉鎖・早期返還を求める市民・県民の切なる思いを再認識する大会となりました。」としています。

 頻繁(ひんぱん)に米軍機が離発着する大阪国際空港が市街地のど真中に存在する点では、宜野湾市の事故は決して他人事ではありません。

 以上、議員各位のご賛同をお願いして討論とします。