3月9日(火)上原ひでき議員が代表質問を行いました。要旨は下記の通りです。

1、市長の政治姿勢を問う

1)アメリカいいなりのイラクへの自衛隊派兵と国際平和秩序

  小泉内閣は戦後はじめて、現に戦闘が続いている地域に武装した自衛隊を派兵した。しかし政府は、国会審議の中でまともに国民の疑問には応えることができず、7割以上の国民が政府は説明責任を果たしていないとしている。これは自衛隊派兵の根拠がことごとく崩れていることから小泉首相にはその説明がつかないもの。

  第1に、そもそもアメリカのイラク戦争と軍事占領には大儀がないということ。国連は武力行使を禁止しているにもかかわらず、アメリカは「大量破壊兵器があるから」ということを最大の理由として先制攻撃を行い、小泉内閣も同じ理由で戦争を支持した。しかしアメリカの大量破壊兵器調査チームの責任者であるデビット・ケイ氏は、「もともと存在しなかった」と証言。戦争に大儀はなく、したがって国連憲章違反の侵略戦争そのもの。

  第2に、政府は「戦争にいくのではない」「人道支援にいく」と言っているが、「基本計画」や「実施要項」には自衛隊は「安全確保支援活動」すなわちアメリカの軍事占領支援を行うと明記されている。しかもイラクにある連合軍報道情報センターは「自衛隊は、CJTF7(第7連合統合任務軍)の指揮下に入る」と言明。自衛隊は占領軍の指揮下に置かれ、占領軍の一員として行動する。これは「武力による威嚇」「武力の行使」を禁止した日本国憲法第9条に明確に違反するもの。

  第3に、政府は「国際協調」を金科玉条にしているが、国連のアナン事務総長は昨年9月の国連総会で、アメリカの先制攻撃を「国連憲章の原則への根本的挑戦」と厳しく批判した。国連安保理決議1483は、国連加盟国がイラクへの人道支援や復興に役割を果たすことを決めたが、軍隊を派遣することは認めていない。だからこそ軍隊を派兵しているのは国連加盟国191か国中日本を含めて38カ国、安保理15カ国のうちわずか5カ国のみ。政府の「国際協調」とはアメリカいいなりの国際的孤立の道である。

  いま政府がしなければならないことは、このような大儀のない戦争を支持して国連憲章にも憲法にも違反して自衛隊を派兵することではなく、平和憲法を持つ国としての外交努力で、一日も早くイラク国民の手に主権を返還し、アメリカ軍の不法・不当な占領をやめさせることであり、復興支援は国連中心の枠組みで行うようにすることであると考える。

  市長の見解を問う。

 

2)憲法改正論議と第9条

  昨年の総選挙後、憲法改定に向けた動きが相次いでいる。この動きと並行しているのが、日米安保体制を文字通りの「地球規模の日米関係」として強化し、自衛隊の役割と機能を「地球規模」に拡大しようとする動きである。これはイラクへの自衛隊派兵と一体的に論議が加速していることから明確であるが、自衛隊を米軍が行う戦争に地球的な規模で参戦する、本格的な海外派兵のための軍隊に変貌させるためのものであり、憲法9条の明文改憲の動きそのものである。

  このことは、小泉首相が「すっきりとした形で憲法改正することによって、(自衛隊について)違憲論、合憲論の見方が分かれる状況はなくしたほうがよい」とし、自衛隊を「国軍」と認めることを求めていることからも明らか。

  しかし、21世紀のアジアと世界の大局的な動きを見れば、憲法9条は時代の先駆をなすものとして注目されている。

  「東南アジアの平和憲法」と呼ばれる東南アジア友好協力条約では、その第2条の基本原則で、すべての国家の独立、主権、平等、領土保全、平和的手段による紛争の解決、力による威圧や力の使用の放棄などが列挙してあり、まさに憲法9条の戦争放棄の精神そのもの。この条約にインド、中国が加入し、20数億人が参加する強力な平和の流れがつくられ、アジアの大勢となっている。

  また2000年に開催された国連ミレニアム・フォーラムの「平和、安全保障、軍縮」グループの報告書では、「すべての国がその憲法において日本国憲法第9条に表現されている戦争放棄原則を採択するという提案」がされた。

  このように21世紀は憲法9条の理想が世界中に生かされる時代であり、そのときに、世界に誇るこの宝を放棄することが、いかに時代逆行の寓行であることは明らかである。

  市長は憲法9条が変えられようとしていることに対してどのようなお考えをお持ちなのか、見解を伺う。

3)国民生活破壊を進める小泉内閣――年金制度改革、国民の7兆円負担増

  小泉内閣、自民党政治の経済政策の行き詰まりと破綻の中で、国民の生活は未曾有の危機にさらされている。昨年10月から12月期のGDPが、実質の年率換算で7%増となったと内閣府が発表、福田官房長官は「企業部門が回復しつづけ、家計にも明るさが及んでいる」と述べた。しかし「明るさとはいったいどこの話なのか」というのが、大方の国民の実感。中身を見れば、自動車や電子・電気産業がもうけ、設備投資を増やしたということであり、そのもうけは、大企業のリストラによって中小企業や労働者・国民の苦しみの上に築かれたものである。主要大企業20社の連結内部留保が2年間で2兆円増加し、2003年には約39兆円にもなっているとの調査結果もある。

  一方、失業率が5%を超え、失業者は300万人台、中小企業の倒産も昨年1万6千件を超えた。このことなどで、伊丹市民の1年間の総所得は、5年前と比べて306億円、4人世帯で年間約63万円も減少していることが昨年の決算議会で明らかとなった。いま政治に求められていることは、国民の暮らしを応援すること。

  ところが小泉内閣は、年金制度改革改革、7兆円もの国民負担増を図るなど国民の暮らしを破壊する政治を推し進めている。

  第1に、年金制度改革については、「年金100年安心」どころか、2017年まで毎年保険料を引き上げ、給付の引き下げを自動的にできるようにするもので、国民の将来不安を拡大するもの。特に国民年金受給者にとっては、月額平均4万6千円しかない給付を15%も引き下げようとしており、憲法が保障する国民の生存権を侵害するものである。財源問題でも消費税増税が浮上しているが、増税なしでも、直ちに国の負担分を2分の1に引き上げること、積立金の活用では政府は株式投機などで6兆円を超える損失を出しているが、このようなことはやめて厚生年金だけで175兆円もある積立金を年金の改善に活用すること等で十分改善はできる。

  第2に国民への負担に関しては、小泉内閣発足後の3年間で、実行済み、または決定済みの負担総額は、医療、年金、介護、酒税増税などで4兆3千億円。来年度予算に盛り込まれているものとして、年金保険料引き上げ、所得税における老年者控除の廃止など増税などで約3兆円の負担増。このことは国民生活を破壊させるだけではなく、昨年12月の第一生命研究所のリポートで「今回の制度改革によって国内需要の大黒柱である個人消費が景気回復の足を引っ張る可能性も否定できない」と分析している通り、益々不況を深刻化することになる。

  市民の暮らしを守ることを責務とする市長の見解を問う。

 

2、財政問題

1)小泉内閣が進める「三位一体」の財政改革と伊丹市への影響

  今回政府が、「三位一体」の財政改革の名で地方交付税と臨時財政対策債を合わせて2兆8623億円もの大幅な地方財源を削減したことに、全国各地から悲鳴が上がっている。福島県知事は「地方分権で残された税財源の改革を三位一体でできると思ったら大間違いだった」といい、新潟県知事も「12月段階でいきなり収入不足が倍増するやり方はむちゃくちゃ。強い怒りを感じる」とした。全国市長会も「三位一体改革に関する緊急要望」を政府に提出。伊丹市においても、削減額11億円の影響。一方所得譲与税は暫定的とはいえ3億2千万円だけ。

  政府が「地方分権」の名のもとに進める「三位一体」の財政改革は、財政負担を地方に転嫁し、国の支出を削減しようとするもので、本来の地方財政の確立ではなく、国庫補助負担金と地方交付税という地方財源保障制度の二つの柱を切り縮めていくことである。地方交付税は、憲法が定める地方自治権を保障するものであり、国の財政悪化を理由に一方的に削減することは許されるものではない。

  市長は、地方自治と市民の暮らしを守るため、このような無法を許さない立場で国に立ち向かうべきであると思うが、見解を伺う。

 

2)伊丹市の財政健全化計画(市民負担増、行政評価の結果)

  伊丹市は、このような国による一方的な財政削減と不況の長期化による市税収入の減少の中で、厳しい財政運営を迫られていることは事実。しかし地方自治法第1条の2に規定する「住民の福祉の増進を図ることを基本」とした地方自治体の役割を踏み外してはならない。

  第1に、生活保護における法定外扶助、夏期・冬期見舞金の廃止は中止すること。この見舞金は、約30年間、憲法第25条が定める「健康で文化的な生活を営む権利を有する」とする立場から、伊丹市が独自に支給してきたもの。財政が厳しいことで切り捨てる性格のものではない。

  第2に、3年計画で行っている保育所保育料の引き上げと市立高校の授業料値上げは中止すること。消費不況といわれているこのときに、市民の負担を増加させることは、市民生活の破壊と不況を深刻化させるだけ。

  第3に、行政評価を実施したことで事業費の見直しを行ったとされ、また2003年度末の成果指標値が目標の90%以下となる見込みの約80事業について、縮小・休止・廃止等を含めた見直しを考慮したいとしている問題。

総合計画上の施策のレベルに一定の目標数値を設定し、それを基準に施策を評価する方法が取られているが、そのことによって当該施策の内容や課題、方向性を明らかにするということにつながるものとなっている。そこで問題となるのが、数値の設定を誰がどのような基準で設定するのか、達成度が低いことで縮小や廃止につなげることができるのか、それをどこで誰が議論するのかである。そしてこの行政の自己評価のシステムを確立することとあわせて、総合計画上の施策議論になれば当然情報公開と市民参加も視野に入れる必要があると考える。

以上3点に関して見解を伺う。

 

3、憲法に規定された人権問題について

  市長は予算の提案説明の中で「様々な人権問題について、差別意識の解消並びに人権意識の高揚を図るため、多様な人権教育及び人権啓発の推進に努め」るとされた。一方、憲法には第11条「基本的人権の享有」など国民の多様な人権保障が明記されており、第97条は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」とし、第99条は、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とされている。市長はじめ地方公務員は憲法を守り、市民の基本的人権を保障する義務を負っている。この立場から以下の件についての見解をうかがいたい。

1)企業職場で男女差別など人権侵害はないか

  例えば住友電工本社で働く女性二人が、同社と国を相手に訴えた男女差別訴訟が大阪交際で和解したことが報道された。提訴から8年間。同じ高卒、同じ事務員として入社しながらも、男性と違い教育研修を受けることもできず、賃金格差は月額24万円以上に広がっていた。和解によって二人は主席と主査にそれぞれ昇格し、原告以外の女性4人も主席昇格。高裁の和解勧告は「男女差別の根絶をめざす運動の中で一歩一歩前進」し、「すべての女性がその成果を享受する権利を有する」と明確にうたった。

  このような企業における差別は氷山の一角であり、訴訟までしなければ解決できないような事態が存在しているのではないか。伊丹市としても、このような男女差別やサービス残業という名での賃金未払い、過労死するほどの長時間過密労働など人権無視の実態を国・県とも連携して根絶していかなければならないと考える。またサービス残業が違法であることを知らない若者もいる実態があり、働く権利そのものを知らせる活動が必要と考えるが見解を伺う。

 

2)生存権は保障されているのか(生活保護行政)

  長引く不況、失業、倒産など国民生活の悪化が進む中、生活保護世帯は全国で過去最高の94万世帯となり、伊丹市でも急増している。国民生活の最後の「安全網」としての生活保護制度の役割は益々大きくなっている。にもかかわらず、小泉内閣は生活保護基準の引き下げ、2005年には保護費の国庫補助率を削減するなどの方針。憲法25条に規定されている「健康で文化的な最低限度の生活」保障にふさわしい行政となっているのかどうか。

  第1に、政府が進めている制度改正の問題。小泉内閣は「骨太の方針・第3弾」で社会保障分野の補助負担金抑制」のために生活保護費の改革をするとし、生活扶助基準の引き下げで10億円、老齢加算の廃止で337億円、今回は見送りとなったが母子加算の廃止で100億円、国庫補助率の削減は1890億円という大規模な改悪を打ち出した。国民が生活に困窮したとき、国の責任でその最低生活を保障するのが憲法の生存権理念に基づく生活保護制度の役割。この改悪は国の責任放棄。保護基準切り下げは、受給者はもちろん国民生活全体に影響を及ぼすもの。もともと生活扶助基準は一般勤労者世帯低所得者層の消費水準の70%の水準でしかない。さらに保護基準は最低賃金や課税最低限の算定基準、国保税の減免、公営住宅家賃の家賃減免など様々な低所得者対策の指標となっている。生存権を踏みにじる制度改正である。

  第2に、生存権保障のため、伊丹市で改善しなければならないこと。その一つは、法第7条保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基づいて開始するものとする」とした申請保護の原則に基づき、申請の意思を示す人の申請を窓口で受け付けること。申請書を役所の窓口に置くようになった自治体は195市町村になっている。

二つには、資産活用に関して、本人と家族の資産調査を全面委任するやりかたはやめ、秋田県の「調査への同意は本人の自由意思を尊重し、調査は本人の申告を基本とする」ことを基本にすること。神奈川県、大阪府でも同様の措置がとられている。

以上、生存権を保障する立場にある市長の見解を伺う。

 

4、中小企業・業者対策と地域経済活性化について

  日本の大企業はグローバルに国内外工場の生産体制を再編し、製造コストの安い中国をはじめとする東南アジア諸国への工場進出、生産拠点の移転を行い、製品の逆輸入の増加、激しい価格競争等によって国内の各地域の工場が閉鎖や休止に追い込まれている。いわゆる産業の空洞化である。大企業のリストラ、毎年1万件を越える中小企業の倒産、失業者数300万人。これらにより自殺者が5年連続3万人を超え、そのうち経済的理由が9000人という世界で最も異常な高さ。

「21世紀は中小企業の時代」といわれながら、圧倒的多数の中小企業、とりわけ家族従業員に依存する自営業、生業の中小企業の不況と衰退傾向は顕著。

大企業は国内地域の工場立地には関心や責任は持たなくなっている中で、伊丹市でも圧倒的多数を占める中小企業・業者が地域経済の担い手としてその存在は益々大きくなっている。商業にしても工業にしても、中小企業のほとんどは地域で存在し、その立地地域を放棄しては経営ができないがために、地域とともに発展する存在。

伊丹市の中小企業対策でも、地域経済の主役として中小企業を位置付けているところだが、以下の点について見解を伺いたい。

1)ダイヤモンドシティ伊丹テラスの繁栄と中心市街地の空洞化

  ダイヤモンドシティ伊丹テラスは開店1年間で当初の予想を大幅に上回る来客数。一昨年の代表質問で、市長提案の「地域資源を最大限活用したまちづくりの挑戦」に対して、地域資源活用による内発的発展を拒むものとして、大型店出店という外来的要因が市内商業の発展を阻害することになるのではという趣旨の質問をした。市長は「外来する新たな資源を、都市の健全な発展の阻害要因としてとらえ、現在の地域資源だけを活用して、都市の発展と住民福祉の増進を図るとい考え方ではなく、むしろ新しい資源を受け入れて、その資源を都市の活力に転化させ、現にある地域資源の調和を図った上で活用することにより、より一層の都市の発展と真の市民福祉の増進が図れるものと考えております。」と答弁。ダイヤモンドシティ伊丹テラスという新たな外来資源は、伊丹の発展にどのように寄与したのか。

  一方中心市街地商店街では空き店舗が急増。中心市街地の空洞化を招いている。中心市街地活性化計画作成時の市民アンケートでは、市民は中心市街地に「住みやすく買い物しやすいまち」を求め、同時にきれいな街並みや緑や水辺などの安らぎ、アミューズメント機能を求めている。中心市街地のまちづくりは何よりも市民が憩える場所でなければならない。伊丹タウンセンターは市民参加で行われていると思うが、消費者の声がどのように商店街づくりに反映されているのか。イベントは盛んに行われているが、商店街全体の活性化とどのように結びつける努力がされているのか、伺いたい。

 

2)中小企業・業者支援は融資中心でいいのか

  全国商工団体連合会付属中小商工業研究会の営業動向調査では、全体として若干の売上回復の傾向があるものの、72.7%が「減少した」としている。経営上の困難点では「仕事・顧客の減少」「競争の激化」「低い下請け単価」が目立つ。融資制度の改善に関しては伊丹市は先進的な取り組みをしていると評価するが、ベンチャービジネスなどの新規開業など一部の企業に対する助成と資金繰りが大変な企業への助成で、資金繰りどころか仕事がない・減少したと答えた圧倒的多数の中小企業に直接支援する施策が必要なときではないか。

  昨年9月議会の代表質問で、明石市などで行われている「住宅リフォーム助成」を紹介し、この制度の実現を求めた。答弁では、「民間住宅のリフォーム助成制度は、建設業への支援を中心に行われるものであり、本市では厳しい財政状況の中、限られた財源配分を全業種に等しく支援していくため、伊丹市中小企業融資斡旋制度の保証料、利子に対する援助を、他市に比べて厚く実施」しているとされた。しかし埼玉県20自治体で実施されているのを見れば、助成総額は8400万円だが総工事費は13億8300万円で約14倍の経済波及効果が。明石市では助成総額8000万円に対して工事総額が約13億円で16倍の効果があるとされている。融資制度の改善は大事な課題だが、どれくらいの経済波及効果があると見ているのか。このリフォーム助成制度は、地域経済活性化の一つの契機になる。再度実現を求めるが、見解を伺いたい。

 

5、介護保険制度の2004年度見直しにあたって

  介護保険に関しては、全国的にサービス利用者が急増、発足3年間で約80%の増加。伊丹市においても、第2期事業計画に比べて2003年度決算見込みでは、居宅介護支援、訪問介護をはじめ大幅なサービスの増加となっている。

これらの事態を受け、政府は2000年度のスタートから5年をめどに見直すとされてきたことから、今年1月、その作業に着手し始めた。しかしその内容は介護サービスの利用増に伴う給付費における国の財政負担抑制だけに目を向けている。給付削減の論点として、要支援、要介護1、2、3の軽度の介護サービス利用増を問題視し、要支援サービスの廃止が議論にあがるとともに、要介護各段階の給付費限度額の引き下げが議論されている。また利用者・国民負担に関しても、施設サービスでの家賃、水光熱費などのホテルコストを利用者負担にすることや、現在40歳以上となっている加入年齢の引き下げ、さらにサービス利用における自己負担の引き上げ、さらに障害者支援費制度との統合。

  しかし介護初期サービスを薄くすれば生活の自立に支障をきたし、長期的に見れば逆に総給付を増大させることになる。20歳以上の約半数が保険料未納となっている国民年金の実態を見れば、加入年齢の拡大はさらに若者の負担を増やす。支援費制度との統合は、支出削減の意図が見え見えで障害者の合意は得られない。目先の帳尻あわせに汲々としていたのでは、本来介護が必要な人にサービスが提供できない。介護保険制度そのものの存在が問われることになる。

  また、2004年度政府予算に関しても、障害者支援費制度におけるホームヘルプサービスに対する国庫負担の予算が100億円足らない事態や、特別養護老人ホーム建設補助を3割カットする政府通知などに対して自治体からも苦情が殺到している。

  これら小泉内閣の「構造改革」、「三位一体の改革」によるサービス低下と予算削減に対して、これをやめるよう強く要望することが求められている。見解を伺う。

  さらに、在宅サービスの利用状況に関して様々な意見があるが、全国的な問題として、利用限度額にたいする平均利用率はいっかんして40%程度にとどまっており、介護が必要と認定された人も5人に1人以上、約70万人がサービスを利用していない。これは施設サービスの利用者数に匹敵する人数。重大なことは、低所得者の利用が低下していること。内閣府の研究報告(「介護サービス価格に関する研究会」、02年8月)によっても、訪問介護サービスの利用者数は、全体では増えているのに、低所得者は制度の導入前と比べて逆に10%も減っているという結果。これらの事態は必要な人が介護を受けることができているかどうか根本的な問題であり、その上に利用者負担や利用抑制がされれば重大な事態になりかねないが、伊丹市における低所得者の利用実態について伺う。

  いずれにしても、利用者が増加し、そのことで財政的に困難な事態を招いている原因は、政府が介護保険前の国庫負担率2分の1を4分の1にしたこと。2分の1の国庫負担を国に求めるべき。また伊丹市が自治体の本来の役割として「住民の福祉増進」の公的責任を果たすためは、事業者任せではなく、特別養護老人ホームの待機者が何人いるかわからないという事態をなくすことや本当に介護が必要な人が十分サービスを受けることができているのかということをきちんと掌握し、必要な対策をとること。見解を伺う。

 

6、同和問題
  同和行政・同和教育終結に関してはこれまで再三にわたって要望してきた。このことは国による33年間に及ぶ同和特別対策が終了するときの総務省の理由、すなわち一つには、特別対策は本来時限的なものであること、二つには、特別対策をなお続けることは、差別の解消に必ずしも有効ではないこと、三つ目には、人口移動が激しい中で、同和地区、同和関係者に対象を限定した施策を続けることは、実務上困難であることを上げてきた。当局は「部落差別がある限り同和行政を続ける」と繰り返し答弁。しかし来年度予算の同和対策事業費は市民啓発事業費2,379、同和事業促進協議会補助金7,244、ふれあい交流センター管理運営費28,007。同和事業促進協議会は来年度には個人給付事業は終了し、その役割はなくなる。同和対策事業と呼べるものはなにもない。啓発・教育に関しては、過去の差別実態と一部の差別問題をことさら強調することで、逆に部落差別を残す役割を果たしている。あらためて同和事業促進協議会の解消、地域を歴史的、社会的理由により、生活環境等の安定向上が阻害されている地域と規定した伊丹市ふれあい交流センター条例の改正、共同会館における一部運動団体の占有許可の改善、同和保育、同和住宅の一般対策化、解放児童館の解消を求める。何よりも「市民の参画と協働」を言いながら13年間も同和対策審議会開催せず、そのもとにつくった解放同盟中心の「同和対策協議会」で不公正な同和行政を続けるという、他市に見られない市民不参加行政を改めること。そして「解放同盟」だけではなく、対象地域で生活をしている住民の声を聞くこと。私たちの調査で出された中には「私は子どものころから同和地域にすんでいたり、隣町に住んでいたり、すぐ近くで見てきました。今は同和地域に住んでいます。私の年代には同和差別はないと思います。それは30年間の成果だと思います。しかも今後の必要だとは思えません。これ以上続けることは余計な意識を植え付け、反対に「差別」を生み出します」というような声がある。幅広い市民参加のもとに同和対策審議会を開催し、伊丹市における同和対策終了に向かうことを求める。
7、教育問題

1)兵庫県の35人学級調査に伊丹市はなぜ消極的だったのか

  兵庫県は、今年4月から希望する市町に対して小学校1年生の35人学級編成を認めることを発表した。これまでの教育関係者や住民の運動が実ったものとして歓迎したい。また、このことは昨年12月に兵庫県は市町の35人学級の意向調査を行い、その結果小学校1年生で35人以上の学級があるうち、9割以上が35人学級を希望したことも影響した。ところがその意向調査で伊丹市は35人学級を希望していない。一人一人にゆきとどいた教育をすすめるため、30人学級を求める署名が伊丹市で約13000名、県下で50万人集約されたが、この願いに反するのではないか。見解を問うとともに、今後の方針について伺いたい。

2)不登校問題について

  不登校やいわゆる「ひきこもり」など新たな問題が増えている。「ひきこもり」期間は十年単位の長期にわたる場合もあり、本人の苦しみ、家族の悩みは深刻。

  これらには、第三者のかかわりや支援が必要だと指摘され、子どもの自立をささえる社会環境の整備とともに、相談・支援のしくみを広げることが必要。

今回新たに、「不登校対策推進委員会」を設置するとの方針が示されたが、このことを含め、伊丹市として公的な相談・支援の体制では、誰でも安心して相談できる体制は十分なのかどうか。また人間関係の形成や就労援助など、子ども・青年の人間的自立を支援するための公的な体制はどうか。さらに「親の会」など民間のとりくみへの公的支援に関して、教育の現状に問題を感じ、子どものために行動する様々な人々のとりくみに対する支援をどのように考えるのか伺いたい。

スクールカウンセラーに関しては、兵庫県による設置で6名、市単独で2名設置され、中学校には各校1名は確保されている。しかしカウンセリングの必要性・重要性がましている中で、更なる増員が必要と考える。見解を伺う。

 

8、伊丹シティホテルへの1億円

  今回伊丹市は、伊丹シティホテル株式会社の株券を追加して2000株購入する予算を提案されている。1984年の同株式会社設立に際して伊丹市は、同ホテルが地域の交流の場として、市民生活文化の向上と中心市街地の活性化の役割を果たすものとして位置付け、資本金25億円のうち2000株、1億円の出資をし、発起人として設立に参加、現在まで市長が同会社の監査役を務めておられる。1989年にはホテルの増築計画に伴い、全体として50%の増資を行い、伊丹市も1000株、5000万円を増資して現在に至っているところ。今回の1億円増資に関しては、市内の企業が2000株を手放すことに伴うものとされている。

  市民の率直な感想は「伊丹市は財政が厳しいからといって市民には負担を求めながら、なぜホテルに1億円なのか」ということ。市民に対する1億円税金投入の説明責任が問われている。

  第1に、厳しい経済情勢は企業、地域経済に重大な影響を与え、一部の企業にとどまらず、経営の危機にさらされている。他の企業が株を手放さなければならなくなったときも伊丹市が引き受けることになれば、際限なく税金を投入しなければならない。それとも今回の一部の企業だけなのか。もしそうだとすればなぜその企業だけなのか。

  第2に、伊丹市はその株券を引き受けるほど財政に余裕があるということなのか。前段の質問でも触れたが、生活保護世帯に対する見舞金の廃止1300万円。ぎりぎりの生活を強いられている世帯には冷たい仕打ちをしながらでも、増資しなければならない理由はどこにあるのか。

  第3に、一般的にある株式会社への出資を増額するには、その会社の将来性を見通して、配当を期待するから。伊丹市はその展望をどのように考えているのか。監査役をされておられる市長は、どのように見ておられるのか。