2003年9月議会 一般質問
市会議員 かしば優美
ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告どおり質問を行います。
始めに、住宅の耐震化と改修への助成についてです。。
阪神淡路大震災では、倒壊した住宅の下敷きとなり、死者の九割が圧死、窒息死、発生してから15分以内の死者は92%(兵庫県監察医資料)という衝撃的な資料があります。震災で倒壊した住宅の多くが1981年の建築基準法改正前につくられたものでした。
こうした背景のもと伊丹市でも2000年から2002年までの3ヶ年にわたって無料の耐震診断が実施され、この3ヶ年で1452戸、件数で579件が申請しました。同時にこの住宅耐震診断のアンケ−ト調査が行われ、木造の耐震診断結果(500棟あまり)のうち約80%強がやや危険か倒壊の恐れがあるという結果ときいています。アンケ−ト回答者のうち約八割が61歳以上の高齢者世帯ということでした。そのことが年代別の耐震改修に対する取り組みについては、改修工事に消極的になり「診断結果が悪かったが、諸事情により改修工事をする予定がない」との回答が多かったのではないかと思われます。
伊丹市が独自に2001年4月から始めた住宅耐震改修工事の利子補給制度が、利用者ゼロといわれています。先進的に始めた制度を市民のために生かしていくために次のことを提案します。
一つは、たとえば民間団体が開発した「家屋倒壊防止システム」は建物の外部に補強装置を取り付けるだけのもので、大掛かりな壁面解体を必要としないので、2〜3日の短期間で施行できる。費用は木造2階建て三〇坪ほどの平均的家屋で70万円(工事費は別途)前後であるとしています。住みながらほとんど不自由せずに耐震改修できる方法も開発されているわけですから、もっと市民へのPRを強めていくことが必要です。
二つは、実際には高齢者世帯が多いことが、改修工事に消極的にならざるをえない側面が強いと考えます。この点では東京都三鷹市は「障害者・高齢者世帯は改修費用の二分の一、その他は三分の一で上限は40万円。市内業者への発注が条件。」との助成制度をもうけています。本市でもとりわけ障害者・高齢者世帯により踏み込んだ耐震改修への助成が必要だと思いますが見解をうかがいます。
次に、第2次「市立伊丹病院経営健全化計画」について数点うかがいます。
市立伊丹病院は03年から05年の3年間の計画で、「経営健全化計画」を策定し、3ヵ年で収益的収支の均衡をはかることを目標としています。この計画での経営改善項目には、患者サ−ビスの充実として「救急外来室の改善・救急医療体制の充実」「病院施設のバリアフリ−化の推進」など評価すべき内容も含まれています。
しかし一方で収益の向上をめざすために、「急性期病院加算の取得」「長期入院にかかる特定療養費の設定」などがうたわれ、また経費の削減の一環として「在宅医療担当の廃止」、「病院給食の民間委託の検討」などが明記されています。これらの内容は患者、市民の立場から、あるいは市民病院の地域における中核的役割から見た場合重大な問題を含んでいます。以下それぞれに対する見解を求めるものです。
第一には、「地域医療室」の役割と課題についてであります。市民病院が今から6年前の1997年4月から、新たに地域医療室を設置する目的について同年3月議会本会議で次のように述べています。「今回地域医療室を新たに設置いたします目的は、一つには現行の在宅医療の充実を図ること、二つには開業医をはじめ、市内の他の医療機関との連携を強化し、地域の基幹病院である当院と他の医療機関との適切な役割分担を進めるなど、地域医療サ−ビスの充実を図ろうとするものです」と。
しかし今回「健全化計画」で在宅医療担当の廃止がうたわれています。その理由についてさまざま触れていますが、主には400万円の赤字を解消するため、経費の節減が目的となっています。
在宅医療担当の廃止は、過去の経過から見ても、患者サ−ビスの充実に逆行し地域医療室の設置目的にも反する内容だと考えます。
第二に、長期入院にかかる特定療養費の設定についてです。健全化計画では「2002年度の診療報酬改定により、社会的入院の解消を目的として、180日を越える長期入院患者の入院基本料が減額され、当該減額分に特定療養費が設けられた。そのため当該減額分にかかる、特定療養費の徴収について条例化を検討する。」としています。この特定療養費制度が導入されれば、収入を確保するために行き先がない「差額」を患者から徴収することになります。
現状は特別養護老人ホ−ムが不足をしている、在宅介護の整備が十分でないなど、退院後の受け入れ先が社会的に十分整備されていない状況です。また実際に市民病院での長期入院患者は10人足らずであり、すべて特定療養費の対象外だと聞いています。こうした点を踏まえるなら、徴収条例は制定すべきではありません。
第三に病院給食の民間委託についてうかがいます。同計画では、「給食は治療の一環であり、単にコスト面の優位性だけでなく、入院患者の安全の確保を図りながらニ−ズに対応しサ−ビスの向上に資する側面も多い。こうしたことから、コストはもちろんのこと、栄養・味等多方面に検討を加え、業務委託を推進する。」と説明しています。
まず「病院給食は何か」を考えてみましょう。まず病院給食とは患者給食であって、患者の健康回復にまた治療の一環として、医療に欠かせないものであること。またに病院の給食部門は、食事を通して患者を治療する医療技術者チ−ムの重要な一部門です。医療の現場では、患者個々の食事状況が治療の目途としてとらえられ、その情報は治療に欠かせないこと。さらに栄養指導は食事の提供とともに給食部門の重要な業務です。患者の生活行動を修正しつつ食事療法を実践できるようにするためにも、入院・外来での栄養指導の強化こそがいっそう求められており、それが実施できる体制を技術、人員、経済の面から保障することこそ大きな課題でしょう。
そうすると医療機関における業務委託の問題点が明らかになってきます。第一に、医療機関の医療に対する責任があいまいにされることです。業務をまかすのですから、当然病院が自ら業務内容や安全・衛生等についてチェックできず、結果的に業者に責任を転嫁することにつながります。第二に、医療は「公的」性格を持ったものです。委託とはこの「公的」性格をもった医療に関する業務を「営利を目的」にした企業にまかすということですから、医療機関がますます「営利化」の渦に込まれていくことになります。病院給食を委託した病院では材料費の切り下げや人件費の削減によって給食の質的低下、人的レベルの低下が大きな問題となっています。
以上委託の問題点や病院給食の役割を検討するなら、病院給食の民間委託は行うべきでないと考えますが、それぞれについて当局の見解を求めます。
最後の質問は、街路灯防犯灯の電気料や維持管理のあり方についてです。
現在団地マンションの通路に設置されている街路灯は、電気料金をふくめて、維持管理は当該団地マンションの負担となっています。一方公道に設置されている街路灯は、すべて市で実施しており、自治会やマンション管理組合等の負担はいっさいありません。一般の街灯と団地内の道路に設置している防犯灯とでは、役割や性格はどこが違うのでしょうか。一般街区では全額市負担、団地マンション内は入居者負担というのは公正な行政サ−ビスとはいえないと思います。
なぜなら街路灯防犯灯の役割に違いがないことと合わせて、団地内道路は非常に公共性が高いということです。それは法令による道路の規定をみても明らかです。都市計画道路を機能的に分類した場合、自動車専用道路から特殊道路まで在りますが、その最小のもの(道路構造令による識別では「四種四級道路」)は、「幅員は4メ−トル、ただし交通量がきわめて少なくかつ地形が特別の理由があってやむを得ない場合は3メ−トルとすることができる」と規定されています。つまり幅員でみれば3メ−トルまでは公道あつかいにできることを意味しています。
こうした観点からも、一般街区では全額市負担、団地内は入居者負担というのでは公正なサ−ビスとはいえません。必要な要綱等をつくり当該する防犯灯に補助を行うことを要望するものですが見解をうかがって第一回目の質問とします。