2003年9月議会 報告第7号「一般会計歳入歳出決算」決算討論
2003年10月8日 本会議 かしば優美議員
日本共産党議員団を代表しまして、報告第7号「平成14年度伊丹市一般会計歳入歳出決算」の認定に同意できない立場から意見を述べます。
まず、この決算の内容に関してですが、歳入総額は対前年度比5.2%減の606億4,236万6,707円とし、歳出総額は対前年度比4.8%減の602億3,102万4,869円とするもので、この結果、歳入歳出差し引き額4億1,134万1,838円、実質収支額は3億4,566万7,838円とそれぞれ黒字となっています。
2002年度における市民を取り巻く状況は、小泉内閣による不良債権の早期処理、大企業のリストラ支援等により、中小企業の倒産件数、失業率、消費購買力など市民生活のあらゆる指標で最悪の事態となりました。審議の中でも、この5年間で市民の1年間の総所得が約304億円、4人家族で約632,000円も減少したことが明らかとなりましたが、このような中で、本市に求められたのは、政府の国民生活破壊の政治から市民の暮らしを守り応援する施策でありました。この立場から順次意見を述べます。
まず歳入ですが、対前年度比で個人市民税が2.9%、法人市民税が40.7%の減に見られる通り、市民が不況の影響をまともに受けていることを物語っています。固定資産・都市計画税は、土地価格の下落により、小規模住宅地での据え置きはあるものの、引き下げは固定資産税でわずか0.9%に過ぎません。この点では、固定資産税の減免措置の改善、都市計画税の税率引き下げを求めましたが応じることができないとの答弁であります。この実現を強く求めるとともに、固定資産税の税制自身の改善を国に求めるよう要望するものです。また三位一体の改革に関しては、国庫負担金は国が定める国民の権利、ナショナルミニマムの実現に国が責任を持つものであることからこの削減はやめること、地方交付税の本来の機能である自治体が行う標準的なサービスを保障する仕組みを守ること、税源移譲は自治体が自主的に使える財源を増やし、健全な財政運営ができるようにする立場で進めることを、さらに超過負担の解消、航空機燃料譲与税や国有資産等所在市町村交付金などの増額を国に求めるよう要望するものです。
次に歳出であります。その問題点の第1は、同和行政・同和教育です。この年は、国による33年間におよぶ同和特別対策が終了した歴史的転換の年であります。総務省は特別対策を終了する理由として、ひとつには特別対策は本来時限的なものであること、二つには特別対策をなお続けることは差別の解消に必ずしも有効ではないこと、三つには人口移動が激しい中で同和地区・同和関係者に対象を限定した施策を続けることは実務上困難であることをあげました。この観点から同和事業促進協議会の解消、地域を「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域」と規定した「伊丹市ふれあい交流センター条例」の改正、共同会館における一部運動団体の専有許可の改善、同和保育、同和住宅の一般対策化、解放児童館の問題点などを指摘しましたが、当局は依然としてこれを継続する立場を取っています。改めて特別対策終了を機会に、同和対策審議会を幅広い市民参加のもとに開催し、伊丹市における同和対策終了に向かうことを求めるものです。
第2に、この年に「福祉の店」を閉店したことです。これは重大な障害者福祉の後退であり、今後障害者の就労対策のいっそうの促進を求めておきます。またこの年には「財政健全化」と称して市民に負担を押し付けてきたことであります。そのひとつは市立幼稚園保育料及び入園料の値上げであり、二つに生涯学習センターの駐車場料金の値上げ、三つに市立公民館の使用料を有料化したこと、四つに児童クラブの育成料の値上げであります。これら市民の所得が大きく落ち込んでいる中での市民負担増は厳に慎むべきであり、何よりも未来を担う子どもに関する負担であり、少子化対策に逆行するとともに、市民の生涯学習の保障に関するする負担増であり認めることはできません。
第3に、大阪国際空港広域レールアクセスについてであります。この年は予算では調査委託料として250万円計上しながらも執行されていませんが、市長は事業費が870億円といわれる神津地区に中間駅をつくるBルートにこだわり、長期的展望にたって調査を続けるとされています。しかし多額の地元負担が予想されることは明らかであり、これ以上の調査は中止すべきであります。
第4に、「日の丸」「君が代」についてであります。この法制化にあたっての政府の見解でも、国民に日の丸の掲揚、君が代の斉唱を押し付けるものではないとしています。しかし教育委員会は、国民に強要できないものを入学式、卒業式で教師や児童・生徒に押し付けています。学校教育に混乱を持ち込み、憲法第19条に規定する思想及び良心の自由を踏み躙るものであり、やめるべきであります。
以上4点にわたる問題点を指摘しましたが、2002年度事業の中でも市民の要望に応え評価すべき点もあり、今後の施策展開で実現していただきたいことを含めて指摘します。
第1は、「まちづくり基本条例」の制定、「地域福祉計画」の策定において、多くの公募市民の参画によって議論がなされたことは、今後の市民の参画と協働のまちづくりにつながるものとして評価するものです。10月1日に施行された「伊丹市まちづくり基本条例」「伊丹市情報公開条例」はその出発点となるものであり、今後あらゆる施策展開の中で生かしていただきたいと思います。
第2には、保育所待機児童の解消に向けて、クレヨン保育所35名、かおり保育所30名、さらに来年度には社会福祉法人による保育所建設で120名の定員増が図られることは、女性の就労権の保障と子どもの発達権を保障するものとして評価をするとともに、更なる新設を求めるものです。
第3に、老人福祉では、さまざまな生きがい対策、元気老人対策を行い、障害者福祉でも支援費制度にあたって一定の努力がなされ障害者の不安解消に努められました。今後地域福祉計画が実行される中で、福祉の公的責任を堅持してこれを広げていく中で市民の参画と協働の輪をつくっていくことを求めておきます。
第4に、厳しい不況の下で、中小零細業者の営業と暮らしを守ることや雇用の場を創出することは重要な課題であります。この間融資制度の充実、市内事業所調査による産業情報データベース化等一定の評価をするものですが、今後有効に活用されるよう要望するとともに、いくつかの自治体で行われ大きな成果が得られています「住宅リフォーム助成制度」等直接中小業者の営業を支援する制度の創設を求めるものです。
第5に、阪急伊丹駅東地区の再開発事業計画については、事業費が60から70億円という莫大な事業となることや、土地価格、景気の動向が不透明であることなどの問題点、課題が明らかとなりました。本市の財政状況や経済状況を踏まえ、慎重に対応されるよう求めておきます。
第6に、昨年度末には小学校5校、中学校2校にエレベ−タ−設置の予算措置がなされるなど、学校施設の充実については評価するものですが、一方いじめや不登校など子どもと教育をめぐる問題では、多くの市民が心を痛めています。国連子ども権利委員会の日本政府への勧告では、「極度に競争的な教育制度によるストレスのため、子どもが発達のゆがみにさらされている」と厳しい批判を寄せていますが、改めて「子どもの権利条約」の立場からあらゆる面での見直しが必要であります。伊丹市では子ども議会を開催し、意見表明ができる場を作っていますが、今後さらに子どもの意見表明権や社会参加の権利を、学校や地域など社会の各分野で保障することを求めるものです。
以上でありますが、この他委員会の中で要望しました点はぜひ来年度の予算に反映していただくことを求めまして意見とします。