2003年6月定例市議会一般質問
日本共産党市議会議員 中村 孝之
ただ今、議長より発言の許可をいただきましたので、私は日本共産党議員団を代表いたしまして、通告にもとづき、質問をいたします。当局におかれましては、誠意ある答弁を簡潔にお願いいたします。
質問の第一は、中村地区の整備即ち移転問題について
中村地区の整備の問題については、平成13年9月・同地区における諸問題を検討し、当地区の整備を図ることを目的として、国・兵庫県・伊丹市で構成する「中村地区整備協議会」が発足し、1年9カ月が経過いたしました。
中村地区整備協議会は、平成14年5月8日、国土交通省大阪航空局が集団移転先用地として東桑津地先の受信所用地を確保する、当地区に所在する建物については、移転補償を行う等々の確認書を中村自治会と取り交わしました。
この確認書の中で、伊丹市は中村自治会との間で、集団移転先における生活環境整備の具体的な内容について協議するため、「中村地区住宅整備検討会」を設置し、この間、この目的に向かっていろいろと取り組んでこられていることと思います。
第1の質問は、事業の進捗状況についてであります。
平成14年7月4日の飛行場問題対策特別委員会で当局は、「中村地区住宅整備検討会」としての年次計画が報告されました。
それは、@H14・12末頃までに共同住宅の計画案策定する。AH15年度には入居世帯の確実な把握 BH16年度には実施設計に着手、入居者数の再確認 CH17年度には移転先の用地取得 DH17〜18年度にかけて共同住宅等の建設工事 EH18年度後半から19年度共同住宅への移転となっていますが、中村自治会の対応も含め、計画どうり進捗しているのか、調査結果も併せてお伺いいたします。
特に課題として考えられるのは、@大規模事業所の移転先をどう確保するのか A中小事業者の駐車場・資材置き場等生活基盤の確保 B移転補償等であると考えられますが、当局の見解もお伺いしておきます。
第2の質問は、移転先用地の譲渡のあり方について
平成14年3月25日の国土交通省大阪航空局長と伊丹市長との間の確認書では、大阪航空局は、受信所用地のうち共同住宅用地として必要な部分については、伊丹市に譲渡する、譲渡に当たっては、可能な限り支援を行うとなっています。
私は、移転先用地については、今日の伊丹市の厳しい財政事情に負担をかけることがあってはならないし、ことの経過から考えると、無償譲渡が適正と思いますが、協議の経過・見通しについてお伺いしておきます。
また、平成15年度〜17年度までの伊丹市第4次総合計画・前期第2次事業実施3カ年計画では、中村地区整備事業費として、1825百万円が計上され、そのうち一般財源は3百万円となっていますが、費用の内容・内訳も併せてお伺いいたします。
質問の第二は、精神障害者に対する通院医療費の助成について
平成5年には、障害者の自立と社会参加、経済文化その他あらゆる分野の活動への参加の促進を目的とした障害者基本法が成立し、身体障害者、知的障害者に加えて精神障害者が福祉対策の対象として位置付けられました。
そして、同法第23条では、障害者及び家族の経済的負担の軽減を図るよう必要な施策を講じられなければならないとも規定されています。
さらに平成7年5月には、精神保健法が、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に改正され、その目的に「精神障害者の自立と社会参加の促進の援助」が加えられました。
同法32条では、「精神障害者の通院医療費の自己負担が5%へと改善が図られ、大阪府や京都府では、全域が医療費自己負担が無料となっております。
また、この阪神間を見ても、西宮市・宝塚市・尼崎市・芦屋市・川西市と伊丹市周辺の各都市全てが医療費自己負担分が無料となっているのが実情であります。
そこで質問いたしますが
通院医療費の自己負担分5%を近隣都市同様に無料にすべきではないかということであります。ただし、質問の趣旨は、国民健康保険の加入者の場合を前提といたします。
ご案内のように、伊丹市医療費の助成に関する条例、第1条の目的や第2条の受給資格の中には精神障害者の規定がされていません。
平成10年に策定された伊丹市障害者計画の中では、「経済的負担の軽減の観点から県制度、近隣各市の動向を踏まえつつ、その方策を検討する」となっていました。障害者計画策定以降5年も経過しています。
先ほど触れましたように、障害者基本法第23条の規定や、伊丹市の周辺各都市もすでに無料化している状況も踏まえ、早急に当該条例を改正し、精神障害者・保護者・家族の強い要望となっています経済的負担を解消していくべきだと思いますが、当局の見解をお伺いいたします。
また、精神障害者の実態はどうつかんでいるのか、今日までの公費負担の申請件数、自己負担分5%を無料にした場合の市負担総額はどれくらいになるのか併せてお伺いいたします。
質問の第三は、さつき学園・くすのき園の民間移管について
伊丹市は、厳しい財政事情のなか、3カ年で84億円の財源不足が生じるとして、平成15年度〜17年度までの財政健全化3カ年計画を策定し、市民・職員に対する厳しい負担を強いようとしています。
今日の自治体の厳しい財政事情の原因は、長引く不況と実体経済の悪化によるものであり、不況打開策を放置している政府の責任は重大である。
特に今日の雇用情勢は、戦後最悪の状態であり、総務省発表の本年4月の全国の失業率は5・4%・失業者は385万人、近畿地区の失業率は7・6%と突出しています。これが不況を更に深刻にし、自治体の財政事情の悪化に拍車をかけています。
このような中、政府は社会福祉基礎構造改革と証して、平成12年4月老人福祉の措置制度を廃止して、介護保険制度を導入し、さらに本年4月からは、障害者についても措置制度を廃止して、支援費制度を導入するなど、障害者の大きな不安の中でスタートしました。
これらの施策に対する政府のねらいは、市場原理を福祉部門についても、導入するもので、これは福祉切捨ての構造改革であります。
そこで質問いたします。
第1は、財源不足対策としての民営化は、「安上がり行政論」であり、障害者施策の後退ではないかということであります
今回伊丹市が策定した財政健全化計画の一つに、知的障害者更正施設のさつき学園・同じく通所授産施設のくすのき園の民営化が平成16年度実施に向けて検討課題に上がっています。
昨年9月の本会議で「福祉の店」の閉店問題に関する私の質問に対し、市長は「障害者施策は伊丹市の重要な施策の一つと認識している」と答弁をされています。
しかし、今回の健全化計画は、伊丹市自身がこれまで管理運営をしている「さつき学園・くすのき園」を民間法人に委ねようとする計画でありますが、これは市長の答弁にも合致せず、また障害者・利用者の願いにも逆行し、政府の福祉切捨て方針に追随するものと言わざるを得ません。
また、この方針は、住民の福祉の増進を図るという地方自治法でうたう地方公共団体の存在目的にも反するものであります。
今回の質問内容については、本年3月の本会議で加柴議員が質問をいたしましたが、当局答弁は、「施設運営については、民間で行うのが効果的・効率的なものは民間にお願いする」というものでした。
この答弁内容は、福祉施設の運営について公・民間のコスト比較論を導入することであり、これは福祉行政サービスにはなじまないものであります。。これは政府のやり方と同じで市場原理そのものであります。これをベースに民営化を図ろうとすることは、財源不足対策のためだけの方策であり、安上がり行政がねらいであると言わざるを得ません。
公立福祉施設の場合、現状をみますと、例えば職員配置基準についても、利用者の実情を配慮して基準以上に配置しなければ十分なサービスができない実態があり、その場合、当然人件費は高くなります。福祉法人の場合は、このような措置が困難になるのではないでしょうか。
私は、今日までの社会福祉法人の努力や役割を、決して否定しているのではありません。このようにコスト比較を左右する大きな要因は、人件費の差であります。この人件費の差は、先に触れましたように公・民間の職員の配置数の違い、給与体系の違い、雇用形態の違い、勤続年数の差などによって生じるものであります。
障害者施策に市場原理・コスト論を導入することはあってはならず、これはまさに障害者福祉の後退ではないでしょうか。見解をお伺いいたします。
そこでこの二つの障害者施設を民営化した場合にどれだけの財源確保を予定されているのかも併せてお伺いしておきます。
質問の第2は、市場原理を踏まえた、さつき学園・くすのき園の民営化方針は、改めるべきである
平成15年3月本会議での施政方針の中で市長は、財政健全化のため「事業の民間移管や民間委託を積極的に推進する」と答弁されました。
今回民営化の対象とされているさつき学園・くすのき園は本年4月からスタートした障害者支援費サービスの対象施設となったばかりであるにもかかわらず、もう来年度から民営化の方向を打ち出していますが、これでは支援費制度導入の正体が障害者のためではないことを改めて示しています。
財政健全化のねらいは、財政基盤の確立でありますが、弱者に負担・不安ばかり押し付ける手法ではなく、私は聖域とされている同和対策事業予算66000万円の抜本的な見直しを始め、ハード事業についても新たな精査を行うことを含め、市長が勇断をすべきであります。
また伊丹市はこれまで福祉先進都市と評価されてきましたが、この名に恥じないよう、また施策を後退させないよう民営化方針を再検討すべきだと思いますが、当局の思いやりのある見解を求め、1回目の質問を終わります。