2003年6月議会  一般質問   

か し ば 優 美議員

 

1、    情報化社会と自治体の対応

 ただいま議長より発言の許可を得ましたので、私は日本共産党議員団を代表して通告どおり質問を行います。ぜひ誠意ある答弁をお願いします。

はじめに、まぼろしと消えたIT装備都市研究事業・TIKIカ−ドについてお伺いします。

当局は、阪神北部TIKIカ−ドシステム導入の目的は、旧阪神北部広域行政研究会が広域的観点にたったIT装備を活用して、住民交流を深めるため、エコマネ−機能を付加した共通のICカ−ドを導入して、「地域コミュニティ形成支援サ−ビス」「広域対応住民票自動交付」等のシステムの実証実験を実施することだと説明してきました。

 しかし、伊丹市はこのTIKIカ−ドシステムを本年5月31日ですべて終了することにしたとしています。カ−ドシステムの実証実験継続運用だったとはいえ、突然の終了との感がいなめません。
 このことは第一に、市民に対して事前に説明・報告もなく、とりあえずTIKIカ−ドを所持する市民に手紙を郵送したとはいえ、市民に対する説明がきわめて不十分だったのではないかという点です。

 第二に、伊丹市ホ−ムペ−ジのTIKIカ−ドのペ−ジを見ると、「皆様からいただきましたご意見、ご感想、そして実証実験の結果につきましては、今後の情報化社会を踏まえた上での貴重な資料とさせていただきます」とあります。TIKIカ−ドシステム導入に対する責任ある総括が必要であり、また、導入目的とした「地域コミュニティ形成支援サ−ビス」等の扱いはどうなるのかうかがっておきます。

 第三に、この事業は2001年に実証実験、ICカ−ド作成配布、2002年度に事業継続と三市一町として2年間で国費約3億円、市費で327万円と巨費をつぎ込んできました。通常モデル事業とは 今後の本格的事業につなげていくものであります。しかし今回阪神北部広域行政研究会の収束と同時に終了させるわけで、三市一町広域全体として事業内容が蓄積されないとしたら、結果として大変なムダ使いではなかったのかと受け止めるものですが、当局の見解を伺うものです。    

 次に、第2次稼動を目前にした住民基本台帳ネットワ−クシステムについてうかがいます。いわゆる「住基ネット」の第一段階は昨年の8月から開始されました。国民一人ひとりに11桁の番号をつけ、各市区町村の住民基本台帳の氏名、生年月日、性別、住所の個人情報と、これらの変更情報を都道府県を通じて全国センタ−・地方自治情報センタ−で一元管理し、国などに提供する仕組みであることは承知の通りです。そして今年の8月25日からは第二段階として、全国どこでも住民票の写しがとれるようになり、また、希望者には住民基本台帳カ−ド(ICカ−ド=集積回路)を交付するとしています。

しかし住基ネットに関しては今日でもさまざまな動きがあります。長野県の本人確認情報保護審議会は田中康夫知事に、国と市町村の間の住基ネットを県が中継しないよう求める報告書を提出しました。また「市民選択方式」を行う横浜市や参加しない自治体が数多く現れるなど、依然として「本当に個人情報は守られるのか」との疑念が横たわっています。

どんなコンピ−タシステムでも、絶対に情報が漏れないという保証のあるシステムはありません。東京杉並区では住基ネットの稼動によるプライバシ−侵害の危険性を少しでも抑制するために、これまで進めてきた施策のうえにたって、なお一層の努力をするとしています。具体的には、@国際的に認証されたセキュリティ基準であるISMSを、年内を目途に取得する。A杉並区における運用を監視する第三者機関を設置する。B長野県の状況を調査するなど、いっそう全国的な運用状況の把握に努めるC危険性が明白になった場合には、ただちに切断するとしています。

当局はこれまでの質問に対して、「万全の個人情報保護措置を取っているので大丈夫だ」と答弁していますが、本格稼動を前にして改めて見解を求めるものです。

 

2、    今日のマンション問題について

 次にマンション問題についてお伺いします。ここ数年、マンション管理問題にかんする国・地方行政に大きな変化がありました。まず国政では、この間マンションに関係する三つの法律の制定と改定がありました。2001年1月施行された「マンション管理適正化法」、2002年12月施行された「マンション立て替え円滑化法」、2003年6月施行された「建物区分所有法等改正」がそれです。

 これらの法改正・改定にもとづいて、地方自治体でも、マンション窓口の設置や実態調査、広報活動など端著ではありますが、マンション問題を行政の遡上に載せる自治体も出始めています。

マンション問題に対する自治体の基本的な役割は、個別のマンション建設に対する具体的指導、入居後の管理組合への支援にあります。地域内のマンションの現状を把握し、建物の維持・更新への適切な指導と援助をおこなうこと、管理組合を住民組織として位置付け、その活動を支援することが必要だと考えます。以上の点を踏まえて数点質問します。

第一に、マンション問題の解決をはかるうえで、行政がマンションの戸数、管理組合をはじめとする実態を掌握することが重要です。2003年度にようやく伊丹市事務分掌規則の中に、住宅課として「マンションの建替えの円滑化等に関する法律に関する」事務を行うことが加わったものの、現状把握についてはほとんどなされていないのが実態ですが、この点での今までの取り組み、今後の取り組みについてうかがっておきます。

第二に、分譲マンションには、戸建て住宅とは違った特質があるだけに、特有の問題点もおきています。分譲会社や管理会社とのトラブル、共同管理上の問題などです。同時に伊丹市内でも建築後30年を経過するマンションが出始めています。大規模修繕に直面しているところも出ており、当局としても早急に相談窓口の設置を行い専門家を配置すること、また分譲マンションの位置付けと自治体の施策の方向を明確にした総合政策やマンション条例の制定をすすめる必要があると考えますが見解をうかがっておきます。

第三に、マンションの共用部分に対する固定資産税、都市計画税の減免の問題です。マンションの集会室、共同で利用するゴミ置き場専用土地、プレイロット(遊び場)などの共用部分は、一戸建ての住宅街における遊園地や町会の集会場などに相当する公共的性格を有しています。これらに対する固定資産税などの減免は東京、千葉、大阪市、吹田市などで実施されているところです。平成7年6月定例会で同様の質問を行った時の答弁は「減免制度を適用する固定資産に該当するかどうかは、税負担の公平性の原則を踏まえつつ、その公共性と比較考慮しながら、きわめて公共性の高い固定資産についてのみ限定すべきだと考えております。」との内容でした。マンション等の敷地は、単なる「私有地」ととらえるのではなく、公共性の強い空間としてとらえる立場にたった行政支援が求められており、実態調査を行い減免すべきだと考えますが、見解を求めておきます。

 

3、    バラ公園の「有料化」の検討について

  次にバラ公園の「有料化」の検討についてうかがいます。バラ公園はご承知のように伊丹市北部に位置し、平成4年4月にオ−プンして以降、シ−ズンには市内外から多数の来園者を迎え、昆陽池とともに市内有数の集客力をもつ公園となっています。

ところが、今年度から始まった財政健全化3ヶ年計画の中に、バラ公園の有料化がうたわれています。受益者負担の適正化の観点から、16年度実施に向けて検討するとしています。しかし、バラ公園のこれまでの経過や周辺の環境整備との関連等から考えれば、この有料化に対し、いくつかの疑問点を指摘しなければなりません。

第一に、当初有料にする構想が変更されて無料となったのは、バラ公園・植物園・平和資料館の三位一体としての計画・運営が挫折したからにほかなりません。過去の経過から見れば、有料化には無理があるのではないか。

第二に、都市公園法はその目的として、第一条に「この法律は、都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて、都市公園の健全な発達をはかり、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。」と明記しています。公園全体の有料化はこの法の目的に抵触するのではないか。

第三にバラ公園内には、都市公園法第二条第二項に規定するバラの植栽・花壇、多目的広場、地下ホ−ルなど公園施設が配置されています。バラの開花時期のみ有料化とする方向だとも聞いていますが、広場や地下ホ−ルを目的に来園した市民にも入園料を徴収することになれば問題となるのではないか。

第四に、02年4月からみどりのプラザが開設されています。みどりのプラザの目的は、議会でも答弁があったように、「バラ公園に隣接する立地条件から、来園者に必要な休息施設や便益施設だけでなく、バラを中心とした植物の展示や緑に関する相談窓口等、緑化啓発ができる場所として活用していきたい。多目的広場の活用で地元の活性化に寄与する。」ものとしています。バラ公園と一体的活用により、本格的に取り組んでいこうとする矢先に、有料化によって市民・来園者の足を遠ざけるような対応は市民の理解を得ることができるのかどうか。

以上4点について当局の見解をお聞きして、第1回目の質問とします。