03.3月議会 上原ひでき議員個人質問
日本共産党伊丹市議団 上原秀樹
1、
市民の参画と協働によるまちづくりの推進について
市長は施政方針の中で、来年度を「市民の参画と協働によるまちづくり元年」と位置付け、重点政策の第1にこの施策を設けられた。そのうちのいくつかについて伺いたい。
1)まちづくり基本条例について
このたび「まちづくり基本条例をつくる会」からの提言に基づき、条例が提案された。私はいままでハード面ではあるがまちづくり条例の制定を主張続けてきたことから、今回市民の参画と協働に関する基本的な仕組みをつくる条例が提案されたことは大きく評価したい。
そもそも地方自治の基本原則に関する憲法の規定は、「地方自治の本旨」とされ、これは住民自治と団体自治の二つの原理からなるとされている。地方自治を確立していくためには住民自治が不可欠であるということであり、住民自治とは住民による参画なくして成り立たないもの。その根底は、住民の福祉の増進と基本的人権の尊重が位置付けられなければならない。
また地方分権推進法第7条では、「地方公共団体は…行政の公平の確保と透明性の向上及び住民参加の措置…を講ずることにより…行政体制の整備及び確立を図る」と定め、地方分権は「地域住民の自己決定権」を目指しているがゆえに住民自治の充実が必須となる。
伊丹市においても、地方自治体として住民自治と団体自治をどのように発展させていくのかが課題になっている。このことはすなわち、民主主義を発展させること。これが「市民の参画と協働のまちづくり」の本質であると思う。
こういう状況の中で伊丹市においても、一昨年「まちづくり基本条例」を制定することが提案され、「まちづくり基本条例をつくる会」が団体代表と公募市民によって結成された。そして10ヶ月間という限られた期間に、全体会21回、運営委員会17回が開催され、提言にまとめられた。私も会議が公開されて最初から数回にわたって、この「つくる会」を傍聴した。はじめは行政に対する不満続出で、いったいこの会議はどうなるのかと多少の不安を感じたが、会議を重ねるごとに問題が整理され、今回の貴重な「提言」になった。まさに参画と協働によるまちづくりの実践の現場を目の当たりにした想いである。この会の活動に敬意を表したい。
そこで今回「提言」に基づく「まちづくり基本条例」が提案されたことに対し、基本的な点で理解を深めるため、数点にわたって伺いたい。
@基本理念に関する問題
この条例の基本となることを定めるのが「基本理念」。いま全国のいくつかの自治体で同様の条例が制定されつつある。しかし内容も作り方も様々であり、その自治体の住民自治の歴史や条件などによっていろんな特徴があり、目指す方向も一律ではない。そこで提案された伊丹市の条例は、前文や基本理念にはいくつかのキーワードたるものがあるが、いったいその中心は何か。他の自治体と比べて何を特徴とし、何を目指そうとしているのか。
A条例上、市民と市との間の責任分担の基本的な考え方
いうまでもなく地方自治法での自治体の役割規定は、住民の福祉を増進することとされ、基本的人権の尊重と共に自治体が担うべき中心である。市民の参画と協働の精神が様々な行政課題の中で位置付けられるとき、市民と市との間の責任分担の考え方を整理する必要があると考えるが見解を伺いたい。
B条例上での努力義務とそうでないものの基本的考えかた
条例の中では、義務規定と努力義務規定が混在しているが、その区分の基本的考え方について伺う。
C行政全般にわたっての今後の対応について
今後の対応については本本会議で質疑が交わされてきた。施行日を10月1日にしたことで、それまで整えるべき体制は何か。
2)市民と情報の共有化を図るための情報公開制度の充実(伊丹市情報公開条例)について
私は一昨年9月の本会議で「公文書公開条例」の改正について質問し、「情報公開とは、住民が、行政が持っている情報・資料を共有することであり、行政が事業をする場合には、政策の立案から情報を住民に公開すること」であるとして、市民の知る権利と行政の説明責任の明記、実施機関に外郭団体を加えること、公文書に磁気テープなど電子情報を加えること、公開情報の範囲に関して「決済、供覧等の手続きが終了し」を削除すること、請求者の規定を「何人も」とすること、文書管理の規定を設けることを求めた。
今回の全文改正によって、これらのほとんどがもりこまれ、一定の評価をする。参画と協働のまちづくりにおいて、まちづくり基本条例との車の両輪となるもの。そこでいくつかの点で伺う。
@実施機関 第29条 出資法人の情報公開が努力義務とされたのは
今回の改正で、実施機関として新たに土地開発公社が追加されるとともに、出資法人の情報公開に関しては、情報公開の努力義務、実施機関の指導が追加されたことは評価する。しかし、伊丹市における100%出資の外郭団体は、実際には自治体がやる仕事をしている。人事の面でも職員が派遣されており、市民から見れば公金が使われているのであり、その使途について情報公開の対象としないのはおかしいのではないか。もちろんこの問題を考える場合、外郭団体は行政機関ではないという点が問題として残るが、どう考えるのか見解を伺う。
A公文書の公開義務 第7条(5)意思形成過程情報の範囲の考え方
第2条の実施機関の規定になるが。今回の改正では、「決済、供覧等の手続きが終了し」た文書という限定がはずされ、「実施機関の職員が組織的に用いるもの」という規定がなされたことで対象情報が拡大されている。そこで意思形成過程情報の範囲をどのように考え、規定するのか。
3)地域福祉計画の推進について
地域福祉とはなにか。計画大綱に書かれていることは、「すべての人々が人間としての尊厳を持ち、地域社会の一員として、豊かな生活が送れるよう、地域住民や福祉サービスを提供する団体、ボランティア、行政など、福祉関係者(機関)をはじめとするすべてのものが協力し合い、ともに生き、支え合う地域社会を形成するための取り組みや仕組みづくり」。この概念は実態を示しているというよりはむしろ、これから「創っていくもの」という将来に向かっての目標を含む概念とも。市内各地域で行われているいわゆる「地域福祉」とは違う概念。
こういう定義をするならば、地域福祉は福祉の観点から地方自治の確立をしていく営みであるともいえる。住民の参画と協働により、自らが生活する地域を豊かにし、住みよいまちをつくるという点では積極的な側面である。ここで確認しなければならないのは、計画大綱にも書かれているが、財政が厳しくなっているからその分市民に負担をお願いしなければならないという性格のものでは決してあってはならないこと。
一方、従来の福祉のあり方を定めた「社会事業法」が改正され、「社会福祉法」が制定。その第4条で「地域福祉の推進」が明記。ここでは地域福祉推進の主体は「地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営するもの及び社会福祉に関する活動を行うもの」の三者であり、その目的は、相互に協力して、「福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるようにすること」としている。市町村の責務は第6条で、「福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策、福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策」である。そして第107条で「市町村地域福祉計画」を定めることとされた。
これは社会福祉基礎構造改革として、社会福祉法へ改正されたが、大きく言えば「措置制度」から「契約制度」に向けて基礎的な改正がなされたことであり、基本的に市町村の公的責任に基づく社会福祉が市場原理にゆだねられることになったもの。
したがって地域福祉の推進があらためて社会福祉法に明記され、市町村地域福祉計画が義務付けられた背景はこれら二つの側面があると考える。
@社会福祉基礎構造改革と地域福祉
そこで、「伊丹市地域福祉計画大綱」の「社会福祉基礎構造改革と地域福祉」の項目では、市町村が地域福祉を推進していく理由として、社会福祉基礎構造改革にともなう諸問題の緩和・解決を図ることにあるとし、介護保険制度や障害者の支援費制度などの利用契約制度というものは地域福祉の充実という条件が整わなければ十分に機能しない仕組みであると。すなわち利用契約精度に変わったことで生じる問題、たとえば利用者とサービス提供者が対等な関係になってはじめて成立することができる契約制度にあっては、サービスを受ける人たちに何らかのハンディキャップを抱えていることにより成立しにくいことが多いこと、介護保険に関しても計画を作るのは行政であるが、特別養護老人ホームの待機者数など進行状況を行政として掌握する仕組みがないため、十分進行管理ができないことなどこういう新たに生じた問題のために地域福祉が必要であるとすることは、逆説的とはいえおかしな話。基礎構造改革によって、市町村の位置付けが福祉の提供責任としての役割でなくなり、社協や地域の社会福祉事業の経営者、住民活動などの社会資源により地域福祉を推進することとしているが、まさに自治体の役割が見えてこなくなる。
一方、「大綱」では憲法に規定する地方自治の本旨について述べられ、地域福祉は福祉の観点から地方自治の確立を推進していく営みであるとも。いうまでもなく地方自治体の存在理由は、地域住民の福祉を増進し、基本的人権を保障することにあり、地域福祉を含めた福祉の増進は公的責任の分野ということになる。
いったい地域福祉とは何か。改めて問いなおされなければならないが、先ほど述べた利用契約制度によって生じる問題解決はあくまで公的責任であり、行政が担うべきものという考え方をするべきと思うが見解を伺う。
A地域生活支援のためのマネジメント
市民の抱える生活課題の多様化、高度化、あるいは重層化といった事態に対し、その課題解決のための地域福祉についてふれられている。「大綱」では、生活課題の多様化について、中高年のリストラによる生活苦、カード破産、ホームレス問題、路上死、生活不安とストレスの増大、自殺、アルコール依存、引きこもり、DV、子ども、高齢者、障害者への虐待などなどを例に挙げ、これらの解決は、市民参加と協働によって地域福祉の構築に向け、地域の中で支え合いの仕組みを作っていくことでしか市民の地域自立生活を実現していくことはできないとされている。そして、これらの総合相談窓口を、「小地域福祉拠点」に置き、市役所と同等の専門性を備えることは不可能だが、可能な限りこれらの問題解決に向けて各種サービスや市民活動につなぐマネジメントなどの仕組みづくりが必要であるとしている。しかし地域生活全体を支援するケアマネジメントが必要であることはもっともなことだが、これは市・行政の役割ではないのか。第1儀的に行政がマネジメントを担い、地域で協力することで解決できる問題は地域でやったらいい問題。見解を伺う。
B地域福祉ネット会議の現状・到達点の評価と今後の課題
2、国民健康保険税の引き下げを
この問題では再三に渡って本会議、委員会で求めてきた。しかし昨年の9月議会では、2001・2002年度と連続して黒字が生じることに関しても、いろいろ理由を述べて、保険税の引き下げに充当する要素はないと答弁。
いま市民の暮らしは長引く不況で大変である。国民健康保険に加入している世帯構成は、所得のないもの21,9%を含め、生保基準と同等の200万円以下の所得階層が約67%を占めている。99年度に国保税の計算の仕組みを変えたことで、これら低所得者に大変な加重負担を負わせることになった。たとえば、三人世帯で生保基準程度の240万円の収入の場合、国保税は年間223,000円で、5年前と比べると2,3倍になった。また現在、1年以上滞納した場合、いろいろな条件を考慮しながら資格証明書を発行しているが、発行された世帯のうち所得なしの世帯が約65%をしめている。伊丹市の国民健康保険税ほど過酷な税はない。
もともと4年前に課税方式の変更と同時に税率の引き上げを行ったが、そのときは特別減税の赤字分4億8千万円を3年間に渡って解消しようとしたもので、当時約11億の赤字を見込みながら、3年間ですべての赤字を解消できた。事の経過と道理からしても、2002年度が黒字決算の見込みであること、並びに2003年度予算も黒字予算を計上しようとしているときに、引き下げをしないということにはならないのではないか。
そこで提案として、低所得者も含めて全世帯の引き下げを行うため、平等割を一律一世帯6,000円引き下げ、現行28,000円を22,000円にすることである。全体で約1億6千万円。来年度予算の予備費の範囲内であり、保険基盤安定制度、すなわち低所得者のための法定減免制度に与える影響、応益割45%から55%の範囲内でもある。さらに4年前の引き上げと同じ金額に。
見解を伺うものである。