2002年6月議会
一
般
質
問
かしば
優美議員
1、福祉のまちづくりについて
1)重点地区「昆陽里地区」の位置付けは?
2)民間事業者への意識啓発の推進及び連帯強化が弱いのでは
3)民間施設改修に対する補助制度の創設を
4)県道尼崎宝塚線の歩道の整備は急務
2、介護保険−−見直しの年にあたって
1)介護サービス事業者アンケートから見えてくるもの
@事業者の業績、収支状況と市の対応について
A介護支援専門員(ケアマネージャー)等の確保について
2)住宅改造助成事業の改善
3)保険料、利用料負担の動向と今後の課題
福祉のまちづくりについて
兵庫県では「21世紀の高齢者社会を迎えるにあたり、高齢者・障害者をはじめ、すべての人々が、一人の人間とし尊重され、等しく社会参加の機会を持つことができる社会の実現」に向け、1992年(平成4年)に「福祉のまちづくり条例」を制定しています。これによって、多くの人々が日常利用する施設について、高齢者・障害者等に配慮した傾斜路、階段への手すり、車イスで利用できるエレベ−タ−・便所などの整備方針を打ち出しています。
伊丹市では「福祉のまちづくり条例」を受けて、都市視説整備要綱を作成するとともに、高齢者や障害者を含む不特定多数の人々が利用する施設が集積する地区を指定し、福祉のまちづくりの視点から民間を含む建築物、公共交通機関、道路・公園等を対象に面的な整備を行い、地域における福祉のまちづくりの核となる地区を整備することを目的として重点地区を定めました。
1993年には、県のモデル事業として、「昆陽里地区」を整備し、それ以降は「中心市街地地区」「昆陽池・市役所周辺地区」を指定・整備実施してきているところです。
しかし、「昆陽里地区」の場合を取り上げれば、重点整備したにもかかわらず、「福祉のまちづくり条例」や伊丹市の都市整備要綱にもとづく整備が不十分な箇所が多くみられます。
例えば尼崎宝塚線ぞいの民間病院には点字ブロックがなく、大手量販店(ス−パ−)には車イス用のトイレや点字ブロックがない、またホ−ムセンタ−店は障害者用駐車スペ−スを確保しておらず、点字ブロックはあるもののその上に商品を並べているという有様です。全体として「福祉のまちづくり条例」実践のモデル地区の実態からかけ離れているという印象を持っています。
以上の点を踏まえて、第1に「昆陽里地区」をモデル地区として整備して以降の位置付けはどうなっているのかまず伺っておきます。
第2に伊丹市障害者計画には、福祉のまちづくり重点地区整備計画の課題して「歩道の段差解消、視覚障害者誘導用ブロックの設置基準」など数項目提起していますが、特に「民間事業者への意識啓発の推進および連携強化」が弱いのではないかと思いますが、見解を伺っておきます。
第3に、共同利用センタ−など公共施設は比較的スム−ズに整備されている反面、民間施設の整備がすすまない理由として、経費負担の問題があると考えられます。整備地区内の民間施設改修に対する補助制度の創設を兵庫県に求めるとともに、市独自の助成も必要だと思いますが、見解を求めるものです。
第4に、道路・公園などは公共施設として「福祉のまちづくり条例」第1条第3項で規定されていますが、特に県道尼崎宝塚線の歩道の整備について、点字ブロックが設置されている西側の歩道は店舗の敷地や電柱によって部分的にかなり狭い箇所があります。また県道尼崎宝塚線の東側の歩道はまったくの未整備であります。以前の議会で取り上げたときも「尼崎宝塚線の拡幅工事とあわせて」と答弁されていますが、名実とともに「重点地区」にふさわしい街(まち)にするためにもただちに整備すべきであると考えますが、当局の見解をうかがうものです。
次に介護保険についてうかがいます。
2000年度からスタ−トした介護保険(事業)はまるまる2年が経過しました。今年は「法」にもとづき第2期介護保険事業計画の策定に向けて見直しの年となります。本市でも5月7日に開催された福祉対策審議会に、市長から「介護保険事業計画及び老人保険福祉計画の改定について」諮問があったところです。
一方国においても介護保険見直しの動きが急であります。厚生労働省が6月4日に開いた全国介護保険担当課長会議で、高齢者の負担する介護保険料を来年4月から引き上げる方針を明らかにし、また事業者の経営で赤字が目立っている訪問介護とケアプラン作成に対する介護報酬の見直し案をまとめた等々です。この2年間の取組みを踏まえつつ、以下数点についてうかがいます。
第1にサ−ビス事業者に関する事柄です。さる5月1日に配布された「介護保険サ−ビス事業者アンケ−ト集計」資料によりますと、業績、収支見通しについて、昨年度(平成13年度)業績見通しが「赤字になる」と答えたのは28事業者中12事業者、割合にして43%、また今年度の収支見通しが昨年度より悪くなると答えたのは、27事業者中9事業者、割合にして33%となっています。
サ−ビスを提供する事業者の業績、収支状況は、介護現場で働く人の労働条件問題とともに、サ−ビスの質の低下をもたらすあるいはサ−ビスの提供を中断しかねない深刻な問題をもたらすものです。サ−ビス事業者アンケ−トの自由記載欄には、「福祉に市場原理を持ちこむことに無理があり、最終的なしわ寄せが弱者に行くことになる。」と現場からの声も紹介されていますが、事業者の業績等に対する当局の見解をうかがいます。
さらに同アンケ−ト集計結果の中で、「介護支援専門員・ホ−ムヘルパ−の人材確保が困難」と答えたのは27事業者中12事業者で割合にして44%となっています。居宅介護支援専門員すなわちケアマネ−ジャ−は介護プランをつくる要でありながら、介護報酬が低い等の理由により多数の件数を受け持つあるいは他の仕事と兼任せざるをえない状況となっています。市が介護における公的責任を果たしていく立場で、ケアマネ−ジャ−を確保していくことは今後避けられないと考えますが、見解をうかがっておきます。
第2は住宅改造助成事業についてであります。
この住宅改造助成は介護保険としては20万円までで、これを越えると一般の高年福祉施策で行われています。対象は浴室、便所、玄関・廊下、階段、居室、台所、洗面所の7箇所で、浴室15万円、便所10万円など箇所ごとに基準額があります。限度額は95万円で、前年所得税額により自己負担がかかってきます。
介護保険実施により住宅改造助成の実績は実施前にくらべて2.5倍と大きく伸びています。しかし伊丹市の場合限度額は95万円であり、また箇所別限度額もかなり低く設定するなど、阪神間他都市と比較
しても遅れています。
日常生活を営むのに支障のある高齢者・身体障害者の人が、住み慣れた住まいで安心して生活が送れるよう、介護保険外の住宅改造・改修は基本的に上限なしとし、介護保険品目である手すり、段差解消等自由に使えるものとする必要があるのではないでしょうか。見解を伺かがいます。
第3に介護保険料、利用料負担についてうかがいます。前段で示したサ−ビス事業者アンケ−ト集計結果の自由記載欄には「昨年と比べて、給付費が20%も上昇している。将来の保険料は確実に上がるが、行政の対応は?」との声も紹介されています。実際2002年の介護保険事業特別会計予算の介護給付費5,934,954千をベ−スに、第1号被保険者の保険料を17%と設定して割戻しすると、65歳以上の介護保険料の月額は3,035円となり、3000円を越えることになります。現在の基準保険料は月額2,760円ですから、10%以上の引き上げとなる試算となりました。
また訪問介護(H・ヘルプサ−ビス)の利用料自己負担は、国の特別対策として2000年〜2002年の3年間は3%であるけれども、2003年〜4年は6%程度まで引き上げが予定されているとも聞いています。同時に現在の介護保険制度では、サ−ビス量が増加をすれば負担も比例して増えていくしくみとなっています。
保険料と利用料のいずれの面を考え見ても、これ以上、市民負担、利用者負担を増やすことはできない状況です。国に対する財政支援、制度の抜本的な改正を自治体としても強く求めるべきだと考えますが、当局の見解をうかがい第1回目の質問とします。