2002.3月議会 代表質問
日本共産党伊丹市議会議員 上原秀樹
1、市長の提案説明に対して
1)国内経済情勢について
提案説明で、「我が国経済は、物価下落と景気後退が相互に悪循環を繰り返すいわゆるデフレ・スパイラルの状況下にあり、消費が低迷し、失業者が増大するなど、国民生活に大きな影響を及ぼしております」とされています。
この「デフレの悪循環」という状況はかつて日本でも、他の主要国でも経験したことのない未曾有の危機です。失業率は、史上最悪の5.6%に達し、帝国データバンクによると、昨年の全国企業倒産件数のうち「不況型倒産」は14,687件発生し、前年比を2.2%上回り、過去最悪を更新しました。倒産全体に占める割合も75.5%と過去最悪であります。
このような事態に対し、小泉内閣は先月27日、「デフレ対策」を取りまとめました。その内容は、不良債権の早期処理を最優先に掲げ、金融危機には公的資金の注入で対応するとともに、日銀には思い切った金融緩和を求めたものです。しかし、不良債権の早期処理の強行は、空前の大不況を招き、逆に新たな不良債権の山を築いています。公的資金の投入計画も、小泉政治自身が金融危機をつくっておきながら、その危機を回避するために公的資金をつぎ込もうという、政権の身勝手なシナリオです。そして、国民の血税投入をテコにして、国民に医療の大改悪などで「激痛」を与えて消費購買力を低下させ、さらに不況を深刻化させる不良債権処理をますます加速させて破局に向かって暴走する---。失政のツケをすべて国民に回すだけであります。
日本共産党は、日本経済を再生させ、国民が希望の持てる日本をつくるためには、人間を人間として大切にされる経済社会のルールをつくることが必要であるとして、3つの提案をしています。一つは、EUの欧州委員会が「企業の社会的責任」の提言を発表していますが、日本でも企業に対して雇用を守る社会的責任を果たさせるために政府が本腰を入れて乗り出すこと。二つには、本当に持続可能な社会保障制度をつくるために、国がこの分野に最優先で財政支出を行うこと。三つには、「税金は所得の少ない人からは少なく、多い人からは多く」という原則にたって税制の民主的再建に取り組むことであります。(詳細については前もってお渡ししています。)
伊丹市民と伊丹市財政に大きな負担を負わせている現在の日本経済の現状と、日本共産党の提案に対して市長の見解を伺うものです。
次に持続的発展が可能な都市の創造に向けての3つの重要課題に対してそれぞれ見解を伺います。
2)第1の「地域資源を最大限に活用したまちづくりへの挑戦」について
住み続けることができるまちになることは市民みんなの願いであり、この課題には行政としての重要な役割があります。持続的発展が可能な都市を築く上での、地域資源を最大限活用したまちづくりに関しては、地域住民、企業・組合などの団体の協働により、環境を保全しつつ資源を合理的に活用し、市内経済循環を重視して、伊丹市の文化や教育、福祉分野での雇用を創出し、行政と住民組織のパートナーシップで住民福祉を向上させることが必要であると思います。この立場は「内発的発展」、あるいは「内発的まちづくり」といわれ、「外来型開発」に対置する意味で使われていますが、この視点からまちづくりをしていくことが大事ではないでしょうか。しかし今まで、この発展を拒んでいたもの、拒んでいるものがあります。それは何なのか、私は例えば、「外来型開発」として郊外型の大型店があると思います。それもできたものを資源と捉えれば、その活用は考えられますが、市内商業者としての貴重な資源に大きな影響を与えるものともなります。これら拒んでいるものを排除、克服してこそ持続的発展が可能なまちをつくっていくことになると思います。
また「持続可能な内発的発展」は、地方自治法の第1条の2「地方自治体は、住民の福祉の増進を図ることを基本とし、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担うものとする」という地方自治体の役割規定が基本となるものであります。何よりも住民のくらしを守ることを求めるものであり、地域経済の発展をどうするかが現在では大きく問われているのではないでしょうか。これらに対する市長の見解を伺うものです。
3)第2の「新たな公共の再生への挑戦」について
まず、「新たな公共の再生」とはどういう意味なのでしょうか。全国的に今「公共」が問われているのは、政府や地方自治体による大型公共事業によって、自然破壊や公害を発生させ、このために事業の公共性が問題となっており、身近なところでは、かつて大阪国際空港の公共性が問われた裁判がありました。これらは、国や地方自治体の主張する公共性と、住民が普通の利益として主張する公共性が対決していましたが、住民の側では、憲法を基準にして人権を保障するところの「行政の公共性」に第一義的意義があることを見出した主張であり、この考え方が定着していきました。そして現在このことが市民の基本的人権の拡大を基本とした「市民的公共性」に基づくまちづくりへと発展しているものであります。伊丹市においては、自治会や地区社会福祉協議会などコミュニティ活動によって一定このことが行われてきています。これが「新たな公共の再生」として理解していいのかどうか。そのまちづくりにおける市民参加のしくみづくりが今回提案の「伊丹市まちづくり基本条例」であると思います。現在、少子高齢化、不況による失業者の増大、環境保護など公的部門が果たす役割は拡大していますが、条例制定や地域福祉計画などで行政との「役割分担」を行うことによって、公的部門、すなわち行政の役割を減少させるものにならないか危惧するところであります。まちづくり基本条例は、拡大していく公的部門にいかに住民参加を拡大させていくのかが基本となるのではと思いますが、見解を伺うものです。
4)第3の「市民生活の最大満足をはかるため、NPMいわゆるニュー・バブリック・マネージメントの理念に基づく新しい行政運営への挑戦」について
NPMとは新管理主義と約され、「行政の市場化」あるいは「行政の経営化」を支える理論として登場しました。ある論者によれば、NPMは「経営資源の使用に関する裁量を広げる」とともに「業績/成果による統制」を行うことを基本としています。そしてそのための「制度的しくみ」は「民営化手法、エージェンシー、内部市場などの契約型システム」を導入することで「市場メカニズム」を「可能な限り活用」することであるなどといいます。そして、「統制の基準を顧客主義に転換」し、行政組織を「統制しやすい組織に変革する」ことであります。英国財政の回復について言及されていますが、この国における行政経営改革は、保守党のサッチャー政権が82年から着手した財務管理改善から始まったとされています。そしてこの考えのもとに徹底した「行政改革」で住民サービスを切り捨てていくことでありました。その後のメージャー政権の下で行政組織における実施部門をエージェンシー化、すなわち独立法人化しました。この理念を参考にすると言うことは、このやり方を伊丹にどのように当てはめることなのか。伊丹における行政評価システムが、企業経営原理主義の立場を重視したものになることには大いに疑問があります。地方自治体のあり方は、経営とはまったく別のものであり、憲法による地方自治の本旨、すなわち住民自治と団体自治が基本であることはいうまでもありません。市長の見解を伺うものです。
2、2002年度予算編成に対して---小泉内閣の「構造改革」による国民の暮らし破壊の政治から市民の生活を守る立場で市長の見解を問う。
1)財政問題について
@
市民税収入は、個人市民税で対前年度予算比4.8%の減、法人市民税も10.2%の減を見込み、金額にして6億7千6百万円の減少となっています。このことは、企業のリストラによって勤労者の所得が減少し、そのために民間の消費が冷え込んで物やサービスが売れなくなり企業の利益も減るという悪循環によるものでありますが、このことで中小企業・零細業者の倒産・廃業が急増するとともに、勤労者世帯の月平均実収入や全世帯の消費支出が、98年以来4年連続して減少を続け、家計に大打撃をあたえています。GDPの6割を占める民間最終消費支出が減少することが不況の最大の原因であることは政府も認めているところであり、この状況でこそ、家計をあたためる施策が待たれているときはありません。
ところが市長は、来年度に、保育所保育料、幼稚園入園料・保育料、公民館の有料化などの値上げを計画し、市民に新たに約5千5百万円の負担を押し付けようとしています。景気回復に水を指し、市民の懐をさらに冷え込ませることになります。このような値上げはすべきではありません。市長の見解を問うものです。
A
財政健全化計画の中間総括と今後の考え方、見直しについて
現在の財政健全化計画については、来年度見直しを行い、第2次3ヶ年実施計画の策定とあわせて見直しを行うとされています。大変厳しい財政のもとにありながらも、切実な市民の要求にいかにこたえていくのかが問われています。その見直しの基本的な考え方として、以前にも指摘していますが、市民の立場から行政の無駄を省くこと、不要不急の事業の見直しを基本として、新たな市民負担は行わないことが求められています。市長の見解を伺うものです。
2)重要施策から
@
同和問題について
1969年7月施行の同和対策事業特別措置法に始まり、33年間にわたって続けられてきた同和対策事業が、本年3月末ですべて終了することになりました。総務庁地域改善対策局もこの間、全国地域改善対策主幹課長会議などを開催し、「同和地区(対象地区)、同和関係者に限定して行われてきた特別対策は終了し、今後は同和地区における施策ニーズに対しては、一般対策を通じて対応することになる」ことを徹底させる努力をしてきました。この法律の失効と同時に、特別対策を行うために行われてきた地区指定や対象者指定も解除されることは言うまでもありません。
ところが一方、伊丹市同和対策協議会から出された「伊丹市における今後の同和行政のあり方について(提言)」では、同和行政を終結するどころか、「総合的な同和・人権行政への発展をめざす必要がある」などと、全国の終結の流れに反し、これまで以上に不公正な同和行政を継続するものとなっており、見過ごすことはできません。以下数点にわたって質問をします。
第1に、「提言」では「伊丹市においても基本的には一般対策に移行することになる」としながらも、「同和問題の解決に向けた取り組みを、特別対策で行うのか、一般対策で行うのかは、あくまでも手法の違いであることに留意する必要がある」として、同和行政を継続するものとなっています。ここではまた、1965年の「同対審答申」のなかで、「部落差別が現存する限りこの行政は積極的に推進されなければならない」と述べられていることを根拠にしていますが、すでに86年8月5日に出された総務庁・地域改善対策協議会の『基本問題部会報告書』の中で、「この答申を現在でも絶対視して、その一言一句にこだわる硬直的な傾向が見られる」として、「同対審答申」を無批判に絶対化して捉え、これに依拠することの誤りを指摘しているところです。また、96年の地対協意見具申で、「特別対策の終了、すなわち一般対策への以降が、同和問題の早期解決を目指す取り組みの放棄を意味するものではない」としたこともあげられていますが、この問題では、当時この意見具申を出された地対協の会長であり、現在、人権教育啓発センター理事長の宮崎繁樹氏は、一部の立ち遅れた問題については、地域を限定しないで、すべてを対象にすることであり、このことが一般対策への以降の意味であること、すなわち一般対策のなかの同和対策などありえないと明確に述べています。手法の違いなどではなく、明確に同和行政そのものを終了することを言明しているのであり、「提言」にあるような結論は全く考えられないことであります。総務庁は継続することには行政の説明責任が問われるといっていますが、市長の明確な説明を伺うものです。
第2に、同和行政終結に関わって、伊丹市立ふれあいセンター条例では、「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域」という規定が残ったままであります。伊丹市はいつまでこの地域を「安定向上が阻害されている地域」と規定しておくつもりでしょうか。33年間の同和対策事業で生活環境は大きく改善されたことは当局も答弁されています。直ちに条例改正を行うべきであると思いますが、市長の見解を伺うものです。
第3に、「提言」で、「同和問題解決のための施策の主要な課題は、『部落』差別という差別意識をなく」すこととし、そのための体制作りが必要として同和教育・啓発を今以上に拡大しようとしている問題です。しかし12月議会でも指摘しましたが、人の意識を変えるのは行政の仕事から逸脱をしています。部長答弁では社会教育法第5条に規定されている教育委員会の事務について触れておられますが、あくまでも社会教育の援助としての役割であることは間違いありません。したがって行政・教育委員会が行うものは意識を変えることを目的とした社会教育になってはならないということです。国民の意識感覚は、憲法と教育基本法に基づいて、主権者としての自覚と知識、人間性を養い、社会人としていきぬく力を育てる教育によって培(つちか)われ、個人や家庭での努力はもちろん、人権を守る国民のたたかいと世論の発展によって形成されるものであると思います。このことが憲法と教育基本法に基づく、人権教育の中身になるのではないでしょうか。市長の見解を伺うものです。
第4に、伊丹市同和対策協議会の「提言」の位置付けについてです。この伊丹市同和対策協議会については以前本会議でも指摘してきましたが、条例に基づかず、要綱によって設置されたものです。しかも90年9月の伊丹市同和対策審議会で、「事業の円滑な実施が促進できるよう協議会を設けられたい」との指摘を受けたことによるものです。同和行政終了という同和行政の大きな転換期に、条例で設置された機関が存在するにもかかわらず、わずか10名の、しかもその3分の1が部落解放同盟の役員という限られた委員で構成された、事業促進のために設置されたこの協議会に今後の同和行政のあり方についての「提言」を求めた根拠はどこにあるのでしょうか。さらに協議会を公開をされず、パブリックコメントを求めるよう要求していましたがそれもされず、全くの密室で決められたこの「提言」を市長はどのように位置付けされるのでしょうか。参考までに神戸市では、大学教授をはじめ、市会議員6名、全解連と解放同盟からそれぞれ1名ずつ、地域改善まちづくり協議会から3名、各関係部局から5名など、24名によって構成された神戸市同和対策協議会から、「答申」として提出されています。そして「本協議会は、これを持って設置目的を果たした」として、解散を決めています。市長は今後この「提言」を改めて同和対策審議会で審議されるのか、広く市民の意見を公募されるのか、関係部局との調整も全くされていないことから、改めて行政機関で主体性を持って議論するのか、「提言」の位置付けに対する見解を伺うものです。
A
国民健康保険事業について
この問題では12月議会の質問に対する答弁をもとに改めて伺いたいと思います。
第1に、国民健康保険税の引き下げを求める問題です。答弁では、国保会計が赤字を脱しきれていないこと、今後の医療における被保険者の実態などに目を向けて検討するとのとでした。結果としては国保運協の答申をふまえ、介護2号保険の単価の見直しによる値上げが提案されました。12月にも指摘しましたが、標準3人世帯の生活保護基準、収入300万円以下の世帯が全加入者の75.5%を占める国民健康保険においては、税の負担は耐えがたいものとなっていることは紛れもない事実であります。特に新たな国保加入者では、リストラなど所得がなくなったり激減した世帯が急増しています。この収入300万円の世帯には、年間約27万円の課税となり、憲法25条に保障された最低限度の生活を営むことができない事態となっており、憲法の規定により社会保障制度としてできた国民健康保険制度の存在すら問われる問題であります。この原因は国が国保に対する補助金を大幅に減少させたことにありますが、低所得者に重い課税となったのは、課税方式を旧ただし書き方式に改めたことが一つの原因です。来年度から税の算定方式の見直しで、譲渡所得特別控除と専従者控除を算入するという改善はありますが、それ以外の控除は全く、しかも低所得者にはこれらの控除は関係ありません。すべての国保加入者が健康で文化的な最低限の生活を営むことができるように、国に対して国庫補助を引き上げることを求め、国保税の課税最低限を必要な人的控除を行うことなどによって生活保護基準以上に引き上げる立場から、抜本的な改善が必要であると思います。市長の見解を伺うものです。
第2に、減免制度の拡充についてです。
12月議会での質問では、現在の減免制度が、最高50%となっており、厳しい不況下で職を失った人にとっては払うことができない事態も生まれていることから、この改善を求めました。答弁では、保険方式を取っている相互扶助の制度であり、受益と負担の公平が制度の基本であるから、減免の上限50%は適切であるとのことでありました。しかし国民健康保険制度は、民間の相互扶助の保険とは全く性格が異なり、法第1条でその目的を、社会保障及び国民保険の向上に寄与することと規定されているとおりであります。例えば、東京・国分寺市は、災害などそれぞれの減免要綱に該当する場合、生活保護法による保護の基準金額に対する減免申請前3ヶ月の平均収入額の割合が、110%未満の場合100%の減免率となっております。阪神間では、芦屋市で、生計を維持することができなくなった場合、応能割で100%、応益割で60%の減免率が適応され、川西市、三田市、宝塚市でも50%を越える減免率を認めています。是非伊丹でも50%を超える減免率の制度を確立していただきたいと思いますが、見解を伺うものです。
B
中心市街地活性化対策について
中心市街地は、単なる商業空間ではなく、住民の生活や交流のためのまちの中心であります。したがって中心市街地は、様々な生活機能が集積した複合的な空間として再生していかなければならず、そのための4極2軸を中心とした活性化対策が取られていいかなければなりません。一方、市長の提案説明で、阪急伊丹駅東地区の再開発については、これまでの基礎データの見直しを含めた事業計画の策定と再開発準備組合への支援を行うとされています。この場所が4極2軸の拠点としての位置付けがされていることには間違いないと思いますが、市財政の現状では大変困難であることは明らかです。また周辺市の再開発の現状を見ても、保留床が残り財政破綻をきたしている所やサラ金業者中心の店舗になっているところなど、不況の下での再開発のあり方に疑問の声が出ていることも事実です。慎重に同地域の再開発については検討しなければなりません。そこで、市長の基本的なスタンスとして、積極的に支援し再開発を進めようとする立場なのか、もしそうならばどのような展望を持っておられるのか、見解を伺うものです。
ドンキホーテ伊丹店が2月5日に開店し、渋滞などによる周辺住民への被害が大問題となりました。この教訓から、伊丹市独自に、一定の要件を定めた対象施設、すなわち店舗に対して、周変住民の生活環境を保護するための条例をつくる必要があるのではないかと思います。杉並区では、居住用用途地域から100mの範囲内の施設で、店舗面積が500平方メートル、深夜営業の場合は300uをこえる商業施設を対象に、出店計画の届け出、説明会の開催、協定の締結、区長による勧告などを制度化する条例を定めています。伊丹市における今後のまちづくりにとって、起こりうる事態を予想し、そのための話し合いのテーブル作りと調整機能を制度化することは必要な課題と思いますが、見解を伺うものです。
さらにドンキホーテの開店に関連し、ダイヤモンドシティ伊丹ショッピングセンター開店時の混雑の予想と対策はどのようにされようとしているのかお伺いします。
C
不況対策について
小泉内閣の失政が拍車をかけた出口の見えない不況によって、企業によるリストラ、倒産・廃業の急増など、市民生活を深刻な事態に追いやっています。この事態を解決することはもちろん国の責任でありますが、伊丹市独時に様々な施策を講じて、市民の暮らしと営業を守ることが求められています。
そこで第1には、深刻な不況から市民生活を守るため、庁内横断的に即時的に対応できる不況対策本部をつくること、さらに東京・墨田区や世田谷区、大阪・八尾市などでつくられている地域振興条例を制定することであります。「八尾市中小企業振興条例」は、その目的で「市の活力ある発展に重要な役割を果たしている市内中小企業の振興について基本となる事項を定め」、「市の産業集積の維持発展を促進」することと「地域の健全な発展を推進」することで、「調和の取れた地域社会の発展に寄与すること」としています。そして基本方針、基本的施策、市の責務、中小企業の努力、市民の理解と協力などとともに、大企業者等の努力を定め、その中で「中小企業と大企業がともに地域社会の発展に欠くことができない重要な役割を果たすことを認識し、地域社会の振興に努める」としています。伊丹市では「伊丹市産業の防災・振興ビジョン」を策定し、その実行に努められていますが、将来にわたって中小企業の果たす役割を明確にし、基本方針を条例として定めることの意義は大きいと思いますが、この二つの点に対する見解を伺うものです。
第2には、今まで埼玉県の各市や明石市の取り組みを紹介してきましたが、零細業者の仕事を確保する上で、伊丹市の一定金額以下の小規模な修繕等の工事を登録制によって、零細業者に発注できる仕組みをつくることであります。この度静岡・富士見市でも実現しました。ここでも、市発注の50万円以下の簡易な修繕を受注できる制度です。これは、地方自治法第234条の「随意契約」を活用した制度で、2年以上の経験をもつ市内の事業者で、申請書と納税証明書などがあれば登録が可能で、4月から発注を開始するものです。昨年の9月議会でのかしば議員の質問に対する答弁では、建設業法第3条第1項、あるいは公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律などを引用され、公共事業の発注者側の責任、国民の信頼の確保などから、業者指名にあたっては登録業者を対象にしたいとのことでした。しかし現実には小規模な工事は相見積もりなどで発注されています。伊丹市でも是非制度として実現をするべきかと思いますが、見解を伺うものです。
第3に、来年度市内全事業所のしっかい調査を行うことになりましたが、今後のその運用についてどのような計画を持っておられるのでしょうか。東京・墨田区では、全事業所ノベータベース化を図り、行政がそのCDを持って市外の事業所を訪問することまで行っています。当局のお考えを伺うものです。
D
地域福祉計画と公的責任について
社会福祉事業法等の一部改正、社会福祉法として施行されました。これまでの社会福祉事業法は、社会福祉の基本的な枠組みを定めた法律でありましたが、改正社会福祉法の最大の特徴は、「措置制度」から「契約」制度に向けて基本的な改正がなされたことにあります。その法律の中での「地域福祉計画」の位置付けは、社会福祉協議会などが中心となっている「地域福祉の推進」というところに位置付けられており、社協や社会福祉事業者、住民活動などの地域資源を活用した地域福祉を推進することを目的としています。「社会福祉基礎構造改革について」の中間まとめの中でも、地域住民を地域福祉の担い手と位置付け、地域の福祉活動における公と民の役割分担について合意を形成するとされています。これらのことから、地域福祉における公的責任があいまいにされる危険性があるのではとの懸念を持つものです。伊丹市におきましては、市民100人による策定市民会議を立ち上げ、これらの意見を集約して計画を策定されようとしています。公的責任を果たしつつ、NPOや様々な住民組織、ボランティアなどと連携を取りながら高齢者や障害者などの地域生活を豊かにする計画にしなければならないと思いますが、見解を伺うものです。
E
教育行政について
来年度から新学習指導要領がスタートします。総合学習を本格導入することで「ゆとり」を取り戻そうとする一方、「学力」の低下の懸念もあることも事実です。国立教育政策研究所と福岡教育大学の研究グループによる校長・教員約7000人からの意識調査の中でも、「総合学習が始まって、基礎の読み書き計算をする時間が不足してきた。総合学習は実に時間がかかる。校外での活動や宿題でまとめさせる時間がとても多い。その分計算の宿題などを減らさないと子どもの負担が大きい。知識量が不足しないか」という声や、「総合学習でいろんな事を知ったり、あらゆる情報をいつも集めたりしておく先生であるべきだという要求をされているようでつらい」と言った声が紹介されています。一方では積極的な意義をもつことになる反面、他方ではいじめや不登校、学級崩壊など様々な問題を抱えている教員にとって、これらのことが悩みの種になっているのではないでしょうか。「ゆとり」と「学力」のかねあいをどうするのか、教育委員会はこれらの問題をどのように捉え、解決の展望をどうもっておられるのかお伺いするものです。
1997年6月、国会で「学校図書館法の一部を改正する法律」が可決成立し、44年ぶりに司書教諭の配置について一定の改善が図られることになりました。このことによって、12学級以上の学校に2002年度末までに司書教諭の配置が行われることになります。学校教育が子ども自ら学ぶ教育へ転換してきており、学校図書館は、そのための総合的な学習や調べ学習を進める上での重要な役割があります。そのため司書教諭は、学校図書館を教育課程の展開の拠点となるよう運営し、教師の学習指導を支援し、子どもたちに学習の方法を指導していかなければなりません。したがって配置される司書教諭の「選任化」と時間軽減を国に強く求めるとともに、この実現を図ることが必要であります。
さらにすべての学校に学校司書を配置することも求められている課題です。岡山・倉敷市では、小中学校すべてに「学校司書」が配置されています。学校図書館事務職員に関しては、高等学校が67年、小中学校が69年に「定数法」改正で一定の規模以上の学校に対する公費化が実現しています。現在全国に7000人から8000人配置されていますが、国として「学校司書」としての制度がないために十分な機能を果たしているとはいいがたい状況にあります。したがって国に対する法制度確立を求めるとともに、伊丹市独自にでも、計画的に「学校司書」を配置していくことが必要ではないでしょうか。
以上二つの点に関する見解を伺うものであります。