「平成14年度伊丹市一般会計等予算審査特別委員会」反対討論
中村 孝之議員
ただ今、議長より発言の許可をいただきましたので、私は、日本共産党議員団を代表いたしまして、議案第16号、50号、53号、54号、55号に対し、反対の立場から意見を述べたいと思います。
まず最初に、議案第16号・平成14年度伊丹市一般会計予算案についてであります。
今日、日本経済は、中小企業の倒産・失業率、個人消費購買力など、あらゆる指標で、戦後最悪の状況となっており、市政運営の点でも、市民のくらしの面でも、これまでにない、大変大きな影響を及ぼしています。
しかし、政府は、中小企業の経営をさらに悪化させ、倒産に追い込む、「不良債権の早期最終処理」を優先し、国民が願う景気回復対策をなんら講ぜず、国民の批判も大きくなってきています。このような中で、住民の暮らしを守る役割をもつ自治体の責務は大きく、そのための施策が求められています。
今回提案されています平成14年度予算案は、歳入歳出それぞれ60,130,000千円で、昨年度の肉ずけ後の予算に比べ、マイナス2,6%となっています。
また、主な財政指標を見ても、経常収支比率は、97,7%、公債比比率は、14,4%、市債残高は、64,895,000千円となるなど、どの指標も厳しい財政状況を示しています。
先ず、歳入でありますが、歳入の基幹であります市税収入は、前年度肉ずけ予算比ですが、個人市民税では、4,8%のマイナス、法人市民税では、10,2%のマイナス。固定資産税を含めますとマイナスは967,305千円であります。
これはまた、伊丹市財政健全化計画による財政収支試算によりますと平成14年度の市税収入は、31,434,000千円となっており、その差は、2,486,238千円であり、大きな乖離となり、きびしい財政運営が求められています。
このような現状をふまえますと、超過負担の解消、航空機燃料譲与税や国有資産等所在市町村交付金などの増額、また、地方交付税削減に反対するなど、地方自治に必要な財源確保については、国や関係機関などに対し、歳入の努力を、さらに強められることを、強く求めておきます。
次は、歳出についてであります。
歳出については、さらに、厳密な精差が求められるところですが、是々非々の立場から意見を述べます。
第一は、厳しい財政状況の中で、市民の期待に応えた施策についてであります。
その一つである少子化対策については、保育所待機児の解消に向け、来年度4月からクレヨン保育所35名、かおり保育所30名、併せて65名の定員増が図られ、さらに、2004年(平成16年度)では、社会福祉法人運営による保育所建設が計画され、160人の定員増が予定されています。女性の就労権と、子どもの発達権の確保に、一定の改善が図られますが、今後の施策としては、市が責任を持った公立保育所の建設が必要であることを求めておきます。
次に、高齢者福祉については、伊丹市中央地先の特別養護老人ホームの建設で介護施設の充実が図られ、これは、待機者の解消に大きく寄与することとなります。来年度は、老人保健福祉計画、介護保険事業計画の見直し、地域福祉計画の策定が行われますが、その中で、公的責任を充実させ、高齢者が生き生きと暮らすことができる伊丹をつくるため、市民の声を生かして努力されることを求めるものです。
次は、障害者福祉についてであります。 2000年5月、社会福祉事業法が改正され、これまでの障害者施策が大きく変わります。2003年4月より、これまでの「措置制度」が、「利用契約制度」となりますが、これに対する障害者の不安は、大きくなっています。 実施に向けては、福祉対策審議会の中でも議論されるところですが、基盤整備を含め、障害者の願いに応えられるよう、また、今日までの施策をさらに充実されるよう、強く要望するものであります。
次に、中小企業対策については、不況が続いている中、廃業や倒産が増大しています。地域経済を支えている中小企業への支援は、急務であります。融資の改善と合わせて、中小企業の実態調査が計画されていますが、今後の仕事確保をするための施策に生かされるよう求めておきます。
次に、教育施設整備については、池尻小学校が、来年度大規模改修工事に併せ、市立学校としては、養護学校を除き、初めてエレベーターが設置され、バリアフリー化が図られることとなりました。しかし、身体に障害をもつ児童・生徒は、大多数の学校に在籍していますが、楽しい学校生活が送れるように、今後は、早期の全校設置計画を策定し、実施されることを求めておきます。
次は、(仮称)北部拠点施設の建設が計画されていますが、これは、地域住民が待ち望んだ施設でもあります。この施設は生涯学習の場として、図書館・児童館・学習施設をそなえており、初期の目的が達成できますよう、行政の役割が期待されています。 特に、この施設の建設懇話会に、高校生・中学生の代表が参加された点は、大きく評価されるものであります。なお、管理運営については、行政が責任をもって対処されるよう要望しておきます。
第二は、市民の目線から見て、評価できない主な点について、意見を述べたいと思います。
その一つは、同和行政・同和教育についてであります。
今年は、水平社創立80周年に当たり、しかも33年間に及ぶ特別対策が終了する歴史的転換の年です。部落問題は、地域性の強い社会問題であり、生活環境・教育・医療・福祉などの非人間的な生活実態を解決することが求められていました。これは、当時の状況を反映した、1965年(昭和40年)の「同和対策審議会答申」でも明らかであります。
この間、国・自治体併せて、約16兆円が同和対策事業費として投入され、その結果、かって見られた部落における非人間的な生活実態・環境が解消されました。わたしどもは、部落差別に苦しむ人達が、体験された地域的閉鎖性・非人間的な生活実態などが解消されれば、個別的に一部問題が残っていても、社会問題としての部落問題は、解決をしたものと判断いたします。
もともと同和行政は、同和地区の現状を早急に解決するために、一般対策を補完してとられた行政上の特別措置であり、特別措置を必要としない状態を、早く実現するための経過的・特例的な措置であり、事業の進捗とともに終了するものであります。
格差是正が達成された今日、さらに同和事業を継続することは、地区住民の自立と融合を妨げることとなり、部落問題の解決を遅らせることとなります。
市長は、施政方針の中で「変化」への対応を強調されていますが、これこそ主体性をもった施策展開が、求められているのではないでしょうか。
しかし、市長は、誰が書いたか解らない「落書き」や、「差別意識」などを理由に、まだ部落差別があるとして、今後も同和行政・同和教育を推進しようとしていますが、これまでにも主張してまいりましたが、このようなことは行政がやる仕事ではなく、また、市民や地区住民が望むところでもありません。
来年度予算でも、同和対策関係経費として、661,681千円という多額の予算が計上されており、これは、到底市民の合意を得られるものではありません。また、今回の本会議で、個人給付事業については、3年間の経過措置をもって平成17年度から廃止するとの答弁がありましたが、他のすべての同和事業についても、事業の目的・趣旨は同様であり、終了し廃止すべきであります。
次は、大阪国際空港広域レールアクセスについてであります。
今回調査委託料として、2,500千円が計上されています。昨年9月、市長は、事業費が約870億円と言われるBレートを、知事に要請されましたが、これは神津地区に中間駅を作ることを前提としております。
この事業は、採算性も過大な需要予測を前提としており、また、膨大な事業費に対し、今日の財政状況の中、多額な地元負担も予想され、これは市民に多大な負担を押し付けることになることは明らかであり、中止すべきであります。
次は、阪急伊丹駅東地区再開発の問題であります。
今日までいろいろな経過があり、休止していた再開発準備組合が、伊丹市が積極的に支援してくれるなら再開したい、ということで再開されたことに伴い、組合施行を前提とし、本組合設立の判断材料を作るためとして、事業計画策定委託料が18000千円計上されています。
中心市街地の活性化は、重要な課題でありますが、今日の不況の下、各地での再開発事業は、保留床の処分などで、破綻をきたしている状況であります。現下の市財政の見通しも含めて、慎重な対応が求められます。
次は、阪神北部広域行政研究会についてであります。
市長は、施政方針の中で、来年度が3ケ年の阪神北部広域研究会の最終年度となるので一定の結論を出したいと言われています。また、市長は、本会議で研究会に係わる合併問題に関する質問に対し、「国から言われているからではなく、3市1町の首長が主体的に判断する」との答弁をされました。 しかし、市町村の合併問題については、政府がアメとムチで強引に誘導していることは
自明のことであり、まさに、このことは、地方主権を侵害するものと言わざるを得ません。また、その目的も、大型開発を効率的に進める体制をつくるものであり、住民サービスを切り下げることとなります。もともと、広域行政の研究と合併問題は、別の次元の課題であり、混同してはなりません。
次は、日の丸・君が代についてであります。
法制化にあたっての政府の国会答弁では、「国民に日の丸の掲揚、君が代の斉唱を義務づけるものではない」としています。この様に、国民に強要できないものを、教育委員会は、入学式や卒業式で「学習指導要領」を実行していくために必要だとして、教師や児童・生徒に押し付けてきました。憲法第19条の「思想及び良心の自由」を踏みにじる強制等は絶対に止めるべきであります。
以上、意見を申し上げてまいりましたが、本委員会の中で要望いたしました様々な事項につきましては、今後の施策の中に生かされることを求めまして討論といたします。
次は、議案第50号「伊丹市立幼稚園保育料及び入園料徴収条例の一部を改正する条例の制定について」であります。
この条例案は、4・5歳児の保育料を現行8,000円を9,000円に、入園料は、4歳児、現行8,000円を9,000円に、5歳児は、平成14年度のみ7500円とし、2003年度から9,000円に改定しようとするものです。
値上げの根拠は、伊丹市使用料手数料等審議会の答申に基づいて、受益者負担の原則、私立幼稚園との均衡、近隣他都市の状況との関連を柱としています。
近隣他都市との関連では、保育料は<今回の値上げで、神戸市を除くと<阪神間で一番高くなります。5歳児の入園料は、尼崎市についで高いものとなり、今回の改定は、近隣他都市の状況を考慮したものとは言えません。
今回の値上げは、不況で苦しむ市民のくらしを脅かし、少子化対策にも逆行するものであります。
次は、議案第53号「伊丹市立生涯センター条例の一部を改正する条例の制定について」であります。
この条例案は、最初の60分は、現行どうり無料とし、60分を越えるごとに、現行100円を150円とし、190万円の増収を予定されています。もともと、この施設は、市民の生涯学習の場として、誰でも、いつでも利用できる施設であり、不況の中、負担を増やすべきではありません。
次は、議案第54号「伊丹市立公民館条例の一部を改正する条例の制定について」であります。
社会教育法3条では、国及び地方公共団体の任務を規定し、社会教育の奨励に必要な施設の設置や、国民が文化的教養を高め得るような環境を醸成するよう努めなければならないとしています。
また、同法20条では、公民館の目的として、住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与すること、と規定しています。
今日まで、この法の趣旨に基づき、使用料は無料とし、多くの市民が利用してきました。しかし、今回、受益者負担を導入しようとするものですが、これは、法の目的から後退するものです。阪神間の実情を見ますと、尼崎・川西・芦屋・三田の各市は、登録団体の利用は、無料となっています。
今回の有料化で、255万円の増収を見込んでおられますが、法の趣旨にのっとり、受益者負担の導入はすべきではありません。
次は、議案第55号「伊丹市立児童くらぶ条例の一部を改正する条例の制定について」であります。
この条例は、今年4月1日から育成料を、現行4,000円を5,000円に25%も引き上げようとするものです。
引き上げの理由として、使用料手数料等審議会の答申に基づくものとされていますが、市民のくらしが大変な中、安易な受益者負担は、謹まなければなりません。現に阪神間の状況は、宝塚・川西・尼崎・芦屋の各市は無料であります。
この事業は、1998年4月に法制化され、市町村に対し、「放課後児童健全育成事業を行う」と役割を明記しました。また、この法律の実施要綱では、保護者負担について、「本事業を実施するために、必要な標準的な経費の一部を保護者から徴収することができる」とし、徴収の義務づけはせず、地域の実情に応じて判断することとしていることからも、今回の引き上げは、妥当ではありません。
また、今回の引き上げは、社会問題となっている少子化対策にも逆行するものであります。
以上をもって、討論を終わります。