☆どういう経過かは不明ですがサイトNo.22(1990年11月発行・在庫無し)に掲載された漫画家の西原理恵子さんへのインタビュー記事です。インタビュアーのハッピーキラーは当時、高校生のガキンチョでありまして、長々とつきあって下さった西原さん、ありがとうございました。なお、文中では西原さんが「独身」とありますが、現在では結婚されていて、お子さんもおられるそうです。☆


『ひたすら駆けずり回る青春』



ちょっと変なアングルでの西原さん。

第一回
by HAPPY・KILLER V3号
さいばらりえこ様の巻

☆プロフィール:本名=西原理恵子、生年月日=1964年11月1日、出生地=高知、家族=ものすごい父、心配性の母、いぢわるな兄、現在の連載=「ゆんぼくん(まんがクラブ)」「ちくろ幼稚園(YOUNGサンデー)」「まあじゃんほうろうき(近代麻雀ゴールド)」「怒濤の虫(サンデー毎日)」etc (注、1990年当時 )




1990年10月20日(土)
 かねてから会ってみたいと思っていた、あの人を私はこの喫茶店で持っていた。インタビュアーとしての常識、「30分前の接待」ということで約束の30分前に来ていた。そして今は12時20分、約束の時刻から20分を経過していた。
 その間に、さえない中年男といかにもという容姿をしたデートクラブのお姉さんは仲良く出ていくわ、レモンスカッシュは薄くなるわで、まったく退屈であった。私はプロの傭兵のように入口と内部が一日でみわたせる席で待機していた。
 12時40分、彼女は入ってきた。予想に反した御姿であった。「ザンギリ頭を叩いてみれば文明開花の音がする」という言葉があったが、そんなザンギリ頭(あえてボーイッシュとは書かない)に、左耳のイヤリング、青っぽいチェックのジャケットの下に灰色のヨットパーカーとジーンズ。赤いインディアンシューズ(?)を素足に履き、薬指には銀のリング。なかなか、さまになっている。かわいいし・・・。
 近頃の20代にしてはめずらし<ラフで、美大卒というフンイキが、そろりそろりと出ている。なるほど、さすが麻雀界のアイドルと言われるだけある。

西原「すいません遅れてしまって。夜遅くまでいつものメンバー(竹書房の宇佐美編集長や師匠である山崎氏ら)と麻雀していて起きたら12時だったんです。それに飲んでて二日酔いなんです。」 私 「はあ・・。(やっぱりな)」
 ということで、西原さんは空腹のようなので場所を近くの軽食堂に移した(ここは西原さんが大学時代にかよっていた)。パートのおばさんらしき女性がオーダーを取りに来た。
西原「う〜んと、エビフライ食べたいなあ・・・ロールキャベツも食べたいなあ・・ 食べていいですか?」
有名人と面と向かって話すのが久々な私は、あまり食べるつもりはないので、
私 「あははは、どうぞ好きなモノ食べて下さい、経費でおとせますから。」(もちろんSIGHTにそんなものはない、自腹である。)
西原「それじゃあ他に・・・えっと・・・・・う〜んと・・・・」(どうやら目移りする性格らしい.パートのおばさんもイライラしている。)
私 「それじゃあ、インタビュー始めさせていただきますけど・・。」
西原「んっ? ふあい、ひぃですぅひょお」
私 「まず漫画を書き始めたキッカケは?」 西原「私は子供の頃から絵で生活していきたいと思っていましたので、絵ならなんでもよかったんです。これからも、・・・すいまふぇん水<ださぁぁぁい!」
私 「へえ〜、子供の頃からの夢がかなうというのはスゴイことですね。私なんかは力道山からはては七色仮面まで、色々となりたいものがあったけど、今じゃしがない平凡な人間ですから。」(笑)「では次に今までのことについて・・」
西原「幼小中と普通に絵かきを志し、大検で2浪してから武蔵野美大に入りました。でも在学中からイラストレーターの売り込みをしていたので、大学にはほとんど行ってませんでした。よく卒業できたなと思います。」(笑い)
私 「すっすごすぎますね! 」
西原「高知とかの地方で勉強していても間違った勉強をするので上京して大学受験しました。・・・すいませぇぇん、水、水を!」
私 「じやぁ、一人暮らしを始めた頃はどうでしたか、ホームシックとかになりました?」
西原「家に帰りたくなる時もあったけど、今はリッパに東京で生き抜いています。」(と言いながらハシはロールキャベツへと・・・)
私「わたしにとって『西原理恵子』と言えば『まあじゃんほうろうき』なのですが、そのへんについて二言三言何かを・・・。」
西原「ふっ、ふぁぁぁい ! んっ!?んっ!? みっ、水を・・・!!」(のどがつまる西原さん)
私 「すいませぇぇぇん! 水くださぁぁい!」(あせりまくる私)
 やっと水が来たので、しばら<休む。

黙々とサイトを読む西原さん。

私 「それじゃぁ続きを・・・」
西原「はい、えっと、マンガの一巻の最初は色々と若い人が出て来ていますが、今はみんなライターやイラストレーターとして忙しいので、私には若い友達がいません。」
私 「その人達とは美大の頃からの友人ですか。」
西原「うううんっ、予備校時代の頃からの友達です。」
私 「今の友達は、どういう人達ですか」
西原「師匠の山崎さん、竹書房の編集部(雑誌・近代麻雀)の方々とか、木村千歌とか、朝倉世界一とか、彼等の仕事場が近いので、よく遊びに行くんですよ。田村光昭さんや金子正輝さんや安藤満さんとか、片山まさゆきさんとか、馬場(バビィのこと)さんとか(以上は皆さん麻雀のプロの方々です)。ほとんど私よりずっと年上で、まるでお父さんみたいな(笑)人達ばかりです。もっと若い友達が欲しいよぉ! 」
 こうして食事もだいぶ残っていたが、それをあえて無視して、次の場所へと向かうが、その前にチョッとした良い話が聞けた。
西原「昨年の夏にストレスがたまりすぎちゃったんですよ。連載を3本もかかえこんで。それでゴハンも食べられなくなって身体がメチャクチャになっちゃったんです。そしたら麻雀師匠の山崎さんが心配してくれて電話をくれたんです。それで新宿御苑に連れていってくれたんです。中を散歩しながら、あの木は何々だ、この木は何々だとか教えてくれたんです。それから師匠のひざ枕で昼寝したんです。二人とも。」
私 「ううっ・・・。え〜話しや! わて、もうもう泣けまんがなぁ〜。! !」
 ということで西原さんの指示で新宿御苑へとノコノコと行くのであった。その途中のことである・・・
西原「何か御苑で飲みましょうか?」(と、いかにも欲しそうな目で言う)
私 「えぇ、いいですね。そこにコンビニエンスストアがありますから。」
 名は忘れたが互いに、今まで飲んだことのないモノをウエットティシュとー緒に買った。もちろん私が金を出したのは言うまでもない。
西原「おっと、タバコ、タバコを・・・」(これは西原さんが自分でMILD SEVEN LIGHTを自分で買った)
私 「えっ!? タバコ吸うんですか!?」(本当に私は驚いた)
西原「そりやぁ、麻雀するのにタバコぐらい、なんてことないですよ。そうそう! 師匠とパチンコに行くとタバコが進む進む」
私 「へえ〜知らなかったなあ、私もパチンコしますけど、主に『一発台』しかやりませんけど」(と言いつつMalborwを買う私)
西原「うんっ、私もー発台すきなんですよ。500円玉がボンボン消えちゃいますけど」(笑)
私 「じやあ実家でもタバコを?」
西原「ええっママに内緒で隠れて」(笑)
 ということで御宛に着き入場科を払って(もちろん私が出した。←何故こんなしつこく書くかは後述する)二人でテクテクと歩いていった。
私「カップルやら親子連れが多いですね」(少し照れてる私)
西原「今日は土曜日ですから・・じゃあここに座りましょう」
 二人して芝生というか草というか、そのような場所でタバコプカプカ、飲み物コクコクとしてから続きを始めた。
私 「日常生活はどうしてますか?」
西原「麻雀か仕事をしているんですよ。だから当面の目標はもっとヒマを作って遊びたいですね。」
私 「今の自分をどう思いますか」
西原「そうですね、とてもラッキーだと思っています。確かに大学の頃からイラストレーターとしての売り込みはしていましたが、チャンスをちゃんと生かせられてラッキーだと思っています。」
私 「人は見かけでは分かりませんね.そんなに努力しているようにパッと見ただけではわからないですね、普通は。」(笑)
 西原さんは笑ってはいたが少し顔が引きつってた。悪気はないんですよ、本当に!
私 「それじゃあ必殺技とか、最近したスゴイことで何か?」
西原「スゴイことと言えば麻雀あおい戦のAリーグでのことですけど、オーラス前だと思ってリーチして、リーチのみで上がってしまい大ヒンシュクをかってしまいました。」(大々笑)
 麻雀あおい戦とは「裏ドラ、カンドラ、リーチ一発賞無し、自己申告なし」の麻雀のことで、すなわちリーチはほとんど無意味なのである。さっすが西原理恵子様だっ!
西原「必殺技は原稿の早書きです。」(大威張りっ! )
私 「でっ、どのくらい早いんですか?」
西原「竹書房の5ページをネーム無しから始めて(つまりマッシロな状態から)、1時間45分で書きました!!」(さらに大威張りっ ! )
私 「ものすご〜く早いですね。」
西原「だから宇佐美パパが『俺の編集生活20年は、いったい何なんだぁーっ』て言うんですよ。私はきっとマンガ界で一位二位を争う時給高額取りだと思っています。朝倉世界一よっ! 私を抜いてみろっ!」
私 「今、かっこいいと思う人は」
西原「前は能状先生とか、田中光昭さんでしたが、今は戸井十月さんですね、本もくれたし食事もしたし。」
私 「なるほど・・・(犬のような人だな・・いやいやウソですよ)」
私 「これがSIGHTですけど、どのように思いますか?」(と、おもむろに2、3冊取り出す私)
西原「・・・・・・・・・・・」(黙々と見入る)
私 「・・・・・・・・」(同じく然々と写真を撮る)
 しばらくしてやっと西原さんが顔を上げた。
西原「う〜んと、なんで私がインタビューされるのか、疑問に思っています。」
私 「ハハハハハハッ、理由は簡単、ゼーンブ私の個人的趣味なんです!! 」(勝ち誇るかのよう高笑い続ける私、引きつる西原さん)

 ここで実話チェックである。音声を変えて読もう。
Q1.「桜井章一氏の指をねじりましたか?」
A1.「はい、『指柔らかいでしょ』て本人が言うのでビローンと広げてみました。悪気はなかったんですよ」
Q2.「木村千歌さんは自分より麻雀が下手だとおもいますか?」
A2.「もちろん、だって6年間もやっていまだに点数計算できないもん」
Q3.「山崎師匠のカレーライスを食べましたか?」
A3.「はい食べちゃいました。師匠があんなに怒りまくるとは思いませんでした。」
Q4.「肉も?」
A4.「だってカレーといえば肉だと思うでしょ、だから肉もちゃんと食べました」

最後まで素敵なお姉さんでいてくれた西原さんでした。
 以上で査問を終了させます。さて西原さんも「まんがクラブ」の締め切りがあるということで、お開きにすることになった。
私 「動物とかは好きですか?」(と、道ばたのカマキリを見ながら)
西原「ええっ、生き物ならなんでも好きです」(と、言いながら、そのカマキリを木の上に乗せ上げてしまう西原さん)
私 「現在、夫、及び彼氏などはいますか?」
西原「いません、私は独身です、とても欲しいけど。」(いっけねえ、これオフレコだった! )
 などと色々な、誌面には掲載できない楽しいお話をしつつも、今回のインタビューは終了したのだった。


☆V3号としての感想・・うん!可愛らしいし愛らしくもあり、かつ楽しい女性である。サインにも軽く了解してくれたしね。ただ友達のギャンブルの食い物にされているような気がする。
PS、本当に本当に今度、麻雀しましよう。