(第4回 不定期エアガン批評)

上村純氏、ついにハドソン十四年式(N2)

CP-BLK化に成功か!?


オートマチックと見ればCP-BLK化せずにいられないことで知られる上村純氏(40才)が、BLKモデルなのに絶対にブローバックしないハドソン産業の南部十四年式(N2)をCPカートで動かすことに成功した。
氏はこれまでも単発でしかブローバックしないマルシンのベビー南部や、あのマルゴーガバまでも、快調なBLKモデルにカスタムをした実績を持っていた。しかし、どうしても快調な作動が得られなかったモデルガンが一つだけあった。それが、この十四年式(N2)である。
今回、上村氏は各部スプリングのバランスの調整と、エジェクター形状の改良、フィーディングのスムーズ化、ボルトフェイスの加工により単発ですらBLKさせることの出来なかった十四年式(N2)の連射に成功するという快挙を成し遂げた。
単発と連射では大した違いは無いように思えるかもしれないが、その違いは非常に大きい。なぜなら「連射させる」という事は、撃発後にカートを排出させ次弾をチャンバーへスムースに送り込むという一連の動きが可能でなければ絶対に行えないことだからである。
そしてハドソンの十四年式(N2)は、この一連の作動が全く出来ないモデルガンなのである。手動でカートをチャンバーへ送り込むことすら難しいのだから、連射など可能な訳がないのだ。
上村氏は、この十四年式(N2)の改良法を世に広めるため、調子の悪さに悩んでいる人達の一助になるよう、願っているという。


…という訳で、今回は南部十四年式(N2)のチューンアップレポートをお送りしたいとも思う。
このモデルガンについてはSIGHT No.25において、暗模騎士さんがレポートしているように、とにかく調子が悪い。いや調子がどうのこうの言う以前の問題なのだ。
見た目は大変美しく、木製グリップも付いていて高級モデルガン的な仕上げなのに、その中身と来たらひどいもんである。
人間でも見かけばっかりで中身は最悪というヤツは(男でも女でも)いるものだが、この南部も相当なもんだ。BLKモデルと名うっているからには、買う方はBLKするものだと信じて買っていくのだから、これがBLKしなかったら詐欺だと言われても仕方あるまい。
しかし幸いにもと言うか、この世界のマニアは例えBLKしなくても、あまり文句を言わないのである。
それは、その昔、CMCガバやP-38のように名ばかりのBLKモデルがあり、そういうモデルに甘んじてきたマニアの慣習が今でも残っているという事と、ハドソンのBLKモデルは動かなくて当然…と思っているマニアも多いからだと思われる。
しかし今や世はCPカートのような高性能カートがあり、BLKモデルはBLKするのが当然なのである。見かけが美人だったら中身も美人であって欲しいではないか!!

こんな事を書いておいて何だが、実は私は調子の悪いモデルガンが大好きだったりする。最初から何の問題もなく快 調作動するBLKモデルは面白くないのである(…いや本来はそうであるべきだが)。私の場合は誰が調整しても全く動かない、どうしようもないジャンクを完璧100%作動のBLKモデルにガンスミスする事に最上の喜びを感じるからである。
それではまず、チューンアップに移る前に、ハドソン南部の問題点について説明しよう。


★ 編集部注 ★
このレポートで取り上げられているハドソン南部14年式(N2)は、現在ではバージョンアップされN3モデルとして販売され、カートもボルトネックのCPタイプに変わり、各所も発火向きを前提とした改訂が施されています。ただし今回レポートされたN2のイメージがたたり撃つ者が少ないためか情報が皆無に近く、調子の程は把握しおりません。もしN3モデルの発火を楽しんでおられる方がありましたら調子のほどを是非とも サイト事務局宛にお教えください。




ハドソン南部十四年式(N2)の問題点

ハドソン南部はストライカーがカートの尻を叩き、カート全体が前進して発火する構造なので、エキストラクターはカートが前進する分の隙間を持たせてある。
このため、エキスト単体ではカートが支えることが出来ない。また、フィーディングをスムーズにするためか、チャンバー入り口が必要以上になだらかに広げられており、このせいでカートがチャンバーに入った時にリムが下を向いてしまう。 こうなると図のように(多少デフォルメしてあるが)ボルトが閉鎖してもエキストはカートのリムを噛むことが出来ず、当然、エジェクトも出来ない。
また、エジェクターもマガジンを本体に差し込んだ時、最上部のカートをマガジン内に押し込んでしまうような位置にあり、送弾のじゃまになっている。

この状態では何度発火させても必ずジャムしてしまうので、連射はおろか、単発でさえろくにBLKしてくれないのである。




改良のための加工


▲フィーディングランプに3mmのイモネジを突き出させ、カートの尻が下がらないようにする。


▼ネジの頭は丸めてカートを送弾する時に引っかからないようにする。突き出し量はネジ込みで加減する。





▲ ▼ボルトフェース下部、左右にピンを立て、カートを支えるアゴとする。





▲ボルトの上にあるのがリコイルスプリング。下にあるのがストライカースプリング。リコイルスプリングは強めにする。

▲図の黒い部分を削る。▼削りすぎると変形しやすくなるので注意すること。





▲上は折れてしまったダイキャストのシアーバー。下が代わりのハドソン旧南部のスチール製シアーバー。そのままでは付かないので多少の加工が必要。





▲右がハドソンのピストンファイアーカート。左が今回使用した92F用CPカート。先の方を若干削り、穴をテーパー状にして送弾がスムーズになるようにしてやると良い。



▲右側がオリジナルのスプリングで、これではフロアーの動きが不安定になるため、左の角巻きスプリングに交換する。

加工としては以上であるが、快調な作動を得るにはBLKの調子を見ながら各部の調整を行う必要がある。ポイントとしては、カートをチャンバーに送弾するとき引っかかりが無く、スムーズに送弾出来ること。チャンバーに入ったカートのリムがボルトフェイスのアゴの上にちゃんと乗っかっていること。ボルトを引いた時、カートがボルトフェイスにちゃんと付いて来ることが必要である。ここまで出来たらCPカートでのBLK調整にはいる。



BLKテスト

まず、カート二発でテストしてみる。初弾をチャンバーに送り込みトリガーを絞ると見事発火して、カートはエジェクトされ次弾はチャンバーへ入っている。二発目もBLK成功。
次にカート三発でテスト。今度も問題なく三発ともキレイにBLKし、ボルトはホールドオープンしている。しかし、この後、急に不発が起こり始める。原因はエジェクターを薄く削りすぎたため変形してストライカーにこすり、ブレーキをかけていたためであった。
これではまずいということで、急遽、新しいエジェクターを取り寄せ、変形しない程度に加工し、さらに焼き入れしてから銃に取り付けた。
その後、カート五発でテスト再会。完璧とまでは言えないが、
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五発の連射もこなし、ようやく通常の市販モデル並のレベルまでに持っていくことが出来た。以後、エジェクターの変形も起こらず快調な南部十四年式(N2)のBLKを楽しんでいる。



まとめ

以上が、私がハドソン南部十四年式(N2)に施したチューンアップであるが、最初の調子の悪さを思うと、全く別のモデルガンのようで、よりいっそう愛着がわいてくる。


〜 終わり 〜



参考書 SIGHT No.25 南部十四年式レポート
(暗模さんのレポート、大変参考になりました。どうも有り難うございました。)