| 歩絵夢 |
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雪の夜 乱れ髪 言葉はなかった そこにあったものは ただ沈黙だけ 重苦しい空気の中で 艶めかしい肢体が横たわるだけ シーツに包まった女は スリムな煙草を吹かせていた ふっと 一息 天井を見上げて息を吐いた 紫煙が輪になって そして消えていった 女はたずねた 「ねえ 外は雪なの?」 「え?」 「別れる前に旅に出ようよ そう… 雪の積もったところへ」 「余計別れが辛くなるよ」 「永久に別れない方法もあるよ」 「まさか君は」 「そう まさか…」 女の無表情な唇からフッと言葉が洩れた もう一度女を抱き寄せた 乱れた髪が 額を覆う 女はひとくし 指で掻き揚げて そして 顔を傾けた 僕のくちづけを待っている… むせかえるような官能的な香り… それは 憂いに満ちた雌豹の香り… それから 一月後 ふたりに別れが訪れた 冬が来るたびに 思い出す 一夜がある そう 雪の降る日はことさらに… |

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君は眠ってる 起こさないように そっとベッドを抜け出し 静かにカーテンを開ける 外は雨 君が寝返りを打った 窓ガラスを濡らす雨が 子守唄となって 君を夢の間にいざなう さりげなく 君は寝息をたてている シーツの波間で 無邪気に泳ぐ君 微笑む寝顔が僕をやさしく 現実に導いて行く 君は眠ってる この幸せなひとときが 永遠であればと ふと願う 抱きしめたい衝動を堪えて 煙草に火をともした カチッという音で 君の眼が覚めた |
| 過ぎ去りし彩りの季節 1月 夢見夢見た初月の朝も 4月 萌えに萌えたる若葉の色も 7月 茨の木々に照り注ぐ太陽も 10月 自由が丘にこだまする奈々つの鐘も 12月 聖なる愛染めしイヴの夜も 時が過ぎ 季節が巡るたびに すべてのものが 穏やかに ひとつの物語として 記憶といふ名のノートに グレイの文字で刻まれていく 03/01/04 Shyrock
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縮図 人は思い悩み何かを得ん 真実と虚偽 真相と虚報 愛と憎悪 好意と悪意 賢明と暗愚 実在と虚無 光明と暗黒 尊敬と軽蔑 歓喜と悲哀 貫徹と挫折 期待と憂慮 明朗と陰鬱 永劫と刹那 勇気と臆病 黎明と薄暮 和解と決裂 起点と終点 老巧と稚拙 表面と裏面 満潮と干潮 明瞭と曖昧 暴露と隠蔽 清潔と不潔 安堵と危惧 円満と不和 信頼と不信 解放と束縛 賞賛と批判 愉快と不快 尊重と無視 創造と模倣 自立と依存 対決と逃避 このネットという 広い空間の中に 人間の縮図が 凝縮されているのか知れない 見たくないものを 見てしまったり 見たいのに見えなかったり 世の中 とかく うまく行かぬものだ menu top |