長編官能小説/加奈子 悪夢の証書




フィクション




1〜5 6〜10 11〜15 16〜19




image



第1話


仏壇の前で手を合わせ黙祷する1人の女がいた。
色白で目鼻立ちのよく整った美貌をうかがわせたが、表情はどこかしら陰を滲ませていた。

(あなた、どうして私を1人残して死んでしまったの?しくしく・・・)

女は六車加奈子(むぐるま かなこ)と言う。

2ヵ月前に夫信一(37才)が白血病で他界し、加奈子は32才という若さで未亡人になってしまった。
せめて子供を1人もうけていればと、今更ながらに加奈子は悔やんだ。

信一は小さいながらも宝飾関係の会社を経営していたが、ここ3年間は不況の煽りを受け、営業不振に陥っていた。
葬儀以降、加奈子のもとへ会社役員が相談に訪れたこともあり、リーダーを失った企業の戸惑いを露呈していた。

そんな中、四十九日の法要も無事に終えた加奈子は亡き夫に祈っていた。

(あなたの作った会社、どうすればいいの?重役が相談にくるけど私にはどう返事すればよいか分からない。ねえ、教えて・・・信一さん・・・)

いくら問いかけても、答えなど返ってくるはずもない。
仏間には線香が立ち込め、凛とした静寂が空間を支配した。


その時、玄関でチャイムの鳴る音がした。

「あら、誰かしら・・・?」

加奈子は廊下に出て、監視カメラを覗いた。
生前、信一が加奈子の安全を考慮して、取り付けてくれたホームセキュリティの1つであった。
玄関先にはスーツ姿の2人の男性が映し出された。
見知らぬ顔である。
1人は50前後の恰幅のよい男で、もう1人は背が高くほっそりとした若い男性であった。

「ごめんください。」
「はい、どちら様でしょうか?」
「はい、私はアクハラ商事代表取締役の阿久原と言いますねん。ちょっと奥さんにお話があってまかりこしました。」
「アクハラ商事?」

社名に憶えはなかった。
主人ではなくて、自分に会いたいと言っている。
それに阿久原という男はかなりの関西弁だが、加奈子には関西人で馴染みの人間はいなかった。
加奈子は怪訝に思い首を傾げた。

「あのぅ、失礼ですが、どのようなご用向きで?」
「そや、それを先に言わんとすんまへん。実は、ご主人の六車さんが生前、当社と金銭の取引がありましてぇ。そのことで奥さんにお話せなあかんことがあっておじゃました次第です。」

信一の契約相手先と聞き、加奈子はやむを得ずドアを開けることにした。

(でも、取引のことであれば、会社の方へ行ってくれたらいいのに。まあ、仕方ないか、一応、聞くだけ聞いてみよう。)

「この度はご愁傷さまです。ご主人さまはまだお若いのに惜しいことしはりましたなぁ。お力落としのないように。」
「どうもありがとうございます・・・。どうぞお入りください。」

阿久原は玄関に入るとすぐに弔辞を述べたので、加奈子も丁重に挨拶を返し、応接間へと案内した。



第2話


阿久原は穏やかな表情を浮かべ、生前の信一を賞賛する言葉を並べ立てた後、にわかに厳しい顔に変わっていった。

「ほな、早速ですけど、本題に入らせてもらいます。」
「はい・・・」

阿久原はそう告げると、鞄のチャックを開けて大きな封筒から何やら書類を取り出した。

「奥さん、この書類、ちょっと目を通してくれはりますか。」

テーブルに置かれた書類のタイトルには『金銭消費貸借契約書』と太い文字で書かれていた。


金銭消費貸借契約書


 貸主 アクハラ商事株式会社 (以下、「甲」という。)と借主 六車信一 (以下、「乙」という。)は、次の通り金銭消費貸借契約を締結した。

  第1条  甲は乙に対し、本日、金20,000,000円を貸付け、乙はこれを受領した。

第2条  乙は、甲に対し、前条の借入金20,000,000円を平成19年2月から平成20年9月まで毎月末日限り金1,000,000円宛分割して、甲方に持参して支払う。

第3条  利息は年15パーセントとし、毎月末日限り当月分を甲方に持参して支払う。

第4条  期限後又は期限の利益を失ったときは、以後完済に至るまで、乙は甲に対し、残元金に対する年18パーセントの割合による遅延損害金を支払う。

第5条  乙について、次の事由の一つでも生じた場合には、甲からの通知催告がなくても乙は当然に期限の利益を失い、直ちに元利金を支払う。 @ 第2条の分割金又は第3条の利息を1回でも期限に支払わないとき。 A 乙が甲に通知なくして住所を変更したとき。

第6条  乙が本契約に違反したときは、甲の要求のあった日から30日間、乙は乙の配偶者を甲に預託するものとする。

第7条  本契約に定めのない事項が生じたとき、又はこの契約条件の各条項の解釈につき疑義が生じたときは、甲乙誠意をもって協議の上解決するものとする。

 以上、本契約成立の証として、本書を二通作成し、甲乙は署名押印のうえ、それぞれ1通を保管する。

平成19年1月31日


貸主(甲) 住所 大阪府大阪市※※区※※ ※ー※ー※

氏名 アクハラ商事株式会社

代表取締役 阿久原健之助


借主(乙) 住所 東京都※※区※※町※ー※ー※

氏名 六車信一




「まさか・・・・・・」

加奈子の顔が見る見る間に青ざめていった。

(うそ・・・信一さんが生前、2,000万円もの大金を借金していたなんて・・・。あの人は博打もしないし、女性関係だって特になかったはずだわ・・・どうして・・・?)

さらに加奈子は契約書を読んでいくうちに、信じられないような条文を見つけた。

「うそ!これ、どういうこと!?」



第3話


加奈子は見る見るうちに青ざめていった。
それもそのはず、契約書の第6条に、夫が契約に違反すれば加奈子を相手方に30日間任せると言う無理非道な記載があった。
しかし、それはあくまで夫が契約に違反していたら、の話ではあったが。

加奈子は声を詰まらせながら阿久原に尋ねた。

「こ、この契約書、本当に夫がサインしたのですか?」
「これは異なことをおしゃる。まるで、私らが勝手に契約書をねつ造したみたいに聞こえますがな。」
「いいえ、決してそんな意味で言ったのでは・・・」
「そないに聞こえましたけどなあ。契約書にはちゃんとご主人が自分で実印を押してはったし、おまけに印鑑証明ももろてますんやで。」

阿久原はそう言って加奈子をじろりと見た。

「私もあんまりきついこと言いたないんですけどねえ。ご主人を亡くしはってまだ間ぁないし、ご主人の借金のこと聞いて、奥さんも気が動転したはるやろしなあ。
 せやけどこっちも商売ですし、ちゃんと伝えとかんとあきまへんからなあ。ごほん。で、借金の件ですけど、ご主人は今年の4月以降1円も返済してくれたはれへんのやけど、奥さん、これ、どないしはるつもりですねん?」
「えっ!返済が滞っているのですか!?」
「はい。私らも困ってますねん。4月から今日までで6ヵ月経ってるから、元金だけでも合計で600万円の滞納になるますんや。それに利息と延滞利息も合わせて払ろてもらわなあきまへんのや。」
「い、いつまでにお返しすればいいのでしょうか・・・」
「いつまでと言われても、もう期限過ぎてるますよってになあ。」
「何とか返します!出来るだけ早く返します!」
「金を返すだけではあきまへんのや。」

阿久原は淫靡な笑みを浮かべた。

「ではどうしろと言うのですか?」

加奈子は泣き出しそうな表情になっていた。

「簡単なことですわ。契約書に書いてあることを履行するだけのことで。」

阿久原は嫌味な笑みを浮かべながらそう告げると、突然、加奈子の乳房を洋服の上からわしづかみにした。

「きゃっ!!」

加奈子は思わずうしろにのけぞった。
ところが、次の瞬間、何者かが加奈子を抱きかかえ、羽交い絞めにした。

「な、何をするんですか!!やめてください!!」

うしろから加奈子を羽交い絞めにしたのは、阿久原に同行してきた男性園木だった。
すごい力で加奈子を締め上げた。

「い、痛い!やめてください!乱暴はやめて!!」
「奥さん、おとなしくしてたら手荒なことはしないから、社長の言うとおりにした方が利口ですよ。僕も別に奥さんに危害を加えるつもりは毛頭ありません。ふふふ」

園木が加奈子を押さえつけながら、耳元でささやいた。
まだ若いがどすの効いた声で背後からささやかれて、加奈子は震え上がった。

次の瞬間、園木は加奈子の前方に廻りこみ、手際よく茶色いロープで加奈子の手首を縛ってしまった。
ロープはおそらく予め準備していたのだろう。

「な、何をするの!?」
「ふふふ、少しの間、窮屈だろうけど大人しくしててもらいます。」
「そ、そんなぁ・・・」

園木はそう言いながら加奈子の手首をしっかりと結んでしまった。
加奈子は手首を揺すり外そうと試みたが、ローウは頑丈に縛られててびくともしない。

阿久原が満足そうな顔でにやにや笑っている。

「園木。奥様を天井から吊るしてあげなさい。」



第4話


「え?なぜ!?なぜ吊るされなければいけないのですか!?お金は必ず返します!だから乱暴なことはやめてください!」
「奥さん、心配せんでも乱暴なんかせえへん。ご主人から委任されたので、ちょっとの間だけ、奥さんを借りるだけですがな。ぐひひひひ」
「そんな無茶な・・・」
「無茶とちゃいまっせ。契約書どおり実行してるだけやがな。ごちゃごちゃ言うてても始まらへん。園木、奥さんをはよ吊るしてあげなさい!」
「やめてください!」

早速、園木は室内から適当な箱を探してきて、それを踏み台にした。
天井のフックにロープを引っ掛けてしっかりと結んだ。
フックはシャンデリア等重いものを吊るしても十分に耐えれるほど丈夫にこしらえてあった。
園木が準備作業をしている間、阿久原は室内をキョロキョロと眺めている。

「ほほう〜、さすがに金持ちは家の造作もちゃいまんなぁ。かなりええ材料つこてるみたいやし、部品ひとつにしても頑丈に作ったぁるわ。奥さんの部品もさぞかし上等なもんなんやろなぁ。どれどれ?」

阿久原はブラウスの襟元を摘まみ広げ中を覗き込んだ。

「ひぃ〜!覗かないでください!」

加奈子は拘束されている手首を振りまわし抵抗を示した。
その時に加奈子の手が阿久原の頬を直撃してしまった。

「いたっ!ちょっと覗いただけやがなあ。さしずめ、これから嫌や言うてもたっぷりと見せてもらうけどな。ぐふふふ。おい、園木、どうや、段取りはできたか?」
「はい、この通り天井からロープを吊り下げましたので、あとは、奥さんの手首を結ぶだけで完了です。」
「よっしゃ、ほなら早速、奥さんを縛ったげてくれるか。この奥さん放っておくと私を叩きよるさかいなあ。あ〜いたぁ、まだほっぺた痛いわ。」

まもなく天井から垂れ下がったロープが加奈子の手首と連結し、文字通り加奈子は『吊るし』の状態にされてしまった。
ただし映画等の拷問シーンで見かけるような、足が床や地面から完全に離れてしまうような『宙吊り』ではなく、爪先を床に着けることが出来た。
それでも両手を真上に伸ばす姿勢は、加奈子にとってかなりつらいものがあった。

「どうや、奥さん。しんどいか?」
「・・・・・・」

加奈子は返事をしなかった。

「それにしても、奥さんて色白やなあ。それに肌もきれいそうやし。」

阿久原は嫌らしい目つきで加奈子をしげしげと眺めた。

「服着たまま吊り下げられたら窮屈でしんどいやろ?おい、園木、奥さんの服、脱がせてあげないさい。」
「はい。」
「や、やめてください!」

園木はブラウスのボタンを外しにかかった。

「いや、やめてっ・・・お願いです、やめてください・・・」

加奈子は半泣きになって園木に哀訴した。

「それは無理な注文ですね。」

園木は冷徹に突き放した。
ボタンを外すのに園木が意外と手間取っているのを見て、阿久原は催促をした。

「う〜む、辛気臭いなあ。1つ1つボタン外さんでもええんや。服を裂いても構わんから、はよ脱がしてあげなさい。奥さんもはよ脱がされたくてウズウズしたはるやろし。」
「そ、そんなことありません!や、やめてぇ〜〜〜!」

(ビリビリビリ〜!)

園木は加奈子の着ているブラウスの胸元から、力ずくで引き裂いてしまった。
見るも無残にブラウスは引き裂かれ、ボタンが飛び散り床に転がった。

「ひどいわ・・・」



第5話


(コロコロコロ・・・)

ボタンは2つ千切れ落ち、そのうちの1つが畳の上を車輪のように転がっていった。
裂けて布切れと化したブラウスはあっさりと取り去られ、続いてプリーツスカートも園木の手で剥ぎ取られてしまった。

男たちの注目する中、加奈子の黒のキャミソール姿が目に飛び込んできた。
一点の染みもない透き通った白い肌が男たちを刺激した。

(ゴクリ・・・)

阿久原は生唾を飲み込んだ。

「ほう〜、何とまあ、きれいな白い肌したはりますなあ。思わず吸いつきとうなってきたわ。」
「確かにきれいな肌ですね。それに何ていうか、20代の女の子にはないような色気がありますねえ。」

ふたりの男は加奈子のキャミソール姿を眺めながら、好き勝手な評価をし始めた。

「そのとおりや。この奥さん、上品な顔したはるけど、滴るような大人の色気がムンムンしてるわ。おい、園木、さっそく可愛がってあげよかぁ。」
「はい、分かりました。」

園木は社長の指示を待っていたかのように、すぐに行動を開始した。
加奈子の真後ろに回り込み、首筋に顔を近づけた。

「うはぁ、奥さん、すごくいい匂いがする。クラクラしてくるよ。生前旦那さんにはさぞかし可愛がってもらってたんだろうなあ。」
「そんなことありません!」
「ははは、そうムキにならなくても。」

園木は加奈子の首筋に唇を這わせた。

(チュ、チュチュチュ・・・)

「あっ・・・いやっ・・・」

加奈子は逃れようとした。
しかし園木は逃がさない。
園木は舌を使い始めた。

(ペチョ・・・ペチョペチョ・・・)

「やめて・・・」

(チュッ・・・チュッ・・・)

加奈子のセミロングの髪をかきあげ、後れ毛の辺りにも舌を這わせた。

「や・・・やめてっ・・・」
「こんなことしてもらってたんだろう?え〜?」
「いやぁ・・・」

キャミソールから覗く白い背中にも唇は及んだ。
加奈子は避けようとするが、両手を吊り上げているため思うように動けない。

(ペチョペチョペチョペチョ・・・)

「ひぃ・・・い・・・いやぁ・・・」

「園木、裏側ばっかり責めてんと、表も責めてあげなあかんで。奥さん、そない言うたはるがなぁ。」
「そんなこと言ってません!」
「がはははははは〜〜〜」

「それじゃお言葉に甘えて。」
「いやぁ〜〜〜!」

園木の後方から腕を廻して乳房を掴んだ。
量感のある乳房は手のひらに収まりきらない。

「結構でかいっすねえ、奥さん。むふふふ」
「やめてください!お願いっ!」
「俺がやめたくても、手の方が止まってくれないもので。悪いねえ〜。ああ、とてもいい感触だなあ。キャミの上からでもこれだけいい感触だったら、脱がせたらどれほどいいやら。ふふふ、こりゃあ楽しみだ〜」

園木は優しく撫でてみたり、時々、絞るように強く揉んだりと、メリハリのある愛撫で加奈子の肉体を責め立てた。



第6話へ




image






back

menu

top