中編/イヴ 嵐山窓の月







第1話


早朝、イヴ(25才)は東京駅からのぞみ号に乗った。
目指すのは、京都。彼、こと車野 俊介(37才)が待っている。 彼とはメールで知合って恋に落ちた。
当時、前彼との恋に苦しむイヴを励まし続けたのが彼であった。
結果報われなかったが、ひたすらイヴを励ました俊介にいつしか心惹かれていった。
俊介もまた次第に好きになって行った。

そんなふたりは辛く切ない遠距離恋愛、8ヵ月付き合ってやっと3回目のデートが訪れた。
お互いに仕事を持つ身で休暇もままならない。
僅か2泊3日の短い旅であるがイヴの心は弾んでいた。

(やっと会える。彼に会える。)

そう思うだけで、胸が熱くなった。
車窓から見える富士の山。
「気をつけて行っておいで」と言ってくれているように見える。
富士山だけではなく、窓から見える景色全てが自分を優しく見守ってくれているように思えた。
前彼のことで苦しんだことが、まるで遠い過去のことのようだ。

静岡を過ぎた頃、気も逸り、朝食をそこそこにして出て来たツケが廻って来た。
急に空腹を憶えたのだ。
ちょうどその時、売り子が通り掛かり、サンドイッチを買おうとして財布を取り出したが、結局買ったのはウーロン茶だけだった。
イヴは京都についてから彼と食事をすることがとても楽しみであった。

関ケ原を通過した辺りで、携帯がメロディを奏でた。
イヴは通路側だったので、すぐに立ち上がりデッキまで急いだ。
電話は俊介からであった。
すでに京都のホームで待っているらしい。
二言三言会話をしただけでプツリと切れてしまった。

(あ〜切れちゃったぁ)

この辺りは電波が悪いようだ。

実は昨夜気持ちが昂ぶってほとんど眠っていない。
本当は眠いはずなのだが、列車が京都駅に近づいてきたこともあって、眠気などどこかに飛んで行ったしまった。
たぶん今夜も眠れないだろう・・・。
いや、眠らせてくれないだろう。
イヴはヴィトンの旅行バッグを網棚から降ろし、先頭に並んで出口で待った。

(少しでも早く会いたい。少しでも長く彼といっしょにいたい・・・。)

まもなく到着を告げるアナウンスが流れ、窓から見える景色も古都独特の色彩に変わってきた。

(やっと彼に会えるわ。今日はいっぱいいっぱい可愛がってもらわなくては・・・。)

ホームに着くと俊介がすでに待っていた。

「やあ、イヴ、長旅おつかれさま〜。相変わらずきれいだね〜。」

そういって俊介はにっこり笑った。
開口一番、俊介の口から飛び出した言葉にイヴは照れてみせた。
「荷物持つよ」 イヴの抱えている大きな旅行バッグを、俊介は直ぐに自身の肩に移した。

「いいの?重いのに?ごめんね、俊介」





第2話


「全然。それよりお腹が空いただろう?何か食べに行こうよ」
「うん、お腹ペコペコ」
「車内で何か食べなかったの?」
「うふ、実はね、サンドイッチを買おうとしたんだけど、結局買わなかった」
「どうして?」
「だって着いたら、俊介と食べたかったから」

イヴはそういって愛くるしい笑顔を見せた。

「そうだったんだ。じゃあ、たらふくご馳走しないといけないね」
「たらふくはいいよ〜。太っちゃうもの」
「イヴはスタイルがいいから大丈夫だよ」
「そう?ありがとう。でも油断は禁物だわ」

2人は京都駅ビルで日本料理店で昼食を済ませ、一路、以前からイヴが行きたいと言っていた嵐山へと向かった。

春は桜、秋は紅葉の名所として、古くは平安時代から絶好の景勝地として親しまれている嵐山。
間近に望む緑の山肌と大堰川の流れ、渡月橋の優美な姿が調和した景観は、今なお全国の人々に愛されており観光客が絶えない。
ただ今は8月。京都の夏は蒸し暑い。
2人はハンカチで汗を拭いながら渡月橋を渡った。
日差しはきついが時折吹く川風が心地よく感じられる。

「私ね、京都に来るのは2度目なの」
「前はいつ頃来たの?」
「中学校の修学旅行よ。もうかなり前のこと。あの時も嵐山に来たけど、景色は全然変わって無いわ」
「うん、この辺りは変わって無いだろうね。きっとこれからも変わらないと思うよ」
「私への気持ちも?」
「えっ?急にどうしたの?もちろん変わらないさ。ずっとずっとイヴのことを愛してる」
「ほんと?まあ、嬉しい・・・」

イヴはにっこりと微笑み、突然俊介の腕に腕を絡めてきた。

「イヴ?人力車って乗ったことあるかい?」
「人力車?ないわ。それって明治とか大正時代の乗物じゃないの?」
「うん、そうなんだけど、京都では今でも走っているんだよ。乗ってみようよ」
「うわ〜、嬉しい〜」

橋を渡り終えると、橋のたもとで運良く鉢巻き姿の活きのいい若い男性が客を待っていた。
ブロンズのようにこんがりと日焼けしている。

乗ってみると意外と座席は高い。
イヴはミニスカートであったが、人力車の漕ぎ手もそこはよく心得たものでちゃんと膝掛けを乗せてくれた。
走り出すと沿道の観光客がみんなこちらを振り返る。
カップルだとつい見たくなってしまうのが人の心理なのか、それともイヴの美貌のせいかも知れないと俊介は思った。

天竜寺を通過した頃から、漕ぎ手は寺の歴史やいわれなどを話し出した。
少し走るとまもなく縁結びで有名な野宮神社に到着した。
ふたりは鳥居をくぐって手を二つ叩き願をかけた。

漕ぎ手が時折話し掛けてくる。

「お客さんはどこから来られたのですか?」
「彼女は関東からで、僕は地元なんだ」
「ほう!ってことはお2人は遠距離恋愛・・・ですか?」
「まあ、そういう事になるかなあ」
「どうして知り合われたのですか?差し支えがなかったら教えてくれないですか?」
「ホームページのつながり、というところかな」
「へえ、ホームページからですか。羨ましい限りです。実は僕もこんな仕事をしてますけど、ふだんはパソコンの講師やってるんですよ。でも身体を鍛えたいのもあって休みの日は人力車を引いているんですよ」
「へえ〜、そうなんだ。えらいね〜」

話が弾み和やかな中でコースの数箇所を廻り、やがて人力車の男性と別れた。

抹茶と和菓子の甘味所で一服したあと、まだ陽は高かったが少し早めに宿へと向かった。





第3話


京都嵐山の情緒を満喫するため、洋風のホテルは避けて、あらかじめ純和風の観光旅館をとっておいた。
仲居が案内してくれた部屋は、二人だけでは贅沢すぎるほどの広い和室であった。
大堰川のせせらぎも聞こえ、眺望も素晴らしい。
今夜はゆっくりと京の風情を堪能できそうだ。
夕食まで時間が少しあったので、夕暮れ時を、大堰川に浮かぶボートで過ごすことにした。
ボートの舵は俊介が取った。
オールを握る手つきはかなり手慣れていることを窺わせた。
正面に腰を掛けているイヴのスカートはかなり短いため、膝を合わせてもパンティが少し覗けた。
俊介はわざと屈んで覗く振りをしてイヴを恥ずかしがらせた。

「イヴは今日はどんなパンティを穿いているのかな〜?」
「いや〜ん、見ちゃいやぁ〜」

イヴは照れて、膝を横にひねって隠そうとした。
俊介はさらに追い討ちを掛ける。
つま先をイヴのスカートの中に入れて、微妙な個所に触れようとした。

「やだぁ、エッチ〜。もう〜俊介は悪いんだから〜」

調子に乗って益々いたずらはエスカレートしていく。
つま先でパンティの凹んだ部分をキュッキュッと指圧する。

「もう〜、ダメだってばぁ〜、あぁん〜・・・」
「イヴ・・・やばい・・・」
「え?どうしたの?」
「いや、だんだん興奮して来て、ナニが大きく膨らんできたぞ〜」
「いやぁ〜ん、もう〜俊介ったらぁ〜、エッチなんだから〜。それは・・・旅館に戻ってからゆっくりと・・・ね・・・」

風呂で疲れを癒し、夕食も終えて、まもなく仲居が布団を敷きに来た。
仲居が布団を敷いている最中というものは、カップルは何となくばつが悪いものだ。

「ごゆっくり・・・」

布団を敷き終わって退室する時の仲居の挨拶が、何気に淫靡な響きを持っているように思えた。

河岸では、昼間は暑くても、夜になるとさすがに気温が下がり涼しくなる。
クーラーを切り、部屋の灯りも消して、俊介は窓辺に座った。 美しい月が優しく微笑んでいる。

「イヴ、こっちにおいで・・・」

浴衣姿のイヴが窓辺に腰を掛けている俊介のそばに座った。

「やっと会えたね・・・会いたかったよ、イヴ・・・」
「私もよ。もっと近ければ、もっといっぱい会えるのに・・・っていつも思っているの。だけど、たまにしか会えないから、会った時こんなに嬉しいのかなぁ・・・」

俊介はイヴを抱き寄せてキスをした。
合わせた唇をお互いに強く吸う。
やがて俊介の舌がイヴの舌に絡みついた。
求め合う唇を通してお互いは深い愛を感じ合う。
俊介の左手がイヴの首筋をそっと触れた。

「あぁ・・・」

さきほど交わした酒がほどよく廻ってきたようだ。
ほんのりと桜色に染まったイヴが愛らしい。
首筋までが紅くなっている。

イヴの浴衣の胸の合わせ目から手が滑り込んだ。
小振りではあるが形の良い隆起の感触が俊介に伝わってきた。
小高い丘はやさしく愛され、イヴは敏感に反応した。
特に先端にある紅色のぼんぼりを摘まれたとき、イヴは身体をピクリと震わせた。

「あぁ・・・」





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第4話


まもなく帯が解かれ、俊介の指は腹部へと移行していった。
無駄肉のないほっそりとした腹を撫で廻した後、指はさらに下方を目指した。
緩んでいた帯は完全に解けてしまい、布団の上にパラリと落ちた。

「いやぁ・・・」

イヴの柔らかな感触と合間って、むっとした女の香りが俊介の鼻腔を突いた。
俊介の下半身はすでに変化が起こっている。
パンティの上を優しく触れていた指は、泉へ一直線に進むのを避け、太股へと進んだ。
美味しいものはゆっくりと味わった方が良い。
俊介は逸る気持ちを抑えた。
焦らすことでイヴをいっそう感じさせたかったのだ。

ねっとりとした太股の感触を楽しみながら、指はゆっくりと奥地へと進んだ。
やがてコットンの肌触りが伝わってきた。
指はクロッチの中心部ではなく、先にその周辺に指圧を加えゆっくりと中心部を目指した。

クロッチ中央の窪みは熱気を帯び、すでにじっとりと湿っていた。
布越しではあってもとても隠しきれるものではなかった。
俊介は窪みをわざと強く押してみた。
指を少し動かすだけで、「グジュッ」と聞こえてきそうなほど、内部は濡れているようだ。
指に力を加えるとイヴの口から切ない吐息が漏れた。

「あぁ・・・俊介・・・いやぁ・・・」

俊介は小さな声でつぶやいた。

「イヴ、もうかなり濡れているみたい」
「ぃやぁ・・・そんな恥かしいこと言っちゃだめぇ」

浴衣は完全にはだけてしまっていて、イヴの身体のほとんどがむき出しになっている。
イヴは時折本能的に足を閉じ合わせようとする。
だが俊介はそれを拒んだ。

「閉じちゃ駄目だよ〜。それよりか、もっと開いて」
「あぁん〜、恥ずかしい・・・」

湿り具合がだんだんと増していく。

「風呂に入って穿き替えたのに、もうこんなに濡らしちゃったね。ごめんね」
「うふ・・・いいの・・・あぁん・・・」

俊介の指がパンティに掛かった。
ゆっくりと下ろしていく。
さきほどとは違った芳香が漂っている。
もっと甘ったるくて、それでいて少し動物的な香り・・・。

俊介の下半身はもう立派に隆起している。
俊介はイヴのぐしゃぐしゃに乱れた浴衣の裾を広げ、顔を近づけた。
薄い翳りを指で掻き分け、蜜壷の位置を探っている。

すでに十分に潤いをみせている肉のスリットに舌を挿し込んだ。

(ピチャ・・・)

「いやっ・・・」

(ピチャピチャピチャ・・・)

「いやぁ〜・・・そんな音させないでぇ・・・」
「いい音だね・・・」

(ピチャピチャピチャ、ピチャピチャピチャ・・・)

俊介はスリット上辺にも舌を運んだ。
そこにはすでに硬くなったクリトリスが潜んでいた。
クリトリスは愛らしい包皮に覆われていた。
俊介は包皮を広げ、剥き出しにしたまま親指で撫でてみた。

「ああっ!そこはぁ・・・」
「ここいいの?」
「あん、あん、いい、いいよぅ〜・・・」
「イヴ、ここはなんて言う名前なのかな?」
「そんなぁ・・・恥かしくて言えないもん・・・」
「じゃあ、もう触るのはやめようかな?」
「いや・・・やめないで・・・やめないでぇ・・・いう、いうから、やめないでぇ・・・」


第5話


「じゃあ、言って」
「クリ・・・」
「クリ?それだけじゃ分からないなあ」
「俊介の意地悪ぅ・・・クリ・・・トリス・・・」

イヴの濡れ方は尋常ではない。
まるで洪水を思わすかのように、もうびしょびしょになってしまっていた。

俊介は静かに顔を寄せた。
亀裂をこそぐように舐めた後、舌の先端はクリトリスへと移行していった。
剥き出しにされた敏感な箇所に舌の先端が触れる。
粘膜質で弾力性のある感触・・・。
クリトリスを中心に舌先で円が描かれる。
さらに動きは、上下、左右と自在に変化していく。

「あぁっ・・・いいっ・・・そこ、すごくいい・・・」

舌はまるで独立した生き物のように活発に蠢いている。 イヴの声が次第にうわずっていき、まるで夢遊病にでも掛かったかのように同じ言葉を繰返す。

「あは〜ん・・・そこいい、すごくいい、あぁ〜、やめないで〜・・・やめないで、やめないでぇ〜・・・」

内転筋(ないてんきん〜股間の筋肉)がピクピクと痙攣をはじめている。
イヴがかなり昂ぶってきた証だ。

「あああぁ〜!ああっ!いやいやいや!あっ、あっ!すごい!すごい!」

俊介はイヴの腰をしっかりと抱えこみ、自らの腰の回転を速めた。

「あああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜!!俊介ぇ〜〜〜〜〜〜〜!!すごくいい!!ああっ!すごくいい!!」

俊介は額から汗をほとばしらせ急ピッチで腰を回転させている。
出し入りを繰り返すたびに、イヴの陰唇は貝が呼吸をするかのようにヒクヒクと波を打っている。

「あああぁ〜・・・気持ちいいよ〜・・・もっと〜・・・もっと〜突いて〜、もっと突いてぇ〜〜〜」

俊介は手で額の汗を一拭いした後、再びイヴの腰を抱え直した。

まもなく俊介は動きをピタリと静止させ、挿入したまま、イヴを抱え布団へと担いで行った。
イヴを布団に寝かせその上の乗り、ピストン運動を再開させた。
イヴは膝を揃え両足を真っ直ぐ天井に伸ばした格好で攻められている。

(ズッチョン、ズッチョン、ズッチョン!)

片足を天井に向けたままにして、もう一方の足は布団につけた。
イヴは少しよじれた格好になった。

変則正常位「窓の月」・・・

俊介の正面には部屋の窓があり、そこから偶然にも月が見えていた。
女の股間から月を観るとは、何とも風流で、しかもエロティックなシチュエーションだろうか。
イヴの位置からは月を臨むことは不可能であったが、そんな贅沢な光景を俊介は独り感慨深げに眺めていた。

「何を見ているの?」

自分から目を離し、外を眺めている俊介にイヴは少し不満そうにつぶやいた。

「いや、イヴの股間からきれいな月が見えているんだよ」
「月が?」
「そう月が。美女の股間から月を眺められるとは最高さ。ははは〜」
「そうなの?私も見たいなあ」
「イヴは今月は見れないけど、その代わり、もう直ぐお星様をいっぱい見せてあげるよ」
「お星様?」
「そう、お星様」
「あっ、そういうことか。あは」

イヴは俊介の言葉の意味を悟り、にっこりと微笑んだ。


「イヴ・・・好きだ・・・」
「俊介・・・」

俊介のそれは一段と大きくそして硬く変化していった。


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