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チル 初詣・木立の影で |
本編はフィクションです |
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1月2日、いつもの場所でチルと待ち合わせをしていた。 今日は新年初のデートで、初詣に行く約束をしていた。 チルは約束の時間にやって来た。 (いつもながら、時間には正確な女性だ) チルは艶やかな和服姿だった。 付合い始めて2年経つのに初めて見た。新鮮だ。 青い生地をベースに沢山の花を散りばめた見事な着物だ。 僕は感動のあまり、 「ほう〜」 と声が出てしまった。 「いかが?私の着物姿。似合うかしら?」 そういって明るく微笑んだ。 「きれいね」 って言おうとしたのに、出た言葉は 「高いんだろう?」 だった。 照れがあったのかも知れない。 「ふふふ、そんなことないわ。ねえねえ、髪を見て?どう?」 早朝から美容室に行ったのだろう。 いつものヘアスタイルとは違って、アップにして髪飾りを付けている。 「いいね〜、素敵だね〜。」 「でしょ?でしょ?これすごく時間が掛かったのよ〜。」 二人は神社までの参道を歩き始めた。 やはり正月ということもあって人通りが多い。 いつものようにチルと並んで歩いた。 自然にチルが右、僕が左になってしまう。 チルがバッグを左手で持つからだろうか。 今日は和風のバッグだ。 やはり慣れないせいか、チルの歩くのがいつもより相当遅い。 僕はチルの歩調に合わせた。 そしてチルの横顔をまじまじと眺める。 (何か別の女性と歩いているようだ。ドキドキする。) チルは僕の様子に気付いたのか、笑ってこちらを向いた。 「うふっ…そんなに見つめちゃ穴が開いちゃうわ。」 僕はすでに素敵な穴が開いているじゃないかと言おうとしたが、出掛かった言葉を喉の奥にしまいこんだ。 なんか今日はそんなジョークが言えない雰囲気だったから。 僕は再びチルを見つめた。 アップにした髪が、うなじとのコントラストをはっきりさせて実に色っぽい。 後れ毛を触ってみたいような衝動に駆られた。
神社への参拝客は多かったものの、参道、本殿、おみくじの社以外は意外と人気(ひとけ)が少ない気がした。 僕は境内の奥の方へチルを導いた。 木立が繁り、幸い人影も無い。 キスを求めた。 「口紅がつくわ。」 チルは軽く僕を制する。 「それじゃね…」 僕は唇を諦め、チルの耳たぶに軽くキスをした。 「あ…」 チルが小さな声を漏らせた。 耳たぶから耳の後側に移行させた。 いつもならば髪で隠れて見えない場所だが、今日ははっきりと見える。 チルの良い香りが鼻孔をくすぐる。 何か酔いそうな気分になって来た。 気分が昂ぶって来た。 僕の五感は刺激されて、抱きしめる手に力がこもる。 耳を舐めるように、吸うようにキスをした。 チルはくすぐったいのか、少し逃げるような仕種をする。 それでも強引にチルを引寄せ、しつこくキスを続けた。 「いやぁん…」 言葉とは裏腹に首を横に向け、僕がキスをし易いような体勢をとってくれた。 僕は大胆になっていく。 耳の穴に舌を挿し込んで執拗に探った。 「あっあっあっ…だめぇ…ああん…いやぁ…」 チルはすでに喘ぎ始めていた。 もう周りなど見えていなかった。 耳からうなじに唇が移動した。 強く吸い寄せる。 「あ、だめ…キスマークがつくわ…」 そういいながらもチルは決して逆らわなかった。 僕の手が着物の裾へ廻った。 襦袢をかき分けるが、布が手にまとわりついて思うように進めない。 もっぱら、チルのスカートは長くていつもペチコートを穿いているから、手間はあんまり変わらないかも知れないが。 「あ、ダメ、人が来るわ。」 チルは深い悦楽の沼に溺れてしまう自分を制するように言った。 (完)
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