『 永 遠 の 仔
・下 』 ( '00,6,19 Up Date )
( えいえんのこ )
天童荒太( Tendou Arata ) 著
幻冬舎 ISBN4-87728-286-6

優希は看護婦に、二人の少年は弁護士と刑事になって
いた。またしても悲劇が優希を襲った。実家は焼失し、
その焼け跡から母の死体が発見された。その容疑は弟
にかけられ優希は動転するが、彼はそのまま失踪して
しまう。優希を支える二人、長瀬笙一郎と有沢梁平も
それぞれが持つ優希への感情を持て余し、互いに猜疑
心すら抱いていった・・・・。十七年前の「聖なる事
件」、その霧に包まれた霊峰に潜んでいた真実とは?
(表表紙裏より、)
衝撃という言葉では足りない。天童荒太は、少年た
ちの壮絶な成長を克明に描き切っていた。最大のミス
テリーは人間の内部にある。時間を忘れて読んだのは、
この生命の物語が、愛おしく、そして驚異的だったか
らだ。
−−−−−−村上龍
丹念に描かれる心の傷跡。大きな謎。長大な物語は
巧みに仕組まれ、時をさかのぼり、また現在に立ち返
りつつ、読む者を引きずり込む。親と子の、人と人と
の、男と女の、時代と人との間に横たわる冥い淵に、
衒うことなく素手で触れてみせた力作。
−−−−−−小池真理子
この物語は精神的なミステリーといえるだろう。
もちろん、客観的には、ミステリーというよりも、文学作品
といえるだろう。
なぜ、優希はそこまでするのか?笙一郎は、梁平は?
あの霊峰での事件の真実とは?
真実とは、単なる客観的な事実ではない。
我々は生きていてもいいのか?どうして愛されないのか?
どうして愛せないのか?
それらを、優希や笙一郎・梁平らを通して語りかけられてくる。
その答えが霊峰にあるという、霊峰のあの事件に。
それがまさしく、ミステリーという形式を採っている。
我々は生きていてもいいのだ。
過去を背負い、責任を感じながら、成長を期待している限り。
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