『 永 遠 の 仔
・上 』 ( '00,6,19 Up Date )
( えいえんのこ )
天童荒太( Tendou Arata ) 著
幻冬舎 ISBN4-87728-285-8 
霊峰の頂上に登れば「神に清められ自分たちは
救われる」と信じた一人の少女・久坂優希と二
人の少年は、その下山途中同行していた優希の
父親を憑かれたように殺害計画を練る。
そして、−−−。
3人は事件の秘密を抱えたまま別れ、それぞれ
の人生を歩んでいたが、十七年後運命に導かれ
たように再会を果たす。
その直後、優希が固く口を閉ざす「過去」探ろ
うとする弟の動きと周囲に起きた殺人事件の捜
査によって、彼女の平穏な日々は終わりを告げ
た。しかし、まだそれは最後の審判への序曲に
過ぎなかった。
(表表紙裏より、
ただし、HP作者の意向により少し変更しました。)
幼くしてかかえこんだ罪悪感が、あらたな罪を否応
なく生み出しつづけるという連鎖は、人間だけの精神
世界の歴史でもある。
その最初の鎖に足を掛けざるを得なかった少女と少
年たちが、どうやって解き放たれ、人間として成長し
ていくのかを、私は極めて興味深く読んだ。
−−−−−−宮本輝
闇の中から生まれ出ずるすべての子供たちが次々と
光を当てられていく中で、それを許されない三人の仔
たちは何をかけ合わせて自らを救おうとしたのか。
これは、いとおしい小さな魂の光合成の物語である。
−−−−−−山田詠美
主人公の現在と過去が、同時進行で進んでいくが、私には
一本の糸のように捩れ絡み合いながら進んでいくように思え
た。
綺麗なだけではない血と肉でできた生々しい精神世界が、
それらをつなぎ合わせている。
暗い闇を持つ人間の生きる叫びが聞こえてくる、そんな
物語である。
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