栞「奇跡って、起きないから奇跡って言うんですよ」
       いつも当たり前のようにこの言葉をいう
       深く考えずに言ってるように感じるが
       心底つらくなる言葉だ。
       なぜなら自分で自分の可能性を完全に否定しているのだから・・・
       でもあの人はこう言ってくれた。
   祐一「奇跡って、起きないから奇跡って言うんですよ」
       そう私の口まねをして
   祐一「でもおれは、起きる可能性が少しでもあるから、
      だから、奇跡っていうんだと思う」
       この人を好きになってよかった・・・そう思える。
       もし奇跡というものがあるのなら
       この人に合えたことが奇跡なのだろう
       そう私は思った。
       でもこの人はそれ以上のものを信じている    
       その想いが嬉しかった
       でも・・・
    栞「さようなら、祐一さん」
       最初からの約束・・・
       1週間たった今日、分かっていたことなのに・・・
       でも悲しいだけじゃない
       あの人との想い出がたくさんあり
       やりたいことはみんなやった
       これで涙を見せてはいけない
       これこそが奇跡だったのだから・・・
       私は本当に幸せなのだから・・・
       夜、一人で布団に入り、暗闇の中眠れずにいた
       けれど、体が限界まできたのか、ついに眠くなり
       意識がとおのいていった
       これが最後・・・もう目覚めることはないだろう
       そう思いながら眠りについた
       そして・・・
       気がついたとき周りは真っ暗だった
       これが死後の世界?
       そう思っていたら急に周りが明るくなりそこには・・・
   あゆ「栞ちゃん・・・」
    栞「あゆさん?」
       そこにはあのあゆさんがいた
       初めてあったときとは全く別の感じがした
       そんなことを考えてるうちにあゆさんがしゃべりはじめた
   あゆ「栞ちゃん・・・
      キミは祐一くんの一番大切な人・・・
      キミがいなくなってしまったら祐一くんは二度も大切な人を
      失うことになる
      ボクのせいで祐一くんは深い傷をおった
      記憶の1部分を失ってしまうほどに・・・
      そんなボクにできること・・・
      それは祐一くんの願いをかなえること
      それがボクの最後の願い・・・
      祐一くんをよろしくね・・・」
        たくさんのことを言って消えようとしていた
        突然のことだけどあゆさんの言ったことが分かるような気がした
        そして今これが夢であろうと現実であろうと
        消えようとしているあゆさんをどうすることもできないことは
        感じていた・・・
    栞「あゆさん・・・」
       声をかけたら笑って私にこう言った
  あゆ「ボクのことは気にしないで
      自分でやったことなんだから・・・
      祐一くんとお幸せにね・・・」
        あゆさんが言い終わると同時に周りが突然光り
        私は意識がとおくなっていった・・・
        朝目覚めると、大変よい気分であった
    栞「私・・・生きてる・・・」
        このことに対して考える暇もなく部屋の扉が開き
        お姉ちゃん達が入ってきた
  香里「栞!!!」
        大声をあげてお姉ちゃんが私に抱きついてきた
    栞「お姉ちゃん・・・」
        お姉ちゃんは私に抱きついて泣いていた
        奇跡って、起きないから奇跡って言うんですよ
        私、うそつきになっちゃいましたね、祐一さん・・・
        でもこの奇跡の原因は・・・
        いや、このことは胸にしまっておこう・・・
        決して忘れないようにしながら
        それが誰のためでもあるのだから・・・