ブラックパネルシアター特徴・作り方・おすすめ作品

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パネルシアターには、普通の白い舞台を使って明るい場所で演じる「白パネル」の他に、暗い場所で

蛍光絵の具等で作った絵人形とブラックライトを使って演じる「黒パネル(ブラックパネル)」、更に投影機を

使って影絵的な効果を取り入れた「総合パネル(透視パネル、影絵パネル)」があります。

 「黒パネル」「総合パネル」とも、「白パネル」に続いて古宇田先生によって考案されました。どちらも

既に30年以上の歴史を持っています。

 「総合パネル」は舞台装置が大掛かりになることもあって、制作や上演の労苦に見合うような効果が

得られにくいイメージがあり、上演される機会は多くありません。

 しかし「黒パネル(ブラックパネル)」は、今ではすっかりポピュラーなものになりました。 ここでは、その

「黒パネル」を取り上げて、特徴や制作上の注意点、お薦めの作品などについて、まったく初めての方

にも分かりやすいように解説してみたいと思います。

 

1.ブラックパネルシアターの特徴

まず最初に、その呼び名について触れておかなければなりません。

「パネルシアターの作り方と基礎知識」の3ページ目にも書いた通り、「パネルシアター」の一技法なの

ですから、必ず「パネル」という言葉を入れて呼んでいただきたいのです。

「どうでも良いじゃないか・・・」っていう声が聞こえてきそうなのですが、実は「パネル」という言葉が

入っていないと、パネルシアターとは、まったく違うものを意味してしまうからです。ヨーロッパなどでは

結構ポピュラーみたいですが、「ブラックライトシアター」「ブラックシアター」と呼ばれる舞台芸術の分野が、

既に確立されているのです。

 ですから、必ず「パネル」という言葉を入れて、「ブラックパネル(黒パネル)」、「ブラックパネルシアター」、

「ブラックライトパネルシアター」というふうに呼んでください。「ブラックライトシアター」「ブラックシアター」と

いう呼び方はやめましょう。「パネルシアター」を略して「シアター」だけでは、何のことか分からないのと

同じです。もちろん「パネルシアター」を前提にした会話や文章の中では、「ブラック」とか「黒」とかだけで

構いませんけどね。

 

ちょっと乱暴ですが、ブラックパネルシアターの特徴を一言で表すとしたら、“きれい”とか“美しい”という

ことになると思います。普通の「白パネル」の特徴を一言で表すと、おそらく“楽しい”とか“遊ぶ”といった

感じになるのに対して、「黒(ブラック)」は、より芸術性に重きを置いたもの・・・と言えるでしょう。

 古宇田先生の作品『あれは何者だ(「ことばあそび・うたあそびパネルシアター」収録)や、関先生の作品『おばけ

ちゃん』(「またまたパネルシアターであそぼ」収録)のように、観客に問いかけながら進めていく“参加型”の作品、

また『おもちゃのチャチャチャ(「パネルシアターを作る 2」収録)のように、手拍子で参加してもらったりする作品

もありますが、ブラック作品の多くは、幻想的な美しさを見て楽しんでもらう“観賞型”の作品です。

 暗いところで演じるのですから、鑑賞型作品が多くなるのは当然とも言えますが、そうなりますと演者の

技量や作品構成の優劣だけでなく、絵人形の“美しさ”も、とても大切な要素になります。

 白パネルの場合は絵人形の出来よりも、どちらかと言えば “いかに演じるか”ということのほうに軸足

があるのに対し、ブラックの場合は構成面の完成度や、絵人形の出来・不出来にかかる比重が、うんと

大きいと言えるでしょう。

 

2.ブラックパネルシアターの制作

    制作については、「パネルシアターの基礎知識と作り方」の3ページ目でも一部触れていますので、そちら

    を読んでいただいた方には、一部重複する部分もありますのでご了承ください。

 白パネルとの最大の違いは、当たり前のことですが絵人形の着色には、すべて蛍光ポスターカラーなど、

蛍光の画材を使用するということです。

 そして、白パネルでは“余白”に当たる部分を、すべて真っ黒に塗りつぶしてしまう必要があります。つまり、

“余白”ではなくて“余黒”にするということです。白のPペーパーには、蛍光性を持った原料が含まれている

ため、ブラックライトにはっきりと反応します。ですから絵人形の外周、すなわち切断面も残らず黒く塗ること

を忘れないでください。

 絵人形の切り方や作品によっては、この“余黒”にする部分の面積が結構大きくなることも考えられます。

少しだけでしたら、輪郭線と同じように油性の黒マジックでも構わないと思いますが、一番真っ黒になるのは、

黒のポスターカラーです。コストと使いやすさの両面から墨汁もお薦めなのですが、完全に真っ黒にしようと

思いますと、二度塗りをする必要があるかもしれません。

 

 たいていの絵人形は、白パネルと同様、白Pペーパーで作ります。黒Pペーパーを使えば、“余黒”にする

手間が不要になりますので、最初から黒Pペーパーを使えば良いように思うのですが、黒Pペーパーには、

薄くて扱い辛い、蛍光カラーの色ノリ(発色)が悪い、コスト的にも割高になる、などの欠点があります。

 更に問題なのは、下絵(型紙)の上にPペーパーを載せて、簡単に写し取ることができないということです。

下絵(型紙)を横に置いて、それを見ながら色鉛筆などを使ってフリーハンドで下絵を描ければ良いのですが、

「それは、ちょっと・・・」という方が多いのではないでしょうか(この部分は、絵心のある方は無視してくださいね)

 この問題を解決するためには、赤のカーボン紙が必要になります。下絵と黒Pペーパーの間に赤カーボン紙

を挟み、下絵の上から鉄筆やボールペン(書けなくなったもののほうが良い)などで強めになぞれば、下絵イラストを

写し取ることができます(通常とは逆に、下絵が上でPペーパーが下になるわけです)

 これで下絵を写し取る問題は解決しますが、やはり着色部分が多い絵人形は、白Pペーパーで作るほうが

良いでしょう。薄くて扱い辛いことやコストの問題には目をつぶるとしても、色ノリ(発色)の悪さは致命的な欠点

となるからです。

 ですから黒Pペーパーの使用は、着色部分が非常に少ない、例えば星空のような絵人形の場合などに限定

したほうが良いと思います。その場合も、着色部分だけは白Pペーパーで作り、ボンドで貼り付けるようにした

ほうが、はるかに美しく発色するでしょう。

 

 ブラックパネルの絵人形を作る上で、一番の難問は色の変化です。昼間とか、普通の明かりのもとでの色と、

ブラックライトを点けて見る色とでは、随分違った色になってしまうことがあるのです。蛍光ポスターカラー(など)

単色で使用する場合はほとんど問題ありませんが、混色する場合は要注意です。ですから、時々ブラックライト

を点けて、色を確認しながら着色作業をする必要があります。

 私どもがお薦めしているターナーの蛍光ポスターカラーには、他社ではあまり見られない“蛍光ホワイト”が

入っています。以前から「白を出すのが難しい」と言われているのですが、この蛍光ホワイトを使えば、かなり

楽になります。そのままですと水色のような感じに見えますから、ほんの少しだけ蛍光オレンジを混ぜます。

 メーカーさんに聞きますと「1%」ということのようですが、普通の明かりのもとで見て、“かすかにオレンジが

混ざっているのが分かる程度”を目安にしてください。

 それと、蛍光ホワイトがあることで混色が格段に楽になります。これも以前から言われていることなのですが、

「3色以上混ぜ合わせると発色が悪くなる(光らなくなる)」というようなことはありません。他のメーカーでは試して

おりませんので分かりませんが、ターナーの同じポスターカラー同士でしたら、3色4色と混ぜても、蛍光性能が

落ちることはありません。

 

 ここで、「ブラックパネルシアター」に不可欠なブラックライトについて、少しだけ打ち明け話(?)をさせてください。

ブラックライト(Aタイプ)についてなのですが、「ブラックパネルシアター専用」と言って胸を張るのには少々抵抗が

あることを、ここで告白させていただきます。

 だって、ブラックライトを使って演じるのにライトの器具(フード)は白い・・・って、どう考えても変でしょう? いや、

別に白いから駄目というわけではないのですが、普通に考えれば黒以外あり得ないでしょう? ブラックパネル

を演じるのに、わざわざ白っぽい服を着る人はいないでしょう?

 それは、黒い遮光フードの付いた蛍光灯器具がなかったからなのです。だから既製の、本来の用途である、

明るくするための家庭用蛍光灯器具に、蛍光管だけブラックライト蛍光管を付けたのです。ブラックライトを最初

に発売する時点で、短期間に何千とか何万とかの需要が見込まれれば、資本力のある大手の業者さんなら、

黒い塗装をした器具を特注して、「ブラックパネル専用」として販売できたかもしれませんけど・・・。

 『しかし、お前のところは、それを売っているじゃないか』とのお叱りが聞こえてきますが、これは商品の悪口

を言っているわけではないのです。そういう事情も知っておいていただければ・・・との思いで、正直に実情を

お話ししているのです。

 ですが最近、真っ黒(!)に塗装されたブラックライト(Bタイプ)を発見し、商品に加えることができました。しかも、

遮光フードの内側(ライトの光が当たる側)が鏡状になっていて、照射力を強くする工夫がされています。

 蛍光管が10Wのものしかなく、効果の面を心配したのですが、何度かのテストを繰り返した結果、20Wの

従来商品と比較しても、ほとんど遜色がありませんでした。しかも、とてもお求めやすい価格で提供することが

でき、これこそは私どもの最大の喜びです。

 大きな舞台を使われる場合には、本数を増やして対応していただけます。ちなみに10Wのブラックライトを

2本セットすれば20W1本より広い範囲を照らせますから、横長のワイドなパネルボードにも、より効果的です。

 さらに、蓄光塗料などを使用した演出に不可欠な、手許スイッチが付いていなかったのですが、節電用として

作られたタップ(豆ランプ付スイッチ式のコンセント)をセットにしてお付けすることで、従来商品の手許スイッチ以上に

使い勝手が良くなりました。

 畳半分程度の面積しかないパネル面を照らすだけなのですから、常識的には10Wあれば充分のはずです。

ぜひお使いになってみてください。ある大手さんなどには、40Wの巨大なブラックライトもあるようです。しかし、

“普通の”ブラックパネルシアターをするのでしたら、はっきり申し上げてまったく“無用の長物”です。

 

3.おすすめのブラックパネルシアター作品

     前にも書いた通り、ブラックには参加型の作品は多くありません。小さい子どもさんの場合など、暗くなると

    怖がったりする子もいますから、ブラックを2作品以上演じるのであれば、最初に参加型の作品を持ってきて、

    恐怖感や緊張をほぐすようにすると良いかもしれません。

     そこで、参加型の代表的な作品として、『あれは何者だ(「ことばあそび・うたあそびパネルシアター」収録)をお薦め

したいと思います。歌に合わせて進めていきますので演じるのが比較的容易ですし、舞台のセッティングなど

による待ち時間で間延びしそうになったとしても、すぐにペースを取り戻しやすいでしょう。この作品は、気持ち

の上では白パネルの延長のつもりで演じるようにすると良いですね。

     また『おもちゃのチャチャチャ(「パネルシアターを作る 2」収録)も、お薦めです。たいていの方がご存知の歌です

    から、“チャチャチャ”の手拍子に参加してもらうようにすることで、“半”参加型の作品となります。

 

     鑑賞型の作品については、お薦め作品を絞るのが難しくて悩ましいところですが、ここでは七夕(たなばた)

    クリスマスなどの季節行事に関するもの、そして花火や星やお化けなどの、ブラックの定番的なものは除いて

    考えてみましょう。

     お話を聞いてもらうタイプの作品として、『月へのぼったうさぎ』(「ブラックパネルシアター」収録)、『金のおの銀の

    おの』(「せいさくパネルシアター」収録)、『花の木村と盗人たち』(「パネルシアターくもの糸」収録)などはどうでしょうか。

     『月へのぼったうさぎ』は仏教説話、『金のおの銀のおの』はイソップ寓話からのお話ですし、『花の木村と

    盗人たち』は新美南吉原作の名作童話です。ブラックパネルの特徴として、より芸術性に重きを置いたもの

    ということを申しましたが、そのことは同時に、よりメッセージ性が強いということなのですから、ぜひその点を

    生かせるような作品を選んでいただければと思います。

    

                              ご希望の方にパネル布のハギレを差し上げています。「」だけでなく、「」もあります。

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