5月31日 午後6時開場、午後6時30分開演。終了は午後9時頃(だったかな…)。 場所はなかのZERO小ホール。
なんか乱暴な喩えかもしれないが、NHKで放送している「ふたりのビックショー」のような番組と雰囲気が近かったかなと思う。
加奈子さんと小石理恵さん2人によるかなり本格的なお芝居だった。
主人公は三橋加奈子さんご自身。 物語の方は、まぁ、さすがに実話というわけではないと思う(笑)。 おおざっぱに説明すると、加奈子さんの祖父の魂が乗り移ったという少年がやってきて、 勉強も出来る優等生的な加奈子ちゃんに、夢を持つことの大切さを教えるという話と、 ある日、占い師にどこへでも行ける旅券を貰い、それを使って、 5年後の加奈子さん(20歳)に会うという話の、2つのエピソードから構成されていた。
実際には、小石理恵さんが、15歳の頃の加奈子ちゃんの役を演じ、 一方の加奈子さんは、少年、二十歳になった加奈子さん、 占い師、加奈子さんの父親(ステテコ姿)など、一人で何役も演じていた。
少年役でのちょっと意地悪っぽく、優等生的な加奈子ちゃんをからかうシーンとか、 20歳になった加奈子さんのちょっとササクレてる…っぽい演技などが特に良かった。 (なぜか、加奈子さんって意地悪っぽい役柄がしっくりくるような気が…、いや、 それより、そういうキャラを私が好きなのかも知れないな。笑)
そして、今回のお芝居の加奈子さんは、今まで以上に度胸がすわっているなぁと感じた。 初舞台であるという小石理恵さんの初々しい演技を受け止める強さを感じた。
物語自体も、2人芝居という制約の中で、とてもうまく構成できていると感心。 なぜ旅券を2枚くれたのかの理由が、後に続く話へのうまい伏線になっており、 ストーリー的にも良く考えられたものだった。 小石理恵さん演じる真面目な加奈子ちゃんと、 加奈子さん演じる各キャラとのやりとりも面白かった。
加奈子さんと小石理恵さん、お二人による漫才。 コントってどんなものなのかとても気になっていたけど、いやはや、 これほどオーソドックスなタイプの漫才をやるとは思っていなかった。 チャレンジャーだなぁと思った(笑)。私はそのチャレンジャー精神を高く評価したい。
舞台で観ると、ものすごく長身に見える加奈子さんは、たぶん、 漫才ではどちらかというとツッコミタイプだなと思った。 一方の小石理恵さんはボケ役をやるには、やや真面目すぎる感じがするキャラなので、 ボケ役専門というのも難しいようで、 漫才は、ボケ、ツッコミが交代するという構成になっていた。 その辺でなんとなく無理があったのかもしれないが、 ハワイ旅行をしたことを自慢げに語る加奈子さんとか、 ボーリングを投げるオチに持ち込む繰り返しのギャグとかは結構いい線行ってると思う。
だけど、漫才のネタにちょっとインパクトが足りないのが残念。 加奈子さんはせっかく声優さんなので、観客にも親しみの沸きそうな、 アニメネタとかに持ち込んだ方が、よかったかもしれない (最近の新人の漫才もアニメネタが多いしね)。 いや、むしろ、声優のお仕事をおもしろおかしくギャグにするとか、 小石さんは歌手なので、まぁ、その辺りのことをネタにするとかした方が、 もっとよかったかもしれない。 テーマ次第では、もっと弾けたかもしれないなぁと思う。ぜひ、またチャレンジして欲しいものだ。
竹内順子さんと甲斐田ゆきさんをゲストに三人でトーク。
順子さんの加奈子さんに対する第一印象は、 アフレコのマイクの使い方が妙だったことだったそうだ(笑)。 一方、ゆきさんの加奈子さんに対する第一印象は、 あんまり仲良くしてくれないタイプのキャラだと感じたそうだ。 実は、私もサタリクの公開録音で初めてお姿を観た時に なんか同じような印象を感じたので、思わず納得(笑)。
歌のコーナーは、小石理恵さんがリードする形だったと思う。
まず、加奈子さんがソロで2曲。1曲目は、最初のHxHミュージカル用に作られた曲だけど、 本編では使用されなかったバージョンの「連れてって」(ミュージカルボーカルソングコレクションに収録)。 2曲目は、加奈子さんご自身による作詞の曲「大切なもの」。 かなり音が高い部分があって、結構難しそうな曲。 ちょっと緊張して歌っている感じだった。
続いて、小石理恵さんが2曲を熱唱。 両方だったか、片方だったか覚えていないが、ご本人が作詞作曲した曲。 とにかく、歌っている理恵さんは、格好いいなぁと思った。
最後は、加奈子さんと理恵さんのお二人で、 過去にこち亀エンディングテーマだった「毎日ノープロブレム」を熱唱。 理恵さんが小町パートを担当、奈緒子パートはもちろん加奈子さん。 この曲はぜひ生で聞きたいと思っていたのでとにかく感動。お二人の息もぴったりだった。
まず、とにかく盛りだくさんな内容だった。 特にお芝居の内容が本格的だったことに非常に満足。 まだ、舞台全体では、少し不器用かなと思う部分はあるんだけど、 コントでもなかなか面白い雰囲気を出していたし、 何にでも、恐れずに挑戦してみようという加奈子さんの個性を感じさせる舞台だった。 こういうユニークで前向きな姿勢は、ファンとしても応援しがいがある。
それと、一緒に参加した小石理恵さんも、得意の歌だけでなく、 初舞台だというお芝居も、そして、 これもきっと今まで決して一度もやったことはないだろう漫才にも、 一生懸命取り組んでいることが、ひしひし伝わってきて、非常に良かった。 芝居ではセリフをとちることが少しあったが、全く動じる様子もなく、 度胸もある人だなぁと思った。 正直言って、こんなにすばらしいパートナーをつとめるなんて、 全く予想していなかった。 「三橋加奈子と小石理恵のちゃんこ鍋」と言っていいほどの活躍だった。
私は、なかのZEROという場所を非常に良く知っている。 …というのもここの大ホールでは、ここ数年、 DoGA主催のアマチュアCGアニメーションコンテストの 入選作品上映会が開催されていて、私は主にスタッフとして参加しているからだ。 今年も5月に上映会があった。 以前に、自分の作品がここの大ホールで上映されたこともあるが、 ここ数年は、なかなか思うように作品制作が出来ていない。
満足のいくCGアニメーション作品を制作し、この「なかのZERO」という場所で、 再び自分の作品を上映してもらうことが、 ここ数年の私が抱いている夢…というか目標である。
そんなこともあり、今回、「三橋加奈子のちゃんこ鍋」の場所が、 なかのZEROである事を知った時にちょっとびっくりしたし、 そして、芝居の中での、5年という歳月を過ぎて、 夢を失いかけていたという20歳の加奈子さんを観た時、 なんだかそのキャラが、現在の自分と重なって仕方がなかった。 迷信などあまり信じない私が、何か、この場所には、 強い縁のようなものを感じずにはいられない。
今回の舞台レポートは、読む人がわりといそうだなと思うこともあって、 それを意識してか、今まで以上に内容をまとめるのに苦労してしまった。 結局、なんだか、小難しい感想になってしまったと反省(苦笑)。