今朝は久しぶりに雪が舞った。ほんのちょっぴり舞った。病院へリハビリに行く日だ。車でおよそ1時間ちょっとである。
病院のリハビリ課は少し模様替えした。リハビリをする場所と診察する場所が今までは遠く離れていたのだが、昨年の暮れに同じ場所へと移動になり、患者にとってはありがたいのだ。会計にも近く、歩きが少なくなるからだ。
血圧を測ってから、長椅子に腰を下ろし目をつぶって受診の順番を待っていた。隣に一人座ったようなので目を開けた。「こんちわ」と挨拶をする。「こんちわ」とその人も会釈する。
「今日は右の人が多いねえ、珍しく」私が言うと、「そうかイー、男は右が多いで、いつもこの位せー」とその人は言った。その人も右だった。「言葉はハッキリしているねえ。やっぱ最初からじゃあ・・」 「いやあ、最初は、出ねーせ。1年経ってから徐々にせえ。」とその人は言う。
「お幾つですか」 「60だ。4年前、こうなって。職人だから何にも出来なくなって・、××の子供もいるし、本当に困ったよ。」 「ええ、本当ですねえ」 「おりゃあ泣いたよ、本当に涙流して泣いたよ。兄さん、泣いたかい?」 「俺は泣かなかったけど。もう泣くのを通り越しちゃってたじゃあねえかや。」 「兄さんつエーな、泣かねなんてつエーな」
泣く、ショックで泣いたという。私は泣かなかった。泣く気にもならなかった。自分で自分の姿を見て、自分のおかれた姿を見て泣く。私は泣くのを通り越したと言った。でもその人は泣いたという。その一言が、その人の素直な気持ちを表しているようで、ジンと来た。
診察もリハビリも会計も終わり、トイレに入った。又その人に偶然はち合わせをした。「イヤー」とお互い声を出した。その人は右腕を一回転、二回転とさせた。 「すげーじゃん。良くできるじゃん。」私は驚いて言った。 「そうかや」と言い、もう二回三回腕を回転させた。それには驚いた。腕を上げるだけだったら一緒に入院をしていた70歳くらいの人もやって見せて驚いたが、目の前の人はある程度無理なく動かしているのだ。
私は本当に驚いた。右腕が動き出したのは1年経った頃からだそうだ。人に言えない位、リハビリをしたのかも知れない。本当に悔しかったと思う。「右の握力は8くらいせ。全然ダメせ。」 私は、因みに0です〜。
私のリハビリは、その日から諦めず、少し長めにやることにしたのは言うまでもありません。まだ今日で2日目ですが。
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