過去ログ
 

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顔面神経麻痺 投稿者:シゲ 投稿日:2004/10/22(Fri) 13:29 No.85  

 ダメージ脳と反対側手、足、体幹(胴体)への運動神経、知覚神経が麻痺することは納得できますが、顔面までもそれと歩調を合わせて反対側が麻痺することは理解できませんでした。なぜなら大脳皮質の運動野から下降した神経細胞は脳幹(延髄)にて交叉し、脊髄へと進行するのだから、脊髄の上に位置する顔面と言うか頭の中を駆けめぐる回路は神経交叉などしないものだと思いこんでいたのです。ところが皮質から脊髄には行かず脳幹に終始する皮質延髄路というルートがあって、しかも必ず一度神経交叉して反対側の随意筋に向かう回路があるようです。
 いつか見たペンスフィールドの運動性、感覚性ホムンクルス(小人)の大脳皮質に関する身体地図を思い出してみてわかりました。あの口、顔、手、足などの身体部分と大脳の断面が画かれた図です。たとえば左半球大脳皮質の顔に相当する神経部位を刺激してやるとそれに対応する右顔面が反応する(らしい)のです。しかし顔面はあまりにも脳に近すぎて、なんだか顔にも手足があるような錯覚に襲われそうです。

 ところで元号が昭和から平成に変わった正月、私は昭和から平成にかけて病院のベットの中で過ごしていました。 約2週間で退院できたと記憶しています。その入院の原因は原因不明のベル麻痺ではないかと今は思います。所謂末梢性の麻痺でしたが今回のそれは脳出血による中枢性のものです。この中枢性麻痺は大脳皮質から脳幹に至るまでの間において脳神経である顔面神経細胞が障害を受けた麻痺であり、これに対して末梢性は脳幹から顔面筋(表情筋)に至るまでの間において障害を受けた麻痺だそうです。そして中枢性はおでこ(額)にシワが寄せられますが末梢性は寄せられません。だから額にシワを寄せること、つまり前頭筋を動かせれば脳卒中のような中枢性麻痺、動かすことができなければ一般の末梢性麻痺だと判断できます。その理由(中枢性)は以下のようになっているからだと説明されます。
1、たとえば左半球顔面領域の運動野を起点とする神経細胞は、甲乙の2つがあり反対側半球である右にすすむ。
2、甲は額部分を動かす顔面筋を支配する。乙はそれより下方の目周辺の眼輪筋や口周りの口輪筋等の顔面筋を支配する。
3,だから左半球が侵されると右顔面の額もホッペタ等表情も麻痺する、はずなのに中枢性の麻痺だから額の顔面筋は動かせる。
4,なぜなら右半球の顔面運動野からも同側(右)の顔面筋に神経が伸びているから。
5,つまりおでこを動かす顔面筋は両側の大脳皮質からの神経によって支配されている。6,したがって麻痺してもおでこ(前頭筋)は動く。
7、ホッペはそのまま麻痺。

 この両側性の回路が手足にあればどんなにか便利だろうかと思う。逆に言えば手足には何故両側を支配する神経回路が存在しないのか、人間の体構造は不完全だと言えはしないか、とさえ思えるのです。


視野 投稿者:シゲさ 投稿日:2004/10/06(Wed) 17:43 No.84  
 狭窄については意識を取り戻してから、以前とは随分見え方が違うなと感じていたところです。どこが悪いのだろうか、と思っていたのですがその疑問もいつの間にか日常生活のどさくさの中にすっかり埋没されてしまったようです。そこであらためてここで視野について考えてみたいと思います。なお以下の文については独断と先入観の賜物ですので責任は持てません。

 大きく広げたハサミの左右の刃先端にビー玉2つがそれぞれ接着剤で取り付けられている姿を想像してみて下さい。ビー玉が眼球で、ハサミの刃部分が視神経、ハサミの支点部分が視神経交叉、柄の前半が視索、柄の中間点が外側膝状体、残りの柄部分が視放射という神経線でそれが後頭葉の視覚中枢に続いているという姿です。これが脳の視覚神経回路の略図です。
 眼球は奥底にある網膜の右半分と左半分が合体して目玉一つになっています。そして左右の網膜からでている視神経の通り道も右目の右半分と左半分と、さらに左目の右半分と左半分とはそれぞれ違っています。まず右目の右半分の神経回路は右半分の網膜を出発してから視神経を経由して支点である視神経交叉まで進みます。そこで交叉せずに右側の柄である視索を通り、視放射を通過して最終的に右後頭葉の視覚情報を処理する中枢に達します。次に右目の左半分の神経回路は左半分の網膜を出発してから視神経を経由して支点である視神経交叉まで進みます。ここで交叉して左の柄である視索に移動して外側膝状体、視放射、視覚中枢へと達します。ここまでが右目の神経の道順ですが、左目については今の文章の右を左に、左を右に置き換えるだけでよいので略します。つまり両目耳側半分の網膜に入力された情報はそのまま入力された側と同じ側の半球の視覚中枢に達し、一方鼻側網膜に入ったそれぞれの情報は入力された側とは反対側半球の後頭野にある視覚中枢に達するということです。

 もっと具体的に書きます。電車が左から右に向かって10車両あります。左から1両2両、・・と続き右端が最終の10両目だとします。そしてちょうど視野にスッポリと入っていると仮定します。右目の右半分の網膜には電車の1〜5両が写り(右の6から10ではない点に注意)、左半分の網膜には6〜10両目が(左の1から5ではない点に注意)写ります。左目の右半分の網膜には1〜5両目が、左半分の網膜には6〜10両目が写ります。視野の健全な人は1〜10両目まであるがままの状態で写りますが、脳出血等で脳にダメージを受けた人には視索や視放射などに何らかの障害が残るため正常な状態では写りません。
 たとえば左半球の視索とか視放射の途中で神経回路が遮断されているとします。右目の右半分と左目の右半分の網膜から出た回路は正常ですから1〜5両目の電車は正常に写りますが、左目の左半分と右目の左半分の網膜から出た神経は辿っていくと左半球に繋がっていますから網膜に写った6〜10両目は正常には写りません。
 
 糸がもつれるように頭の回線も絡まってしまいそうですが図に書いてみれば解ると思います。こうした障害を同名半盲と言っているようです。同名とはたぶん同じ側というような意味だと思います。今の例だと右半分が見えない(左半球障害)と言うことになりますが、右同名半盲があれば左同名半盲もあります。ただ半盲といっても片側の半分、つまり全視野の4分の1だけが欠けている場合もあり、結局その原因は視放射の構造にあるようです。
 以上が視野の欠ける理由だと思っていますが注意したいのは運転時に、右片麻痺者は右折するとき、左片麻痺者は左折するときに死角ができやすいことです。視野が狭くなっていること、死角ができやすいことを慣れによって忘れがちになっているために、ハッとすることも多々あります。遠近感の欠乏とともに認識しておきたい点です。 


脳とダメージ 投稿者:シゲさ 投稿日:2004/10/06(Wed) 17:41 No.83  
 脳の出血が原因で倒れたので脳について知りたいと思いました。
 脳を概観してみると上から大脳、中脳・橋・延髄をひとまとめにした脳幹、さらに脊髄へと繋がっていて、その後方に小脳が飛び出るようにしてくっついています。大脳は左半球と右半球とに別れ、さらにその厚さ2、3_の大脳皮質(表面)は4つに区分され前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉と呼ばれていますが、主に聴覚分野を司る側頭葉、視覚情報を処理する後頭野を除けば前頭葉と頭頂葉が残ります。この前後2つの境を溝(凹)が走っていて中心溝と呼ばれています。因みに凸のことは回(前頭回など)と呼ぶそうです。この中心溝から後ろ側が頭頂葉であり体性感覚野があるところです。視るとか聴くといった感覚器官以外からの様々な感覚、たとえば痛覚とか触覚などが末梢器官から伝わってくる部位です。中心溝の前方が前頭葉です。中心溝からおでこがある方向に向かって運動野、運動前野・補足運動野、前頭眼野、前頭前野と並んでいます。左半球の言語に関するブローカ野もこの運動野と共に前頭葉を構成しています。
 手、足、体幹の末梢で受けた感覚は、脊柱脊髄の背側へ入り上昇して大脳皮質の体性感覚野に伝えられ、さらに前方の前頭連合野へと伝えれているようです。前頭連合野ではその感覚に対する総合的判断から或る行動選択がなされ運動野に具体的指令、例えば背中を掻けとか歩けとかの指令がなされ、その指令が運動野から下降して脊髄の腹側を通って瞬時の内に手足等の末梢に伝えられると理解しています。

 普段は気にもかけないこうした脳の仕組みと働きは脳血管の通路が遮断されたり決壊したりするとそれをきっかけに知ったり再認識したりします。血液は細胞に必要な酸素や栄養素を運んでいますが血管が詰まるとこれらの物資が届けられないことになりその脳細胞は壊死するし、血管が決壊すれば本来なら通ってはいけない場所にも血液が溢れ出し血腫という血の塊で周囲の細胞を圧迫しダメージを与えてしまいます。運動を司る神経細胞にも重大な後遺症を残します。
 脳出血については大脳深部の大脳基底核を構成する「被殻」と言うところの出血がとくに出血しやすく脳出血全体の60〜65%くらいを占めるようです。被殻だけの障害なら麻痺などは起きないらしいのですが被殻のすぐ横にある「内包」と言うところを血腫が圧迫するので麻痺が起きるということです。内包は大脳皮質からの運動神経や感覚神経の繊維が集まった通路みたいなところなのです。大脳基底核に障害を受けると片麻痺の他に不随運動、筋緊張などの運動障害が起こるということで、日々経験しているところです。次に多いのは視床出血ですが、この被殻と視床出血だけで脳出血全体の70〜80%を占めるそうです。