コミュニケーションにもテクニック。マインドを忘れずに、スキルとして使いこなしたい。

テクニック
technique

うなずきと相槌

相手:最近、職場と家の往復だけで
自分:うん、うん、なるほど

 自分が無反応のままでは、さすがに相手も話しづらくなります。うなずきや相槌など、反応を示しながら聞くことで、話を聞こうとする自分の熱意が伝わり、相手も話しやすくなるのです。
 相手の話を聞きながら、「なるほど」「そうですか」「へー」などと、自分が言語的反応を示せば、相槌を打ったことになります。相槌は頻繁すぎるとわざとらしくなり、相手の話の腰を折ることにもなります。あくまでも相手の話を促すのが相槌のねらいであり、その範囲内に留める方がよいでしょう。
 「なるほど」「そうですか」といった意味を、首を縦に振る非言語的(身体的)反応で表せば、うなずいたことになります。うなずきが相手の話の腰を折る危険性は少なく、そのために相槌よりも頻繁に用いられます。

繰返しと要約

相手:人間関係が狭くなっています
自分:限られているのですね

 うなずきや相槌の合間に「〜なのですね」と、相手の言葉の一部を繰り返しながら聞くと、話を聞こうとする自分の熱意が、いっそう効果的に伝わります。また、そればかりではなく、相手からのメッセージの確かな共有にも、繰り返しは役立つのです。
 繰り返す際に大切なのは、相手の言葉をオオム返しにしないことです。相手の言葉を、できるだけ自分なりの言葉に置き換えたうえで、最後に「のですね」を付け加えて返すのです。
 また、相手の言葉をいちいち、一こと一こと繰り返すと、やはり、話しの腰を折ることになります。うなずきや相槌の合間に、相手の話の節目だけを繰り返す方が、効果的なのです。
 うなずいたり、相槌を打ったり、繰り返したりしながら、相手の話を一通り聞いたとして、聞きっ放しで終わらない方がよいでしょう。最後に、もう一度、「ようするに〜ですね」と相手の話を要約して返せば、いっそう確かにメッセージを共有できます。
 相手が話し終わった後で、自分が「えっと...要点は...」などと考えていては、応答のタイミングを外してしまいます。相手が話し終わったところで、その話しの要点をすぐに返さなければならず、そのためには相手の話を、要点を押さえながら聞くことが必要です。
 また、話の要点を外しさえしなければ、要約はできるだけ手短な方がよいでしょう。自分がうまく要約して返せば、「そうなんです。私の言いたかったことは、そこなのです」と相手は納得し、自分とのコミュニケーションに満足することでしょう。

閉ざされた質問と開かれた質問

自分:どうするのがよいと、思われますか?
相手:えっとー、そのー

 質問には二つのタイプがあり、その一つは、「はい」「いいえ」「32歳です」などと、答え方が決まっている閉ざされた質問です。そして、もう一つが、考えながら自由に答えられる開かれた質問です。
 出会った相手とコミュニケーションをはかろうとすれば、最初は「こんにちは」とあいさつをして、「どちらにお住まいですか」などと、閉ざされた質問でかかわることになります。しかし、いつまでも閉ざされた質問ばかりを連発すると、まるで取り調べのような雰囲気となり、相手の自己表現も深まっていきません。
 閉ざされた質問は必要最小限にとどめて、できるだけ開かれた質問でかかわるのがよいでしょう。例えば、「ところで」に続けて、「最近、楽しみにしていることは何ですか」と尋ねます。そして、「週末が楽しみだ」という返事に対して、「どのように週末をお過ごしですか」とつなげれば、コミュニケーションは深まっていくのです。

沈黙と明確化

相手:パソコンを使って、文字だけで会話する...
自分:チャットですね

 話している途中で、「えっとー、そのー」と、相手が言葉に詰まることもあります。そのようなときには、「何が言いたいの」などと急かしたりせず、相手の言葉を黙って待つことが必要です。
 ただし、いつまでも言葉が出てこないと、話しが先に進まず、相手も苦痛になります。従って、しばらく待っても相手が言葉に表せないときには、相手の言いたいことを「〜ということですか」などと、自分が代わって明確にすることも必要になります。
 明確化には認知レベルのものと、感情レベルのものとがあります。相手が思い出せない人名や名称など、いわゆる「ど忘れ」した言葉を、自分が代わって表現すれば、認知レベルの明確化となります。相手が言葉でうまく表現できない気持ちを、自分が代わって表現すれば、感情レベルの明確化となります。

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(C) Shigeki Suwa