コミュニケーション
communication
メッセージの共有
言ったはずのことが伝わっていなかったり、言ってもいないことが伝わったりと、私たちはメッセージの共有に苦労します。それは、一つには、メッセージが言葉(言語)だけではなく、語調(準言語)や表情(非言語)によっても伝わるからです。
例えば、「ありがとう」と言うときに、語尾を延ばして笑顔で言えば、感謝のメッセージが伝わります。
言葉:ありがとう
語調:・・・・ー
表情:(^。^)
ところが、語尾を強めて怖い顔で言えば、怒りのメッセージが伝わるのです。
言葉:ありがとう
語調:・・・・●
表情:(`ヘ´)
また、言葉の意味(メッセージ)は、文化や状況によっても異なります。例えば、関西の人が「えらいことやったな」と言い、それに対して関東の人が「いや、それほどでも」と返せば、関西の人は怒り出すかもしれません。関西の「えらいこと」には、「とんでもないこと」という意味があるのです。
メッセージを共有できない理由として、その他にも多くの原因がありますが、いずれにしても、いかにメッセージを正確に共有するかが、コミュニケーションの中心的課題だと言えます。
コミュニケーションの語源は、ラテン語のコミュニカーレ(communicare 共有する)だと言われています。つまり、人と人との間でメッセージをやり取りして共有することが、コミュニケーションなのです。
コミュニケーションは、メッセージを共有するだけで、終わるわけではありません。メッセージは人の認知、感情、思考、行動などに、様々な影響を及ぼすのです。メッセージが人に及ぶす影響のことを、コミュニケーション効果と言います。
例えば、くち汚い言葉でののしられると、誰でも不愉快になるでしょう。そして、「ひどい人だ」と相手を認識し、相手から遠ざかることになるのです。
次のような言葉は、多くの人に嫌われます。
逆に、次のような言葉は、多くの人に喜ばれます。
「がんばってね」という言葉を、私たちは頻繁に口にします。この励ましの言葉のコミュニケーション効果について、ここで考えてみましょう。
励まし言葉は、多くの人にとって薬となり、プラスの影響を及ぼします。励まされると嬉しく思い、勇気づけられる人が多いのです。
ところが、ひどく塞ぎ込んでいる人には毒となり、マイナスの影響を及ぼします。例えば、絶望のどん底に、自分がいるとします。そのような時に、誰かから「がんばって」と声をかけられても、とてもがんばる気にはなれないでしょう。それどころか、自分の気持ちとはほど遠いメッセージに、不快感さえ覚えるのです。
ひどく塞ぎ込んでいる人には、その気持ちに付き添う共感の言葉が、なによりも必要です。うまく共感するためには、まず相手の言葉に耳を傾けて、その気持ちを十分に理解します。そのうえで、例えば「本当につらいですよね」と、気持ちを込めて伝えるのです。そうすることで、「私の気持ちを分かってもらえた」と相手が感じたとき、相手の気持ちは癒されるのです。
(C) Shigeki Suwa