◆OnlyLOVE〜それだけで〜◆
〜第1話:始まり〜
なんの変哲もない町のある、なんの変哲もない高校、矢波高校。
ここでいつもと同じ様に、1日が終わろうとしていた。
キーンコーンカーンコーン
「ばいばーい」
「じゃあなー」
最後の授業が終わるチャイムがなると同時に、
少年と少女たちの別れの挨拶が聞こえ出した。
「ねえ、真君」
「どうした?めぐみ」
「今日これから一緒にどこかによって帰らない?」
「ああ、いいぜ」
「ほんと?!じゃあ、どこにいこっか?!」
「なんだよ、決めてなかったのかよ」
「う、うん・・・」
「ま、歩きながら決めようぜ」
「うん!」
めぐみと呼ばれた少女は嬉しそうに答えた。
傾きかけた太陽が、いつもと変わらない日常を眺めていた。
ジリリリリリリリ
「う・・・なんだよ、もう朝か・・・」
俺はのそのそ布団から起き上がると、カーテンを一気に開けた。
「まぶし・・・」
朝の明るい日差しが部屋の中に降り注いだ。
「さて・・・、準備して学校に行くか」
俺は階段を下りていった。
俺は深山真一、矢波高校の3年で、一応受験生だ。
もう2週間もすればセンター試験があるのだが・・・なにもしていない。
浪人したらどうしようかな、などと思っているが勉強する気が起こらないのだ。
遊び人の本性というやつかもしれない。
「真一ー、早くご飯食べなさ−い」
「はーい」
母さんの声が台所から聞こえたので、俺は少し早足で居間に向かった。
「みそ汁が冷めないうちに食べなさいね」
「はいはい・・・」
俺は適当に朝飯を食べると、鞄に教科書を詰めて家を出た。
「いってきます」
「気を付けるんだよ」
俺は学校への道を歩き出した。
今の時間は8:00。
家から学校までは歩いて12分というところだ。
別に自転車でもいいのだが、歩きだと学校帰りに
いろいろと寄り道が出来て便利なのだ。
「おはよう、真君」
隣の家の前まで歩いたところで、声をかけられた。
「おっす、めぐみ」
こいつは幼なじみの若山 めぐみだ。家が隣同士なので、ずっと小さい頃からの付き合いなのだ。
もういつからか忘れたが、めぐみといつも一緒に学校へ行っている。
「ねえ、もうすぐセンター試験だね」
「ああ、そんなのもあったっけな」
「そんなのって・・・、もう、ちゃんと勉強しないと駄目だよ。
徹君と真子ちゃんと一緒に同じ大学に行くって約束したじゃない」
「そうなんだけどな・・・」
「どうせ遊んでばっかなんでしょう」
「当たり」
「もう、いつもこれなんだから。あ、そうだ、じゃあ今日いっしょに勉強しない?」
「はあ?別に1日しただけで変わるわけもあるまいに・・・」
「なにもしないよりはいいでしょ?」
「なんか・・・引っかかるいい方だな・・・」
「ね、いいでしょ」
(これ以上何かいっても無駄そうだな)
「はいはい、わかったよ」
「ほんと?!じゃあ、夕方に真君の家に行くね!」
「わかった」
(センターか・・・忘れていたかったんだけどな)
そのまま俺とめぐみは学校までの道を歩いていた。
ちょうど半分くらいまで歩いた時、
「あ、真一、めぐみちゃん」
「おっはよ〜、真一、めぐみ!」
高校からの親友、相野 徹ともう一人の幼なじみ、樋口 真子に出逢った。
「よう、徹、真子」
「おはよう、徹君、真子ちゃん」
俺たち4人は毎日この辺りで会い、そのまま一緒に登校する。
いうなれば仲良し4人組というやつだった。
「ね〜真一〜〜」
真子が俺に話し掛けてきた。
「センター、か?」
「よく分かったね」
「わかりやすいんだよ、お前は」
「別にいいじゃない、そんなことは」
「どうせ勉強した?とか、どうしよ〜〜、とか、だろ?」
「まあね。で、どうなのよ」
「今日はめぐみと一緒に勉強だ」
「へえ〜、学校一の遊び人の真一がねえ〜」
「よけいなお世話だ」
他愛もないやりとりをしている内に学校に着いた。
「じゃ、またね、みんな」
「徹、またねって、同じ学校だろーが」
「はは、そうだね」
学校では、俺と真子が同じクラス、徹とめぐみは違うクラスだった。
「それじゃ真君、学校が終わったら下駄箱でね。」
「ああ」
俺は話終えると教室に入った。
いつもと同じ一日の始まりだった。