◆ 貫け樽マニア魂! ◆
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クロード達との旅が終わってから15年の月日が流れた。
僕は今、名匠が残したとされる伝説の樽を探して、各地を放浪している。
世界・・・いや、宇宙の破滅を望んだガブリエルを打ち倒し、エクスペルへ戻った僕
らを待っていたのは、クロードとレナとの別れだった。
僕は、クロードと握手をした時、クロードから「プリシスのこと頼むよ」と言われた
ことをよく覚えている。いつも真直ぐにクロードを慕い続けたプリシス。僕は、そん
な彼女のことが好きで好きで堪らなかった。
クロードとの突然の別れで、泣き続けるプリシスの元へ半年以上通い続け、自分の存
在をアピールし、ギョロとウルルンの考えた慣れない歯の浮くようなセリフも吐き続
けた結果、めでたく僕はプリシスをゲットした。(でもね、苦節5年。涙無しでは語
れない日々を潜り抜けたのさ・・・。)
大好きな人と一緒になれて本当に幸せだった。
でも、プリシスに求愛をする日々を終えて、再び心の奥底に眠っていた、樽マニアの
血が少しずつ、ホントに少しずつだけど騒ぎ出したんだ。
家の地下室には、これまでの冒険で得た樽達が眠っていた。これは、プリシスにも伝
えていない。結婚してから2年たったある日、無性に樽が見たくなって、地下室へ駆
け込んだ。このとき、僕ははっきりと違和感を感じた。確かに今、幸せだ。だけど、
何かが足りないと・・・。
その年の5月に、僕とプリシスの初めての子が産まれた。ちょうど、その頃だったか
な、風の噂でとある名匠が遺した「伝説の樽」の話を耳にしたのは・・・。
その噂は、僕の樽魂を一気に燃え上がらせた!プリシスは今が大事な時。僕がいな
きゃいけないと反発する心はあった。ギョロとウルルンにも、猛烈に反対された。・
・・でも、やっぱり樽魂には勝てなかった。
そして、その夜、置手紙を残して僕は家を出た。
家を出てから8年。色々あった。
ガセネタを掴まされて死にそうになったり、伝説の樽を売ってくれるという人から
買ったら、ただの古臭いだけの樽だったりと、数え上げたらキリが無い。でも、今、
僕はとある洞窟にいる。ここは、僕とギョロ・ウルルンが出会った洞窟だ。僕は、洞
窟の最奥に進んだ。双頭の龍が窮屈そうに納まっていた場所に来る。
「「フギャ。ギャギャ・・・。」」
ギョロとウルルンが懐かしいと言っている。「間抜けな剣士に出会った場所だ」とも
・・・。
僕は、奥にある石をどけた。そこには、大人が通り抜けられるぎりぎりの大きさの穴
が開いていた。普通の大人ならよかったが、ギョロとウルルンの分だけ狭い。
僕は、さっきの暴言のお返しとばかりに、構わず進んでいく。
「ゞ∀‘@;、FR’()=#”#$%&’()†Ψ!!!!」
2匹の声にならない悲鳴が聞こえる。
しばらく進むと広い空間に出た。
そこには、木で出来た金銀財宝!のイミテーションと、素朴でありながらある種の貴
賓さを漂わせている1つの樽があった。
僕は歓喜した。目の前にあの伝説の樽がある。とうとう見つけたんだと・・・。
その時、ふと、ボーマン先生の言葉が頭をよぎった。
『男はな、愛する者を放ってでも、自分の中に燻る探求心って奴には勝てねぇの
さ。』
今なら良く解る。この開放感と達成感は何者にも比較できないからだ。
僕は、しばらくその樽を眺めていた。それを手にとって感触を味わいたい。持ち帰り
たいという思いが無かったと言えば、それは大嘘だ。自他共に認める樽マニアの僕だ
から。
でも、この樽は、この空間にあるからこそ美しい。逆に持ち去ってしまったら、ただ
の樽に成り下がってしまうだろう。静寂に満ち、岩の隙間から月の光が射す、この洞
窟だからこそ、名匠はこの場所に隠したのだろう。そう思うと、おいそれと持ち去る
気にはなれなかった。
僕は、すっきりとした心と共に洞窟を後にした。ここは、リンガからはそう遠くない
し、見ようと思えば、いつでも見に来れる。
伝説の樽を見つけてちょっと力が抜ける。
すると、また次の探求心とやらが燻り始めた。・・・いや、これは親心ってものかな
?
8年前に名前すら付けずに置いて来てしまった、僕の子供、確か男の子だった。その
彼に会いたいと。随分勝手な思いだけど、とにかく会いたいんだ。
僕は、リンガへと歩を進め始めた。ギョロとウルルンが嫌味を言った。
「「今更帰って、プリシスがなんて言うかな?ま、帰ったところで、10年くらい通
い詰めだぞ。今度は、俺達は力貸さないからな!」」
なんとでも言え!10年くらいどうってことないさ!きっと遣り遂げて見せる!!
固い決意を胸に強く強く1歩を踏み出す。
この季節、大陸に吹く風は爽やかで、僕の背中をそっと後押ししてくれた。
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【作者:へたれ忍者さんからのコメント】
小噺のはずが、結構真面目になっちゃいました。(汗
過去の作品のため粗が多く、手直ししてたら、あらららら?全く別物に
なってしまいました。題名は同じなのに・・・。
「樽マニア魂」(タルマニアスピリッツ)の名の元に、ひたすら突っ走って
いけたでしょうか?不安です。でも、これで楽しんで頂けたら幸いです。
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アシュトン小噺をどうも、ありがとうございました(^^ゞ
彼はやはり根っからの樽好きでゴザイマスねぇ(苦笑)
しかし、リンガに戻った後は一体どうなったのやら・・・。
少なくともボッコボコでしょうねぇ(笑)
ボーマン・ニーネ夫妻に負けず劣らず・・・といった感じでしょうか(^^;
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