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労働基準法の基礎知識
労働基準法の中でも、特にご相談の多い内容について以下にご説明しました。

労働基準法について
労働基準法は、

第 1 章    総   則(第 1条〜第12条)
第 2 章    労働契約(第13条〜第23条)
第 3 章    賃   金(第24条〜第28条〔第29条〜31条までは削除〕)
第 4 章    労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(第32条〜第41条)
第 5 章    安全及び衛生(第42条〜第43条)
第 6 章    年 少 者(第56条〜第64条)
第 6 章の2  女   性(第64条の2〜第68条)
第 7 章    技能者の養成(第69条〜第74条)
第 8 章    災害補償(第75条〜第88条)
第 9 章    就業規則(第89条〜93条)
第 10 章    寄 宿 舎(第94条〜第96条の3)
第 11 章    監督機関(第97条〜第105条)
第 12 章    雑   則(第105条の2〜第116条)
第 13 章    罰   則(第 117条〜第121条)

というように、全13章121条からなります。

以下に、労働基準法の定めによる労働条件を説明していきます。

1.労働契約  2.労働時間  3.休憩  4.休日  5.休暇  6.時間外・休日労働  7.解雇

労働基準法による労働条件整備を
1.労働契約
◎労働契約は、労使双方で労働条件について約束することです。

使用者はその際、労働者に対して賃金・労働時間その他の労働条件について明示する必要があります。

労働条件のうち
@:労働契約の期間 A:就業場所及び従事する業務に関する事項 
B:始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、並びに
労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
C:賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切及び支払いの時期に関する事項
D:退職に関する事項
E:昇給に関する事項  
の6項目は、必ず明示しなければならず、さらに@〜Dは書面による明示が必要です。

→労働基準法第15条より

2.労働時間  ▲TOP
◎労働時間は、労働者が使用者の指揮監督下におかれ、労働者が労務の提供のために使用者の支配下にあり、実際に指揮命令に服している時間です。この労働時間の原則は、

 休憩時間を除き、1週間について40時間を超え、また1日については8時間を超えて、労働させることはできません。 (10名未満の商業、映画の業務、保健衛生業、接客娯楽業は平成13年4月1日より週44時間
                   
→労働基準法第32条より

 ただし、これは原則で、労働基準法第36条による時間外及び休日に関する労使協定(以下36協定という)を締結することにより、時間外労働をさせても法違反とはなりません。
ただし、36協定締結は、刑事免責的効力に限られるので、 労働者に時間外労働を命じ得べき根拠は、具体的に個々の労働契約によります。あるいは、就業規則による定めが必要となります。

◎業務の忙しいときと暇なときがあり、それぞれ忙しいときは労働時間を長くし、暇な時には短くするというように、トータルで法定労働時間の枠内に収めることで、労働時間を短くするというものに、
変形労働時間制というものがあります。

@:1ヶ月単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の2)
※この制度を採用すると、1ヶ月を単位とした場合、31日の月は177.1時間30日の月は171.4時間までが法定労働時間となります。

A:フレックスタイム制 (労働基準法第32条の3)
※この制度では、原則1日の労働時間の長さは固定的には決めず、清算期間(1ヶ月以内の総労働時間を決め、その範囲内で労働者に始業・終業時刻を決めさせる。
決定しておくのは、
1: 対象となる労働者の範囲
2: 清算期間(1ヶ月以内)
3: 清算期間における総労働時間
4: 標準となる1日の労働時間
5: コアタイムを設ける場合には、その開始及び終了の時刻
6: フレキシブルタイムを設ける場合には、その開始及び終了の時刻

B:1年単位の変形労働時間制 (労働基準法第32条の4)
※この制度は、1ヶ月を超える1年以内の一定期間中の、業務繁忙期にあわせて所定労働時間、休日を定め、その対象期間中を平均して1週間あたり40時間を超えないようにするものです。
決定しておくのは、
1: この制度の適用を受ける労働者の範囲
2: 対象期間(1ヶ月を超え1年以内)
3: 特定期間(業務繁忙期間)
4: 対象期間中の労働日・労働日ごとの労働時間
※労働日の限度:対象期間が3ヶ月を超える場合には、「1年当たり280日」

C:1週間単位の非定型的変形労働時間制 (労働基準法第32条の5)
3.休憩  ▲TOP

◎休憩時間は、労働時間が @:6時間を超える場合→45分
A: 8時間を超える場合→1時間
の休憩を使用者は、労働時間の途中に与える必要があります。

※労働時間が6時間以内であれば、休憩を与える必要ななく、また、労働時間が10時間の場合でも、
休憩時間を1時間与えればそれ以上の付与義務はありません。

→労働基準法第34条

4.休日  ▲TOP

◎休日は、毎週少なくとも1日あるいは4週間に4日以上の休日の付与が必要です。
→労働基準法第35条

※ここで休日とは、労働基準法解釈例規によると原則暦日休日制をとっています(昭和23.4.5基発 第535号)ので、午前0時から午後12時までの休日を与える必要があります
業務終了から業務開始まで24時間あったとしてもこれは休日を与えたということにはなりません。
ただし、例外として
@:8時間3交替制の場合→継続24時間(昭和63.3.14 基発第150号)
A:旅館業の場合→正午から翌日の正午までを含む継続30時間(当分の間継続27時間)
(昭和63.3.14 基発第150号 平成11.3.31 基発第168号)
の休日も認めています。

5.休暇  ▲TOP

◎休暇について、労働法で規定されているのは、
@ 年次有給休暇 A 育児・介護休業 B 生理休暇 C 産前産後の休暇 です

→@労働基準法第39条 A育児介護休業法 B労働基準法第68条 C労働基準法第65条

※年次有給休暇は、入社後6ヶ月の継続勤務した労働者が全労働日の8割以上勤務した場合に権利が発生します。
この場合、出勤率を算定する場合には、@業務上の傷病により休業期間 A産前産後の休業期間 B法による育児・介護休業期間 C年次有給取得日は「出勤した日」に含めます。

※年次有給休暇は、「一般の労働者(週所定労働時間30時間以上の場合はこの扱い)」ばかりでなく、週所定労働時間が30時間未満の労働者でも、比例付与といって、所定労働日数や年間の所定労働日数により、有給休暇が付与されます。


1: 一般労働者の有給付与日数
勤続年数
0.5
1.5
2.5
3.5
4.5
5.5
6.5以上
付与日数
10日
11日
12日
14日
16日
18日
20日


2: 週所定労働時間が30時間未満の労働者の有給付与日数
勤続年数
0.5
1.5
2.5
3.5
4.5
5.5
6.5以上
付与日数 週所定労働日4日
7日
8日
9日
10日
12日
13日
15日
週所定労働日3日
5日
6日
6日

8日

9日
10日
11日
週所定労働日2日
3日
4日
4日
5日
6日
6日
7日
週所定労働日1日
1日
2日
2日
2日
3日
3日
3日

※上記比例付与には、週で所定労働日数が掌握できないような場合は年間の所定労働日数で、日数を決定します。

※上記@〜Cの休暇については、就業規則を定める場合には、必ず記載しなければなりません。

6.時間外労働、休日労働  ▲TOP
◎労働時間については、労働基準法32条で、使用者は、労働者に、休憩時間を除き、1週間に40時間を超えて、1日に8時間を超えて労働させてはならない、としています。
※1週間44時間の特例事業所があります。(常時10名未満の商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業)

 とは言え、残業してもらわなければ業務上しかたがない場合があります。
そこで、労働基準法36条に定める「時間外・休日労働に関する協定書」を過半数組合(過半数組合がない場合には、従業員の過半数を代表するもの)と結び、様式第9号の「時間外・休日労働に関する協定届」を所轄監督署に提出することで、提出後は労基法32条違反が問われずに時間外・休日労働をさせることがでいます。 →労働基準法第39条
※ただし、時間外・休日労働をさせる法的根拠としては、雇用契約や就業規則に所定労働時間を越えて労働させることを定めておく必要があります。

(時間外労働の限度に関する基準等)
○労使協定の協定事項である「延長時間」については、下表の時間を越えないものとしなければなりません。

期 間
限度時間
一般
変形労働制
1週間
15時間
14時間
2週間
27時間
25時間
3週間
43時間
40時間
1ヶ月
45時間
42時間
2ヶ月
81時間
75時間
3ヶ月
120時間
110時間
1年間
360時間
320時間

 

 

7.解雇予告  ▲TOP

◎従業員を解雇する場合には、一部例外を除き、
@少なくとも30日前の解雇予告(解雇日を特定する必要があります。)
A解雇予告手当の支払(平均賃金の30日分)
のどちらかを、解雇手続きとしてとる必要があります。

※ただし、
@天災事変その他やむをえない事由のために事業の継続が不可能となった場合
A労働者の責めに帰すべき事由で所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合
は予告なく、即日解雇が可能となります。

※注意として、労働基準法上は、上記手続きを踏めば問題ありませんが、一方で民法上の「権利の濫用」「公序良俗に反す」等の問題は残ります。従業員を解雇するというのは、会社がとることの出来る最終手段です。慎重に対応されることをお勧めいたします。

→労働基準法第20条


■労働基準法をもっと詳しく知りたい方は、こちらで全文と解釈例規(通達)もご紹介しています。
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 三須社会保険労務士事務所(千葉県社会保険労務士会所属)
社会保険労務士 三須健二
千葉県成田市を拠点に活動している三須社会保険労務士事務所(三須社労士事務所)です。
適格退職年金(適格年金)と退職金対策、人事労務管理相談、労働保険・社会保険新規加入手続き代行、賃金・給料計算代行、
就業規則等諸規程作成、労働基準監督署からの是正勧告対応等をお受けいたします。





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