HDV感想文


アスペクトさんの、TigerのムックにiMovieの記事を書かせていただきまして、その折りに、例のソニーのHDVカメラを借用したわけでした。

(このムック↓)
Mac OS X ビュンビュンテクニック v10.4 Tiger完全対応版(AMAZON)

僕は撮影に関しては素人もいいところなのでカメラのインプレッションなどは他方面の方にお任せするとして、このHDV、どう使う?というあたりを考えてみたいと思います。

正味半日ぐらいしかいじれる時間が無かったんですが、印象としては、これは、むむ、すごいなぁ!です。この解像度のムービーを自宅で扱えるような環境って、いったい...!
正直、実物を手にするまでは、「うーん、HDと言ってもねぇ」とあまりピンと来てなかったんですが、実際に手元でみてみると、これは良いですね。18インチのシネマディスプレイでも表示しきれないぐらいの大画面、それがフルフレームで動いている、やはり大きさ(解像度)によって得られる説得力というものがあると思います。それと、解像感というのでしょうか、表現が細かい。残念ながら、ハイビジョンテレビを持っていないので正確なプレビューはできてないのですが、PCのモニター上でみても十分に「高画質」感はあります。マニアックに、こまかく見ていくとたしかに、細かい木の葉なんかに、ちょい、圧縮ノイズが見えたりするのですが、全体の印象からすれば微々たる欠点だと思います。まぁ、圧縮ノイズならDVだって出てますからね...。
なんといいますか、「見た気がする」映像というんでしょうか(撮影したものなんてうちの猫とか近所の公園とかなんですけど)。映像好きなら、だれしも、DV捨てて、これで仕事したい!と思うのではないかなぁ、と。携帯用の小さなデジカメと、デジタル1眼レフの違いみたいなものか...。正直、「コレで作品作ってみたい!」と思いました。


ソニーさんから借りていただいたのは、コレ。
HDR-FX1

かなり、今時のハンディカメラとしてはでかいのですが、思いの外扱いやすく、快適に操作できました。ホームビデオをこれで、という気にはなりませんがちょっと気合いをいれてお祭りでも撮影するか、という感じにはぴったり。そのあたりも、1眼レフデジカメっぽいかなぁ。


<取り込み>
取り込みは、FireWiereで繋いでOK。iMovieからカメラをコントロールして取り込みました。この時、Mpeg2から、Appleintermediateコーデックに変換されるので、マシンパワーによっては、リアルタイムに再生できない場合があります。使用マシンは、G51.8Gデュアル。メモリは1.25G。


HDV取り込み中。なんの事はなく進行。カンタン。


<編集>
編集も、ごく普通に...。このAppleintermediateコーデック、優秀ですね。エフェクトのレンダリングも結構軽く、ごく普通に...。この特に困難もなく、ごく普通にいくあたりがすごいですねぇ、Final Cut Pro5のHDV編集もこのように(おそらくは)さくさく行くんでしょうから、これ、つまり、実用的っていう事です。


HDV編集中。これも別段DVと変わらず。

という事はですね、もし、このフォーマットが普及してくると、SD納品・DV納品だったとしても、HDVで撮影しない理由がない、DVで撮影する理由が見あたらない、という事態になるのでは、と思います。企業VPや展示映像にしても「今回はSD納品だけど、将来にそなえてHDとしてもカンパケておきたい」というニーズは、あるはずだからです。また、配布用DVDにはSD納品だけど、イベントはハイビジョン上映したい、というニーズもあるでしょう。

それと、編集上のトリミングが可能になってしまう、というのも、実作業上は大きいかな、と思います。最終形態がSDないしDVという作業であれば、HDV画像はサイズ的にかなり余裕がありますから。
HDV→Appleintermediateコーデックでは、表示サイズは確かに1920*1080なんですが、記録されているのは1440*1080というばかでかい4:3という事で、スクイーズ収録された4:3の横をのばして表示しているようです。そんな関係からか、DVのシーケンスの中でのHDVサイズのクリップを100%で表示させると、どうも荒れが目立つんですが、70%ぐらいなら絵によっては見るに耐える映像です。つまり30%程度のサイズの余裕があるわけです。。「拡大しちゃダメ」という縛りが無くなり、サイズの補正や、写ってほしくないものが画面の端に写っている、とか、現場でのフレーミングの間違いを編集時に修正することができる、という事になります...。
あと、例えば実写背景+CGの建物の合成、といった場合、従来だとまずフィックスで作らざるを得ないんですが、これだけ画面サイズに余裕があると、いったんフィックスで合成してあとから手持ち風の動きを加えるとか、ズームする、といった事でできますね。それをやるための実写素材の撮影は、これまでだとHDCAMの出動になりますから、HDVで手軽に撮影できれば便利この上無い事になります。

さて、HDV→Appleintermediateコーデックのムービーから、表示サイズで静止画を切り出したものを下記に。
HDサイズを実感してみてください(いずれもpng 2.5Mほど)

<静止画切り出し01>
<静止画切り出し02>
<静止画切り出し03>

HDVは今のところほとんど業務用の実績の無いフォーマットだろうと思うんですが、しかし、現在活躍中のDVと比較した場合、特に大きなマイナス要因がなければ、自然に普及していくフォーマットなんじゃないでしょうか。これで撮影しておけば、DTVを使って、HDにもSDにも持っていける、というわけですから、SDとHDが混在した今のような状況でも実用性を感じます。カメラの価格としても、新しくDVCAMを導入する際に十分に検討に値するコストパフォーマンスですし(民生用のエントリーモデルなら18万程度)。
まだ色々検証の余地はあるものの(DVモードで撮影したときの画質が良くないという話も複数耳にしましたし...今回は未検証でした)、注目すべきフォーマットです。

ソニーのHDVのサイトでは、HDVカメラを使ったワークフローがいくつか提案されています。↓
http://www.sony.jp/products/Professional/c_c/hdv/solution/index.html

実際に仕事で運用してみないとはっきりしたことは言えませんが、最低でも、DVにダウンコンバートした状態でDTV→SD納品、HDには、HDCAMにコピーして編集というワークフローが使えるでしょう。うまくすれば、HDV編集でカンパケて、HDCAMにコピーして納品、もいけるでしょう。
あるいは、HDV→DVのダウンコンバートした状態をオフラインとして位置づけて、最終的にHDV→Appleintermediateコーデックの素材を再接続してカンパケる、という手法も使えると思います(これが行けるといいですね)。

問題は、モニター環境です。カメラ(=デッキ)と編集環境は準備できたとして、モニターをどうするか...。記録は60iなので、PCモニターで代用するわけにはいかないし、やはり、最低でも民生のハイビジョンテレビが必要になりますかねぇ。30pでの制作なら、大解像度のPC用の液晶モニターでも繋ぎ作業だけならモニターとして使えるかもしれません。

あとは、機材的な広がりがどれぐらい出てくるかだと思います。ソニーからは、民生用の機種や、それをベースにした小型の業務用機もリリースされるようですが、他のメーカーはどうなのか。ビクターからは、レンズ交換可能なHDV機が出るということですし、パナからはどうなのか...。
やはりちょっと、様子見?というか「積極性をもった様子見」(^^;ですかね。
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