氷のお姫さま ・ 1 (全4回)
〜麗景殿の綏子(やすこ)〜
麗景殿の綏子(やすこ。または、すいし、とも)は、兼家の娘。
三条天皇の後宮にはいり、尚侍となる。974〜1004。
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高校生のとき、古文の授業で出会った人です。
私の高校生時代・・勉強は、中の下くらい?
あまり、熱心ではありませんでした。
でも、国語は好きでした。
古文も、ちゃぁんと下調べしてから、行きました。
お気に入りのノートを使い、原文をきちんと書き写し、分からない単語はしっかり調べ・・
覚えが悪いので、成績は今いちでしたが、読むのは楽しかったです。
あるとき、こんな文章に出会いました。
天皇の愛人のひとりが、天皇に、氷のかけらを持たされた。
「どれだけ持っていられるか、試してごらん」と言われたので、
がんばって、いつまでも持っていた。
・・あんまり、長くがんばりすぎたので、かえって疎まれてしまった、というのでした。
・・疑問でした。
(なんで、そんなにいつまでも、氷を握りしめていたんだろう?)と。
天皇のことを、好きだったからとは、思えなかった。
天皇には、ほかにもたくさんの愛人がいるし、そもそも、好きで愛人になるわけじゃない。
いきなり、はい、あなたはここ! と嫁入り先を決められて、
ちゃんと相手を好きになれるもんかなぁ? とか。
高校生の私は、どうしても疑問で、ノートを出すとき、そういったことを、質問として書いて出しました。
でも、先生からのお返事は、なぁんにも! ありませんでした。
がっかりしたので、余計に?
わたしは、この人のことを「氷のお姫さま」と勝手に名付け、それから、忘れられなくなったのでした。
正しい名前も、出典も忘れてしまったけれど、そんなお姫さまがいたなぁ・・と。
探していたお姫さまに、先日、巡り会いました。
図書館で、杉本苑子さんの本を拾い読みしていたら、突然! 出会ったのです。
そこに、あれれ? と思うことが、書いてありました。
知らなかった、このお姫さまのその後です。
「こっそり帝の目をぬすんで源頼定という近臣と密通していたそうですから、なかなかの根性。
従順な見せかけの裏にひそむ本性のふてぶてしさを、三条帝は氷の件で見破ったということでしょうか。」
(『女性はどう学んできたか 卑弥呼から江戸庶民の女まで』 杉本苑子 集英社新書より)
な、なにぃ?・・不倫だったのか!・・
高校生当時の教科書には、そんなこと書いてなかったと思うのです。
あまり教育的な内容でもないし、カットされていたのかもしれません。
知らなかった・・
スック、と私は立ち上がり、平安文学の棚へ行きました。
もちろん! 原典を探すためでした。
(つづく)