▲Back


『アニーよ銃をとれ』

―ジル・バレンタイン―(バイオハザード3)


 気が付かないうちに、この連載も1年経ってましたね。驚き。でも、いつもと変わらず戯言を続行しましょう。

「銃を構える女性」という絵に、セクシャリティを感じるのは、ひょっとしたら僕だけでしょうか? フロイト学説では、銃は男根の象徴だそうで、そういう意味合いから推し量ることも出来そうですな。しかし、「銃」という存在そのものが、かなり近世に入ってからの代物なのですから、そのセクシャルな意識という物も、それから以降のものであるはずです。すなわち、それは、本能に焼き付けられた性欲感情ではない、という事です。後から文化的に付け加えられた性意識であると言えるわけです。

「メカと美少女」という方程式が、マニア受けの娯楽作品には、れっきとして存在します。勿論、それがオタク心をこそぐる裏には、その組み合わせがオタクたちのセクシャルな意識を揺り動かしている、という面が多大にあるわけです。しかし「メカ」なんて代物は、それこそここ数十年で出現した存在です。多分、我々の親父達の世代−−六十歳代−−には、「メカと美少女」という組み合わせに、セクシーな意識を抱く人は居ないんじゃないかと思います。

「睡眠欲・食欲・性欲」という物は、人間の3大欲求だとよく言われます。が、こうしてみると、性意識というのはかなり文化的側面が強い代物だと考えられます。言ってみれば我々は、もう「源氏物語」にドキドキしないし、「デカメロン」に眉をひそめたりしないのです。同じように、裸族の人達は性器に欲情しないし、ヴィクトリア朝の人々は女性の足跡にも欲情を覚えたのです。
 自分達の性意識が、次の世代とは既に違う事も、充分あります。
 僕の観察では、今の子供達の世代では、性意識はもっとあけっぴろげになると思われます。丁度、文化文政時期の江戸時代のような。一夫一婦制さえも、変化する事が予想されます。グループ結婚、婚姻集団という社会の在り方だって、あるのです。
 そんな時代のオジサンたち(つまり、自分達)の戸惑いぶりが、今から目に浮かびます。

(著作権:カプコン)

▲Back