▲Back


『お化けはドロドロ、幽霊はヒュ〜』

―お化け―(実はペプシ)


 幼いころ、我が家では夏休みに、祖母、叔母一家と合わせて10人くらいの総出で岐阜の山に避暑に出掛けるのが恒例になってました。その避暑地は、火事で消失しましたが。
 ま、夏だって事と静かな山中って事で、当然夜には怪談話になるんですが、その時「幽霊とお化けは、どこが違うの?」と、とても子供らしい疑問を持ちました。民族学的には、過去生きていた人物の魂が彼の世に行かず此の世に留まっていると見做すものを「幽霊」、自然物に宿る霊性が此の世に形態として具現化した存在と見做すものを「お化け」と定義するのですが、私の質問を受けた叔母は、これを「お化けはドロドロ、幽霊はひゅ〜、っと出るのよ」と、端的に表わしてくれました。
 幽霊って言うと、大概布を纏っているんですかね?で、暗闇で光る、と。これは洋の東西を問わないで共通なのでしょうか?

 ともかく、超自然の存在を、人は、おそらく穴居人の頃から、常に恐れ続けて来ました。そして、彼らを退治する方法は、古今東西共通しています。その方法とは、「そのアヤカシの、本当の名前を言い当てる」こと。これは、とても暗示的な話です。

 未知を既知にすることによって、人間は一つづつ怖れを払拭してきました。雷は、昔は神の怒りでしたが、今は大気の摩擦による放電現象です。お化けだと思ってよく見りゃパンだったりタニシだったりペットボトルだったり...

 物に名を付けること、それこそが呪いであり縛りであり、魔力を失わせる総てです。  いにしえの人は、自分の本名は決して他人に漏らさず、通り名だけを使ったそうです。有名な「ナカノオオエノオウジ」「ウマヤドノミコ」「ソガノイルカ」は通り名で、彼らの本名は分かっていません。多分、本人と、名付けた人以外は...

(著作権:ペプシ)

▲Back