▲Back


『そして、にんぎょひめは、あわになって、うみのそこへときえていきました』

―人魚―(百鬼夜行 妖怪コレクション)


 去り行く夏を惜しんで、ロマンチックに人魚を....って、コレかい!
 前回・前々回と水もの続きで来ましたな。夏っぽくて良かったかも。

 人魚というと、アンデルセン童話の「人魚姫」があまりに傑作なので、どうしてもそのイメージが刷り込まれてしまっています。はかない美少女...というのが、多くの人が思い浮かべる「人魚(マーメイド)」像でしょう。ちなみに、僕が勤めるソフトハウスも、昔(僕が勤める前の事でしたが)人魚ネタでゲームを出して、ヒットさせたことがあります。そこでもやはり、可愛い女の子の絵が大ウケしたのでした。

 しかし、日本の(というか、東洋の)人魚は、不細工な妖怪であるそうです。それというのも、東洋の説話グループでは、「水怪(水に関わる化け物)」の正体は、「実はサル」であると相場が決まっているのだそうです。河童も然り、この人魚も。この事は、学生時代、「西遊記」の研究で有名な中野美代子先生から教えて頂きました。その理由を説明すると、大変面白いんですが、長すぎるのでここには書きません。興味のある方は、図書館などで、中野先生の著書をどうぞ。大変説明の上手い方ですので、どなたにも楽しんでもらえると思います。

 ところで、人魚と深い関わりがある神話要素としてが、もう一つの重要なものがあります。
 それは、
「生命」です。
 有名な「八百比丘尼」の伝説は、人魚の肉を食べてしまって不老不死となるというものです。
 アンデルセンの「人魚姫」では、溺れる王子様に命を吹き込むみます(その代償に、人魚姫は美しい声を失います)。

 どうやら、
「水」=「生命」というイメージが、人間には普遍的にあるようです。
 人魚と生命のかかわりも、それが理由かな?とも思うのですが、人魚以外の水怪、例えば河童やクジラ(昔はクジラも化け物でした)を喰うと不老不死に、なんて話は聞きません。
 何故、水怪の中でも人魚が生命を司る役目を担っているのか?
 残念ながら、今は僕は材料不足で、それについて意見を持ちません。いずれ、自説を披露したいとは思うのですが。

 ところで、人魚とは全く対照的な存在として「生命」に関わりを持つ、もう一つの妖怪があるのです。が...それについては、今はまだ書かないでおきましょうか。

(著作権:??鳥山石燕??)

▲Back