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『ジャック、キミは天才だよ!!』

―市長ー(ナイトメア・ビフォ・クリスマス)


 前回に続いて、『ナイトメア』のキャラです。頭がくるくる回る、二面相の人が良い市長。『ナイトメア』のキャラの中で、僕は彼が一番好きなクリーチャーです。
 しかしまあ、次から次へとこんなキャラを続々出現させるティム・バートン、彼のデザインセンスとアイディアも、やはり只者ではありません。
 彼のデザインの優れた点は、先ず、他人に侵される事が出来ないほどの
独自性、次いで、一瞬で覚える事ができる特徴性でしょう。主人公のジャックは、パンプキンヘッドのガイコツだから誰でもすぐ覚えます。同様にこの市長だって、一目見たあとで「市長の絵を描いて」と紙を渡されたら、誰もが迷い無くすらすら描けるでしょう。この三角錐の頭とひょろっとしたシルクハット、くるくる回る二面相。

 漫画原作者の小池一夫氏が、「漫画はストーリーでは無く、キャラクターだ」と言っています。漫画に限らず、映像作品一般に通じる卓見であると感じます。
 もうひとり、映画監督の押井守氏が「映画はストーリーでもキャラでも無く、世界観を見せるものです」と言っています。僕にはこの意見の真意は計れないのですが、「ナイトメア」は氏の言う「世界観」がハッキリ打ち出されています。

 ところで…僕の甥っこは、まだ3歳だったころ、スターウォーズのチューバッカを見てもわんわん泣き喚いていましたが、一方でこの「ナイトメア」の異形のクリーチャー達には、きゃっきゃと手を打ち鳴らし、画面に馴染んでいました。
 世の大人が主張するように、暗いもの、不気味なもの、異形なものを「判断力を持たない子供たち」の目から遠ざけよう、という意見には、僕は肯けません。

 ところで…2.独り言。「ナイトメア・ビフォ・クリスマス」は、当時住んでいた札幌で、2週間しか興行していませんでした。見れたのは、ホントに偶然でした。しかも、何故か彼女でも無い女性と見に行った覚えがある映画です。医学部の女の子でしたが、それもひょんなきっかけでした。その女性も何が楽しゅうてこの映画に付き合ってくれたんでしょう? 僕にとっては、天が気まぐれで僕にくれた贈り物のような映画です。
 

(著作権:Touchstone Pictures)

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