
第2話 「先生の思い出」
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バリで知り合った友人の先生だったイブ・ジェロ。
今年で73才という年令にはとても思えないほど若
々しく、初めてその踊りを観た時、その場でくぎづ
けになってしまい、まばたきも忘れて魅入っていた。
あまり夢中になっていたので、『おまえは踊りをや
るのかい?踊りを見せなさい』と言われ、その時習
っていたトルナ・ジャヤを踊ると、イブ・ジェロは大き
くうなずいて、『この踊りには色々な表情があって、
それを表現しなくてはいけない。色々な表現がある
のだよ!』と私の顔をじっと見て、『私の所へ習いに
きなさい』と言われたのでした。 |
イブ・ジェロには、今ではバリ島でもう踊られていないという古典の踊り、そし
て初めて観た時から忘れられなかった大蛇の踊りを習い、帰国の時『ユミ、
日本で必ずこの踊りを踊ってくるのだよ!』[私達は踊りを愛している。何処
の人とか国とか、関係ない。踊りを愛しているという事に国境はないんだ] と
いう強いメッセージを貰いました。
今でも、イブ・ジェロが踊ってみせて、私がはーっと魅入っているのを見て、
にこにこしながら『これがやりたいかい?うんうん』とうなずいていた様子を思
い出します。踊りは心で踊れということを教えてくれた人です。 |
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カデさんは始めてバリで習った先生。繊細で大変
女らしい。分からない言葉があっても、とても気が
合うので、お互いすぐに理解出来てしまうのです。
『えーと、これはなんて言うんだっけ?うーん. . . .』
『 うん!』『あれれ、まだ何も言ってないけど. . . 』
という具合。よく夜2人で語り合っていました。
ここの家には小さな子どもがいて、いつも楽しく稽
古のじゃま?をしてくれます。踊っているのに、だ
っこしてーとか。でもこの子がかわいくて、私が日
本の童謡を教えると、よろこんで毎日くり返し『歌
って〜!』とせがまれていました。 |
舞踊団の衣装を縫っているカデさん。とても器
用で、センスがいいのです。
この子ですよこの子!ひざに乗っているのが
マデ。ある日転んでしまって泣いていて、バリ
ではそんな時『ウオーンカカウォンカルーーー』
というおまじないを言うのですが、私が『痛いの
痛いのとんでけ〜!』と日本語で言うと、何が
起こったのか、大喜びで、その日以来痛くもな
いのにこれを言わされていました。
『痛いの痛いのとんでけ〜!』『キャー!!!』
という具合。??? |
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ホテルに公演に行った時の様子。私が始め
て舞踊団で踊る時、
前日になるまで、この時踊る曲を稽古しても
らえなくて、突然カデ
さんが『ユミ明日踊るよ』と言い出し、驚いた
ものです。 この写
真は一緒に写っている日本人の彼女にもら
ったもの。 |

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イブ・ジェロの迫力パワフル系の踊りと、カデさんの、しなやか
綺麗系の踊り。まったくタイプの違う先生に習えた事で、今の
私のスタイルができました。といっても、芸術にはこれで完成と
いうことはありません。
また今年も行きますよ!バリ島。(製作時、2000年、春) |
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