その3.知識編 実際にやって行く上での問題点

   住まい・お金

住まい

離婚を考えた場合、どちらかが現在住んでいる家から出て行くことになります。子どもがいれば、環境を変えないために親権者が子どもと共に残ることが望ましいのでしょうが、現状は親権は母親に、家はローンの関係もあって父親に、つまり、母親が子どもを連れて出て行くことが圧倒的に多いようです。

家は慰謝料として妻がもらい、残りのローンを夫が払い続けることが理想ではあります。しかし夫の給料で残りのローンを支払い続けることは、夫が別のところで生活をしなければならないことを考えると、とても無理と考えたほうがよいようです。最近はバブルの頃に買ったマンションの価格が下がり、共稼ぎの収入を元に計算した返済額をとてもひとりでは払い続けられないし、売れば元の価格より1000万ほど値が下がっていて、名義が2人のものになっている以上、妻も残債を支払わなければならないケースなども出てきています。つまり夫側に離婚に至る過失があったとしても、妻もお金を支払わなければならなくなるわけです。どんなに相手に非があったとしても、ないところからお金は取れない、と思っていたほうがよいでしょう。

妻が出て行く場合、実家に帰る、アパートなどを探す、母子寮を利用する、の3通りが考えられます。

実家に世話になる場合、問題となるのは、福祉を受ける際の収入制限は、世帯全員の所得で決められることです。もしも実家の誰か(父親の場合が多いでしょう)の収入が多い場合(年収600万以上)、児童扶養手当やそれに伴った医療費補助や交通費補助などを全く受けられなくなる可能性があります。

また、世話になるわけですから、両親が口を出すことに逆らえず言いなりになってしまうことが多いようです。これによって「孫をあんな男に会わせる必要はない」などとせっかく取り決めた面接交渉権が実施できなかったり、それに伴い養育費の支払いもなくなったりするケースがあります。

しかし、生活費の面倒は見てもらえるし、子どもも見てもらえます。現在でも実家に戻るケースが多いのはこのためでしょう。

アパートを借りる場合、最近では、しっかりした保証人がいればあまり問題はないようです。もちろん家賃を支払い続ける収入源の確保も最重要課題です。ただし、子ども不可のマンションがあったり、母子家庭だと嫌な顔をされるものまた事実。実家の親に借りてもらったり、保証人になってもらったり、なんなら別れた夫に保証人になってもらったり。様々な方法が考えられます。あきらめずに探せばきっと見つかるはず。住みやすそうなところを足で探して歩いてみましょう。

住まいを新しいところに決める場合、子どもがいれば、学校や保育園や学童保育の情報、病院の有無、交通の便、スーパーやコンビニが近くにあるかどうか、近所の人の様子など一応気に留めて調べておいたほうがよいかも知れません。少し家賃が高くても、仕事場に近い都心に住んだほうが仕事をしながら子育てをするうえでは、なにかと便利でしょう。

また、お金も行き先もない場合、20歳未満の子どもがいる人には母子寮が利用できます。夫の暴力から逃げてきている人などの保護の関係もあって住所などはあまり公にされませんが、福祉事務所に聞けば親切に教えてくれます。費用が安く、保育制度も整っていて母子の自立を支えてくれます。

実際に別居の為に家を出てマンション暮らしをした人によると、「これまでの住まいと比べると数段ランクが下がるのは仕方がない。でも、なにかひとつだけでも今までよりも条件の良い物件を探すべきだ。例えばこれまでより駅から5分も近くなった、とか、太陽の光は比べ物にならないくらい入る、とか、近所にあるスーパーの数が増えた、など。これによってずいぶん気分が楽になった」とのことでした。

私の経験では、ご近所の方にいろいろ助けてもらったり迷惑をかけたりすることが多いので、ご近所への挨拶と気配りは大事だなと思います。我が家では「頭を下げるのと挨拶はただ!」と言い聞かせております。また、道路に面しているのは自分で仕事を始めるときには便利だなと思っています。人は結構看板や表札を見ないようで見ているものです。子どもが多いと、洗濯も多い。物干しが広く日当たりが良いことも非常に助かっています。

あと、うちは引っ越して来た時、車はなく子どもが小さかったので、家賃や環境よりもまず駅から近いことを第1条件にあげました。小さな子どもを抱えて荷物ももっての移動は大変です。これは大正解で、ただでさえ時間のない朝、玄関から5分で電車に乗れることはとてもうれしいことです。

お金

離婚という文字が頭をよぎったときから始めるのが「お金を貯めること」。とにかくこの先お金なくしてなにも出来ない、ということを肝に銘じておくべきです。

専業主婦の場合、まず、夫の名義だった貯蓄の通帳をすべて自分の名義に変えましょう。印鑑も自分のものに。もちろんこの場合、夫が関知しているものはそのままにしておかなければいけません。法律の問題上などではなく、余計な騒ぎを引き起こさないためです。それが出来ない人は今からすぐへそくりをはじめることです。

仕事が始められる人は、早速始めましょう。すぐに就職できなくとも、スーツを着てハイヒールを履き出かけることが、社会勉強にもなり気分転換にもなるものです。ハローワークや新聞広告、求人雑誌や道路の電柱と、探せば仕事は意外と見つかるものです。これまで家庭にいた人にとっては、面接だって社会勉強。あせらずゆっくり1歩1歩やって行きましょう。

仕事を始める場合、夫が家事をしないなどと怒ってはいけません。離婚したらすべてひとりでやらなければならないのですから。「なんでもひとりでやる」ことにもそろそろ慣れておきましょう。

ただし、あなたが仕事を始め、周りの人につい気を許して家庭の事情などを相談すると、弱みに付け込み近寄ってくる不届き者もたくさんいます。せっかく自立を目指して立ちあがったのに、悪い男に引っ掛かってまたもとの木阿弥か、もっとひどい状況に陥らないとも限りません。しばらくは用心用心と心がけましょう。

小さな子どもがいる場合、保育園へ。「かわいそう」とか「入れない」「せめて3才までは」と思うあなたは離婚をしないほうが良いようです。

財産は貯金だけではありません。車の名義や保険、電話の加入権だって立派な財産です。書きかえられるものはすべてあなたのものにしておきましょう。

しかし最近この手のハウツー本などがあまりにもたくさん出まわり「ふんだくれるだけむしりとる」ことが常識のように思われているようですが、太陽と北風のお話のように、力ずくでもぎ取ろうとすると出したくなくなるのが人情というもの。最終的には話し合いで穏やかに解決して欲しいものです。

離婚後母子家庭になった場合には、福祉が受けられます。児童扶養手当や東京とのひとり親児童育成手当て、それに伴う交通費の補助や水道代補助、医療費補助などがあります。

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