育てたんじゃあない、勝手に育ったんだ

「もう、どうしてそんなにおばかなのっ!」「お母さんが育てたからだ」

「私は、もっと頭がよくって、自分からなんでもやって、きちんと計画的に行動して…とにかく理想的な子どもに育てたいと思ってきた。それなのに思っていたのとぜんぜん違う子どもになっているのは、おまえが勝手に育っているからだ。私は育てていない」

 そう言ってしまってびっくりしました。それが本当であることに気がついたからです。どんなにうるさく言っても、どんなに世話を焼いてみても、私に彼の代わりはできない。彼は、うるさい母親の小言も成長に必要なひとつの肥料として吸収し、自分で育っていたのです。

 親が言ったとおりや人が願ったそのままに行動するような子どもに彼が育っていたとしたら、それはただのロボットなのです。

 勝手に育っているんだから、その責任は彼にあります。

 なんだ、私の役目はこの子を産み世の中に出してやることだけだったんだ。そう考えたとき、ちょっと子育てが楽になりました。産んだ後、世話を焼いたり面倒を見ているのは、親の責任としてではなく私自身それをやりたいから、だったのです。やりたい事をやらせていただく責任とは一体何なのでしょう。

 それは相手の迷惑にならないように、ではないでしょうか。

 親がやりたいから子どもの面倒を見ていることが子どもの迷惑になったとき、それが子離れの時期なのかな、と思います。また、相手の迷惑になる前に、やり尽くしてもうやりたくないこと、になるのも子離れなのかな、とも思います。だからこそ、やりたいときに精一杯やる。しかし相手のためではなく、自分のために。そんな子育てをしていきたいと思っています。

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