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短距離走指導の落とし穴
TOSSサークル「フラミンゴウズ」山梨県櫛形西小学校=根津盛吾

 短距離走の指導において、一番大切なことは何でしょうか?
 「腕を速く振らせること」でしょうか?「体を前傾させること」でしょうか?

それとも「ゴールまで全力で走らせること」でしょうか?
 このような指導をされた先生方は、おそらく日本中にたくさんいらっしゃるでしょう。
 向山洋一先生は、このことについて、講座や論文などで繰り返し述べられています。

@ 「腕を振りなさい」「前傾姿勢をとりなさい」「思い切り走りなさい」という指導は効果がない。速度向上に大切なのは「ストライドを伸ばすこと」である。
A 走るときのピッチ(歩数)は、小学生とオリンピック選手を比べても、その数値は毎秒約4.2〜4.3歩程度で、ほとんど差がない。

 初めてこれを聞いたとき、私は本当に驚きました。なぜなら、この私こそ、上の3つのことを、一生懸命教えていた張本人だったからです。今までの自分を深く反省しました。
 そこで改めてこの問題を調べていくと、「体育科教育別冊 走運動の授業(大修館書店)」という文献にこのように紹介されていました。(下線部は根津)

<児童期の疾走能力の発達特性>29ページ
@ 疾走速度は、男女とも経年的に増大し、4年生から6年生にかけての増大が顕著である。
A 疾走速度の増大は、おもにストライド(以下歩幅)の増大によるものであり、一方、ピッチ(以下歩数)は、幼児期の値とほぼ同じであり、経年的に顕著な増大は見られない。
B 疾走フォームは、6〜7才頃に成熟した型に近づき、その判断基準は歩幅の身長比が1以上とみられる。                                     (以下C、Dとあるが後略)

<疾走能力のトレーニング効果>31ページ
@ トレーニングした子どもの疾走速度は、特別にトレーニングしなかった子どもより顕著に増大した。
A 歩幅と歩数の変化から疾走速度の増大は、おもに歩幅の増大であった。立幅跳びや脚筋パワーの向上もみられた。                              (以下B、Cとあるが後略)

疾走速度をあげるために必要なのは、やはり「ストライドを伸ばすこと」なのです。
 もう一つ、注目すべきなのは「疾走フォームは6〜7才でほぼ完成される」という内容です。
根本正雄先生は、法則化体育の重要なコンテンツとして、「運動の習熟過程」を提唱されました。
 その重要性が、このことからもよくわかります。
 低学年のうちからの「基礎感覚・基礎技能づくり」は体育指導の根幹なのですね。

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