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貝の名前を図鑑で調べると、同じ貝でも図鑑によって学名が異なることがあります。
それは、学名が分類学的な研究成果を反映しているためであり、研究が進むにつれて
学名が見直されるのは仕方が無いことです。
一方、和名は貝そのものに付けられるため、一度定着すれば学名の変更にも影響されず
安定しています。 現在、国内・国外を問わず多くの貝に和名が付けられています。コレクター向けの 貝の場合、「原色図鑑 世界の貝」(鹿間図鑑)や「世界海産貝類大図鑑」 (COMPENDIUM日本語版)で多くの外国種に和名が付けられました。 最近では海外の図鑑が国内で販売される際に、和名表が作成されます。 また、食用貝の場合は、国内に流通する際に独自の和名が付けられます。 ところで、昔から知られている日本の貝は、どのようにして和名が付けられたので しょうか? 相模湾産貝類図鑑や各種の貝類目録を見ると、和名とともに和名の出典が掲載されて います。 たとえば「日本及び周辺地域産軟体動物総目録」にサザエやハマグリは以下のように 記述されています。 537. Turbo (Batillus) cornutus Lightfoot, 1786 サザエ(和鈔) |
![]() 栄螺 |
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1387. Meretrix lusoria (Roding, 1798) ハマグリ(目八)文蛤・浜栗 和鈔とは 本草和名鈔のことであり、目八は 目八譜を指します。 このような和名の原典となる書物のうち、江戸時代以前に著されたものを以下に紹介します。 残念ながら、この中で私が実際に見たものはほんの一部であり、殆どの内容はVenus誌の 金丸但馬氏の記事「本邦貝類書解題」「日本貝類学史」を参考にしました。 昔のVenusにはこうした記事の他、コレクター向けの記事も多く楽しいです。 図書館などで一読されることをお勧めします。 金丸氏はこれらの記事の中で各書で使用されている和名の共通性ついて分析し、 各書が著される際に引用した書籍を推定しています。 こうした記事を集め、 引用関係を図にまとめてみました。 これを見ると、著作年代が不明の書籍についても、おおよその著作年を推定することができます。 |
![]() 浜栗 |
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本草和名 深根輔仁著 918年? 日本における最も古い本草書。貝の名として29種(*)が出ている。記事は頗る簡単で、 不明なものが少なくない。 *)文蛤(イタヤガイ444)、 牡蠣(カキ)、海蛤(ウムキノカイ)、魁蛤、石决明(アワビ)、 紫貝(ムマノクボガイ)、馬刀(マテノカイ)、貝子、蝸牛(カタツブリ)、甲香、甲臝、小臝子、 河貝子(ミナ)、蚌蛤(タガイ)、累小辛螺、口廣大辛螺、白小辛螺、田中螺(タツビ)、 陳久蜆殻、辛臝子、他。 |
![]() 板屋貝 |
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和名類聚抄(倭名類聚抄) 20巻 源 順著 930年? 勤子内親王の命を受け、和漢の書を参照して事物の和名を定めたもの。平安時代の百科事典。 貝の名として33種(*)が出ている。源 順(みなもとのしたごう)は平安中期の歌人。本書の編纂期には 弱冠20代であった。 *)甲臝子、榮螺子(サザエ)、石陰子(カセ)、霊臝子、尨蹄子、小臝子、 河貝子(ミナ)、寄居子(カミナ)、石炎螺、大辛螺(アキ)、小辛螺、田中螺、 蚶(キサ)、蚌蛤、海蛤、文蛤、馬蛤、蜆貝(シジミカイ)、白貝(オフ)、 貽貝(イガイ)、紫貝、錦貝、海髑子、鰒(アワビ)、蠣、他。 |
![]() 牡蠣 |
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本草和名鈔 丹羽康頼著 970~984年 貝の名として20数種(*)が出ている。 *)サザエ537、アカガイ149、 イタヤガイ、マテ、ハマグリ、他。 |
![]() 貽貝 |
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多識篇 5巻 林道春著 1631年 異邦の物産に邦産の名を当てたものなので随分無理もあるが、貝の名として20数種(*)が出ている。 *)イガイ、ミルクイ、タイラギ、他。 |
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浄貞五百貝圖 吉文字屋 浄貞著 1688年 霊元天皇の命によってつくられ、宮中に献納された貝類図譜。 墨絵の書譜で1葉中に沢山の貝をまとめて書いてある。それぞれの貝に名前を付けているが、 解説は無い。名前は非常に独特で南方の産品が相当加わっている。図は500以上(*)あるが 種類はそれより少ない。 「Catalogue and Bibliography of the Marine Shell-Bearing Mollusca of Japan Type Figures. Higo, Callomon, Goto 2001」には本書の写本の図が 一部使用されています。 *)イシマキガイ639、レンジャク2166、 アコメ、ウミウサギ、ショクコウラ、ツグチガイ、ツツミガイ、ハナイタヤ、ヒタチオビ、 ベニマキ、マツカワガイ、マユツクリ、ミクリガイ、ミノムシ、レイシ、 衣、烏帽子、雲、雲母貝、燕(ツバメガイ)、屋形、乙貝、懐、海臼、海器、角、角木(ツノキガイ)、 葛王、鎌、管、橘、久嶋、久保、宮代(ミヤシロガイ)、鏡、玉黍(タマキビ)、錦貝、筋唄、金糸、 駒角、月日貝、古屋、口黒、広里、甲、香螺、黒江、狛独楽(コマ)、砂吹、山桝、糸貝、鹿子、車、 珠貝、戎、縮、緒被、女鮫、菖蒲、尻高、酢、水巻、畝、石川、赤貝、千種、千々螺、扇貝、線、礎、蘇妨、 袖貝、太貝、帯、蜘、津貝、椎、爪、鶴首、鉄吹、田黍、登呂、都、同宮代、禿貝、苫屋(トマヤガイ)、 白鴎、白砂、八洲、八代(ヤツシロガイ)、板貝、尾、尾上、姫サザエ、姫唄、姫螺、姫蜊、百鬼、鰭、 富貝、文字貝、平貝、法螺、未螺、蓑、鳴門、矢根、油貝、養、裡打、流螺、瑠璃(ルリガイ)、蝸牛、 餘眠、鬘、鮠、鰈、 他。 |
![]() 瑠璃貝 |
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本朝食鑑 12巻 人見必大著 1697年 庶民が日常口にする食品を本草綱目にならった形で解説したもの。 第10巻の中に貝類30種(*)を解説している。 *)鰒(アワビ)、牡蠣(カキ)、蛤(ハマグリ)、浅蜊(アサリ)、蜆(シジミ)、蚶(キサ)、 [虫へんに夜](タイラギ)、蟶(マテ)、海松蛤(ミルクイ)、蚌(ナガタガイ)、烏蛤(カラスガイ)、栄螺(サザエ)、 辛螺(大辛螺=アキ、小辛螺=ニシ)、長螺(ナガニシ)、宝螺(ホラガイ)、田螺(タニシ)、蜷(ニナ)、貝(バイ)、 寄居子(ゴウナ)、霊臝子(ウニ)、貽貝(イノカイ)、白貝(オオノカイ)、潮吹蛤(シオフキ)、馬鹿蛤(バカガイ)、 帆立蛤(ホタテ)、紫貝(コヤスガイ)、醋貝(スガイ)、錦沙子(キサゴ)、蛸枕(タコノマクラ)、石陰子(カセ)。 |
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大和本草 貝原益軒著 1708年 著者自身が旅行によって得た動植物の知識にもとづいているため、独創性の高い内容となっている。 第14巻が介類に属し海蛤、螺の2綱に分けて41品(*)を解説している。他に付録として9種、 陸虫の部に蝸牛1種がある。また、別に介の図が30個出ている。 *)蛤蜊、蜆(シジミ)、浅利貝、蚌(ドブガイ)、馬刀、海鏡、タコブネ、 淡菜(イガイ)、烏稔、西施舌(ミルクイ)、 白貝、鹽吹貝、ネヂ貝、海扇(ホタテガイ)、朗光(サルボ)、貝子(タカラガイ)、巻貝、蚶(キサ)、 石ワリ貝、鳥貝、バカ貝、タイラギ、海月、ツヅラ貝、ウミタケ、石决明(アワビ)、メクハジャ、 ヨメノサラ、蟶、牡蠣(カキ)、蓼蠃、赤螺、田螺(タニシ)、甲貝(コウカイ)、光螺(ツヘタ)、 栄螺(サザエ)、刺螺、梵貝(ホラガイ)、ワレカラ、河貝子(ミナ)、チシャコ、片貝(カタカイ)、玉珧、 鰒、紫貝(ムラサキガイ)、鎌倉小栄螺、波遊、アマリ貝、子安貝、マガリ、紅蛤、潮吹貝(シオフキガイ)、弥勒貝、 大貝(オオガイ)、タチ貝、ツベタ貝、シリタカミナ、カウ貝、ニシ、山椒貝、梅花貝、海ホウザイ、ヨメノ笠、 辛螺、オキニシ |
![]() 鮑 |
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和漢三才図会 80巻 寺島良安著 1713年 三才とは天地人の3を指したもので、本書は絵入りの万有全書ともいうべきもの。 第47巻が介貝部になっている。貝類67種、図は42個(*)。 惜しいことに図は精密を欠き、水波海藻などの添景を用いて非科学的。むしろ貝類と人生との かかわりを述べることに注力し、水産製造や貝殻工業に関する記事もあれば諸国の風俗、唐土の 諸説などもあり興味深い。 *)鰒(アワビ)、真珠(シンジュ)、牡蠣(カキ)、蚌蛤(ナガタガイ、ドブガイ)、丼貝(ドブガイ)、 馬刀(カラスガイ)、玉珧(タイラギ)、海鏡(ウミカガミ)、蟶(マテ)、 アコヤガイ、蜆(シジミ)、文蛤(ハマグリ)、蛤蜊(シオフキ)、浅蜊(アサリ)、阿座蛤(アザガイ)、 鳥蛤(トリガイ)、アカガイ、 車渠(ホタテガイ・イタヤガイ)、板屋貝(イタヤガイ)、車螯(ワタリガイ)、貝子(コヤスガイ・タカラガイ)、 紫貝(ウマノクボガイ)、珂(クツワガイ)、貽貝(イノカイ)、 馬鹿蛤(バカガイ)、ミルクイ、海蛤(ウムギノカイ)、香螺(ヨナキ)、蓼螺(ニシ)、赤辛螺(アカニシ)、 栄螺(サザエ)、田螺(タニシ)、バイ、 蝸螺(ミナ)、宝螺(ホラノカイ)、鸚鵡螺(オウムガイ)、老海鼠(ホヤ)、幾左古(キサゴ)、 錦貝(ヤコガイ)、郎君子(スガイ)、 海燕(モチガイ)、陽遂足(タコノマクラ)、霊螺子(ウニ)、石*(カメノテ)、寄居虫(ゴウナ)、 貝蛸(カイダコ・タコブネ)、トコブシ、サルボオ、他。 |
![]() 浅利 |
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日東魚譜 4冊 神田玄泉著 1730年 日本最初の魚介図説。石決明7種、蛤類53種、他33種 、計93種の貝(*)を図解している。 玄泉は江戸市井の医者。 *)キサゴ454、マダライモ4655、 ホタルガイ、クルマガイ、ウミギク、他。 |
![]() 海菊 |
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貝盡浦の錦 2巻 大枝流芳著 1749年 日本における印刷された最初の貝類書。貝に関連する趣味的な事が記されている。 著者自ら後に序して、「大和本草その他もろこしの諸書介名多しといえども是れ食用物産の ために記す。この書はただ戯弄のために記せしものなれば玩とならざる類は是を載せず」 と言っている。 記述されている貝は約220種(*)で、上巻には和歌浦真図、歌仙貝遺漏百余品、 住吉浦潮干図、前歌仙貝三十六品評、但馬竹浦真図、後歌仙貝三十六品評、源氏貝配富目録、 新撰歌仙貝、下巻には前歌仙貝並図、後歌仙貝並図、貝蓋図式並貝合わせやう指南、相貝経などが 掲載されている。 *)ハギノツユ2087、モノアラガイ6650、 クボガイ、イシダタミ、コシダカガンガラ、 カタベガイ、カズラガイ、アクキガイ、オニサザエ、アラレガイ、ムシロガイ、 マツムシ、キセワタ、ブドウガイ、ヤカタガイ、オチバガイ、スダレガイ、他。 |
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怡顔斎介品 2巻 松岡玄達著 1758年 出版は1758年だが著者の序文は元文5年(1740年)であるため貝盡浦の錦より早い。 蛤類29種、螺類14種、和品72種、蟹類18種、蝦類11種、その他13種が掲載 されている。(*) 介とは貝の他に蝦や蟹も含まれ、その中で漢名の不明なものを和品と称して いた。主として実地の見聞に基づいて編まれており、書中40余種の新出項目を有し 貝盡浦の錦とともに我が国貝類学上に多大の衝動を与えたものである。 *)オトメガサ76、 エビスガイ、ヒガイ、孔雀貝(クジャクガイ)、筆貝(フデガイ)、朝顔貝(アサガオガイ)、 山椒貝(サンショウガイ)、ヨメガ皿、巾着貝(キンチャクガイ)、絹笠貝、 忍貝(シノブガイ)、他。 |
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奇貝圖譜 1冊 木村蒹葭堂著 1775年 紀州蔵介家の美介を写生した彩色図(*)、蘭書の貝図の模写、各産地の名貝、食用的記事、 蔵貝家の名簿などを掲載した雑記である。この中にベニオキナエビスが図示されており、 「無名貝 拇あげまきの一種ならん」と記されている。 *)子シヌキ(=チマキボラ)、隠蓑介(=オニムシロ)、無名介 拇アケマキノ一種(= ベニオキナエビス)、水吹介、ヒヨケ介(スイジガイ)、花仙、海兎介、糸掛介、比翼介、蜀紅螺、 芭蕉介、紅シボリ、他。 |
![]() 紅翁戎 |
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本草綱目啓蒙 全48巻 小野蘭山著 1802年 第42巻が貝類である。解説する貝は29品(*)に過ぎないが、説明は詳細を極め、貝の名は 約310におよぶ。本書の特長は第一に、或る種を記載する場合に、最初にその異名を 悉く列挙するという唐土の学風を採用しているという点である。これは他の本草書や貝書でも 容易に実行し得なかった点である。特長の第二は漢名に対する和品の適合であって、従来 本草学において最も苦心した事業も蘭山に至ってようやく定説を見るに至った。 *)アカニシ2777、ナガニシ3507、 カタツブリ、マイマイ、他。 |
![]() 赤辛螺 |
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渚の丹敷 上下2巻 曾永年著 1803年 上巻は二枚貝、下巻は巻貝で、合計123項、540品。付録54品を載せている。(*) 緒言によれは美麗な彩色図があるはずだが詳細不明。曾永年は通称を占春といい、薩摩候 島津重豪の記室。占春は貝類を記載するに当たり、ある1個の代表種を題目に掲げ、 類似のものはその下に取り纏めて記するような方式をとった。 *)コシタカガンガラ402、ヒラサザエ565、ゴショグルマ5179、ツメタガイ2027、ユキガイ943、 ホシダカラ、キヌボラ、リュウグウボタル、アサガオ、クチベニ、他。 |
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六百介品 5冊(又は6冊) 約600個の貝(*)を彩色図とし、漢名や和名を付けたもの。この書は丹敷能浦裏とともに 日本の貝類書として重要な位置を占めるが、共に著者年代の記録が無い。 *)スカシガイ113、エビスガイ298、ナツモモガイ436、クボガイ397、カタベガイ520、 ヤコウガイ528、サンショウガイ566、リンボウガイ563、タマキビ930、 エビガイ1380、キヌガサガイ1667、ツグチガイ1887、クマサカガイ1656、カズラガイ2144、マツカワガイ2188、 オキニシ2254、アクキガイ2509、オニサザエ2531、バショウガイ2554、ミズスイガイ2811、マツムシ2901、 ムシロガイ2993、ミクリガイ3254、マユツクリ3271、 ホタルガイ3569、ミノムシ3795、アコメガイ4801、トクサガイ4863、アサガオガイ4978、 ネジガイ5011、オダマキ5126、 クルマガイ5165、ベニシボリ5973、ブドウガイ6122、 クジャクガイ218、ヒヨクガイ417、キンチャクガイ426、ハナイタヤ442、ウミギク471、ウミアサ618、 シオフキ915、ベニハマグリ916、 ベニガイ981、オチバガイ1118、ムラサキガイ1122、 フジナミ1124、スダレガイ1345、ワスレガイ1381、他。 |
![]() 忘貝 |
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![]() 紫竹貝 |
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宇治久老貝図 1冊 荒木田久老著 貝、螺、蛤、雑、無對の順に配列し、387種(*)を墨絵で写生している。標本は紀州、 伊勢、尾張、遠州、相模などのもので、土地の方言を付記したものもある。 図はかなり正しく、多くは正面図を描いている。名称の他、簡単な解説や産地的記述を 加えたものもある。著者は伊勢外宮祠官で万葉学の第一人者。 *)フクロガイ2109、ショウジョウガイ481、 オトメガサ、ヤコウガイ、リンボウガイ、バショウガイ、サツマビナ、 トクサガイ、ナツメガイ、マルツノ、タツナミガイ、アキタガイ、他。 |
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丹敷能浦裏 3巻 介類569品(*)を図解した彩色画譜で毎葉その上段に図を示し、下段に解説が記載されている。 図は精細で解説も適切。 *)アザミガイ548、ヒガイ1925、ホネガイ2517、ヨウラクガイ2671、レイシ2760、タケノコガイ4933、クレハガイ5129、 ミルクイ942、キサガイ958、シオサザナミ1099、他。 |
![]() 杼貝 ![]() 汐小波 |
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紀州田邉介品書上目録 1冊 1814年 田辺の町奉行が藩主の命を受けて調べて書き出した紀州の介類目録である。 牛の鼻の角貝、佛岩の舎利貝、珊瑚砂の3種を土地の名産として書上げ、シコロ貝以下 196種を浜辺に上がるもの、ザクロ貝以下39種を浜辺に上がる小貝、キセル貝以下 10種を山澤にあるもの、イトカケ貝以下69種を縄はへ(はえ縄?)に釣られて上がる ものとし、合計317種の貝名を載せている。 翌年この調査を行った堺屋喜右衛門はこの目録に定価を付けた「田邉介價録」を作成した。 これによると絲掛介(オオイトカケ)は金5両、海兎、隠レ蓑(オニムシロ)は金1両、水汲介・猩々介・ヒタチ帯などは金2歩 である。 |
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介集図説 2巻 1冊は図で1冊は解説である。図は介691品を墨絵に描き、図柄は六百介品と 同じだが、蚌、蛤、螺、無對などを集類してある所が異なっている。解説は丹敷能浦裏と 同一。本書は原著ではなく既成の書の改作で、群分品彙の草稿であるかもしれない。 |
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観文介譜 1冊 堀田正衡著 1830~1843年 介類213品(*)の記事を諸書から集録したもの。 著者は佐野藩2代藩主で後に幕府の若年寄となり、博物家でもあった。 *)テンガイ111、ウミニナ1449、チリメンダカラ1672、ヤタテガイ3729、サクラガイ1036、他。 |
![]() 桜貝 |
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介品(五百介圖) 1冊 浄貞五百貝圖よりも寧ろ六百介品に似たところがある。和歌山の書は墨絵で同藩の博物学者 小原良直の印がある。 *)ヤツシロガイ2125、アメガイ2165、タイラギ315、イナミガイ1277、ネリガイ1504、他。 |
![]() 玉珧 タイラギ |
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藤渠介品11巻 大垣侯著 いろは順に配列し六百余種を彩色図としている。 |
![]() 松皮貝 |
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甲介群分品彙 2冊 武蔵石寿著 1836年 図は六百介品のをそのまま模写し、蚌、蛤、螺、無對、異形の5類に分類したもの。(*) 解説は丹敷能浦裏から転写している。 *)ホシダカラ1768、ウミウサギ1881、ツツミガイ2114、ミヤシロガイ2132、アラレガイ2990、 キヌボラ3039、ツノキガイ3471、リュウグウボタル3559、サツマビナ3585、 フデガイ3677、ショクコウラ3967、ルリガイ4979、オオイトカケ5054、 セキモリ5127、マキモノガイ5332、ヤカタガイ5969、ナツメガイ6093、 タコブネ200、チヨノハナガイ947、モモガイ1462、他。 |
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目八譜 15巻 武蔵石寿著 1843年 貝類997種(*)を無對、蛤蚌、蟶蠣、螺形、拳螺、刺螺、円螺の7種に類別して写生し、 詳細な解説を附した極彩色の貝譜で、石寿が最も心血を注いだ書である。 本書の原本は明治35年に白井光太郎博士が東京の一書店で偶然に発見し、帝国図書館に 納めた。そのため関東大震災の災害を免れ、現在も完全に残っている。 図は服部雪斎が描き、本書に貼り付けてあります。現在は 国会図書館のWebサイトで公開されて いるため、以前に比べると簡単に閲覧できるようになりました。 *)オキナエビス3、トコブシ9、クズヤガイ103、ユキノカサ169、ツタノハ118、カサガイ123、 マツバガイ124、ヨメガカサ125、 イシダタミ381、ヘナタリ1443、ハナマルユキ1763、ジュセイラ2193、ホラガイ2242、ボウシュウボラ2243、 バイ3324、ベニマキ3478、チマキボラ4642、ベッコウイモ4680、キセワタ6054、 オオムガイ1、 サルボウ153、イガイ216、アコヤガイ335、ウメノハナガイ620、 トマヤガイ803、トリガイ902、バカガイ914、マテガイ1144、アサリ1340、クチベニガイ1431、 ウミタケ1452、マルツノガイ16、他。 |
![]() 花丸雪 |
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![]() 鼈甲芋 |
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介志 10巻(志5巻、図5巻) 畔田伴存著 15属2233種、2360品の貝(*)を図示し、我が国の古文献中で介図が最も豊富である。 図は墨絵であるが正確で、志は簡潔で要領を得ている。カラスキ、カンスガイ、ニワトリガキ、 ヤミノニシキなど多くの和名はこの書から出ている。 本書は目八譜とは系統を異にし、貝の名称も一致しないがそこに研究資料としての価値を 認めることができる。 本書の作成年代について金丸但馬氏は、「本邦貝類書解題(3) VENUS 1(3) 1929」において 天保年間(1830~1843年)としていましたが、「日本貝類学史(24) VENUS 11(2-3) 1941」 において、「目八譜より後」としています。 *)カンスガイ549、トウイト3261、カラスキ2556、カセンガイ2827、カガバイ3395、モミジボラ4132、 シマアラレミクリ3267、ミオツクシ3263、シノブガイ5100、ツバメガイ324、カゲロウガイ322、ニワトリガキ351、 ヤミノニシキ429、オイノカガミ1331、カモジガイ941、セミアサリ1399、他。 |
闇の錦 |