ナビ専用タンクバックと違い、ナビパネルであれば一応走行中も画面を見られますので音声ガイダンスがなくとも使用可能です。
それでも見落としや液晶画面を眺めていると危険なハイスピード巡航時・交差点などを考えれば音声ガイダンスは欲しいところです。
本体にスピーカーは内蔵されていますが、その上をアルミ板で覆っていますし、走行中は風切り音やメカノイズ・排気音等で音声ガイダンスは聞き取れません。音量を最大にしておけば信号待ちや微速前進中ならかろうじて聞こえますけど。
ナビ本体にはヘッドフォン端子がありますのでここからイヤホンを接続することが可能です。コストも手軽で確実な伝送手段である代わりに、いちいち接続するのが面倒です。また外し忘れや転倒時に引っ張られて痛い思いをしかねません。というより危険です。
耳にイヤホンをつけたままメットをかぶろうとするとパッドが強くイヤホンを耳に押し付けて痛いのと、走行中に耳から外れかけても直せない、なんといっても面倒という欠点があります。メットの中にスピーカーを仕込んでおいた方が楽です。
有線以外の手段として、FM電波を試してみました。ナビ側にFMトランスミッターを接続してその電波を携帯ラジオで受信するパターンです。ちょっと試してみたところ意外とよく聞こえます。ただしちょっとチューニングがずれると盛大なノイズを発します。もし本気で使うならトランスミッターおよび携帯ラジオ双方のバンドのチューニングダイヤルを固定するしかないでしょう。
無線ゆえに設置場所の制約は少ないという魅力はあるものの、どうもいろいろノイズを拾ってしまいそうで不安です。

次に試してみたのが赤外線です。
今回はSONYのTMR-IF120を試用してみました。これはピンジャックもしくはミニジャックで入力された音声を飛ばす赤外線トランスミッターおよびそれを受信するレシーバーのセットとなります。レシーバーにもミニジャックがあり付属のヘッドフォンの他、市販のヘッドフォンが接続できます。
トランスミッターは付属のACアダプターで動作し、レシーバーは単3型電池で動作します。写真では既にレシーバーユニットが加工途中(基板が剥き出し)ですが、気にしないでください。
市販のワイヤレスヘッドフォンを分解しても良かったのですが、中のレシーバーユニット(の基板や受光部)がどういった形状か分らないので避けました。
とりあえず中を開けてみるとこんな感じです。トランスミッターには白と赤のピンジャック端子、ミニジャック端子、電源接続用のジャックが見て取れます。レシーバー基板の大きくカットされた部分に単三電池が収まります。その下のミニジャック端子から音声信号が出力されます。


赤外線照射装置もといトランスミッターはフード上に設置しました。このトランスミッターのケースは曲面を生かした厚みがあるデザインで、(写真ですと分かりづらいと思いますが)フロントカバーを開けるとスクリーンとぶつかりそうになりました。よって中の基板に干渉しない程度にケースをカットして厚みを減らしてあります。フード上のトランスミッターはアルミ板で覆ってあります。

ACアダプターにて9Vを供給される想定ですので、シガーソケットから各電圧に変換可能な市販のアダプターを分解して組み込み9Vを供給します。ナビパネルの電源スイッチから分岐させることによりナビの電源ON時のみ赤外線トランスミッターも稼動します。
レシーバーは本来はクリップで胸ポケットにでも引っ掛けておく想定ですが、バイクで使うには対処が必要でしょう。帽体内の緩衝材である発砲スチロールを削って埋め込むという手段もありましたが安全上は望ましくないですし、メットの外側に貼り付けるとなると防水・防風をきちんとやらなくてはならないので面倒です。
結局、シールドの内側に設置しました。目の左右、緩衝材の厚み分のスペース上とします。レシーバーユニットはけっこう長くてそのままではチークパッドおよびチンガードに当たります。本体部(受光部および基板)と電池ボックス部に2分割しました。カットにより基板が剥き出しになってしまう部分には板を接着してケース状に加工します。

電池ボックスは受光部の反対側に設置します。チンガード内に電池ボックスをセットすることも考えたのですが、こちらはチンガードが開閉するシンクロテックというメットを使用です。開閉に応じられる長いコードをうまく這わすか、閉じた際に導通する接点を仕込む必要があります。そもそも単3電池の長さをチンガード内に設置するのは難しく、断念しました。


これらに0.3mm厚アルミ板をビス留めし、内装を固定するドットボタンに共締めして固定しました。
赤外線レシーバーおよび電池ボックスは暗い色で塗装しておきます。視野に明るい色が入ると気が散りますので。
シールド内に設置した代償として、視野が狭くなりました。
レシーバーおよび電池ボックスの位置はほぼ目の真横に位置します。私はメガネ着用の為もともとこの位置にはほとんど視力がありません(メガネのフレーム外なので視力が矯正されない)。よって影響は無視できる…かは微妙なところです。視力がない視野の隅とは言え漠然とクルマの気配を感じる程度には役立っていたはずですから。
今回使用のシンクロテックというメットの内装は、耳の部分にも薄く緩衝材が入っていて上からいくぶん起毛した素材が貼られています。
よって厚みがあるスピーカーを直接貼り付けできない訳です。ベースとして0.3mm厚のアルミ板を敷き、その上に絶縁用ゴムシート、圧電式スピーカーを貼り付けるという形になりました。ベースのアルミ板も内装のドットボタンに共締めおよび緩衝材と内装の間に挟みこむことで固定します。

なおシールド内だからといって、まったく防風防水の必要がない訳ではありません。本当は。暑いときなど少し開けて走行することもありますし。
駐車中に使っているRFのメットホルダーに普通に引っ掛けると内装が上を向き、降られるとメット内が被水します。初めから降っていた場合はともかく、バイクから離れている間に晴れから雨へ変わると油断していて濡れたメットを被ることになります。
今までは笑い話だったのですが(ただし内装から湿気が出てシールドの内側が曇るようだと生命の危険あり)、これからは気をつけないとレシーバーユニットの漏電の原因になりますねぇ。
電池ボックスを防水仕様にすることも考えたのですが、体積を大きくするとさらに視野を狭めるので、断念しました。面倒ですし。
内装のドットボタンで固定しているだけですので、何かあった場合には取り外し可能です。
無線と違い赤外線ですので、大きく横を向いていたり伏せていたりバイクから離れていれば音声は聞こえません。無線と異なり1対1でバンドも固定ですので確実性があります。トランスミッターからの赤外線を受信できないときはオートでミュートがかかります。むしろ無音の状態の赤外線を受信中の方が軽くヒスノイズが入ります。
ナビ本体のイヤホンジャックに音声ケーブルを差してフード上のトランスミッターまで音声信号を送ります。

なお赤外線トランスミッターは赤外線を発しており、夜間には発光している様子がはっきり分かります。ナビパネルのトップページにある夜間撮影の画像で光っているのはそれです。
見ての通りシンクロテックというフルフェイスのヘルメットに音声受信系を仕込みましたが、私は夏はジェットヘル使用です。いずれそちらに移植する必要があります。