今月おぼえた鹿児島弁      やどかり、です



東京に住んでいたとき、東北弁や関西弁などはよく耳にしましたが鹿児島弁というものがあることを知ったのは鹿児島に来てからでした。この言葉は私にとって語尾に特徴があるとか、イントネーションが違うとか言った生やさしいものではなく、言葉そのものが違いました。テレビで、鹿児島を舞台としたドラマが放映されましたがなんと字幕スーパー。そこで、私がやっと覚えた鹿児島弁をご紹介します。


2000年1月 疑問文の「け」 助詞
「〜ですか?」なんていうときに「〜け?」と聞きます。
鹿児島に来て始めに違和感を覚えた言葉です。
これが難しくて、本当の疑問文の時ももちろん使いますが、念を押すとき、「〜だったかしら」と言うときにも使うので私には区別が付きません。もちろんイントネーションが少しずつ違います。
この「ケ」は方言が廃れた等という言葉とは無縁で、現状女子高生でも誰でも使っています。
2000年2月 「つけあげ」 名詞 ご存じ「さつま揚げ」です。薩摩っていうくらいだから鹿児島でも当然こう呼ばれていると信じていたわけですが、イタリアのナポリにスパゲティナポリタンが無いように、アメリカにアメリカンコーヒーが無いように、薩摩揚げとは呼びません。
「つけあげ」とか「つきあげ」と呼ばれています。「つっきゃぁげ」なんて促音便が入るともう、お手上げ。
九州の別の地方では「天ぷら」と呼ばれているそうで何とも区別ができません。
鹿児島のつけあげは関東のものよりだいぶ甘く、こちらではおでんに入れたりはせず、そのまま食べます。
2000年3月 「からいも」 名詞 「さつま揚げ」と同じく、「さつまいも」もご当地鹿児島では使わない言葉のようです。唐から渡ってきたので「唐いも」なのでしょうか。
この「唐いも」、東京では1種類だと思っていましたがとんでもない。長細いの、太いの、短いのから始まって、外が白くて中が紫、外も中も紫とか、中身はオレンジ、白、黄色・・・と数限りなくあり、煮るのか、ふかすのか、お菓子にするのかなど、調理方法で選ぶようです。
2000年4月 「ラーフル」 名詞 新学期の季節ですね。これは東京では「黒板消し」と呼んでいたものです。正確には黒板は消せないのですが(^^;)ね。
鹿児島の人はこの言葉が共通語だと思っている人が多いので公民館の黒板にはデカデカと「ラーフルはきちんと片づけましょう」なんて書いてあります。語源は外国語だという説が有力で、ポルトガル語とか、ドイツ語とか言われています。
2000年5月 「わっぜ」 形容詞 英語では、Very。いっぱい、とか、とっても、という意味です。
どちらかというと力を込めて「わっぜっ」と発音しているように聞こえます。数が多い時だけではなく、量が多い時にも使えて便利(だそうです)。ちなみに、「大きい」は口径や直径だけではなく、「太い」と言うので、「わっぜ、太か」と言ったら「とても大きい」と言う意味なのです。別に太っているという意味ではありません。
2000年6月 「どんこび 名詞 さて、季節モノです。「どんこび」とは何だと思うか、と聞かれました。「どんこ」という椎茸しか思い浮かびません。なんと「がまガエル」だというのです。「じゃ、他のカエルはなんて言うの?」ということになりますが、「び」という言葉はあるにはあるようですが余り使われていないようです。がまガエル、もしくはヒキガエル。もしかすると「どんこ」には「大きな」とか「もっこりした」なんていう意味があるのかもしれません。唐津地方では、びきたん、もしくは、びきたんこと言うらしい。こちらは姿形ではなく動きから来ているのかもしれませんね。
改訂:お便りを頂きました。「どんこび」ではなく「どんこびっ」だそうです。(^_^;)普通のカエルは「ビッズ」。ご指摘ありがとうございました。
2000年7月 「きびる」 動詞 鹿児島以外でも使われているらしいのですが、「そこのロープきびっちょけ」などと使います。みんなでヨットの整備をしていた時言われました。いろいろ想像したのだけれどわかりません。これは「結ぶ」という意味だそうです。「そこのロープを結んでおきなさい。」ということでした。言葉が通じないって言うのはやっぱりタイヘン。
2000年8月 「てげてげ」 副詞? 語源は「たいがいたいがい」だそうです。何のことだかさっぱりわかりません。そういえば「たいがいに(いい加減に)しなさいよ」と母からしかられたことがあります。「いい加減」なことを指すのでしょうか。今まで理解していた言葉の意味とは何だかちょっと違う気がします。雑、おおざっぱ、アバウト、最近の言葉ではファジーとでも言うのでしょうか。「適当」と言えば聞こえがよいかもしれません。
同様にアフリカにはポレポレという言葉があるそうです。どちらにしろ、あまり細かいことにはこだわらない、几帳面の反意語のようです。大らかな、南方にしかない言葉かもしれませんね。ぜひ
この感覚を習得したいと思います。
2000年9月 「ちんがら」 副詞? 最強の鹿児島弁だと思います。今年は台風の当たり年です。「台風で看板が壊れちゃったんですって?」「ちんがらやっどぉ」???鹿児島の人に尋ねると、聞いたとおりの意味だと言うのですが、どこが聞いたとおりなのか−。つまり「もう、めちゃくちゃです」という意味。「ちんがら」と音を立ててバラバラに崩れ散ると言うイメージなのだそうです。もちろん、日常普通に使われている言葉で、仕事でこんな言葉を聞いた日には頭を抱えるしかありません。
2000年10月 「だれやめ」 名詞? 居酒屋の店先に「だれやめセット」と書かれています。新聞にも「だれやめが進む」なんて記載があります。「だれやめ」という言葉自体は「お疲れ休め」と言う意味らしい。「だれやめに行こう」などとも使うようです。
実は、会社帰りなどに「ちょっと一杯」と言う時に使います。あくまで「ちょっと一杯」なのであって、朝まで飲み明かそうなどという宴会には使われません。ちなみに飲み会(宴会)は「飲ん方」(のんかた)と言います。まぁ、一杯飲んで疲れを取ろうということらしいのです。
「暑気払いにちょっとビアホールへ行こう」と言うのと似ています。飲めればどんな理由でも良いのかもしれません。
2000年11月 「ガラッパ」
「ガラッパ草」
名詞 川に住む、幻の、カッパのこと。カッパ、カッパ、ガラッパ、まぁ似ていなくもありません。しかも「ガラッパ草」と言うのもあって、こちらは「ドクダミ」。どうしたらカッパがドクダミになるのかはとても不思議。ドクダミは川の周りに(水辺に)生えているから、という説が有力のようですがこじつけの感が拭えません。ガラッパはただ「川」という意味もあるそうで、カッパは河原から来ているのかもしれません。
2000年12月 「つぐろじん」 名詞 語源がわかったらぜひ知りたいもののひとつです。なんと、「青あざ」。転んでできるあの青あざです。鹿児島の友人が東京へ行ったとき、転んで恥ずかしかったのをごまかすため、ちょっとブリッ子して「つぐろじんができちゃったぁ」と言ったため、みんなは唖然としたとか。当然です。言われた方は何が起こったのかわかりません。
2001年1月 「山芋を掘る」 動詞
これが本当に鹿児島弁なのでしょうか、ちょっと不安。うちの方でも使いますよ、と言う方お便り下さいね。
お酒を飲む機会が多い時期、酒癖が悪い人は困りもの。そんな時に使う言葉。長くて細い山芋を長時間掘り続けるように、じくじくと同じ話を繰り返すことを言うらしいのです。よく居ますよね。結局何を言っているのか意味不明なのだけれど、ずっと話し続けている人が−。そのような状態を指すのだそうです。飲んで寝込んでしまう人よりずっとタチが悪い。大いに気をつけましょう、そこの、あなた!
2001年2月 「ぶえん」 名詞 「ぶえんは要らんかのぉ〜」と言う魚売りの呼び声で目を覚ました−というフレーズで始まるテレビコマーシャルがあります。鹿児島の薩摩揚げのCMです。確かに画面にはほおかむりをしたおばさんが、天秤棒を肩に掛け家々に魚を売り歩いている絵が出て来ます。「ぶえん」または「ぐえん」と聞こえます。何だろう、聞いたことのない魚だなぁと思いきや、これが「新鮮な魚」の意味だと聞いたときはびっくりしました。つまり「無塩」もしくは「不塩」、塩漬けではない、新鮮な魚ですよ〜ということらしいのです。この際鮮度だけで魚の種類にこだわりは無かったのでしょうか。昔は鮮度が命で魚だったら何でも良かったのでしょうか。そういえば「塩漬けの」とか「干物」は区別しますが新鮮な魚を区別する言葉が見あたりません。強いて言うなら「刺身用の魚」ということでしょうか。
2001年3月 「やっせんぼ」 名詞 「○○はやっせんぼだから」などと使います。○○には人が入ります。「私は」でも良いらしい。始めは「通せんぼ」かと思いましたが、これが「弱虫」と言う意味なのだそうです。やせ細った→弱々しい、と言うことなのかと勝手に解釈してみました。そう言えば「弱虫、毛虫、挟んで捨てろ」なんて言う歌がありましたよねぇ。最近は「弱虫」と言う言葉自体、聞かなくなったと思いませんか。
2001年4月 相づち 例えば、「これ、明日までに提出するんですよね」と言ったとき、普通「そうでしたね」とか「あっ、そうだった!」などと言いますよね。それが「そう」を省略して「ですよ」とか「だった」とだけ言います。しかも「だったぁ」と語尾上げです。普通の会話だけでなく相づちを打つときもそうです。「だった、だった」と繰り返して言うことはあっても「そう」は省略です。東北弁の「んだ、んだ」に似ています。寒くて口を開けられず省略する東北弁と違って、どうして暖かい鹿児島で省略するのかはナゾです。その「だった」も「じゃっど」に変形したりします。「じゃっど」=「(そう)だった」、「じゃね」=「(そう)だね」、「じゃが」=「(そう)だが」と活用してくるとお手上げです。語尾に「ど」もつけます。語尾が「やっど」「すっど」「いっど」となるともう、その場の雰囲気で判断するしかありません。
2001年5月 「掃く」 動詞 さて、「ほうきで庭を−」この後何と言いますか?「掃く」ですよね。これは「はく」と読みますよね。ほら、ワープロでもそう表示されます。でも鹿児島の人たちは同じ漢字でも「はわく」と読みます。読むだけじゃなくて普段からそう言います。関東育ちの私は、西日本の人たちが「ゴミを捨てる」と言うことを「ゴミをほかす」と言い、ものを片づけたりしまったりすることを「直す」と言うのにも抵抗があるのです。「これ、直しといて」と言われるとどうも「訂正する」とか「修理する」と思ってしまうんです。まだまだあります。画鋲のことは押しピンだし、模造紙のことはなぜか太陽紙だそうです。この「はわく」も鹿児島以外の方達も使っているのでしょうか。九州では「行く」と「来る」も逆です。「来るけん、ね」と相手に言われたら、言った相手が私の所に来ることになります。ここまで来ると意志の疎通がはかれるかどうか自信が無くなって来ちゃいます。日本語ってなんて難しいのでしょう。
2001年6月 「おやっとさぁ」 挨拶 これは、「お疲れさま」と言う鹿児島弁です。鹿児島にはこの名前の焼酎もあります。仕事から帰ってきて一杯、と言うところでしょうか。私の周りにはこの名前のヨットもあったりします。さすがに若い子はこの言葉は使わない言葉のようですが、鹿児島ではなぜか「お疲れさま」を多用するようです。まぁ東京でも美容院で髪を洗ってもらった後「お疲れさまです」と言われると「疲れたのは私じゃなくてあなたでしょ」とつっこみを入れたくなったりしましたが、これは「私が髪を洗っている間、ずっと同じ姿勢でいてくれてお疲れさまでした」と言う意味ですよね。鹿児島では朝一番に会った時や、電話での応対にも「お疲れさまです」と言います。朝から疲れているわけはありません。友達にも聞いてみましたが同じ違和感を持ったようです。「相手をねぎらうことが大切だ」っていう感覚からなのでしょうか。
2001年7月 「ひっとべ」
「せっぺとべ」
命令形? こんな名前の映画が公開されました。舞台は東京と鹿児島だそうです。「”ひっとべ”って一体どんな意味なの?」と友人に聞いたところ意外な答え。「この唄には前があるのよ」「えっ?これ、唄だったの?」。実は「泣こかい、飛ぼかい、泣くよかひっとぺ」と言う唄なのだそうです。何かをやる前に躊躇しますね。そんな時の「泣こうか、飛ぼうか、泣くくらいなら思いっきり飛んでみなさい」と言う前向きの唄だったのです。「やらずに後悔するよりはやってみろ」と言う感じなのでしょうか。「ひっ」は接頭語なのだそうです。
ちなみに鹿児島には「せっぺとぺ」なんて言葉もあります。「せっぺ」は一生懸命、思い切りと言う意味で、直訳すると「思いっきり飛びなさい」と言う意味だそうですが、田植えの祭りのことでした。田んぼの中でどろんこになるお祭りです。
2001年8月 「びんたをつむ」 名刺+動詞 暑いですね。暑いときには散髪にでも行ってさっぱりしたいですね。と言うことでこれは「散髪に行く」でした。どうやら「びんた」と言うのは頭のことで「つむ」と言うのは「摘む」だと思われます。東京出身の私には「ビンタ」と言うのは「往復ビンタ」のことしか思い当たらず、ほっぺた、つまり「横っ面をはり倒される」と言うイメージがあり、しかも頭を摘まれるなんてどうも痛そうだと思うのですがいかがでしょうか。他にも「車を車庫に頭から突っ込んでおいて」何て言うときの「頭」も「ビンタ」と言うようですよ。どうやら人も車も魚でさえも「頭」は「ビンタ」で良いようです。
2001年9月 「 つ がかぶった」
「かかじった」
名刺+動詞 「標準語で何て言うの?」と聞かれました。そう聞かれたってわかりゃしません。こっちが聞きたいくらいなんだから。友達の腕の傷を見て「どうしたの?」と聞き、「かかじった」と答えられて目が点になり、「蚊が囓った=蚊に刺された」ことかと思ったら「かきむしった」ことだと説明されました。その後の言葉です。これは「かさぶたが出来る」と言う意味なのだそうです。つまり「つ」は「かさぶた」のことでした。どうしてこんなに短くなっちゃったのでしょう。どうして「かぶる」なのでしょう。たぶん「かぶる」は「被る」と書くのではないかと勝手に想像してみました。覆われるなんて意味でしょうか。
2001年10月 「こそくり」 名詞 私の前でこの言葉を発した会社の女性は私より年下で、しかもこの言葉が共通語だと思っていました。「週末はなにするの?」の問いに「うち、こそくりするから掃除しなくちゃならないんです。」と答えたのです。「こそくり」?「へそくり」とか「」こそ泥」なら知っていますが「こそくり」なんて初めて聞く単語で想像も出来ません。なんとこれは、「家を修理する」と言う意味なのだそうです。大工さんや工務店の看板には「新築・改築・こそくり」と出ているそうで、本当に電話帳にも載っていました。「建物の修理」と言っても、なぜかコンクリートのビルなどは含まず、木造家屋だけの修理なんだそうです。あちこち聞き回った限りでは小さな物は棚くらいから簡単な改築工事くらいまでを指すようです。修繕とか営繕などと言う意味でしょうか。何か似つかわしくない言葉のような気がしますが・・・。
2001年11月 「ゆくさ おじゃったもんせ」 文章 今年も年賀状の発売シーズンになりました。鹿児島に引っ越してくる時、鹿児島の知り合いからこう書かれた年賀状を頂いたときにはびっくり仰天。言葉の通じない国へ行くのかと不安になりました。だけどどうせお年寄りの一部しかこんな言葉は使わないだろうと高をくくっていたのです。だが、しかし−。これは「ようこそ おいで下さいました」と言う意味だそうです。私はどこで区切られるのかわからなかったので今回は区切ってみました。ようこそ=ゆくさ、のようです。この後「鹿児島へ」となるのなら「ゆくさ おじゃったもんせ かごっま」となります。言葉の壁は厚いようです。
2001年12月 「まくじる」 動詞 この、「まくじる」と言うのはみそ汁とか豚汁などの汁物ではなく、何か失敗をしでかして「しくじる」わけでもありません。「胃がまくじる」と使います。この言葉を使った女性に説明を求めたところ、「ホラ、こう、何て言うか、胃がまくじるんですよ」と訳の分からないことを言っていました。あちこち聞き回ったところによると、「食べ過ぎて胃が重い」「何か消化の悪いものをたくさん食べた後のようだ」だとのこと。どうやら「もたれる」とか「胸焼け」とか言う意味のようです。ちなみに胃に使う言葉のようですが、まれに紐などがこんがらがった様を言うこともあるのだとか。忘年会のシーズンになりました。「まくじることの無き様に」(いや、「まくじらないように」かな)お気をつけ下さい。
2002年1月 「すんくじら」 代名詞? これは「マッコウクジラ」とか「シロナガスクジラ」などと言う鯨の仲間ではもちろん、ありません。実は「隅」と言う意味なんだそうです。普通、「隅の方へ行っていなさい」とか、「パーティーなどで恥ずかしいので隅に居た」何て言う時のあの「隅っこ」です。「すん」が「すみ」の訛ったものだとしても、「くじら」が何なのかはナゾです。せめて重箱の隅をつつくとされる「ネズミ」ならわかりますがどうして巨大なクジラなのでしょうか。それほど大きな物が隅に居ると言う例えなのでしょうか。だけどこの言葉、微笑ましいと言うか、とってもかわいい言葉だと思いませんか。
2002年2月〜2002年4月:留学のためお休みです。
2002年5月 「貝掘り」 名詞 「かいほり」と読みます。一見、方言でも何でもないような気がします。ですが「潮干狩り」のことなのです。確かに貝を掘るのですが、少なくとも東京では聞いたことはありません。「貝掘り」、う〜ん、何か違いますよね。私としてはせめて「アサリ採り」くらいなら許せるのですが「貝掘り」ではどうも風情が無いというか、何というか、直接的過ぎる気がします。いかがでしょうか。特にGWあたりが「貝掘り」のベストシーズンです。「かい」を「け」と発音し、「けほり」とも言います。
2002年6月 「びびんこ」 名詞 さて、何でしょう。地域によっては「じゃんじゃんこ」とも言うらしいです。答えは「肩車」。そう、あの、父さんが子供を肩に乗せる、アレです。確かに、私の知っている「肩車」は何だか硬い感じがしてどう見ても大人が考えた呼び方ですが、だからといってどうしてこんな呼び名になったんでしょうか。
2002年7月 「やんかぶる」 動詞 これはわからないと思います。(^_^;)私のように、「やん」と言うモノを「頭に被る」と考えていては正解にはたどり着きません。もちろん、時代劇や古典などで使われる「やんごとなき」(身分の高い)と言う言葉とも関係ないようです。例えば朝、誰か友達に会ったとします。「私、やんかぶってない?」と聞くわけです。これはなんと「ヘアスタイルが乱れていないか?」と言う意味でした。「やん」が髪型のことなのか、じゃ、「かぶる」は乱れていると言う意味なのか、「やんかぶらない」「やんかぶれば」などと活用するものなのか、もちろん詳細は不明です
2002年8月 「ひったまがる」 動詞 ヒント:今年は特に暑いですね。そんなときにはお化け屋敷。さて・・・。
「びっくりする」と言う意味なんです。「ひっ」は「ひっとぺ」でも登場しましたが接頭語。「あ〜びっくりした」何て言う感じでしょうか。「ほんまのこてひったまがった」は「本当にびっくりした」なので、「ひったまがる」「ひったまがった」「ひったまがれば」と活用するらしいです。
一節によると男性が驚く様子から来ていると言うのですが、さて一体どういうことなのか(^_^;)
2002年9月 「こけけ」
「けけけ」
文章 暗号ではありません。れっきとした文章で、「ここにおいで」と言う意味なのです。鹿児島には「こけけ王国」なんて場所もあります。で、「ここにおいで」と言う意味の場合、おしまいの「け」にアクセントがあり、初めにアクセントを置くと、「買いにおいで」と言う意味に変わるのだそうです。つまり「こ」には「ここ」と言う意味と、「買う」と言う意味があるんですね。ちなみに「けけけ」と言う怪しげな文章もあります。これは「貝を買いにおいで」と言う意味なんだそうです。どこか九州の北の方では「ととと」(とっておいて)と言う言葉もあるのだとか。あ〜、やっぱり暗号かもしれませんね。
2002年10月 「なんかける」
「なんかかる」
動詞 これは「寄りかける」「寄りかかる」と言う意味です。ある日会社で、自分の机の書類に、隣の机に立てかけてあった書籍が倒れかかっているのを見て「あ〜、なんかかっているぅ!」と言った女性が居ました。言われた人も鹿児島の人ではなかったため目が点。これは書類や本ばかりではなく、彼女が彼の肩に「もたれている」何て言う色っぽい意味もあるのだそうです。一節によると色っぽい意味の方が主流だとか。いやぁ、良いですね。秋だし・・・。
2002年11月 「へっがでおた」 文章 こう聞いたら、「おならがでた」だとしか思えません。ですが慣れない作業をしたときに、通常であれば「あ〜、疲れた」なんて言うタイミングで聞いた言葉なんです。実は背中の肩胛骨のあたりが息ができないほど痛いときに、使うそうです。他には「肩が凝った」とか、「とても疲れた」と使う人もいるらしい。どうやら「へっ」と言うのは背中とか肩胛骨のことを指すのだそうです。鹿児島ではもちろんおならも「へ」だし、灰も「へっ」なんだとか。だったら「でおた」は何なのでしょう。一説によると、その、肩胛骨の部分が「前に出てくるほど痛い」、つまり「胸の側まで痛くなった」ってことだとか。神経痛みたいに「背中の痛みが出てきた」ってことでしょうか。
2002年12月 「語る」 動詞 この意味がわからない、と言うことはないと思います。だけど使い方がほんのちょっと、違うのです。英語でもspeak,talk.tell,sayと言うように、「話す」と言う単語はたくさんあります。そうです、これは「話す」とか、口語だったら「言う」なんです。それを鹿児島では「語る」をよく使います。方言なのだと思います。一般的には「語り合う」とか、「語り明かした」、「その老人は遠くを見て語った」などと、どちらかというと話し言葉ではなく、書き言葉、文語で使われることが多い語です。それを、「あー、きのう私が○○くんに語っておいたように」とか、「彼が語り忘れたので」「私が語っておくから」などと話し言葉や電話などで普通に使います。何かちょっと変な気がするのは私だけかなぁ。
2003年1月 「身がずぅ、毛がわん」 凄いでしょ。年の始めから想像も出来ないであろう言葉をご紹介します。これは漢字で書くからまだ良いのであって、鹿児島弁で発音されたらもうお手上げです。これは状態を表す言葉です。会社の21歳の女の子がトイレから帰ってきて、この言葉知ってますか?と言いました。我が社のトイレは暖房もなく寒いのです。それでこう思ったのだそうです。いつもはまじめな課長がそれを聞いて吹き出しました。私にわかるはずがありません。まず前半は、身体がゾクッとする、鳥肌が立つと言う意味で、後半は腕などの毛が逆立つと言う意味らしいです。そしてこれは寒い時と恐ろしい時、両方に使える言葉なのだそうです。共通語で一番近いのは「身の毛がよだつ」だと思いますがこれだと寒いときには使えませんね。
2003年2月 「いしてっ」 形容詞 道ばたを歩いていると、後ろから来た車が水たまりの泥を跳ね上げました。料理をしている時にお味噌がペチャっと飛びました。そんな時、双方とも「いしてっ!」と言います。だからのんびり言ってはいけません。「あっ、汚い」って感じですね。私としては泥水でも食べ物でも同じ表現なのは気に入らないのですが、特にお味噌が汚いと言うには抵抗がありますが、「あちゃ!」と言う感嘆詞ならいいかなぁと思っています。
2003年3月 「よんごひんご」 副詞 これは「よんごひんごなる」と言う言葉も耳にしたので一応「副詞」にしてみました。ひょっとしたら「よんごひんごなれば、よんごひんごなれ」と変換する動詞かもしれません。会社の20代女性達の説明をまとめると、「もともとまっすぐなものが、クネクネ、またはクニャクニャ曲がっている様子」だそうです。「あ〜、よんごひんごなってるぅ」などと言います。釣り糸が絡まってしまったときにも使えるのでしょうか。
2003年4月 「きんごきんご」 形容詞 先月の「よんごひんご」に似てますね。(^_^;)だけどまったく違う意味なんです。「血色がよい」とか「顔色がよい」と言う意味で「ピカピカしている」ことだそうです。例えば私の同世代の友人は、自分の幼い子供がお風呂から出てきたとき「きんごきんごしてるねぇ」と言うんだそうです。従って、お年寄りだけに使われている言葉ではありません。で、「ピカピカしている」からと言って派手な衣装やお化粧などの事は言わないそうです。あくまで自然の顔色、色つやが良く元気な様子を指すようです。現に今放映されているテレビコマーシャルでは「きんごきんご1年生!」と言っています。「ピカピカの1年生」ってことです。ひょっとしたらこれも形容詞じゃなくて、「きんごきんごする」と言う動詞の意味もあるのかもしれません。
2003年5月 「ずんばい」 形容詞 鹿児島に何度か足を運んでおられる方は、「なぁんだ、簡単じゃん」と言われるかもしれません。それほどポピュラーな単語なのですが、私は、ちょうど3年前の5月に掲載した「わっぜ」との違いがわかっていませんでした。「わっぜ」はあくまで「very」、「とても」と言う意味で、こちらの「ずんばい」は「many」、つまり量が「たくさん」と言う意味なのだそうです。こちらのおばあちゃんなどは「ずんばい たもいやんせ」=「たくさん召し上がって下さいね。」と食べ物を勧めたりします。
2003年6月 「ほがない」
「ぼえ」
どちらも良い意味のコトバではありません。前者は「考えなしに」とか「肝心なことがわかっていない」と言うような意味であり、後者は「ボーッとしていて何もしない人」を指すのだそうです。特に「ほがない」の「ほ」とは船の「帆」とか、稲穂の「穂」などの説があるようで、どちらにしろ肝心な部分がないというオソロシイ言葉です。結構あちこちで聞かれます。少なくともこうは言われないようにしたいものですね。
2003年7月 「ひんちけ まんちけ」 形容詞 す、凄いですよね。どんな意味だと思いますか?これは「格好をつける」と言う意味だそうで、関東のコトバだと「あいつ、格好つけやがって」とか、「あの人、カッコつけね」等という場合の「格好つけ」です。そしてこれまた私は「ひん曲がる」の「ひん」かと思ったら「品をつける」と言う言葉が訛ったものらしく、そもそもは内面を向上しようとした言葉だったのかもしれません。後の「まんちけ」はつけない場合もあるそうで、ついでと言いますか、ゴロよく言うためだとの説もあります。
2003年8月 「いみしい」 形容詞 私としては「けちな」とか「しみったれた」と言う意味かと思いました。友達は「寂しい」と言う意味だろうかと言いました。正解は「意地悪な」です。それも普通の、「まったくイジワルなんだから」などと軽い意味ではなく、もっと陰湿なと言いますか、ネチネチしたいじわるなんだそうです。「忌みしい」と書くのかもしれません。会社の友人は「私の周りにはいみしい人はいない」と言っていましたが、自分も含めそうありたいものです。
2003年9月 「家」 名詞 「げぇー」と発音します。反対に、たぶん漢字はこう書くのだろうと思っているだけです。別に何も気分が悪いときの「ゲェー」ではありません。鹿児島弁ではとてもポピュラーな言葉で子供からお年寄りまで使っています。今までここに登場しなかったのは私があまりにも鹿児島弁に慣れ過ぎてしまったからかもしれません。意味は文字通り「家」です。例えば結婚式で○×家、×○家、ご両家の・・・と言いますよね。あの「家」です。よく「田中さんちに遊びに行く」と言いますよね。その「ち」です。それを「田中さんげぇー・・・」と言うわけです。「うちんげぇー」と言われたときはびっくりしました。「(私の)うちに」と言う意味でした。
2003年10月 「ぎ」 名詞 NHK鹿児島で「ぎを言わせて!」と言うトーク番組がありました。これでは私にはどんな番組なのか想像もつきません。これは「ぎをいうな!」と言う鹿児島で使われている言葉をもじったものなのだそうです。その「ぎをいうな」と言うのはそもそも「ゴチャゴチャ言うな。言われたとおりにしろ。」と言う、封建的な言葉とのこと。いかにも昔的です。つまり「ぎ」と言うのは異論、反論、口答え、と言う意味で、「異議を唱える」の「議」ではないか、と勝手に解釈しています。みんなで異議を唱えて民主的に話し合おうと言う番組だったようです。
2003年11月 「チェスト行け!」 命令形 プロ野球のことは何一つわからないのですが、ダイエーが優勝セールの上に日本一セールをやってくれたのでずいぶん助かりました。その、野球などスポーツを応援するときに鹿児島の人は「チェスト行け!」と言います。「頑張れ!」と言う意味なのだそうです。そもそもこれが本当に鹿児島弁なのか果たして日本語なのかも怪しいと思うのですが、れっきとした鹿児島弁とのこと。夏の甲子園に向けての高校野球のポスターが駅に貼ってありましたがそれにも大きく書かれていました。一体「チェスト」って何なのでしょうか。
2003年12月 「ひっちゃれた」 紙や布が「破けた」かと思いきや、「落っことした」つまり「落とした」と言う意味でした。先日会社で誰かが通路を通る際、ぶら下げてあるものを引っかけて落とした時に、皆がそう叫びました。ちなみに東京に本社がある、全国展開の保険会社です。しかも若い女の子達です。「ひっ」はやはり接頭語だとは思うのですが、「ちゃれる」はナゾです。「落とす」と言う他動詞であって「落ちる」と言う自動詞ではないのかと質問したところ、「落ちている」と言うときには「ひっちゃれてる」と言うのだそうです。ますますもって鹿児島弁は奥が深い。
2004年1月 「いっど献血
すっど献血」
標語 鹿児島の、献血を促すためのテレビCMのコピーです。凄いでしょう。これじゃ、鹿児島弁のわからない人は献血に行けない。(^_^;)どうやら「行こう献血、しよう献血」と言う意味のようです。私個人としては「行くぞ献血、するぞ献血」の解釈の方がパワーがあって良いかなと思ったりもします。訳せるってことは私も段々鹿児島弁がわかってきたのでしょうか。新しい年になりました。私もなぜか鹿児島に来てからは比重不足で断られることが減りました。これくらいは人の役に立ちたいものです。
2004年2月 「のさん」 形容詞 2月最日の今日、私は一日がかりでパソコンの再インストールをしなければなりませんでした。これこそ「のさん」って感じだったのですが不調のパソコンを前にやらないわけにはいきません。大変な、というか気後れのする仕事があって「きつい」「だるい」と言う意味で使うのだそうです。やりたくないなぁ、と言う感じでしょうか。それはそうと私はその「きつい」と言う言葉も普段は「太ってスカートがきつくなった」なんて使い方しかしていないので、「そういえばつらいって意味もあったんだよな」としみじみ日本語の奥深さを感じています。
2004年3月 「おかべ」 名詞 食べ物です。お菓子の名前じゃありません。私が想像したのは京都の生八つ橋「おたべ」でした。壁って言うくらいだから白いものだそうです。答えはお豆腐。何もそこまでわかりにくくしなくてもと思うのですが、「これはわかりやすいでしょう」とこちらの方はおっしゃいます。日本のものの名前って、昔から直接言うのは下品だと言うような風潮がありますよね。これもそのひとつなんでしょうか。それともこれも昔薩摩藩のお侍さんが他国(もちろん日本国内の)の人に会話を聞き取られないように言葉をわざと変化させたもののひとつなのでしょうか。
2004年4月 「げんね」 形容詞 英語では名詞で「sham」(シェイム)、形容詞では「shy(シャイ)」とか「ashamed」、「shameful」ということになりますか。「恥ずかしい」と言うコトバです。社会保険センター第1回目の英会話教室が始まったのですが、英会話ではよく「Don't be shy!」(恥ずかしがるな)と言われますね。以前ご紹介した、鹿児島弁ばかりの「茶碗むしのうた」にも「まっことげんねこっちゃ」(本当に恥ずかしいことです)と言うフレーズが出てきます。何もかも新しく始まるこの時期、日本人としては「初心」や「恥じらい」を忘れないまま「恥ずかしがらず」積極的に行きたいものですね。
2004年5月 「おかしも(む)ぜ」 形容詞 これはまず「おかし」と「もぜ」に別れます。「おかし」はお菓子ではなく、古典などで出てきた「いとおかし」の「おかし」に近いかもしれません。つまり面白い、変だ、というよりは趣があると言いますか、ポジティブな言葉のようです。「もぜ」と言うのは「むぜ」と言ったりもします。鹿児島で有名なお菓子「かるかん」に「もぜかるかん」と言うのがあって小振りな、小さめのかるかんを指します。こちらは小さい、かわいらしいと言う意味のようです。で、この「おかしもぜ」は人を指します。どんな人かというと鹿児島の友人に聞いたところ「山田花子、えなりかずき」と言う答えが返ってきました。別の友人に言わせると「決して美人ではないが愛嬌があって可愛い人や性格の良い人を指す」とのこと。けなしたり、悪い言葉ではなさそうです。だけどこう言われたら結構微妙ですよねぇ。
2004年6月 「ぶんとへ(っ)」 これまた凄いでしょう。想像してもたぶん、当たらないと思います。例えば釣りに行きます。全く、一匹も釣れない時、「ぶんとへ」を使います。釣れなかったとか、取れなかったとか、今風に言うと”ゲット出来ない”時のコトバなんです。テストの点数が思いの外取れなかったときにも使うらしいです。「振るわない」とか「不振である」と言う意味だそうです。「ぶん」と言うのは「全く」と言うような後ろに否定を伴う言葉ではないか、「へ」はそれを受けて強調するのではないかと言う説もありました。それでこれが微妙なんですが、ただ「取れなかった」ではなく「散々だった」と言いたいときにはずっと前の、2000年9月の「ちんがら」を使います。
2004年7月 「ぐらしい」 形容詞 会社の昼休みです。ある女子社員がお弁当を食べていました。そこへ通りかかった男性曰く、「どうしてそんな小さな弁当食べてるんだ?!」(これも鹿児島弁だと、”どげんしてそげな・・・”とかなんとか言う訳ですが(^_^;))その女性は「来週身体検査があるんです。今から少しでも体重を減らしておかないと。」と答えました。良くある光景です。そこへ「ぐらしかねぇ」となったわけです。おわかりでしょうか?これは「かわそうな」とか「気の毒に」言う意味だそうで、今までの上記鹿児島語?!の中でもポプュラーなものなので知らないのはおかしいとまで言われました。英語で言えばpoorとかpityとか言う感じでしょうか。身内を亡くした人などにも使うそうです。後ろの「か」はご存じ鹿児島弁お得意の助詞でよく使われます。「かわいそうにねぇ」となるわけです。この「か」、佐賀県唐津あたりでも「せからしか」(面倒だ)と使うようですので九州のコトバなのかもしれません。
2004年8月 「がっつり」 副詞 この時期に良く聞かれます。夏ばてしないように「がっつり食べよう!」と言うわけです。しっかり、ちゃんと、食べようと言う意味ですね。会社の女性はこの言葉が共通語だと今でも信じています。もうひとつ鹿児島にはこれと微妙に似ている「がっつい」と言う言葉があって、こちらは「まったくもう!」などと怒ったときに使う感嘆詞の類で全く別の言葉です。ご注意ください。
2004年9月 「ずんだれ」 これは何となく意味が想像できるかなぁ、と思うのは私が鹿児島弁に染まってきたせいでしょうか?!「ずんだれている」とか「ずんだれて」と使います。どこまでが元の語なのかわからないので、形容詞なのか、副詞なのか、はたまた動詞なのかは不明。「しまりがなく、だらしのない格好だ」と言う意味です。それが同じ鹿児島県の奄美大島ではこれを「しゅった、しゅったしている」と言います。何となく衣服を引きずって歩いている様なのだそうです。それよりは「ずんだれる」の方が幾分わかりやすいかと思うのですが・・・
2004年10月 「がね」 名詞 本来、「ガネ」には「蟹」と言う意味があるそうです。で、この場合はその「蟹」に似ていると言うことからついた名前。そう、食べ物。なんと「芋の天ぷら」だそうです。もちろん、ご当地サツマイモ。どうして蟹なのかと言うと、こちらの天ぷらは輪切りではなく、細長く短冊形に切るんですね。それを何本かまとめてかき揚げ風にするので、たぶん皮付きのままだと端が赤く見えるとか、足のように何本か左右に広がっているとか言うことで名付けられたようです。しかも、しかもですよ。これがなぜか甘いことが多い。サツマイモの甘さではなくて衣に砂糖を入れて、お茶請けにするみたいなんです。砂糖は余程貴重品と言うか贅沢なモノだと考えられていたようで、ここ鹿児島では醤油や味噌ばかりか天ぷらまで甘いんです。私はもともと東京に居ましたが「サツマイモの天ぷら」はたいてい「斜め輪切り」でした。もちろん、「天ぷら」が甘いなんて考えられません。地方によって味も、切り方まで違うものなんですね。この「ガネ」、家によっては人参なども同じように切ってサツマイモと一緒にかき揚げにするみたいです。「ガネの天ぷら」とも言うようです。
2004年11月 「しもんそ」 呼びかけ 英語で言うなら「Let's do it」、つまり「〜しましょう」と言うポジティブな言葉です。時にはLetみたいに、「〜させてください」のような控えめな提案の意味も含まれているそう。実は鹿児島には「しもんそマルヒラ」と言う店があって、「DO IT YOURSELF」などと言った店と同じようにネジや工具、量り売りのロープや木材と言ったあらゆる材料を売っています。「自分で作りましょう」と言う意味だったんですね。さて、秋。何か自分で作ってみるとか、新しく作らなくても今使っているものを使いやすく直してみてはいかがでしょうか。そう言えば玄関のあそこが、などと修理すると具合の良い箇所がひとつやふたつはあるのでは?店を覗くだけでも楽しいですよ。
2004年12月 「うんにゃ」 答え? これは「んにゃ」ではなく、「うんにゃ」なのだそうで、うら若き独身乙女でも使っている否定のコトバです。つまり「いいえ」と言うことで、一番近いのは「いや、○×ではなくて・・・」と言うようなときに使う始めの「いや」だと思うのです。良く聞くことは聞きますが田舎の、年輩の人やおじいちゃんくらいしか使わないのだと思っていました。それが忘年会で飲んだ、前述の女性達3人とも使うとのことで掲載の運びとなりました。ぜひ一度使ってみてください。
2005年1月 「神経雨」 名詞 これ、本当に雨の種類なんだそうです。雨には「しとしと降る雨」、「土砂降り」、「春雨」とか「こぬか雨」なんて言うのもありますよね。どんな雨だと思いますか?「神経のように細く降る雨?!」違うんです。そもそも「神経」とは身体中に走っている、中枢神経とか末梢神経とかアレですよね。もともと杉田玄白が「解体新書」の中で初めてオランダ語を訳して使った言葉なんだそうです。それを鹿児島では「かんしゃくを起こす」に似たニュアンスで「神経」だけでも使うようです。何かうまくいかなくて「キーッ!」となる、あの感じでしょうか。ですから「神経雨」は「土砂降りより更に激しい雨」となります。確かに鹿児島の雨は傘を開くのが間に合わないくらい急に、今まで味わったことがないほど激しく降ることがあります。そう言った地方ならではの言葉なのでしょうか。
2005年2月 「たもいやんせ」 文章 「たもいやはんか」とも言うらしいです。きれいなコトバです。この「た」を「食」と言う文字にすれば意味はおわかり頂けるのではないでしょうか。英語だったら「Help yourself」、「どうぞお召し上がり下さい」と言う意味です。会話では文字はわからないのでこれにイントネーションがつくとどうも聞き取りにくいわけです。ですが何かこう、風情があると言うかおっとりとして情緒豊かな感じです。こう言った類の言葉は公家言葉から着ているのだと言う人も居ます。
2005年3月 「あいた、しもた」 感嘆詞? ここのところ、私が出会った鹿児島弁に気づかないのは、すでに鹿児島弁に慣れてしまったせいかもしれません。これはこのページを見た、会社の女の子に教わりました。こう言われればたぶん私はわかってしまうと思うのですが、よく考えてみればなるほど東京の友達は気づかないでしょう。「開けた、閉めた」と考えてはいけません。「あいた」の方がより感嘆の言葉で、「あっ」と言うニュアンス。「しもた」は「しまった!」と言う意味です。何か、自分の失敗に気づいたときに使うセリフですね。年度末、慌てず事故のないように、こんな言葉を使わないように心がけたいものです。
2005年4月 「どけよ」 文章 語気を強めて言ってはいけません。この3文字は疑問文だと自分に言い聞かせてから言ってみましょう。笑い話のようですが鹿児島の人が東京に旅行に行った時のことだそうです。駅のホームで何か、列車の時刻か何かを探して掲示板見つけた友人が「あそこに書いてあるよ」と指さしました。そこで「どけよ?」となります。その言葉を聞いた周りの人たちは当然、さっと脇にどいたそうなのですがこれは「どこ(に書いてあるの)?」と言う疑問文だったのです。たぶん私が聞いても脇にどいてしまうと思います。
2005年5月 「ないごて」
「ごて」
疑問詞・名詞 最近よく耳にします。実は課長がよく電話で「ないごてよ」と言っているんです。とどちらかと言えば「て」にアクセントがあります。何か相手が腑に落ちないことを言ったとします。で、「ないごてよ」と聞くわけです。疑問文です。「どうして?」とか「どうしてなの?」と言う意味なのです。英語ではWhy。「なにごとか」と言う言葉が変化したものかもしれません。だけど「何事か!?」より優しい感じがします。
で、昼休み別の友人に「昨日の夕飯、何食べたの?」と聞いたところ「ごて」と言う答えが返ってきました。こちらは「ごて焼き」という物で、クリスマスに食べるような鶏の骨付きもも肉を甘辛く(東京から来た私にとっては思い切り甘く)、照り焼き風に焼いた食べ物で鶏の唐揚げみたいにポプュラーなんだそうです。私の記憶ではクリスマスの時とケンタッキーフライドチキン以外に調理した鶏肉を買ってきた事はないのですがこれは家で調理せず、気軽におやつとしても買ってきて食べるもののようです。
2005年6月 「な」 語尾上げで「な?」と発音します。英語で言うと、pardon?とかwhat?と言う感じです。「何?」よりも先月の「ないごて」を短くしたコトバのようです。相手の言ったことがよくわからなかったり腑に落ちないとき、何?どうして?と聞き返します。気づいたのですが、相手に何か尋ねる「疑問文」は言葉の意味が多少わからなくても表情と語尾上げのイントネーションでたいてい「何か聞いているんだな」と言うことがわかるんですね。英語にも使えそうです。
2005年7月 「が」 今まで忘れてました。これがあったんです。文尾の「が」。これに気づかないなんてやばいなぁと思います。鹿児島弁にどっぷり浸かっちゃったんでしょうか。「行くが」、「やるが」などと使います。この「が」は、「しかし」とか「だけど」(but)と言う否定の意味でないところが鍵です。「行くが」と言ったら「行こう」、「やるが」と言ったら「やろう」と言う前向きな言葉だったのです。Let'sって感じでしょうか。意味はわかるのですが未だ自分では使えないでいます。
2005年8月 「からう」 動詞 鹿児島の友達とフリマに出店しました。出店者駐車場から荷物を運ぶとき、「これ、からって」と言われ狼狽しました。言われたことがわからないのは、ましてや外国語ではなくて日本語の場合、自分がとてもふがいないと言うか小さな子供か身体が不自由になったような気がします。みなさんはこう言われたらどうしますか?何をしますか?「○×して」と言われたのだから何か行動を促されたとかお願いされたわけです。何かしなくちゃいけません。別の友人は「どうしてわからないの?」と言わんばかりに不思議そうに眺めています。私は想像して「からう」→「からめる」だと思い、何か「縛る」、つまり他の物とくくりつけるのかなぁと思ったのですが答えは「背負う」でした。口語では「しょう」などとも言いますよね。あれです。不思議そうに眺めていた友人はこの言葉が今まで共通語だと信じていたらしいです。
2005年9月 「〜かた」 名詞? 以前OLの研修会か何かで、「〜のほう」と言う言葉を多用するなと聞いたことがあります。どうしてこの言葉が生まれたのか、何か間を持たせるためなのか、不明です。だけど「仕事なんだから丁寧にしなくちゃならない」と言う意識が働いて、かといって完璧な敬語が使えるわけでもなく、それでつなぎ言葉のように流行ったのかなぁと勝手に思っていました。「書類のほう、お送りしておきます」とか、「お食事のほう、お済みですか」などとあちこちで耳にします。書き送って来ることもあります。当然の事ながら変です。鹿児島弁の「〜かた」はこの「ほう」に似ていると思うのです。「今、その作業をしかたです」(今、その作業をしています)とか「私は昨日散歩をしかたでした」(私は昨日散歩をしました)と使います。共通語のカッコ内の普通の文章の方が余程シンプルでわかりやすいと思うのです。動詞に「かた」をつけて「〜すること」と言う名詞にしているのだとするとまるで英語の動名詞みたいですよね。確かに鹿児島の人は「散歩すること」とは言いません。それとも進行形にして臨場感を出す言葉なんでしょうか。とにかく気にすればするほどたくさん聞くことが出来ます。
2005年10月 「うっかた」 名詞 同じ「かた」でも前月号の「動詞+かた」ではありません。これは複合語ではなくこのままで名詞です。たぶん「うちのかた」がなまったと言うか詰まって出来た言葉だと思います。英語ではwife、一般的には妻とか家内でしょうか。男性が自分の奥様を差して言う時に使います。自分のことを卑下して言いがちな日本で、自分の奥さんを「かた」と呼ぶのは丁寧で珍しいと言う気がします。やはり鹿児島弁は宮廷の言葉が変化して出来たものもあるのかもしれません。
2005年11月 「やぞ(ど)ろしい」 形容詞 まず「恐ろしい」ではありません。驚くべきさまである「驚し」や気味が悪い「おどろおどろし」でもありません。鹿児島の人は「やぞろしか」などと使います。基本的にはうるさいと言う意味のようです。このうるさいは音がうるさいnoisyと、共通語と同じように子供達がしつこくつきまとったりハエが飛んでいたりする時のうるさい、つまり邪魔だと言う意味と両方あります。課の女の子はこれを「紛らわしい」とも訳しました。どうやら「うるさい」の他に「煩わしい」と言う意味があるようで、私が遭遇したのはたくさんの書類を書かなければならない状況での「やぞろしか」でした。
2005年12月 「ふんたびる」 動詞 これって凄くないですか?このコトバを聞いたとき、ぎくっとしました。鹿児島弁を知らない人が聞いたらビックリですよね。この後の語尾が「ふんたびっちょる」とか変わるものだから余計にびっくりしたんです。だけど共通語に近いものがあります。答えは「踏んづける。」ねっ、こう聞けば別にびっくりもしなくてなるほど、と思いませんか。でも一体この「たびる」ってどういう意味なんでしょう。
2006年1月 「ひえくさい」 形容詞 送別会の席です。会話の途中で、一流保険会社の社員が「魚はひえくさいから好きじゃない」と言ったのです。聞き違えたのかと思い、二度聞き直してみました。どうやら理解できなかったのは私だけだったようです。これがなんと「生臭い」!!穀物のアワとかヒエのヒエじゃないらしいのですがこの「ヒエ」が一体何なのか、不明です。「冷えて」、つまり時間が経ってしまったから生臭いのか、ヒエと言う何か臭いものの例えなのかわかりません。私としては話しの前後がなければ「水くさい」と考えそうです。
2006年2月 「あせ(さ)くる」 動詞 「あせくればでてくっで。」これは日々課長が電話で話しているコトバです。(^_^;)話の前後関係で「汗」ではないことがわかっちゃうなんて私も結構鹿児島弁に慣れたのかも?!保険の契約に必要な車検証か何かが足りなかったので営業所に電話しているから、だいたい「探す」って意味のはずです。今年成人式を迎えた同僚に確認したところ、「確かに探すって意味なんですけどもっとこう、散らかっている所を引っかき回すようなイメージです。」とのこと。ふーん、奥が深い。つまり課長の言ったのは「引っかき回せば出てくるよ」ってことでした。語尾の「くっで」=「来るよ?!来るから?!」も難しいです。
2006年3月 「くさる」
「綴る」
動詞 たぶん「くさる」は「腐る」、つまり腐敗すると言う意味しかないはずです。だから常務の言う「くさっといて」では意味が通じません。自然に「腐って」しまうわけですからそれを人に頼んだりはしません。そんなこと人に頼まないとは思うけど本当に「腐って」欲しいなら「くさらせて」が正しいわけです。だったら今はあまり使いませんが「くさる」は「ふてくされる」などと言う意味とか「むしゃくしゃする」と言う意味の「くさる」でしょうか。それであっても「腐る」と同じように文法的に変です。上記20才の女の子が「それは綴ると言う意味ですよ」と教えてくれました。つまり、「綴(と)じる、ファイルする」と言う意味なのだそうです。それで気づいたのですが「綴(つづ)る」も変です。普通「つづる」と言った場合、文章を綴るのではなかったかと思います。だったら正しくは「綴(と)じる」です。ひょっとして「綴(つづ)る」も鹿児島弁かもしれません。
2006年4月 「どひこ」 副詞 凄いでしょ。これは想像がつかないと思います。私が知っている言葉の中で「ど」が頭に付くのはたいてい強調の意味で「超」などと同じくあまり上品な言葉ではありません。ですがこの「ど」は強調ではないようです。「どひこやっけ?」「どひこ?」と疑問文で使います。何とこれは「How much?」と同じで「いくら?」と言う意味なのだそうです。金額をたずねることが多いようですが「どのくらい?」と量をたずねる時にも使うらしいです。これも「How much」に似ていますね。何人か聞いてみたのですが20代の女の子でもみんな知っていました。
2006年5月 「さんごじゅうご」 動詞? 語源は誰に聞いてもまったくわかりません。ですが皆知っています。漢字で書かなかったのは「3×5=15」とかけ算みたいになってしまうから。この数式の数とは全く関係がなくて、だったら「3×6=18」でも「4×7=28」でも良いじゃないの、と今でも思っているわけなんです。あっ、意味ですよね。「長い時間が経つ」ってことらしいです。例えばなかなか書類を提出しない人が締め切りを過ぎてその書類を持って来たとします。すると受け取る側が「こんな、サンゴジュウゴしてから持って来たって困るよ」と怒るわけです。ねっ、何となく意味はつかめると思うのですが・・・。
参考「産後は15日(半月)くらいゆっくりしていろ」と言う夫から妻への優しい言葉だと言う節があると教えて頂きました。m(_ _)m
2006年6月 「太か、メモ 形容詞 課長が電話口で営業社員と話しています。「契約者と連絡が取れないなら太かメモでも貼って置け!」少し標準語に近づけると「太いメモ」です。一体「太いメモ」とはどんなメモなんでしょうか。
一般に「太い」と言うのは円筒形の、長さのあるものを差します。太い電信柱とか、太巻き寿司などです。どう考えてもメモが太いはずはありません。習字で「太く、大きく、のびのびとした文字を書け」と言われたことがありますが、単に文字の太さだけを差しているのではありませんでした。どちらかと言うと「大きな」と言う意味です。つまりこの場合、「大きな紙に、大きな太い文字で、目立つように書け」と言うことらしいです。「太い」に、「大きな」とか「目立つ」なんて意味があるとは驚きです。
2006年7月 「だからよ」 相づち 私が育った東京では、こう言われれば「だから言わんこっちゃない」とか「言ったとおりでしょ。どうしてそんなことしたの」などと言う、ネガティブな意味で使われます。だから鹿児島でこう言われたとき、否定されたかと思ってびっくりしました。東京出身の友達の中には「ケンカを売られた」と思った人もいるくらいです。ところが鹿児島では意味が逆です。このあたりが鹿児島弁の難しいところです。これまた「大いに賛成」、「全くその通り」ってことなのです。アクセントは「か」にあります。東京で使われるときはたいてい最初の「だ」を強く言ったはずです。何か自分の意見や考えを言った時、「だからよ」と「か」を強調して言われたら、相手も自分に賛同しているのだなと思ってくださいね。
2006年8月 「いけんするつもりだ」 疑問文 社長職を退いた会長が営業まで来て「ないごてよ」と同様に使う疑問文です。「私は(○○さんに)意見する(意見を言う)つもりだ」と言う肯定文ではなくて、あくまで疑問文です。「どのようにするつもりなのか」と言う意味なのです。例えば私はカーディーラーに勤めていてある月、車の売り上げが減ったとします。そして会長は「ないごてよ」(どうしてそうなったのか)と尋ね、「いけんするつもりだ」(どうするつもりだ)つまりこれから先、売り上げを伸ばしていくための施策を尋ねているのでした。
2006年9月 「まごた」 動詞 これは比較的簡単だと思います。「孫田」さんと言う人の姓ではなく、どちらかと言うより「まごた」→「まっごた」とか「まっごった」って感じで発音されます。ねっ、もうおわかりでしょう。何?わからない?私が鹿児島弁に染まって来たのでしょうか。これは「間違えた」と言う意味です。「しまった!間違えた!」と言う時、「あー、まっごた」と「ご」を強く発音します。東京だったら「あー」ではなく、「あっ」と言うはずですが鹿児島弁は全体的に緊迫感があまりなく、「あーあ」って感じです。ちなみに「しまった」は2005年3月に掲載した「しもた」で、緊迫感を出したい場合、「あいた、しもた、まっごた」となりますが、私にはこれでも緊迫感は感じられません。
2006年10月 「行きださん」
「しださん」
普通に、若い女の子達も使っています。ちょっと高度な鹿児島弁です。一瞬わかったようなつもりでいたのですが最近になって間違っていることが判明しました。私は始め「行きださん」は「行き出せない」、つまり本人が躊躇していると言うか二の足を踏んでいる、「しださん」は「やり始めることが出来ない」、気遅れなどして手が出せないのだとずっと思っていました。ところが違ったのです。どちらにしろ結果として「行かなかった」、「やらなかった」ことに変わりはないのですが、本人がためらっていたのではなく「時間がなくて行けなかった、出来なかった」のだそうです。自分の意志ではないところが驚き。だけど私には時間がないなんてただの言い訳にしか聞こえないのですが・・・。
2006年11月 「いっでん、かっでん」
「なんでん、かんでん」
「どこでん、かしこでん」
副詞? さて、これだけ羅列すればおわかりでしょう。最初の「いっでん、かっでん」を聞いて驚いて意味を尋ねたのですが、「なんでん、かんでん」や「どこでん、かしこでん」なら想像すればわかるはず。えっ?ムズカシイ?そうかなぁ。「何でもかんでも」(もの)と「どこでもかしこでも」(場所)ですよ。で、最初の「いっでん、かっでん」なんですが実は私の語彙力がないせいかぴったりした共通語が見あたらないんです。言ってみれば「何でもかんでも」のいつでも版。つまり時を表すのだそうです。そんなコトバってありましたっけ。「いつでも、どこでも」だと、時だけでなく場所のことにも触れてしまいますよね。他にも「なんでん、かんでん」に近い「どいでん、かいでん」なんて言うのもあるそうです。「どれでもこれでも」って意味でしょうか。
2006年12月 「いっぺこっぺ」 これ、前月の言葉に似てますよね。特に繰り返すところなんか。その調子で行くと「いっぱい、いっぱい」(ギリギリだ)何て訳して?しまいそうですが実はまったく別物でした。私の訳もまったく見当違いでもないのですが、実は「一生懸命」でした。汗がほとばしるようなシリアス感がなくて、ちょっとほのぼの気分♪
2007年1月
「けずる」 動詞 これは「鉛筆を削る」って時の「けずる」です。何だか堅い物をそぎ落とすってイメージです。この「けずる」を鹿児島では「髪をとかす」時の「とかす」として使います。何だか痛そうです。この語源は私にも容易に推測出来て古典に出てくる「梳る(くしけずる)」から来ているのではないかと思います。だったら「くし」も入れといてくれればわかりやすいのですがね。ずいぶん前に出てきた「やんかぶる」(2002.7)、つまり髪がボサボサになった時、「けずる」わけですね。「なでちけ」(なでつける)なんてコトバもあります。それでもだめなら「ビンタをつみに」(2001.8)、髪を切りに行くわけですね。
2007年2月 「だれた」 動詞 このページを最初から見直してみて「どうしてこれが入っていなかったんだろ」と気づいたシリーズ第一弾。王道って言うか、すこぶるポピュラー。「疲れた」です。東京の感覚ではニュアンス的にダラダラしていると言うか、だらけている、何もしていないってイメージなんですけど、歩き回ったりして本当に「疲れた」ってことです。わかりますよね。もしこれにみなさんが賛同出来ない場合、私はすでに鹿児島人になっちゃったってことなのですが・・・
2007年3月 「てそい」 形容詞? 今までどうして掲載しなかったのかシリーズ第二弾。これは「のさん」(2004.2)「きつい、つらい」に似ています。「のさん」はつらさ、苦しさが強調されるのに対し、こちらは言い手の気持ち的にやりたくない場合に始終言います。つまり「面倒くさい」です。相変わらず略して「てそっ」とも言うらしいです。たいてい耳にするのは「てそかぁ」(あー、めんどくさい)と言うなげやりな言い方。
2007年4月 「あせくる」 動詞 さて何でしょう。初めは「汗を拭く」かと思ったのですが「汗」には関係ありませんでした。因みに「朝が来る」でもありません。課長など始終書類が見あたらず、あちこち「あせくって」マス。これは何かが見あたらないとき、例えば鞄の中にあるはずの鍵とか財布を探している様です。「引っかき回す」が近いようです。例によって「あせくっ」などとも言います。たぶん「漁る(あさる)」から来ているのではないかと思うのですがどのみちあまり上品な言葉ではありませんね。
2007年5月 「ぬっか」 形容詞 会社で私とほぼ同世代の女性が夏場によくこう言います。「温(ぬく)か」とまではすぐにわかったのですが「ぬくい」と言うのは「暖かい」、つまり冬場のホカロンみたいにホカホカしていて心地よいと言う意味ではなかったでしょうか。ところがこの日鹿児島では猛暑日が続き36度!暖かいどころか倒れそうなほど暑かったのです。実はこの「温い」は鹿児島弁でした。とても範囲の広い語で、「暖かい」から「とてつもなく暑い」まで何でも使える言葉だったのです。ですが暖かいも暑いも同じだなんて便利と言うよりわかりにくい気がするのは私だけかなぁ。
2007年6月 「ずんだれ」る 副詞? 唐津(佐賀県)の友人、はまちゃんがよく「ずんだれちょる」と言ってるんです。だから鹿児島弁と言うより九州弁なのかもしれません。普通に、と言いますか結構よく耳にします。人の格好を指します。だらしがないとか、みっともないと言う意味です。さしずめお年寄りが「今の若者はシャツをズボンの中にきちんと入れないで」とか「わざとズボンをずり落ちさせて履いて」なんて言うときに使うのでしょう。鹿児島では「ずっさらし」などとも言うようです。ちなみに同じ鹿児島でも奄美大島だと「しゅった、しゅったしてる」と言います。何かこう、引きずっている様を指すのです。「ぞろびく」=引きずるなんて言葉もあります。
2007年7月 「せからし」 形容詞 これもはまちゃんがよく使ってるので九州弁かもしれません。子供達が騒いだり、近所の犬がうるさく吠えたりした時に「せからしかぁ!」と怒鳴っています。つまり「騒がしい」「騒々しい」ってことです。何となく古文で出て来そうな言葉です。「世知辛い」とは関係ないのでしょうか。「打算的だ」とか「暮らしにくい」なんて意味が「うるさい」になったのだとしたら興味深いです。「うるさい」「騒がしい」は鹿児島では「やぞろし」とも言うらしいです。
2007年8月 「はらかく」 動詞 はまちゃんの九州弁第三弾。初めて聞いた時かゆいか何かで「腹を掻く」のだと思いました。意味を考えるとひょっとして「腹欠く」のかもしれません。意味は「怒る」。「腹を立てる」ってことです。まぁ、腹を立てちゃうって言うのもよく考えれば不思議な表現で、だったら今まで穏やかだった心が欠けてしまったので怒るって方が意味が通じるかも、なんて思います。私のこじつけですが・・・。
2007年9月 「まっぽし」 副詞 台風のシーズンです。特に今年は発生した台風が日本へ接近する確率が例年の4割から7割とダントツ多いそうです。鹿児島でも梅雨明け前から台風に見舞われています。この台風シーズンになると必ず聞くコトバなんです。意味は「中心に」とか「まっすぐ」ってことで、何号目かの台風が発生したという天気図を見ながら皆「まっぽしだね」などと言います。台風の進路図を見て「直撃だ」ってことです。鹿児島は特に多いです。台風はまだまだ発生しているのでみなさん用心しましょうね。
2007年10月 「ひっちゃれる」
「ひっちゃぶる」
動詞 「ひっ」は強調の接頭語だとは知っていましたが、長いこと私はこの言葉を間違って認識していました。「破れる」とか「破ける」だと思っていたのです。紙とか服などが破れるってことです。ところが最近その間違いに気づきました。「ひっちゃれる」は「転ぶ」と言う意味だったのです。接頭語を加えて「すっ転ぶ」って感じでしょうか。「急に落っこちる」なんて意味もあるようですが物を破くと言う意味合いはありませんでした。「破ける」は別の言葉があって「ひっちゃぶる」でした。ねっ、似てるでしょ!?


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