前略 今年のお正月は奄美大島の雪を見たことのない子供達を連れて、長野にスキーに行ってきました。 小3の宗くん、小6の聡くん、高1の創くん、そして彼らの母さんです。東京のスキーが出来る私の友人を3人、助っ人に呼んで応援を頼みました。羽田に薄着の4人を迎えに行き、実家に連れて帰りました。あちこちから借り集めたウェアや小物を広げて一人づつファッションショーをしました。重ね着という概念も、タイツの上にスキーズボンを履くことも、セーターを着てからズボンのサスペンダーをするということもまったくわからず、廊下で息が白く見えるとびっくりしていました。 翌朝、電車で上野に向かいました。電車の切符を買うところから大騒ぎで、初の自動改札を体験しました。彼らにとっては何もかもイベントでした。新幹線ではお決まりのトランプです。 知り合いに迎えに来てもらった長野駅には残念ながら雪は見あたりませんでしたが噴水の水が凍っていると大騒ぎです。奄美にはない、大好きなマックでお昼を買ってスキー場に向かいました。雪が道路の脇に見えるようになりました。宗は雪を見て白いペンキだと言いました。次に校庭に線を引く石灰の粉だと言いました。それでも違うと言うと発砲スチロールだと主張しました。雪が降るのを初めて見ました。もっと塊で降ってくると思っていたようです。 スキー場に着きました。当然、駐車場も一面の雪です。子供達はフライドポテトを手にしたまま走り回り始めました。雪を持って帰るんだとビンに詰めました。何とか貸しスキーを合わせ、歩く練習をした後、初めてのリフトに乗って1本だけ滑りました。怖がらない宗と聡はあっという間に上達しました。問題は母さんでした。 母さんは転ぶ度に、転んだままなぜか大笑いをしていました。見かねた聡は母さんの指導をしていました。 夜、宗は、夜が来なくてお腹も空かなければずっとスキーをしていたいと訴え、大人達をゾッとさせました。とりあえずナイター設備があると言うことだけは内緒にしました。山荘でのご飯ははっきり言ってどうでもよく、雪にジュースをかけて食べ、 つららを折ってかじり、夜雪の降りしきる中、兄弟3人で何時間も雪合戦をしていました。 一夜明けると車が埋もれるほどの雪が積もっていました。宗くんは自ら進んでひとりで雪かきをしました。筋肉痛で嫌がる母さんをなだめつつスキー場に行きました。結局、3日目の帰る時間ぎりぎりまでスキーをしました。みんな滑れるようになりました。3日目は吹雪だったのに誰も嫌だとは言いませんでした。横殴りの雪にリフトでじっと耐え、1本でも多く滑ろうとしていました。 私の友人達は、自分たちのスキーが全く出来なかったにもかかわらず、大変楽しかったと言っています。子供達は自分達の荷物はきちんと自分たちで片づけ、持ち、重いから大変だろうと私の荷物まで持ってくれました。子供ではなく、れっきとした優しい、ひとりの人でした。 東京に戻り、新宿へ買い物に行きました。南口に降りたとき、宗に「道に草が生えていない。道の端に木が無いのはどうしてなの?」と聞かれギクリとしました。創くんと母さんは路線図を片手に単独行動にチャレンジしました。宗はお礼にと私にピアスを買ってくれ、聡は私の買い物につき合いたいと申し出、誕生日である私の父に手書きのカードを描いてくれました。 何か忘れていた物を思い出したような、そんなお正月でした。 彼らは今、暖かい奄美で、お世話になった私の友人達に遊びに来てもらうのだと無料宿泊券を作成中です。 草々 |
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