ようこそ。ここは、石原剛志(静岡大学)の研究・教育・社会的活動・日常に関するサイトです。日記などはブログへ。
from2000/12/10
【2007年3月、信州上田で。長男2歳1ヶ月半の頃。彼は、歩きなれた保育園での散歩コースをどんどんと先に歩いていった。】
あまり世間では知られていないことですが、日本の保育制度を根本的に変えようとする動きが進んでいます。しかも、子どもにとっても親にとっても保育者にとっても悪い方向に。
もう少し詳しく書きます。現在、社会保障審議会少子化対策特別部会が、現在の保育制度にかえて「新しい保育の仕組み」にすることを検討しています。今年の2月に、すでに第1次報告をしています。市町村の保育実施責任を無くし、応能負担から応益負担の仕組みにかえようというもの。この部会を主導?誘導?してきた官僚らは、介護保険によって介護ビジネスを育てたように、今度は「新しい保育の仕組み」によって保育ビジネスを育てたいようです。あるいは、保育をビジネスにできるように規制緩和をすすめる勢力の圧力に屈しているようです。
その中身は、後に紹介するサイトなどをご覧頂きたいと思いますが、私の推測では、この「新しい保育の仕組み」が実現されてしまうと、次のようになると見ています。
こうして、保育所は、保護者が働いている間に、ただ子どもを預かるだけの場所に変質しかねません。
保育所は、世間の誤解とは違って、ただ子どもを預かるだけの場所ではありません。生活のなかで子どもたちを豊かに育てていこうと努力している場所です。だから、私は、社会保障審議会少子化対策部会が示す「新しい保育の仕組み」に反対しているのです。
「新しい保育の仕組み」によって「保育所が選べるようになる」などと喧伝されていますが、なぜ、そんな甘い見通しができるのでしょうか。少し考えればわかることですが、「選べる」ほど保育所の数が複数ある状態というのは、定員を割っている保育所が、その地域に複数あるという状態です。そういう状態を常につくっておくというのでしょうか?そんな状態になれば、保育所を経営している法人は、定員を減らすことを考えるでしょう。撤退も考えるでしょう。あるいは定員を割っていても赤字にならないよう職員を正規から派遣にするなどを考えるでしょう。
最悪のケースとして予想されるのは、市町村から公立保育所が無くなり、営利を目的にしないでよい保育をしようとする保育所では経営が苦しくなり、営利企業立の保育所の比率が高くなることです。結局、今まで以上に選択の幅が減っていき営利企業立保育所しか選べないなんて事態にもなりかねません。
もっと残念なことに、この問題について、ほとんど報道がされていないか、報道されても「保育所が選べるようになる」などの厚生労働省のいうがままに報道されることが多いことです。自分で、この問題を読み解き、取材し、問題を指摘するジャーナリストがあまりに少ない。
この問題については、あらためてこのサイトや別のサイトでも、アップしていきたいと考えています。(2009年10月5日。10月8日大幅に加筆修正)
【氏名/ふりがな】 石原剛志/いしはらつよし
【生年/性別】 1969年/男性
【生業(なりわい)】 国立大学法人静岡大学、准教授(2007年4月〜現在)。教育学部の保育士養成課程において児童福祉を中心とする福祉関連科目を担当。
【主な研究テーマ】
【家族】 別姓婚をしたつれあいと4歳と1歳の二人の息子との4人暮らし
【市民活動】 保育園に子どもを預け、共に子どもを育てている親として保育運動をしています。
【2007年7月、中部国際空港で、わが子とを一緒に飛行機をみているところ】