電脳家族、関係ない話 99/02/04
(某・大手掲示板にて)
ぼくなんか、ネット離婚されて、そのわずかの後にネット略奪再婚になったわ
けだから、うちの家族はある意味で完全に電脳時代のもうし子の、ネット家族なわ
けです。
まだほとんど会話もしていなかったにせよ、彼女と最初に会ったのも自分が幹事
の一人として企画したオフでだったし、だから朝起きても、食事のときにも、ベッ
ドの中でも「あぜさーん」、「茜さーん」とハンドル名で呼び合っています。
階段降りていくと住んでるぼくの実家の人たちも、彼女を呼ぶときは「茜さん」
だし。何かその方が自然なのって、不自然なのだろうか? あ、パパもママも、妹
も、さすがにぼくのことを「あぜさん」とは呼びませんよ。本名とかで呼んでます。
2歳と3歳の子供たちにとって「たあたん」(かあさん)とか、 「とうたん」
(とうさん)とかいうのは、家族内の役割につけられた役職名ではなくって、ほと
んど固有名なんですね。だから、いくら義理の親子になったからといって、原理的
に新しい「あぜさん」がありえないように、新しい「とうたん」はありえないわけ
です。
彼女が自然にぼくのことを「あぜさん」と呼んでいる以上、子供たちにとってぼ
くは「あでたん」以外の存在ではありえません。
すなわち、「あでたん、 お仕事ぉ?」、「あでたん、だっこぉ」、「あでたん、
ビーチボーイズぅ!! (のCDをかけて!)」と。
まさか、義理の娘たちにハンドル名で呼ばれるような日がくるとはとは思わなか
ったな。まあ、「はみだしっ子」で、4人の養子たちが義父を「ジャック」と呼び
捨てにしているのを思い出して、結構嫌いじゃないんですけどね。
あ、彼女の実家のお母さんとかも、ぼくのことは「あぜさん」と呼んでました。
でも、それがハンドル名っていう意識、あるのかな?
このあいだ上の子のてまぴょんが、「てーちゃんねえ、大きくなったら、たあた
んになるの」って発言したのが、何か意地らしくもか微笑ましかったです。少し名
称の構造がわかってきたのかなとか思って、「じゃあ、あーちゃんは、あでたんに
なるのかなあ?」と混ぜっ返したら、「うん、そうだねえ」ってにっこりしたので
した。あーあ、大丈夫かなあ?
賢い子だし、ぼくのからかいに対して平然とそのくらいはふざけ返してくる子だ
から、ちょっとぼくと遊んでくれていた可能性もあるのだけれど、このときは違っ
ていたような気がします。だって、いつものようないたずらっぽい、にたにたした
含み笑いの目だったのではなく、かけ出しの天使が不意にチョコレートケーキを口
に含んだときのような、とろけそうな、本当に幸福そうな「にっこり」だったので
す。見ているこっちがつり込まれてしまいそうな「にっこり」だったのです。
でも、やっぱり、意味は全然わからないや。
あ、先日教え子の浪人の男の子がわざわざ、てまぴょんと、あーぴょんにあげて
くださいと、かなり可愛い、20センチくらいの仔犬のぬいぐるみを2匹、持って
きてくれました。黒と、茶。香港製のかなりいいもの。
その日、仕事の帰りに、装道の帰りの茜さんと待ち合せて、神保町でデートしま
した。東京堂書店で書店デート。教育関係や、女性学・フェミニズム関係や、アー
ルデコやアールヌーボーの家具や照明や、都内のアンティーク家具屋や、着物関係
や、いろいろな画集、デッサンのこつや、料理関係などの本をくたくたになるまで
見て歩き、すずらん通りの文房堂でキャンドルや陶器などの雑貨を見、石膏像を見、
中古楽器屋を見ました。それから「出雲蕎麦本舗」でわりこ蕎麦を食べ、冷酒をの
み、それから山の上ホテルの「モンカーブ」に移動し、フルーティーなブルゴーニ
ュの赤ワインを飲み、鴨のスモークと牛タンと生ハムなどを食べました。
途中、生徒がくれた子供のぬいぐるみを見せると、茜さんは、「まあ、可愛い!!
あたしがもらう!!」、と奪ってしまいました。
でも、文房堂も雑貨コーナーで、オレンジ掛かったピンクの紬姿で、アンティー
クの紫の銘仙の羽織の隙間から2匹のぬいぐるみわんちゃんをのぞかせて、きゃー
きゃーと興奮して、キャンドルとかを見ている彼女は、子供っぽくって、どこか馬
鹿っぽくって、でも結構可愛かったです。
@Love & Peach あぜぴょんぱぱ