◆ 2007年8月 ◆



★2007.8.12.Sun.★

 娘たちの夏休みも、ようやく後半に入った。
 りんこの会社も夏休みになったので、一日くらいお休みちょうだいよ〜と頼んで、今日は育児休暇を貰うことにした。
 あぁ、うれしい!何をしよう?!…と考えて、初めはりんこに二人をどこかに連れ出してもらおうと思ったのだけど、炎天下に外出しっぱなしは辛い…というので、じゃあ、私が一日外出してくるから!と宣言。
 8月の始めの梅雨明け以来、毎日毎日猛暑が続いている。
 昨日の予報だと今日も35度くらいまで気温があがるようで、ニュースでは熱中症で倒れる人が相次いでいると伝えていた。
 そんななか、私が思いついたのは、自転車で羽田まで行ってくること!
 熱中症のニュースを聞きながら唐突にそんなことを言い出す私に、りんこは「ほんとにいくの?大丈夫?!」と言ってきたが、我ながら良い思いつき! 朝早く起きてやることをやって、お昼ご飯の指示を出し、夕ご飯の準備をささっと済ませて、7時半過ぎに家を出発したのであった。
 とにかくまずは多摩川に出ようと思って、大きな道路をひたすら走る。自宅のある丘を降りてしまえば、自転車の電動のスイッチを入れる必要など無い平坦な道。丸子橋の手前で多摩川のサイクリングロードに入り、そこには「海まで12q」という表示があった。
 ゴルフ場や野球場を見ながらひたすら多摩川を南下。第二京浜を渡って大田区に入り、休むこともなく自転車を走らせる。
 六郷を過ぎたあたりで風が海風に変わった。そしてカモメの声。目の前に離陸したばかりの飛行機が飛んでいくのが見えた。
 家を出てからちょうど2時間。もともと山よりも海が好きなので、たったの2時間自転車をこげば、海に出られるんだ!と思うと妙に嬉しかった。  川岸に座って、本でも読もうと持ってきたけれど、そんなことをするのがもったいないくらい気持ちの良い風景。
 せっかくだから…と穴守稲荷の駅前で自転車を預かってもらって京急で空港まで行った。
 何をするわけでもなく、ただただ屋上デッキに座り込んで、次々に離陸していく飛行機に向かって「おちるなよ〜、無事に帰ってくるんだよ」とひたすら念力を送っていたのである(^^; そういえば、今日は偶然にもあの墜落事故の日だったなぁ…とあとから思い出した。
 帰り道、丸子橋までは大田区側を走ろうと決めて、多摩川を遡る。
 途中、「うのきほいくえん」と書かれた場所を見つけて、あぁ、ここが「鵜の木」なんだ…と思った。「川べりの道」で吾郎が歩いていた土手は、きっとこの辺りなんだ。
 鷺沢さんもあの小説を書くとき、この辺りを歩いて、この景色を見たのだろうかと思ったら、鷺沢さんはもうどこにもいないんだ…ということが急に胸に迫ってきて、辛かった。
 多摩川は、中学生の頃から何かあると必ず来ていた場所で、その時々で影響を受けた人たちに従って、日野橋付近だったり、学校帰りの二子橋付近だったり、羽田近くの河口付近だったりした。
 今の私は、思春期だったあの頃に比べたら、よっぽど心穏やかに充実して、愛情に満たされた毎日を過ごしているけれど、それでもやっぱりどこか病んでいて、今日こうやって一人で多摩川に来ることが必要だったなぁ、来ることができて良かったなぁ…と思う。
 私が欲しくて欲しくて仕方がなかったものは、残念ながら完全に出来高払いの年俸制で、自分が充分に満たされるくらい貰うには、自分の能力が全く足りなかったのだな、と思う。それはもう仕方のないことで、自分ではどうすることもできないし、今の私にできることは、「自分は、出来高払いの年俸制になど絶対にしないぞ!」と心に誓うことくらいなのだ。
 そうやって、いつも私を打ちのめしてくる毒を、これからもやり過ごしていくしかないんだな、と思う。

   往復で30qは走ったかな。足はパンパンになって、両腕は真っ黒に日焼けしてひりひりと痛むけれど、素晴らしい一日だった。1ヶ月に1度くらいは行きたい。もっと涼しくなったら、家族みんなで行きたい。

     
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