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■ 激走!!まぼろしトラック ■ 8: 兄と妹 「ばあさん、、無理させちまったかな。」 「朔児、、もうよかろう。」
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白い鍵盤の上を、ぴったりと手に張り付いた黒いゴム手袋の指先が踊る。アタシは三平という男の才能の莫大さに圧倒され始めていた。 三平が弾いている曲がどういったものなのか無学なアタシには判りようがないのだが、それが本物だという事だけは、背筋を突き抜ける感情で判った。 さんざんいたぶられた相手に「感動」などという上等な感情は抱きたくなかったが、これ以上、三平のピアノをまともに聞いていると涙が出そうだった。 アタシは椅子から立ち上がって、開け放たれた窓辺に向かった。そうだ、アタシが三平の誘いに乗ったのは、鶴継君の姿と三平を同時に視認する為だったのだ。それがかなうなら、三平と鶴継君は同一人物ではないと断定できる。 窓の外には蛸蜘蛛桜が燐光を放って、天空に掛かる満月とその妖美を競っていた。 目が闇に慣れてきた頃、中庭を挟んで真向かえにある鶴継君の部屋の窓が見えた。分厚いカーテンのせいで、先ほどまでは視認できなかった人影が揺らめいて見える。 その動きは馴染みのあるものだった。セーター状の上着を脱いでブラを外している? その影は何度か部屋の中を行き来して、部屋の灯りを落としてしまった。続いてぼんやりと白いモノが先ほどまで窓があった位置で動いた。それが開け放たれた窓から揺れて見えるカーテンだと気付くまでに数秒かかった。 その向こうに鶴継君がいるはずだったが、ここからではいくら目の良いアタシでも彼の顔は見えない。せめて蛸蜘蛛桜の樹皮や葉が放つ燐光の光が弱くなれば、、。 「綺麗な月だろう。その光に比べれば蛸蜘蛛桜の放つ光など只のまがい物だ。私はその内、本物の光を纏うよ。」 いつのまにか三平がアタシの背後に立っていた。蛸蜘蛛桜の呼気が人の知覚に混乱をもたらすのだ。 「アタシの身体に触らないで!!」
「出てこい朔児!!」
一年後、女学校を卒業した綾菜が神室家に使用人としてあがった。綾菜に対する神室家からの無理強いは、ある日を境にしてぴたりと止まったていたから、それは綾菜自身の意志であった。
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八知助が朔児の腕をねじり上げて、その身体を自分の下に組み敷く。黒光りする廊下に朔児の細面の顔が歪むまで押しつける。朔児の色白の肌に、汗で前髪の一筋が張り付いている。 この場面、通常の人の目には八知助という頑強な男が朔児という優男を取り押さえているようにしか見えないだろう。 だが彼らの思念は肉体以上の戦いを繰り広げていたのだ。 朔児は自分を戒めている八知助の身体の筋肉の結合を総て解こうと思念を送り、八知助はその思念を防御しながら、朔児の呼吸を思念によって絶とうとしていた。 「ほう、こうして見るとお主そそるな。なにやら催してきたぞ。母上の仰ったことも満更嘘ではないかもな、」 悪態をつこうとする朔児だが気道を狭められている彼にはかすかな声しか出ない。 「あっああ、、ひゅう、、」 何を思ったか八知助は、大きく開かれた朔児の口に自分の口を重ねた。 朔児は異常に大きく反応し、その身体をこわばらせたが、八知助の決めた技からは逃れ出る事が出来ない。八知助の筋肉の固さを思わせる舌が、朔児の口の中を犯してまわる。 「はっああ、ひぃ」 糸を引く銀色の唾液でお互いの口をつないだまま八知助が一端、朔児からその顔を離す。 「木佐貫の跡取りは男女だという噂を聴いた事があるが、どうやら本当のようだな、、。どれ、この私が事の真偽を確かめてくれようぞ。遊びの法力合戦はもうおしまいじゃ。」 朔児を捕らえている八知助の思念が一気に膨れ上がる。その大きさは圧倒的だった。その時、朔児は己の未熟さと思い上がりを知った。 八知助の力は人の持つものではない。蛸蜘蛛桜の力を借りているのだ。そしてこの俺は蛸蜘蛛桜の膝元で神室に戦いを挑んでしまったのだ。 次の瞬間、爆発するような痛みとともに、朔児のあらゆる関節が無効化された。 「な、なにをする」 逆に声は出るようになった。勿論それは八知助が、これからの状況をより楽しむ為にそうしたのに過ぎない。 「だから先ほど言った。お前が男女だという噂を確かめてやるとな。木佐貫家に男の依童が出たと聴いて、そこからそのような噂がでたのだと思っていたが、、違うようだな。お前の身体は半分、おなごじゃ、しかも上物のな。」 「くっ、、殺せ、、ころしてくれ。」 朔児が狼狽えたように言った。 「そうしてやる、我が神室に真っ向から楯突いたのだからな。だが時間はたっぷりあるぞ。」 八知助は朔児のシャツをむしり取りながら言った。艶やかで雪のように白い肌が露出する。胸の筋肉の先端が少しだけまろみを帯びている。乳首は男のものよりも一回り大きい。 「身体は正直だな、、これから起こる事に喜んで乳首が立っておる。」 「ばっ馬鹿なっ、、。」 朔児が瞼をきつく閉じる。身体の自由を完全に失ってしまった朔児にはそれしか抵抗のしるしがなかった。 八知助が朔児のベルトをもどかしげに緩めズボンの中に手を突っ込む。八知助に微妙な表情が浮かんだ。 「小さいが確かに男の印はあるようだが、、さて、、?」 「くぅ、、殺せぇ、、、」 朔児が絞り出すような声をだす。綾菜にだけしか許した事のない部分が今、男の手になぶられている。 「おお、、半陰陽か、、聴いたことはあるがこれほど身近にいようとはな。」 暫く朔児の女の部分をもてあそんでいた八知助は何を思ったのか朔児のズボンを下着ごと完全に脱がしてしまう。 「もうそろそろ女の身体には飽きておったころよ。どれ」 八知助はオンナの恥丘から小さいけれどそそり立った瑞々しいピンクのペニスを眺めおろした。 「舐めてもらいたいか?」 「馬鹿なっ!」 「お前が妹に固執するわけがわかった、、これだな。お前の身体では恥ずかしくて普通の女とはつき合えまい。」 「違う、、綾菜とは、、そんな気持ちで」 「お前の戯れ言など聞く耳もたぬ。ならば私がお前にとっての始めての男になってやるぞ。」 八知助が朔児のペニスにむしゃぶりつく。八知助の腰は朔児の顔の前にある。 ブパッ、一端、朔児のペニスを吐き出した八知助は己の怒張したペニスに手をあてがい朔児の頬に擦りつけた。 「どうした。口は動くようにしてあるぞ」 「ならば舌をかんで死ぬ。」 「誇りある男ならばとっくの昔にそうしておるわ。お前、私と組み合っている内に自分の身体が反応していたことを気付いておったろう。」 図星だった。単純な組打ちならそうはならなっただろう。 だが朔児には霊能者同士の思念を通じた肉体的な攻撃が、このような性的な興奮を呼び覚ます事をその時に知ったのだ。 「いや死んでみせる!」 朔児の必死の決意は肉声ではなく思念の声として八知助の意識に届いた。 「お前が欲しくなった。お前が私のものになったら綾菜はあきらめる、どうだ!」 数秒後、朔児の赤い舌が八知助のペニスを求めてぬらぬらと動いた。 朔児の妹への想いが勝ったのか、それともこのまま男に抱かれたいという肉欲がそうさせたのか、、それは誰にも判らないことだった。
蛸蜘蛛桜が点滅させる燐光と、先ほど三平が引いていたピアノ曲の旋律が頭の中で同調して、ますます私を混乱させる。
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2004/08/14
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■ 激走!!まぼろしトラック ■ 命あるモノは必ず滅びる。しかし人はその無常を受け入れようとはしない。そこに総ての妄執が生まれる。愛憎もしかり、、だが、それはそれでよいではないか、、何故、そこから解脱する必要がある。 村の外れに止めておいたトラックの座席の下に斬馬は顔をつっこんでいる。そして座席の裏側にガムテープで止めて隠しておいた「縁絶ちの小太刀」を取り出す。 腰裏に差した「縁断ちの小太刀」は、斬馬が霊能者として世の中に認知され始めた頃に手に入れたものだ。 その小太刀は矢井田家の奥座敷の柱に突き刺さっていた。何も根本まで深々とその刀身を埋めていたわけではない。切っ先が数センチ、木目に沿ってめり込んでいただけだ。だがこの小太刀をだれも柱から抜き取る事が出来ないでいた。 神室館は洋館と純日本家屋の様式が奇妙に混じり合った建築物だった。回廊式になっているから見ようによっては黒い洋城のように見えなくもない。物見の塔は、神室屋敷の中心からかすかに突き出て見える巨木、、つまり蛸蜘蛛桜の頂点だ。 人一人が座っているには広すぎる和室は、それだけで人に緊張を強いる。ましてや部屋の中は完全な無音状態だった。そしてこれから出会おうとする人物は自分と敵対する人間である。 それは畳の表面を下から突き破るようにして現れた。最初は血に濡れまみれた指先が畳の表面を押し分け、やがて両手首を通すだけの穴を確保し、今度は自らの身体を引っ張り上げるように、関節の動きを無視した角度でその手のひらを畳につけた。 |
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ウランの仰向けになっても形の崩れないシリコン入りの乳房に舌をはわせていた照葉が突然顔を上げた。そして制服の上からでもその膨らみが判る胸元に手をやる。胸骨の間の神経に激痛が走ったのだ。 だが不思議な事に、苦痛を感じている筈の照葉の表にそれほどの変化は見られない。生まれつき苦痛に強い体質なのだろうか、、どちらにしても照葉は自分の身体に起こった変調に大事をとるつもりになったらしい。 手術台のようなベッドの上に横たわるウランの裸体を名残惜しげに一瞥したあと、彼女は足早にその地下室を出ていった。 鶴継君のマスクを股間にあてる。それは三平が自分の顔からはぎ取り私に投げてよこしたものだ。相手があたしを侮辱するために投げ捨てた物で自分を慰めるなんて、なんて卑しい奴、、。 それでもかまわないんだ。鶴継君、大好き。あたしはマスクの中に左手を入れてそれをそーっと身体の表面を滑らせて、おっぱいまで移動させる。 人差し指と親指でマスクの内側から鶴継君の唇を開けて、あたしの乳首を含ませる。もちろんあたしの右手はおちんちんを握りしめている。・・だよね。最初からフェラなんてしてくれないよね。鶴継君は、、でもそのうちアナルだってなめっこするようになろうね。今はおっぱいなめてくれるだけでいいよ〜。なんでなんで鶴継君、どっかへ行っちゃうの?あたし悪いこと言った?いや行かないで。 あたしは、その悲しい気持ちから逃れるように目が覚めた。 背中が冷たかった。それに体中がだるい、、。なんでこんなところにいるの。夕べ蛸蜘蛛桜の根っこに蹴躓いて、その後、上から変な物がいっぱい落ちてきてあたしは気を失って、、今ここにいる。 ・・又、三平に捕まったんだ。 しかし見れば見るほどこの部屋は不思議だった。あたしにはその用途が想像もつかない様々な実験器具や計測機械が山ほどあるんだけれど、その製造年月日には恐ろしいほどのばらつきがあって、それがこの部屋の奇異さを生み出しているのだった。
それを見てあたしは凍り付いた。そしてお棺の影で激しく嘔吐した。お葬式で何度か死体を見た事があるし、お店がある界隈で「綺麗じゃない死体」も見たことがる。 その三体はあたしが閉じこめられた部屋の一番奥で、透明な覆い付きの棺の中でエジプトのミイラみたいに腕を組んで横たわっていた。 「三平さん。あれはまだなの?わたし苦しくて苦しくて。三平さん。いるの、そこにるならお返事ちょうだい。」 物置部屋のドアは簡単に開いた。ただ問題はこの物置には明かりがなくて縦長の構造を持つ部屋の奥になると中に何が入っているか見当が付かないことだった。
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2005/05/21
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