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■ リベンジャーズ ■
産業廃棄物置き場に捨てられた人体模型を思わせる赤剥けの裸体。その剥き出しの神経や筋肉組織に雨粒が落ち始める。分厚い雨合羽を着込んだ数人の男達が、瓦礫の山の端に辛うじて飛び出して見える「壊れた腕」を目標に、得体の知れない廃棄物が堆積してできた山を登っていく。
「資料がなくてもある程度なら、君の以前の姿を復元できる。だが最後は君次第だ。君の思っている『君』でなければ意味がないからな。」
「このままでいいわ。」
元の私に戻るつもりはなかった。たとえ戻ったとしても私の記憶は所々欠落している。特にその欠落は家族関係の親密なものに偏っていた。私が元の鞘に収まるのは不可能だと思えた。それに私には、私の部分的な記憶喪失の原因がおおよそ判っていた。誰が考えたって判る事だ。人は手酷い痛みをカバーするために記憶を自ら失うという。私にはもう戻るべき家はないのだ。
「そいつの基本は、重度火傷用のメディカルスーツだったんだ。うちの開発部が何かの応用にならないかといじりはじめていた矢先だった。サンプルでね。一体しかなかったんだ。それも男性を想定したものだ。そのタイミングでレスキュー部があんたを助け出した。」
外皮まるまま一枚をごっそり剥ぎ取られた身体に唯一残された皮膚があった。男達の視線は、剥き出しになった諸々のグロテスクな組織よりも、その残された「瞼」に引き寄せられていた。柔らかそうな瞼、そして長くカールした睫毛。誰の目にもその美しさは際だって映っていた。 そしてそれが突如見開かれた。続く絶叫は血飛沫を思わせた。屈強な男達でさえ、その顔を青ざめさせた程だ。
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