あるあるの納豆ダイエットについて、テレビ局が捏造を認めました
1/7の「あるある大事典」において、納豆がダイエット効果を持っていると宣伝され、各スーパーで納豆が品切れになるなどの大反響を呼びました。これについては当ページでは放送直後より、内容の信憑性が極めて低いと警告を発していましたが、このたび(1/20)、あるある大事典を製作している関西テレビが「番組に捏造があった」と認めて謝罪するという事態になった模様です。
関西テレビが発表した謝罪文によると、捏造は以下の通り(文章は私が要約したもの)。
1.アメリカでの研究結果の紹介の際に使用した比較写真が、実際の被験者とは無関係な写真だった。
2.テンプル大学アーサー・ショーツ教授の発言(DHEAはイソフラボンで増やせる)について、実際には言っていないことを日本語訳コメントとして放送していた。
3.中性脂肪値が改善したと放送していたが、実際には測定をしていなかった。
4.納豆の食べ方による血中イソフラボン濃度の比較実験について、実際には測定していないデータを捏造した。
5.被験者についてDHEA量が低下しているとしていたが、実際には検査は行っておらず、また年齢共にDHEAが減少するとしたグラフは無許可の引用だった。
以上の5点です。
正直なところ、お粗末としか言いようがない内容です。これだけの捏造があったとなると、あの回の内容は全く嘘だったということになります。ちなみに「実際に研究論文はある」と言っているようですが、「研究論文がある=真実」ではないことは、私のページや本を読んでいただいた方なら、ご理解いただけると思います。
なお上記のいずれの点も、以前よりこの番組について疑惑を持たれていた点で、私もその可能性については言及していたのですが、やはり真実であった(と言うよりも、正直なところ私が想像していたレベルよりもさらにひどかった)ということが明らかになりました。
なお今回の件は週刊朝日の取材によって発覚したとのことです。ちなみに週刊朝日がこの件について調査をしているのは、私は知っておりました(実は先日、週刊朝日の方から私にこの件についての電話取材がありました)。多分、週刊朝日が捏造の動かぬ証拠(例えば内部告発など)をつかみ、テレビ局側も認めざるを得なくなったのではないかと推測します。
なお関西テレビが認めた捏造は納豆の回についてのみですが、今までのこの番組の内容から推測すると、捏造が今回だけとは考えにくいというのが私の正直な感想です。この番組では、捏造が常習化していたのではないかとの懸念も抱いております。
ただ、以前にもやはり週刊誌が実験の捏造を指摘した時には、全く黙殺していたに等しい対応をしていたことを考えると、今回テレビ局が謝罪に及んだということは、何らかの自浄作用が働いたと信じたいところであります。
今後、この番組がどうなるかは分かりませんが、私個人としては「今までの製作姿勢を一新して、視聴者に正しい情報を与える優良番組として再生する」というのがもっとも望ましいことだと思っております。まかり間違っても「何事もなかったかのように今までと同じ番組作りを継続する」とか「時間枠と番組名だけ変更して、ほとんど同じ内容の番組を続ける」ということだけはあって欲しくないものであると考えるところです。
なお今回の納豆騒動については、私程度の者が少し考えただけでおかしいと感じるような矛盾だらけの内容にも関わらず、多くの視聴者が踊らされてしまったという事実には愕然とする思いを抱かされました。またあるあるの内容が捏造にまでエスカレートしてしまった背景には、視聴者の側がそのような内容を望んだという側面があることを否定できないと思います(本当に生活習慣を何も変えないで、食べるだけで健康に痩せられる食材があるなら、私が一番欲しいです)。我々視聴者のテレビ番組に対する姿勢についても反省させられる点は多々あるのではないかと感じます。テレビで流される情報を鵜呑みにするのではなく、我々一人一人が、自分自身の頭で考えるというメディアリテラシーの能力が、今後もより一層求められていくと思います。
一部訂正(1/21)
私は「テンプル大学アーサー・ショーツ教授(番組の元になった論文を発表した教授)」と書いておりましたが、間違っていたようです。1/21に放送された謝罪によると、番組の元になった「DHEAにダイエット効果が認められる」という「見解」はワシントン大学のデニス・T・ヴィジャレアル教授、「イソフラボンの摂取によってDHEAが増加する」という「論文」はカナダ・ゲルク大学のバーバラ・L・リリンガム氏のものとのことです。テンプル大学アーサー・ショーツ教授については「DHEAに痩せる効果がある」という発言をしたものを「イソフラボンでDHEAが増やせる」という発言にすり替えたようです。